JIS B 1045:2001 締結用部品―水素ぜい化検出のための予荷重試験―平行座面による方法

JIS B 1045:2001 規格概要

この規格 B1045は、室温で締結用部品の水素ぜい化の発生を検出するための予荷重試験について規定。

JISB1045 規格全文情報

規格番号
JIS B1045 
規格名称
締結用部品―水素ぜい化検出のための予荷重試験―平行座面による方法
規格名称英語訳
Fasteners -- Preloading test for the detection of hydrogen embrittlement -- Parallel bearing surface method
制定年月日
2001年12月20日
最新改正日
2016年10月20日
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対応国際規格

ISO

ISO 15330:1999(IDT)
国際規格分類

ICS

21.060.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
ねじ I 2020, ねじ II 2020
改訂:履歴
2001-12-20 制定日, 2007-04-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS B 1045:2001 PDF [10]
B 1045 : 2001 (ISO 15330 : 1999)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ねじ研究協会 (JFRI) /財団法人日本規
格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査
会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
制定に当たっては,日本工業規格(日本産業規格)と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格(日本産業規格)の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 15330 : 1999 (Fasteners−Preloading
test for the detection of hydrogen embrittlement−Parallel bearing surface method) を基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案,又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,こ
のような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録
出願にかかわる確認について,責任はもたない。

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――――― [JIS B 1045 pdf 1] ―――――

                                                                    B 1045 : 2001 (ISO 15330 : 1999)

pdf 目次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[2]
  •  3. 定義・・・・[2]
  •  4. 原理・・・・[3]
  •  5. 試験装置・・・・[3]
  •  5.1 ボルト,ねじ及び植込みボルト・・・・[3]
  •  5.2 スレッドローリングねじ,タッピンねじ及びドリルねじ・・・・[4]
  •  5.3 座金組込みねじ・・・・[5]
  •  5.4 ナット・・・・[5]
  •  5.5 ばね座金・・・・[5]
  •  6. サンプリング・・・・[6]
  •  7. 試験手順・・・・[6]
  •  7.1 潤滑・・・・[6]
  •  7.2 予荷重の負荷・・・・[6]
  •  7.2.1 ボルト,ねじ,植込みボルト及びナット・・・・[6]
  •  7.2.2 スレッドローリングねじ,タッピンねじ及びドリルねじ・・・・[7]
  •  7.2.3 ばね座金・・・・[7]
  •  7.3 参考試験・・・・[7]
  •  7.4 試験開始に対する時間・・・・[7]
  •  7.5 試験中の再締付け・・・・[7]
  •  8. 試験の評価・・・・[8]
  •  9. 試験報告書・・・・[8]
  •  文献・・・・[8]

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――――― [JIS B 1045 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
B 1045 : 2001
(ISO 15330 : 1999)

締結用部品−水素ぜい化検出のための予荷重試験−平行座面による方法

Fasteners−Preloading test for the detection of hydrogen embrittlement−Parallel bearing surface method

序文

 この規格は,1999年に第1版として発行されたISO 15330 (Fasteners−Preloading test for the detection
of hydrogen embrittlement−Parallel bearing surface method) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更す
ることなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
水素原子が鋼に侵入すると,合金鋼の降伏点どころか通常の設計強度よりも十分に低い応力が負荷された
ときに延性や荷重負荷能力の損失,き裂(通常は,顕微鏡でも見えないくらいの割れとして)又は破滅的
なぜい性破壊を引き起こす。この現象は,一般的な引張試験によって測定したときに,ほとんど延性の損
失を示さない合金鋼において起こり,それはまた,よく水素誘発形遅れぜい性破壊,水素応力き裂又は水
素ぜい化と呼ばれる。水素は,熱処理,ガス浸炭,洗浄,酸洗い,りん酸処理,電気めっき処理の間,及
び結果として陰極保護又は腐食反応を生じる使用環境において侵入することがある。水素は,また,製造
中にも侵入するかもしれない。例えば,溶接又はろう付け加工の間はもちろん,冷却剤や潤滑剤の分解に
よって転造加工,機械加工及びドリル加工の間にも侵入することがある。

1. 適用範囲

 この規格は,室温で締結用部品の水素ぜい化の発生を検出するための予荷重試験について
規定する。
この試験は,鋼製のもので,引張応力を受ける次のものに適用する。
− ボルト,ねじ及び植込みボルト
− スレッドローリングねじ
− タッピンねじ
− ドリルねじ
− ナット
− 座金
なお,試験は,1035℃の温度範囲内で実施するものとする。
この試験は,工程内管理に適したものであり,製造工程のいかなる段階の後に実施してもよい。このこ
とは,受入試験として意図されたものではない。この試験は,処理条件又は操作技術における間違いや変
化の評価に有効である。また,締結用部品中の拡散性水素を減少させるための,めっき前及びめっき後の
処理(ベーキング)を含むいろいろな加工段階の効果を判断することもできる。

――――― [JIS B 1045 pdf 3] ―――――

2
B 1045 : 2001 (ISO 15330 : 1999)
この試験は,製造業者又は加工業者の適切な工程管理の実施及び監視の責任を軽くするものではない。
備考1. 試験が,製造工程の最終段階の後,24時間以降に開始された場合には,水素ぜい化検出の可
能性は著しく低下する。したがって,通常の場合,この試験は受入検査には適さない。
7.3の参考試験に対しては,特別な注意を払わなければならない。
備考2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 15330 : 1999 Fasteners−Preloading test for the detection of hydrogen embrittlement−Parallel
bearing surface method (IDT)

