JIS K 7088:1996 炭素繊維強化プラスチックの曲げクリープ試験方法

JIS K 7088:1996 規格概要

この規格 K7088は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の3点曲げ方式(A法)及び4点曲げ方式(B法)による一般的なクリープ試験方法として一定の試験雰囲気下で,試験片に長時間の一定の曲げ荷重を加えて,試験片の曲げクリープたわみの測定及び/又は試験開始から試験片が破壊又はある規定された曲げクリープひずみに逹するまでの時間の測定を行う方法について規定。

JISK7088 規格全文情報

規格番号
JIS K7088 
規格名称
炭素繊維強化プラスチックの曲げクリープ試験方法
規格名称英語訳
Testing methods for flexural creep of carbon fibre reinforced plastics
制定年月日
1996年3月1日
最新改正日
2016年10月20日
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

83.120
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
プラスチック I(試験) 2021, プラスチック II(材料) 2021
改訂:履歴
1996-03-01 制定日, 2001-10-20 確認日, 2006-10-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS K 7088:1996 PDF [11]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 7088-1996

炭素繊維強化プラスチックの曲げクリープ試験方法

Testing methods for flexural creep of carbon fibre reinforced plastics

1. 適用範囲 この規格は,炭素繊維強化プラスチック(以下,CFRPという。)の3点曲げ方式(A法)
及び4点曲げ方式(B法)による一般的なクリープ試験(以下,クリープ試験という。)方法として一定の
試験雰囲気下で,試験片に長時間一定の曲げ荷重(以下,試験荷重という。)を加えて,試験片の曲げクリ
ープたわみの測定及び/又は試験開始から試験片が破壊又はある規定された曲げクリープひずみに達する
までの時間の測定を行う方法について規定する。
備考1. 試験雰囲気は,3.2の(1)に規定する標準試験温度雰囲気及び50±2℃の2種類とする。
2. 材料間の曲げクリープデータを比較する場合は,原則として同一形状の試験片及び同一の方
法(A法又はB法)並びに同一試験雰囲気で行う。
3. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS B 7507 ノギス
JIS K 6900 プラスチック−用語
JIS K 7010 繊維強化プラスチック用語
JIS K 7072 炭素繊維強化プラスチックの試料の作製方法
JIS K 7074 炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法
JIS K 7100 プラスチックの状態調節及び試験場所の標準状態
JIS Z 8401 数値の丸め方
関連規格 JIS K 7116 プラスチックの曲げクリープ試験方法
JIS Z 8203 国際単位系 (SI) 及びその使い方
ISO/DIS 899-2 Plastics−Determination of creep behaviour −Part 2 : Flexural creep by three-point
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2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6900及びJIS K 7010によるほかは,次のと
おりとする。
(1) 曲げクリープ応力 支点間の中央位置における試験片の表面の応力。
(2) 圧子 試験片に荷重を加えるジグ。
(3) 曲げクリープたわみ 試験片に試験荷重を加えた後,任意の時間が経過した時,支点間の中央位置に
おける試験片の上面又は下面が,負荷直前の位置から移動した距離。

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K 7088-1996
(4) 曲げクリープひずみ 試験片に試験荷重を加えた後,任意の時間が経過した時の曲げクリープ応力部
に生じるひずみ。
備考 試験の目的によっては,曲げクリープひずみを,荷重を加えた瞬間に生じる瞬間クリープとク
リープに分離する。瞬間クリープの測定は困難なので,負荷後少したった時間(例えば1分)
の曲げクリープひずみで代用する。
(5) クリープ弾性率 曲げクリープ応力と曲げクリープひずみの比。
(6) クリープ破壊時間 試験片に試験荷重を加えてから破壊するまでの時間。
(7) クリープ破壊強さ クリープ破壊時間に対応する曲げクリープ応力。
(8) クリープ限度時間 ある規定された曲げクリープひずみに達するまでの時間。
備考 規定される曲げクリープひずみは,試験の目的によって決定するか,受渡当事者間の協定によ
る。
(9) クリープ限度 クリープ限度時間に対応する曲げクリープ応力。
(10) 全クリープ回復 クリープ試験において試験荷重を除き,任意の時間が経過した後のひずみを,試験
荷重を除く直前の曲げクリープひずみから差し引いたひずみ。
備考 全クリープ回復も試験の目的によって,瞬間クリープ回復とクリープの回復に分離する。
3. 試験片の状態調節及び試験雰囲気
3.1 状態調節 試験片の状態調節は,原則として試験前に,3.2に規定する雰囲気中で88時間以上放置
する。ただし,クリープ試験中に物理的,化学的変化などが生じるおそれがある場合には,この限りでな
い。
3.2 試験雰囲気 試験雰囲気は,次の2種類とする。
(1) 標準試験雰囲気 試験は,JIS K 7100の標準温度状態2級及び標準湿度状態2級[温度23±2℃及び
相対湿度 (50±5) %]の雰囲気中で行う。
(2) 標準雰囲気以外の雰囲気 試験は,50±2℃の雰囲気中で行う。
備考 試験の目的又は受渡当事者間の協定による場合は,上記の雰囲気以外で行ってもよい。
4. 装置及び器具
4.1 試験機 試験機は,試験片に試験荷重を加えるとき及び試験片が破壊するときに,他の試験片に振
動などの影響を及ぼさない堅固な構造とし,次のもので構成する。
(1) 支持台 支持台は,試験片を支える支点をもち,支点は水平で,かつ,圧子に平行でなければならな
い。支点間距離 (L) が調節できるものが望ましい。
支点の半径 (r2) は,A法の場合は2.0±0.2mm,B法の場合は3.0±0.2mmとする。
(2) 負荷装置 負荷装置は,試験片に荷重を加える圧子をもち,試験荷重の±1%の精度で負荷できるもの
とする。圧子は,支点に平行でなければならない。
なお,B法の場合,圧子間の距離が調節できるものが望ましい。
圧子の半径 (r1) は,A法の場合は5.0±0.1mm,B法の場合は3.0±0.2mmとする。装置の一例を図
1の(a)及び(b)に示す。

