JIS H 8645:1999 無電解ニッケル-りんめっき

JIS H 8645:1999 規格概要

この規格 H8645は、鉄,銅,アルミニウム及びそれらの合金素地上に防食性,耐摩耗性などの目的で施した有効面の無電解ニッケル-りんめっきについて規定。

JISH8645 規格全文情報

規格番号
JIS H8645 
規格名称
無電解ニッケル-りんめっき
規格名称英語訳
Autocatalytic nickel-phosphorus coatings on metals
制定年月日
1989年2月1日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 4527:1987(MOD)
国際規格分類

ICS

25.220.20, 25.220.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属表面処理 2021
改訂:履歴
1989-02-01 制定日, 1994-10-01 確認日, 1999-08-20 改正日, 2004-01-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS H 8645:1999 PDF [23]
H 8645 : 1999

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS H 8645 : 1989は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS H 8645には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) ピーニング条件の設定方法
附属書2(規定) ぜい性減少測定のための静荷重試験方法
附属書3(規定) めっき皮膜の化学成分含有率試験方法
附属書4(規定) 密着性を向上させるための熱処理条件
附属書5(規定) めっき皮膜の多孔性試験方法
附属書6(規定) めっき皮膜の耐食性の測定
附属書7(参考) 硬さを向上させるための熱処理条件
附属書8(参考) めっき前の応力除去のための熱処理条件
附属書9(参考) めっき後の水素ぜい性除去のための熱処理条件

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS H 8645 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 8645 : 1999

無電解ニッケル−りんめっき

Autocatalytic nickel-phosphorus coatings on metals

序文 この規格は,1.適用範囲の備考に示す対応国際規格を元に,対応する部分についてはこれらの対応
国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,対応国際規格には規
定されていない規定項目を日本工業規格(日本産業規格)として追加している。
1. 適用範囲 この規格は,鉄,銅,アルミニウム及びそれらの合金素地上に防食性,耐摩耗性などの目
的で施した有効面の無電解ニッケル−りんめっき(1)(以下,めっきという。)について規定する。
注(1) 次亜りん酸還元による自己触媒型ニッケル−りんめっきで,析出物はニッケルを主として,り
ん215%を含むものをいう。
備考 この規格の対応規格を,次に示す。
ISO 4527 : 1987, Autocatalytic nickel-phosphorus coating−Specification and test methods
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS B 0651 触針式表面粗さ測定器
JIS C 0050 環境試験方法−電気・電子−はんだ付け試験方法
JIS G 1204 鉄及び鋼のけい光X線分析方法通則
JIS H 0400 電気めっき及び関連処理用語
JIS H 0404 電気めっきの記号による表示方法
JIS H 8501 めっきの厚さ試験方法
JIS H 8502 めっきの耐食性試験方法
JIS H 8503 めっきの耐磨耗性試験方法
JIS H 8504 めっきの密着性試験方法
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0119 蛍光X線分析方法通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS Z 2251 ヌープ硬さ試験−試験方法
JIS Z 3282 はんだ−化学成分及び形状
JIS Z 9031 ランダム抜取方法

