JIS C 5934:1999 規格概要
この規格 C5934は、光伝送に使用する,光パワーの伝達を目的としたマイクロレンズについて規定。
JISC5934 規格全文情報
- 規格番号
- JIS C5934
- 規格名称
- 光伝送用レンズ通則
- 規格名称英語訳
- General rules of lenses for fiber optic transmission
- 制定年月日
- 1999年7月20日
- 最新改正日
- 2018年10月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 33.180.99
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 電子 II-1 2020, 電子 II-2 2020, 電子 III-1 2020, 電子 III-2 2020
- 改訂:履歴
- 1999-07-20 制定日, 2004-03-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
- ページ
- JIS C 5934:1999 PDF [9]
1
C 5934 : 1999
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意することを喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査
会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS C 5934 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
C 5934 : 1999
光伝送用レンズ通則
General rules of lenses for fiber optic transmission
序文 この規格の一部は,1996年に発行されたISO 10110, Part114 Optics and optical instruments−
Preparation of drawings for optical elements and systemsを参考として作成したが,その詳細については解説に
記述する。
1. 適用範囲 この規格は,主に光伝送に使用する,光パワーの伝達を目的としたマイクロレンズについ
て規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS C 5860 空間ビーム光用受動部品通則
JIS C 5900 光伝送用受動部品通則
JIS Z 8120 光学用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 5860,JIS C 5900及びJIS Z 8120の規定によるほ
か,次による。
a) マイクロレンズ 従来のレンズ(マクロレンズと呼ぶ。)に比べて,特に形が小さいことを強調する場
合に用いる用語。通常は,直径が0.01数mm程度の微小なレンズを指す。
b) マイクロレンズ公差パラメータ マイクロレンズの物理的情報を,公差の観点から記述するのに必要
なパラメータ。表1にその概要を示す。
表1 マイクロレンズ公差パラメータ
区分 具体的パラメータ
伝送特性 結合効率,位置ずれ許容量,実効集光効率
幾何形状 寸法[直径,曲率半径,肉厚(レンズ長)]
加工要因 形状精度(表面形状精度,内部形状精度),偏心,表面欠陥,表面粗さ,面取り,コー
ティング
材料要因 泡,脈理,複屈折
c) 有効径 レンズの屈折面上で,光学的に有効な円形面の直径。通常,光線の通過可能領域を表すが,
透過波面の収差量が所定の範囲内に収められていることを保証している,レンズの屈折面上の領域を
表す。
d) スポットサイズ 光パワーが中心強度の1/e2となる位置で表した半幅。
e) スポット径 スポットサイズの2倍。
――――― [JIS C 5934 pdf 2] ―――――
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C 5934 : 1999
f) レンズの頂点 屈折面と光軸との切点。屈折面としては,球面,平面,非球面などがある。有効径の
中心と一致し,局所的な座標の原点となる。
g) 焦点距離 無限遠物点又は無限遠像点に対する共役点を,それぞれ像焦点又は物焦点と呼び,光学系
の像主点から像焦点又は物主点から物焦点までの距離。それぞれ像焦点距離(focal length of the image
space, 後側焦点距離ともいう。),物焦点距離(focal length of the object space, 前側焦点距離ともいう。)
ともいう。レンズ最終面の頂点から像焦点までの距離,又はレンズの第一面の頂点から物焦点までの
距離は,それぞれバックフォーカス (back focus, back focal length),フロントフォーカス (front focus,
front focal length) と呼ぶ。収差がある場合の実際の焦点位置は,スポット径が最小となる位置又は最
良像面の位置とする。
h) 実効焦点距離 平行光ビームをレンズに照射し,その有効径を透過した光のパワー分布の中心強度が
最大になる光軸上の位置を実効焦点位置とし,そこからレンズの主点までの距離(practical focal length
という。)。バックフォーカス,フロントフォーカスに対応してそれぞれ実効バックフォーカス(practical
back focus又はpractical back focal length),実効フロントフォーカス(practical front focus又はpractical
front focal length)が定められる。
i) 実効スポットサイズ 実効焦点位置でのスポットサイズ。
j) 実効スポット径 実効焦点位置でのスポット径。
k) 作動距離 対象とする光学素子(ファイバ,光源,受光素子他)に面するレンズの屈折面の頂点から,
当該光学素子の表面までの距離。
l) 実効集光効率 レンズの有効径を透過した光パワーのうち,実効焦点位置に形成される実効スポット
径内に収束される光パワーの割合。次の式によって算出する。
P1
P0
ここに, P1 : 実効スポット径内に収束された光パワー
P0 : 有効径を透過した光パワー
m) 実効NA 有効径が光学系の実効像焦点位置に対して張る角の半分を sin 李 えられる
量。収差がよく補正されたレンズでは,pfを実効焦点距離, 効径とするとき,攀一 2pf) で近似
される。像焦点が屈折率nの媒質中にある場合は,nsin 李 えられる。実効開口数又は実効口径比と
もいう。