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K 7088-1996
図1 負荷装置の一例
(3) たわみ測定装置 たわみ測定装置は,試験中の試験片の曲げクリープたわみの変化を任意の時間に測
定することができ,測定しようとする曲げクリープたわみの±1%又はそれ以上の精度で指示できる構
造のものとする。たわみ測定器具の測定子は,試験片中央の上面又は下面に直接接触することが望ま
しい。
クリープ破壊時間の測定を行う場合は,たわみ測定装置の破損を防ぐ構造にするか,非接触形のた
わみ測定装置を使用することが望ましい。
(4) タイマー タイマーは,経過時間を測定することができるもので,経過時間の±1%又はそれ以上の精
度で表示できるものとする。
4.2 寸法測定器
4.2.1 マイクロメータ マイクロメータは,試験片の厚さと幅を測定するもので,JIS B 7502に規定する
外側マイクロメータの測定範囲025mmのもの,又はこれと同等以上の精度のものとする。
4.2.2 ノギス ノギスは,試験片の長さ及び支点間距離を測定するもので,JIS B 7507に規定するノギス
の最大測定長300mmで,最小読取値0.05mmのもの,又はこれと同等以上の精度のものとする。
5. 試験片
5.1 試験片の形状及び寸法
5.1.1 試験片の寸法は,次の2種類とする。
(1) 標準試験片 標準試験片の寸法は,A法及びB法共に,次のとおりとする。

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K 7088-1996
長さ ( l ) : 100±1 mm
幅 ( b ) : 15±0.2 mm
厚さ ( d ) : 2±0.4 mm
(2) 標準試験片以外の試験片 標準試験片以外の試験片は,次による。
試験片の厚さが異なる場合の長さは,40 d+20mmとする。
繊維間隔が粗いCFRPの場合は,5.1.1の(1)に規定する幅以上の寸法でもよい。
5.1.2 試験片の断面は長方形とし,周縁は丸めないものとする。
5.1.3 試験片に沿った最大幅と最小幅との差は,平均幅の2%を超えてはならない。
備考 試験片に沿った最大厚さと最小厚さとの差は,平均厚さの2%を超えないことが望ましい。
5.2 試験片の作製
5.2.1 試験片の作製方法 試験片の作製方法は,次による。
(1) 試験片は,JIS K 7072に規定するオートクレーブ成形方法,圧縮成形方法などによって作製された試
料から機械加工又はこれと同等以上の精度で加工できる方法で作製する。ダイヤモンド工具を用いる
のが望ましい。
(2) 試験片を切削加工によって作製するときは,その切削熱などによって性質が変化しないように,十分
に注意しなければならない。
(3) 成形時の積層板の上下面(又は表裏面)が試験結果に影響を及ぼすことがあるので,試験片を切り出
すときには,上下面が識別できるようにする。
(4) 繊維配向の方向と試験片切り出し方向との角度のずれが,試験結果に影響を及ぼすので,切り出し時
には適切なジグを用いるなどして,ずれが生じないように留意する。
5.2.2 試験片採取方向 試験片の採取は,二つの主軸方向から切り取ることが望ましい。ただし,その材
料が実際に使用されるときに受ける曲げ荷重の方向があらかじめ分かっている場合には,この方向と試験
片が受ける荷重の方向とが同じ方向になるように試験片を切り取る。
5.3 試験片の数 試験片の数は,5.2.2によって定められた方向について,各応力ごとに最少2個とする。
JIS K 7074に規定する破壊様相を示さない場合は,この分の試験片を除き,試験片を追加して行う。
6. 操作
6.1 試験片の寸法測定 試験片の寸法測定は,次による。
(1) 試験片の厚さ及び幅の寸法測定は,試験前に3.2の(1)に規定する標準試験雰囲気中で行う。
(2) 試験片の厚さ及び幅は,試験片の中央及び支点間距離を3等分した中央部分の両端の計3か所でそれ
ぞれ0.01mmの精度で測定し,それぞれの平均値で示す。
6.2 試験応力のレベル 曲げクリープたわみの測定を行う場合の試験応力のレベルは,曲げクリープた
わみが支点間距離の0.1倍より大きくならない範囲を選ぶことが望ましい。
6.2.1 クリープ破壊時間を測定する場合,試験応力の決定が困難なときには,次の手順に従うのが望まし
い。
(1) IS K 7074に規定する方法で求めた曲げ破壊強さ(曲げ強さ)の60%に相当する試験荷重で実施する。
(2) (1)の結果,負荷後30分以内に破壊が生じない場合は,(1)で行った荷重に曲げ破壊強さ(曲げ強さ)
の5%又は2.5%に相当する荷重を現在負荷している荷重に追加する。この場合,試験片に衝撃的な力
や振動が生じないように注意する。
(3) (2)の結果,負荷後30分以内に破壊が生じない場合は,更に曲げ破壊強さ(曲げ強さ)の5%又は2.5%