――――― [JIS H 8645 pdf 2] ―――――

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H 8645 : 1999
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS H 0400によるほか,次による。
被覆されているか又は被覆されるべきで,その被覆が主要な性能及び外
a) 有効面 (significant surface)
観にかかわる部品の表面。
b) 熱処理 (heat treatment) めっきの硬さ調整,耐磨耗性及び密着性を向上させるために行う加熱処理。
4. 等級及び記号
a) 等級 めっきの等級は,表1のとおり,めっきの最小厚さによって7等級に分ける。
b) 記号 めっきの記号は,JIS H 0404による。
表1 等級及びめっきの最小厚さ
単位
等級 素地金属 めっきの 参考
最小厚さ 用途
1級 鉄及び鉄合金 3 はんだ付け
銅及び銅合金
アルミニウム及びアルミニウム合金
2級 鉄及び鉄合金 5 防食,
銅及び銅合金 はんだ付け
アルミニウム及びアルミニウム合金
3級 鉄及び鉄合金 10 防食,
銅及び銅合金 耐磨耗
アルミニウム及びアルミニウム合金
4級 鉄及び鉄合金 15 防食,
銅及び銅合金 耐磨耗
アルミニウム及びアルミニウム合金
5級 鉄及び鉄合金 20 防食,
銅及び銅合金 耐磨耗
アルミニウム及びアルミニウム合金
6級 鉄及び鉄合金 30 防食,
銅及び銅合金 耐磨耗
アルミニウム及びアルミニウム合金
7級 鉄及び鉄合金 50 防食,
銅及び銅合金 耐磨耗
アルミニウム及びアルミニウム合金
5. 品質
5.1 めっきの外観 めっきの外観は,11.2によって試験を行い,平滑で,ピット,膨れ,はく(剥)離,
割れ,素地又は下地めっきの露出,その他使用上有害な欠点があってはならない。
5.2 めっき皮膜の化学成分 めっき皮膜の化学成分は,11.3によって試験を行い,表2に適合しなけれ
ばならない。
5.3 めっきの表面粗さ めっきの表面粗さは,11.4によって試験を行い,その値は,受渡当事者間の協
定による。
5.4 めっきの最小厚さ めっきの最小厚さは,11.5によって試験を行い,表1に適合しなければならな
い。
5.5 めっきの硬さ めっきの硬さは,11.6によって試験を行い,ビッカース硬さ500以上,ヌープ硬さ
450以上とする。

――――― [JIS H 8645 pdf 3] ―――――

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なお,附属書7(参考)にビッカース硬さ6001 000とすることができる熱処理条件を示す。
備考 試料のめっき厚さは50 上とする。
5.6 めっきの密着性 めっきの密着性は,11.7によって試験を行い,めっきのはく離又は膨れがあって
はならない。
5.7 めっきの多孔性 めっきの多孔性は,11.8によって試験を行い,その品質は,受渡当事者間の協定
による。
5.8 素地の腐食防止 素地の腐食防止は,11.9によって試験を行い,その品質は,受渡当事者間の協定
による。
5.9 めっき皮膜の耐食性 めっき皮膜の耐食性は,めっき後処理を行った後,11.9によって試験を行い,
JIS H 8502に規定するレイティングナンバで9以上でなければならない。また,その後処理,試験時間及
び外観変化は,受渡当事者間の協定による。
備考 必要に応じて,JIS H 8502に規定する腐食減量法によって評価してもよい。
5.10 めっきの耐磨耗性 めっきの耐磨耗性は,11.10によって試験を行い,その評価方法は受渡当事者間
の協定による。
備考 試料のめっき厚さは20 上とする。
5.11 めっきのはんだぬれ性 めっきのはんだぬれ性は,11.11によって試験を行い,浸せきした部分は均
一にぬれており,はんだの表面は平たんでこぶがあってはならない。
備考 はんだぬれ性試験の後,11.7の密着性試験のうちの曲げ試験を行い,はんだがうろこ状にとん
だり,はく離があってはならない。
表2 めっき皮膜の化学成分
単位 %
化学成分
Ni P その他成分
8398 215 02
6. 素地 めっき前の素地の状態は,めっきの品質に重大な影響を及ぼす。特に,素地材料が発注者から
供給される場合には,発注者は,加工仕様書などに,素地材料に関する情報を示さなくてはならない。
備考 最終仕上げに有害となる素地表面の欠陥を,目視によって加工業者が検査する。欠陥は,処理
前に発注者に注意する。
7. ショットピーニング処理 疲労強度を向上させる目的でショットピーニング処理が指定されている場
合,その条件は,受渡当事者間の協定による。
なお,ピーニング強度について特に指定がなければ,附属書1の方法によってピーニング強度を設定す
る。
8. 下地めっき めっきの密着性,拡散防止,めっき浴の汚染防止などの目的で下地めっきを行う場合,
そのめっきの種類及び厚さは,受渡当事者間の協定による。
9. めっき前の応力除去 鉄鋼製品,銅合金製品などに対して,めっき前の応力除去が指定されている場
合,その条件は,受渡当事者間の協定による。