n) 結合効率 光源からファイバ,ファイバからファイバ,又はファイバから受光器へ,レンズを経由し
て光パワーを伝達するときの効率。次の式によって算出する。
P1
10 log 10
P0
ここに, 結合効率
P0 : 光源又はファイバから出力する光パワー
P : ファイバ又は受光器へ伝送された光パワー
o) 位置ずれ許容量 結合効率がその最大値からあらかじめ定められた割合だけ減少する,光軸に垂直又
は平行な方向の,光学素子間の相対的ずれ量。
p) 表面形状精度 理想的表面形状からの偏差量。偏差量は,機械的測定量で評価する場合と,反射波面
による干渉しまで評価する場合がある。
――――― [JIS C 5934 pdf 3] ―――――
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C 5934 : 1999
q) 真球度 表面形状精度の一つで,球レンズの場合に用いる,理想球面からの絶対的ずれ量。次の式に
よって算出する。
Dmax Dmin
2
ここに, 真球度
Dmax : 球レンズに外接する球面の最小値。
Dmin : 球レンズに内接する球面の最大値。
r) 内部形状精度 屈折率の理想的内部分布からの偏差量。分布屈折率形レンズで特に重要となり,透過
波面収差や結合効率で評価する。
s) 波面収差 理想波面からの偏差量。レンズ表面形状を評価するのに用いる反射波面収差及びレンズ表
面形状と内部形状との合成されたものを評価するのに用いられる,透過波面収差(ダブルパス)とが
ある。後者は結合効率と深い関連がある。ともに理想波面である,参照波面との干渉しまから求める。
波面収差は,サジッタ誤差,イレギュラリティ,回転対称イレギュラリティ及びrms偏差(RMS値)
で表現する。
1) サジッタ誤差 所定の球面半径からの曲率半径の相違量。視覚的評価方法としては,従来のニュー
トン本数に相当し,直交する2方向のニュートン本数m, m´の平均値で表現される。
m m
(だ円形の干渉しまの場合)
2
m m
(放物線形の干渉しまの場合)
2
波面収差をゼルニケの級数に展開したときには,Z3の係数C3によって,2C3と表す。
2) イレギュラリティ(球面外れ) 所定の理想表面形状又は屈折率の内部分布からの偏差量のP−V
値(山と谷の差)。通常理想表面形状として球面を想定している。非球面又は分布屈折率レンズの場
合は,実際の形状と理想的な形状との差の量に,球面を当てはめ,それからのズレ量に当てはめて
考える。非点収差,コマ収差及び球面収差の合成されたものに対応する。
視覚的評価方法としては,従来のニュートン本数に相当し,直交する2方向のニュートン本数m,m´
の差分で表現する。
m m
(だ円形の干渉しまの場合)
2
m m
(放物線形の干渉しまの場合)
2
波面収差をゼルニケの級数に展開した場合には,
IRR (r, TIE (r, C3Z3
でイレギュラリティを表す関数IRR (r, ‰ V値で表現する。ここに,TIE (r, ‰ 観測さ
た波面収差W (r, ‰ ルニケの級数に展開し,2次の項までの和を差し引いた全面収差関数で,
次の式によって表す。
(r, ‰ を表す。
TIE (r, W (r, P (r,
ここに, P (r, C0Z0+C1Z1+C2Z2
3) 回転対称イレギュラリティ イレギュラリティの中で回転対称な成分。球面収差に対応する。回転
――――― [JIS C 5934 pdf 4] ―――――
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C 5934 : 1999
対称だが球面ではない近似非球面AAS (r, ‰ 湟 嬰 としたとき,これのP-V値で表現
する。
AAS (r, C8Z8+C15Z15+C24Z24+C35z35+······
4) ms偏差(RMSX値) 波面収差の自乗平均値(rms値)。添字xはt,i,aのいずれかを表し,それ
ぞれ次の内容を意味する。
RMSt : 全面収差関数TIE (r, ‰ 全rms偏差
RMSi : イレギュラリティ関数IRR (r, ‰ rmsイレギュラ
リティ
RMSa : 近似非球面AAS (r, ‰ レギュラリティ関数IRR (r, ‰
ら引いた値のrms値,rms非対称性
t) ゼルニケの級数 ゼルニケとニーボアによって導入された,波面収差を展開する多項式で,その各項
は円形開口のときに直交条件を満たす。この通則では,動径rの10次までの項で評価する。最初の数
項を示すと,
波面収差 : W (r, C0Z0+C1Z1+C2Z2+C3Z3+C4Z4+C5Z5+C6Z6
+C7Z7+C8Z8+······
ここに, Z0 (r, 1
Z1 (r, rcos (ティルト)
Z2 (r, rsin
Z3 (r, 2r2−1 (デフォーカス)
Z4 (r, r2cos2 (非点収差)
Z5 (r, r2sin2
Z6 (r, (3r2−2) cos (コマ収差)
Z7 (r, (3r2−2) sin
Z8 (r, 6r4−6r2+1 (球面収差)
u) 均一屈折率形レンズ レンズ媒質の屈折率分布が均一であるレンズ。
v) 分布屈折率形レンズ レンズ媒質の屈折率分布が不均一であるレンズ。半径方向に分布しているラジ
アル形と,光軸方向に分布しているアキシャル形の2種がある。
w) 回折形レンズ 媒質表面若しくは媒質内に,振幅又は位相格子を形成してレンズ効果をもたせたレン
ズ。バイナリレンズ又はグレーティングレンズとも呼ぶ。
4. 形名
4.1 形名の構成 レンズの形名は,次のように表す。
空間ビーム光用受 レンズを表す記号 レンズの形式を 個別規格で
動部品を表す記号 表す記号 表す記号
4.2.1 4.2.2 4.2.3 4.2.4
例 M LS HB
4.2 記号
4.2.1 空間ビーム光用受動部品を表す記号 空間ビーム光用受動部品を表す記号は,英大文字Mとする。
4.2.2 レンズを表す記号 レンズを表す記号は,英大文字LSとする。
4.2.3 レンズの形式を表す記号 レンズの形式を表す記号は,表2による。
――――― [JIS C 5934 pdf 5] ―――――
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JIS C 5934:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.99 : その他の光ファイバ設備
JIS C 5934:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC5860:2012
- 空間ビーム光用受動部品通則
- JISC5900:2019
- 光伝送用受動部品通則
- JISZ8120:2001
- 光学用語