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に相当する荷重を追加する。
(4) 以下,破壊が生じるまで,(3)の操作を繰り返す。
(5) 破壊が生じた荷重を最初の試験荷重とする。
なお,曲げクリープたわみを測定する場合,試験の応力のレベルは,試験の目的に応じて,受渡当事者
間の協定によって決定する。
6.3 試験応力レベルの段階 試験応力レベルの段階は,次による。
(1) 曲げクリープたわみを測定する場合,3段階以上の応力レベルで試験を行う。ただし,非線形性挙動
を示す材料に対しては,5段階以上の応力レベルで試験を行う。
(2) クリープ破壊時間及びクリープ限度時間の測定をする場合,6.2.1で求めた試験荷重を参考にして,8.4
又は8.5に規定する線図が描けるような応力で試験を行う。
(3) 単純に材料間の比較などをする場合,クリープ限度時間が1 000時間で曲げクリープひずみが0.01
(1%) のクリープ限度を求める。この場合の応力レベルの数は,1 000時間で,0.01 (1%) の曲げクリー
プひずみを生じるであろう応力付近で3段階以上求めることが望ましい。
6.4 支点間距離及び圧子間距離
6.4.1 支点間距離 支点間距離は,次による。
(1) 5.1.1の(1)に規定する標準試験片を用いる場合の支点間距離は,A法のときは80±0.2mm,B法のとき
は81±0.2mmとする。
(2) 標準試験片以外の試験片を用いる場合の支点間距離は,A法及びB法いずれも試験片厚さの (40±8)
倍とする。ただし,B法の場合は,1mm単位で3の倍数の値とする。
(3) 支点間距離の測定は,0.1mm単位で行う。
(4) 曲げクリープ応力,曲げクリープひずみ及びクリープ弾性率の計算には,(3)で測定した支点間距離の
値を用いる。
6.4.2 圧子間距離 B法の場合の圧子間距離は,次による。
(1) 5.1.1の(1)に規定する標準試験片を用いる場合の圧子間距離は,27±0.2mmとする。
(2) 標準試験片以外の圧子間距離は,支点間距離の31とする。
6.5 予備荷重 予備荷重は,機械部分のあそびやたわみ測定装置によって生じる試験片の不安定さなど
の影響を除くために,必要に応じて負荷に先立ってあらかじめ加えてもよい。予備荷重の大きさは,試験
荷重の1%以下とする。
6.6 負荷 負荷は,次による。
(1) 試験片は,その長軸が支点に対し直角になるようにし,支点間の中央と試験片の中央が合うように試
験機に取り付ける。
(2) 曲げクリープたわみの測定を行う場合,例えば接触形たわみ測定装置を試験片の上面又は下面に接触
させるように装着するなどして,負荷前からたわみ測定を開始する。
(3) 負荷を掛ける時点は,原則として,3.2に規定する試験雰囲気下において,測定に必要な精度に影響し
なくなったときとする。
必要ならば,6.5に規定する予備荷重を加えてもよい。この場合,試験片が3.2に規定する試験温度
及び湿度と同じ状態になる前に,予備荷重を加えてはならない。
備考 圧子が接触しているところにおいて圧縮側から破壊が始まる場合には,圧子と試験片との間に
プラスチックフィルムなど(例えば,厚さ0.2mm程度のポリプロピレン)をクッション材とし
て用いることが望ましい。

――――― [JIS K 7088 pdf 5] ―――――

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