JIS B 0911:2000 機械振動―不釣合い変化の起きやすさ及び不釣合い感度

JIS B 0911:2000 規格概要

この規格 B0911は、不釣合いに対する機械の振動の感度を求める方法を定め,運転速度に対する危険速度の近接の度合いの関数として感度の評価の指針を提供。

JISB0911 規格全文情報

規格番号
JIS B0911 
規格名称
機械振動―不釣合い変化の起きやすさ及び不釣合い感度
規格名称英語訳
Mechanical vibration -- Susceptibility and sensitivity of machines to unbalance
制定年月日
2000年1月20日
最新改正日
2015年10月20日
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‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 10814:1996(IDT)
国際規格分類

ICS

21.120.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2000-01-20 制定日, 2005-01-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS B 0911:2000 PDF [14]
B 0911 : 2000 (ISO 10814 : 1996)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準
原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大
臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
JIS B 0911 : 2000には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) ポーラプロット(ナイキスト線図)手法の例
附属書B(参考) モード感度による分類の例
附属書C(参考) 参考文献

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS B 0911 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
B 0911 : 2000
(ISO 10814 : 1996)

機械振動−不釣合い変化の起きやすさ及び不釣合い感度

Mechanical vibration−Susceptibility and sensitivity of machines to unbalance

序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 10814,Mechanical vibration−Susceptibility and
sensitivity of machines to unbalanceを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日
本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にない事項である。
不釣合い以外の振動の要因がなければ,ISO 1940-1及びISO 11342に記述されているような製造過程での
ロータの釣合わせだけでも,通常現地で運転中の許容振動レベルを十分に達成できる。一方,受入試験時
に更に釣合わせを必要とすることがある。それに加えてある機械では受入試験後にも時々又は頻繁にフィ
ールドバランシングが必要となることがある。
受入試験での振動レベルが不満足な場合は,釣合わせ方法が不適切か組立ミスが原因であることが多い。
その他の重要な原因としては,組み合わされ機械の不釣合いに対する感度があまりにも高すぎることがあ
る。そして通常なら許容される比較的小さな残留不釣合いによっても振動が生じる。
振動レベルが満足できないときは,最初の処置としてフィールドバランシングによって振動を低減するこ
とを試みることが多い。比較的小さい修正おもりで大きな振動を減少できたとすると,それはその機械の
不釣合いに対する感度が高すぎることを示している。例えば,危険速度が通常の運転速度に近く,系の減
衰が小さければこのようなことが起きる可能性がある。
不釣合いの変化が起きやすい機械では,現地での再釣合わせを頻繁に必要とすることが多い。この変化は
摩耗や温度,質量,剛性,減衰などが運転中変化することで起きる場合がある。
不釣合い及びその他の状態が本質的に一定な機械では,その時々の釣合わせの微調整で十分目的を達成で
きる。釣合わせの微調整以上のことが必要となるとしたら,危険速度,減衰又は他のパラメータを変える
ために機械を改造する必要がある。その判断のために,機械の不釣合いに対する感度の許容値を規定する
必要性がある。
機械の感度の再現性は幾つかの要因の影響を受け,運転中に変化する可能性がある。ある熱動力機械,特
にスリーブ軸受を用いた機械は,蒸気圧力,蒸気温度,蒸気の部分送入,油温などのような幾つかの運転
パラメータによって変化するモード振動特性をもっている。電気機械では,励磁電流のような別のパラメ
ータが振動挙動に影響することがある。一般に,機械の振動特性はロータの結合状態を含んだ構造の特徴
や基礎を含んだ支持条件に影響される。後者は,例えば,摩耗やき裂によって経年的に変化することに注
意すべきである。
この規格では,不釣合いによって発生する軸1回転に1回の振動だけを扱う。一方,不釣合いだけが軸1

――――― [JIS B 0911 pdf 2] ―――――

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B 0911 : 2000 (ISO 10814 : 1996)
回転に1回の振動の原因でないことに注意すべきである。
1. 適用範囲
1.1 この規格は,不釣合いに対する機械の振動の感度を求める方法を定め,運転速度に対する危険速度
の近接の度合いの関数として感度の評価の指針を提供する。
不釣合いの変化の起きやすさに対して,幾つかの機械をグループ分けすることもこの規格に含まれてい
る。また,幾つかの特定の機械についてどのような感度の数値を適用するかについての推奨案を示す。
1.2 機械を4.に示す三つのタイプに分類し,それぞれのグループの感度の値を5.に示す。この感度の値
は単純な系の機械で,できれば全運転速度範囲内に一つだけ危険速度をもつような機械に適用すべきもの
である。複数の危険速度が互いに十分に(例えば,20%以上)離れていれば,運転速度範囲内に多くの危
険速度をもつ機械にも適用できるであろう。
ここに提案した感度の数値は,特定の機械グループの受取り基準を提供することを意図したのではなく,
むしろ重大な配慮不足や過度又は実現不可能な要求を避けるための指針を与えることを意図した。例えば,
感度のより正確な測定が必要となるような特別な場合には,詳細な検討を行ううえでこの数値が役立つ。
推奨する数値を参考として適切な対策をすれば,ほとんどの場合,満足な運転状態が期待できる。
これらの感度の数値に対して考慮するだけでは,必ずしも運転中の規定された振動値を超えないことを
保証できない。振動の原因は,この規格のテーマ以外に数多くあることを認識しなければならない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによってこの規格の規定の一部を構成する。
これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成す
るものであって,その後の改正版・追補には適用しない。
ISO 1925 : 1990 Mechanical vibration−Balancing−Vocabulary
ISO 2041 : 1990 Vibration and shock−Vocabulary
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,ISO 1925及びISO 2041によるほか,次による。
3.1 機械がある運転期間中に顕著な不
不釣合い変化の起きやすさの指標 (Susceptibility to unbalance)
釣合い変化を発生する程度を示す指標。
3.2 不釣合い変化に対する振動応答の尺度。
不釣合い感度 (Sensitivity to unbalance)
備考 これは,次の3.2.1,3.2.2に示す二つの方法で数値的に表現される。
3.2.1 特定の速度で回転するロータ上の特定の軸方向位置の不釣合い変化
局所感度 (Local sensitivity)
の大きさに対する,ある特定の測定位置での変位又は速度のベクトル変化の大きさの比。
局所感度は,次のように表される。
Sk
Sk,n (1)
Ur
ここに, Sk : k面における1回転1回の振動の変化
Ur : r面に付加した試しおもりの変化量
(又は組合せ試しおもりの変化)
備考 局所感度は“影響係数”とも呼ぶ。それは有次元の量である。