――――― [JIS H 8645 pdf 4] ―――――

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なお,対応国際規格に参考として記載されているめっき前の応力除去のための熱処理条件を,附属書8
(参考)に示す。
10. めっき後の水素ぜい(脆)性除去 鉄鋼製品などに対する水素ぜい性除去が指定されている場合,そ
の条件は,受渡当事者間の協定による。
なお,対応国際規格に参考として記載されている水素ぜい性除去のための熱処理条件を附属書9(参考)
に示す。また,附属書2にぜい性の減少を測定する試験方法を示す。
備考 熱処理は,めっき後,少なくとも4時間以内に開始しなければならない。
11. 試験
11.1 試験片の作製 試験片は,通常,製品から作製する。ただし,めっき製品それ自体を試験片として
用いることができない場合には,代替試験片によって試験を行う。
代替試験片の作製は,可能な限りめっき部品の作製と同じ材質の素地を用い,同じめっき条件で行わな
くてはならない。
11.2 外観試験 外観試験は,目視によって行い,ざらつき,焦げ,割れ,ピット,素地の露出などのめ
っきの欠陥,密着不良の徴候,汚れやきずなどの有無を調べる。
11.3 分析試験 化学成分の分析試験は,附属書3の方法でめっきのニッケル含有率及びりん含有率を測
定する。
なお,そのほかの元素の分析試験は,受渡当事者間の協定による。
11.4 粗さ試験 粗さ試験は,JIS B 0651に規定する器具によって測定する。
11.5 厚さ試験 厚さ試験は,JIS H 8501に規定する顕微鏡断面試験方法,電解式試験方法,蛍光X線試
験方法, 戀 式試験方法,渦電流式試験方法,走査電子顕微鏡試験方法又は質量方法のいずれかによる。
11.6 硬さ試験 硬さ試験は,JIS Z 2251に規定する試験方法によって測定する。
11.7 密着性試験 密着性試験は,JIS H 8504に規定する曲げ試験方法,熱衝撃試験方法,やすり試験方
法又は次の方法によってもよい。
なお,注文者の要求のあるものについては,附属書4によって熱処理を行った後,この試験を行っても
よい。
ポンチ試験 先端が直径2mmまで研削されたばね付きセンターポンチを使用し,めっきに約5mm間
隔で幾つかのくぼみを作り,密着性を判定する。
11.8 多孔性試験 多孔性試験は,附属書5の方法による。
11.9 耐食性試験 耐食性試験は,JIS H 8502に規定する中性塩水噴霧試験方法,酢酸酸性塩水噴霧試験
方法,キャス試験方法,コロードコート試験方法又は附属表6のいずれかによる。
11.10 耐磨耗性試験 耐磨耗性試験は,JIS H 8503に規定する磨耗試験方法による。
11.11 はんだぬれ性試験 はんだぬれ性試験は,次に規定する浸せき試験によるほか,JIS C 0050又は受
渡当事者間の協定によって有効性が認められた方法による。
a) 試験片に非腐食性のフラックス(例えば,松やにをアルコールに溶かしたもの。)を塗布する。
b) IS Z 3282に規定するH60A,H63A又はこれと同等の共晶組成のはんだ浴を250±5℃に保持し,試験
片を3秒間浸せきする。
c) 試験片を取り出して,余分のはんだを軽く振り切り,空冷する。
備考 めっき後の放置日数については,受渡当事者間の協定による。

――――― [JIS H 8645 pdf 5] ―――――

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JIS H 8645:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 4527:1987(MOD)

JIS H 8645:1999の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 8645:1999の関連規格と引用規格一覧