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構
成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その
最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 1001 ボルト穴径及びざぐり径
備考 ISO 273 : 1979 Fasteners−Clearance holes for bolts and screwsからの引用事項は,この規格の
該当事項と同等である。
JIS B 1055 タッピンねじ−機械的性質
備考 ISO 2702 : 1992 Heat-treated steel tapping screws−Mechanical propertiesが,この規格と一致し
ている。
JIS B 1059 タッピンねじのねじ山をもつドリルねじ−機械的性質及び性能
備考 ISO 10666 : 1999 Drilling screws with tapping screw thread−Mechanical and functional
propertiesが,この規格と一致している。
ISO 7085 : 1999 Mechanical and performance requirement of case hardened and tempered metric thread
rolling screws

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 過度の引張応力及び/又は厳
水素ぜい化に対する感受性 (susceptibility to hydrogen embrittlement)
しい使用環境にさらされるときに,拡散性水素の存在によって,鋼製の締結用部品がぜい性破壊を示す性
質。
備考1. 水素ぜい化に対する感受性の増加は,ぜい性破壊を引き起こす限界の拡散性水素の量を,明
らかに少なくする。
2. 水素ぜい化に対する感受性は,製造工程の後では,いかなるめっき後の熱処理(ベーキング)
によっても,減少させたり,感受性のない状態に変えたりすることはできない。
3.2 締結用部品が,水素ぜい化に対して感受性のあ
水素ぜい化の危険 (risk of hydrogen embrittlement)
る鋼で作られ,水素を吸蔵し,かつ,引張応力及び/又は残留引張応力を受けるときに起こる損傷の危険。
備考 水素ぜい化の危険は,関連する製造段階で水素供給を最小限にしたとき,及び/又はめっき後
に適切な熱処理での水素の放出及び/又は鋼中で逆行しないよう水素のトラップが行われたと
きに,減少させることができる。

――――― [JIS B 1045 pdf 4] ―――――

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B 1045 : 2001 (ISO 15330 : 1999)
3.3 単一鋳造の棒,線,線材又は板から製造され,同一又は類似の工程
製造ロット (manufacturing lot)
をとおして,同時に又は連続した時間にわたって,更に場合によっては,同一の熱処理及び/又はめっき
工程で加工された,部品等級,強度区分及び寸法を含む単一名称の締結用部品の集まり。
同一の熱処理又は表面処理の意味は,次による。
− 連続した工程に対しては,いかなる設定変更もない同じ処理のサイクル。
− 不連続な工程に対しては,全く同一の一連の負荷としての同じ処理のサイクル(バッチ)。
備考 製造ロットは,加工の目的のために幾つかの製造バッチに分割され,同じ製造ロットに再集合
される場合もある。
3.4 製造バッチ (manufacturing batch) 同時に,一緒に加工される同じ製造ロットからの全く同一な締
結用部品の集まり。

4. 原理

 予荷重試験は,適切な試験装置において実施する。締結用部品は,組み合わせるナット(又は
ボルト)を用いて,トルクをかけることによって,又はめねじが切られた板にねじ込まれることによって,
降伏点又は破壊トルクの範囲で応力を受ける(図1図3参照)。該当する締結用部品の降伏点,又は破壊
トルクの範囲で要求された応力が達成できるなら,その他の負荷システムと固定具を用いてもよい。応力
又はトルクは,少なくとも48時間保持する。24時間ごとに締結用部品は,初期応力又は初期トルクまで
再締結し,同時に水素ぜい化による破損が起きていないかどうかを確認する。

5. 試験装置

 異なる形状の締結用部品には,異なる試験装置を使用する。

5.1 ボルト,ねじ及び植込みボルト

 ボルト,ねじ及び植込みボルトに対しては,熱処理された鋼の板
(平行な面に対して直角の一つ又は多数の穴をもつ)のジグを使用する(図1参照)。
ボルト,ねじ及び植込みボルト用の装置は,上と下の鋼の板で構成する(図1参照)。上板と下板の硬さ
の最小は,45HRCとする。座面は研削し,粗さはRa=8 騰 1d以上
とする(dは,ねじの呼び径)。ボルト穴径は,JIS B 1001の1級による直径dhとし,面取りを施してはな
らない。ボルト穴間の距離Lは,最小3dとする。
試験を実施するときは,少なくとも1dの遊びねじ長さが応力を受けるようにする。また,完全ねじ山5
山以上は,ナットを越えてはみ出してはならない。これらの要求事項を満足するために,一つ又はそれ以
上の平行で研削した面をもった鋼の板を充てん板として使用してもよい。その充てん板は,上板及び下板
とは別の鋼種並びに異なる硬さで製造してもよい。
ボルト,ねじ及び植込みボルトは,組み合わせるナットを用いて引張りによる予荷重を与える。植込み
ボルト又はねじ切りされたロッドの場合には,ナットを試験板の両側に用いる。異なるピッチのねじが切
られているときは,細目ねじのナットを頭部とみなす。頭部に置き代わるナットは,該当する完全ねじ部
の端まで指でねじ込まれなければならない。
短いねじ (l<2.5d) の場合,あらかじめタップを立てた穴をもつ1枚の板だけを使用し,ナットを使わ
ず直接ねじの頭部を使って締付ける。その板は,前に指定した上板の特性をもつものとする。
平たんな座面をもたない試験用ボルト及びねじ(例えば,皿ねじ,アイボルトなど)に対しては,適切
な上板又は座金を頭部の下に使用する(図2参照)。

――――― [JIS B 1045 pdf 5] ―――――

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