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B 0911 : 2000 (ISO 10814 : 1996)
3.2.2 モード感度 (Modal sensitivity) n モード偏心(モード不釣合いをモード質量で割ったもの)の変
化量に対するモード変位ベクトルの変化量の比であり,それは無次元量である。
実際のモード感度の決定においては,顕著なモード成分を抽出する必要がある。
n次モードでの不釣合いによる機械の加振に対するモード感度は,次のように示される。
2
n
Mn (2)
2
2 2
2
1 4 n
n n
ここに, 回転速度
滿 n次の不減衰危険速度
稀滿 n次モードの減衰比
回転速度が危険速度に等しい状況下でMnは,1/ (2 稀 ‰ くなる。
減衰の少ない系においては,危険速度における最大感度をQnと表示する。Qnは減衰の大きさだけに影
響される。
備考 モード感度は,n次モードの振動倍率とも呼ばれる。
4. 機械の不釣合い変化の起きやすさ分類
4.1 タイプI : 不釣合い変化の起きやすさが小 このタイプの機械は,運転中の顕著な不釣合い変化が発
生する可能性が低いものである。典型的な例として,支持系に比べ大きなロータ質量をもち,クリーンな
環境で運転され,ほとんど摩耗せず,温度変化によってもロータの変形がほとんどないロータをもつよう
な機械。
例 製紙機械のロール,印刷機ロール,高速真空ポンプ。
4.2 タイプII : 不釣合い変化の起きやすさが中 このタイプの機械は,大きな温度変化及び/又は中程
度の摩耗の環境の中で運転されるようなロータで,運転中に顕著な不釣合い変化が発生する可能性が中程
度のものである。
例 クリーンな媒体の中で使るポンプ,電機子,ガスタービン,蒸気タービン,産業用小形ターボ発
電機,ターボ圧縮機。
4.3 タイプIII : 不釣合い変化の起きやすさが大 このタイプの機械は,たい(堆)積物がたまるような
送風機,汚泥の中で運転されるポンプ,摩耗又は腐食性の雰囲気中で運転されるロータなどのように運転
中に顕著な不釣合い変化が起きやすいものである。
例 遠心分離機,ファン,スクリューコンベア,ハンマーミル。
5. モード感度の値
5.1 AEまでのモード感度の領域 図13に,モード感度の分類を機械システムの危険速度付近での
運転速度に対して示す。領域の境界線は危険速度の近くの運転速度での振動倍率が一定の値となるように
設定している。図13中の曲線は式(2)から導いた。領域の境界値は不釣合い変化の起きやすさの分類に
よって異なる(同じ感度領域では,タイプIの機械よりタイプIIIの機械の方が必要とされる減衰比は大き
くなる。)。
感度領域に対応する一般的な運転状況を,表1に示す。

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B 0911 : 2000 (ISO 10814 : 1996)
図13の使用例を附属書Bに示す。
表1
モード感度の領域 予想される運転状況
A : 感度が非常に低い危険速度でも振動が小さく,危険速度を見つけるのが難しい。
B : 感度が低い 振動は小さく安定している。
C : 感度が中程度 許容できる。振動は中程度で若干変化しやすい。
D : 感度が高い 不釣合いに対して感度が高い。
フィールドバランシングが必要となることが多い。
E : 感度が非常に高い不釣合いに対して感度が高すぎる。
避けるべきである。
5.2 モード感度の特性
5.2.1 領域Aが理論的には最も望ましいように見えるが,費用や適用性を考慮すると,より高いモード
感度で運転することが必要な場合がある。
5.2.2 高性能な機械(例えば,計画保守間隔が短いものなど。)では高いモード感度が許される。
5.2.3 フィールドバランシングが容易でないか又は経済的でない機械に対してはモード感度の低い値を
採用するのがよい。
5.2.4 感度を考慮するだけでは,必ずしも機械のすべての部分の振動が許容値を超えないということを保
証できない(7.及び8.参照)。
5.3 加速中のロータ 危険速度を常に急速に通過する機械では定常共振振幅に達しないので,より高い
モード感度が許容される。起動,停止の少ない機械にも高いモード感度が許容される。
図4には1自由度系に対して回転加速度の関数として,モード感度の低減度合いを示す。しかし,実際
に使われている加速率では,この効果は小さく無視することができる。
図13は,徐々に回転数を変化させるロータに対しての値であり,図13を使う前に次の項目を考慮
し図4によってモード感度の低減度合いを計算してもよい。
a) 一定加速度で危険速度を通過すると仮定する。
b) 可能な場合,できるだけ危険速度の近くで定常状態でモード感度を測定しなければならない。
c) 急速な加速中,又は減速中の最大振幅は,応答の遅れのために危険速度と異なるところで発生する。

――――― [JIS B 0911 pdf 5] ―――――

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