JIS G 5503:1995 オーステンパ球状黒鉛鋳鉄品

JIS G 5503:1995 規格概要

この規格 G5503は、オーステンパ処理を行った球状黒鉛鋳鉄品について規定。

JISG5503 規格全文情報

規格番号
JIS G5503 
規格名称
オーステンパ球状黒鉛鋳鉄品
規格名称英語訳
Austempered spheroidal graphite iron castings
制定年月日
1989年3月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.140.80
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
鉄鋼 I 2021, 鉄鋼 II 2021, 熱処理 2020
改訂:履歴
1989-03-01 制定日, 1994-06-01 確認日, 1995-07-01 改正日, 2000-10-20 確認日, 2005-07-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS G 5503:1995 PDF [7]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
G 5503-1995

オーステンパ球状黒鉛鋳鉄品

Austempered spheroidal graphite iron castings

1. 適用範囲 この規格は,オーステンパ処理を行った球状黒鉛鋳鉄品(以下,鋳鉄品という。)について
規定する。
備考 この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
(1) 素材 熱処理前の鋳鉄品。
(2) オーステンパ処理 標準的処理としては,熱処理前の鋳鉄品を,オーステナイト化温度域内に加熱保
持し,その後ベイナイト変態温度域に保持された塩浴炉,油槽又は流動床炉などに移して急冷し,引
き続きベイナイト変態温度域内に所定時間保持してから室温まで適当な方法で冷却する処理。
(3) 別鋳込み供試材 鋳鉄品本体とは別個に,原則として鋳鉄品と同種の鋳型を用いて,1バッチごとに
鋳鉄品と同一条件で鋳造する供試材。
3. 種類の記号 鋳鉄品の種類の記号は,表1による。
表1 種類の記号
種類の記号
FCAD 900-4
FCAD 900-8
FCAD 1000-5
FCAD 1200-2
FCAD 1400-1
4. 化学成分 鋳鉄品は,特に必要がある場合,11.5の試験を行い,その化学成分は,受渡当事者間の協
定による。
5. 機械的性質 鋳鉄品は,11.6の試験を行い,その引張強さ,耐力,伸び及び硬さは,表2による。た
だし,耐力は,注文者の要求がある場合に適用する。

――――― [JIS G 5503 pdf 1] ―――――

2
G 5503-1995
表2 別鋳込み供試材の機械的性質
記号 引張強さ 耐力 伸び 硬さ
N/mm2 N/mm2 % HB
FCAD 900-4 900以上 600以上 4 −
FCAD 900-8 900以上 600以上 8以上 −
FCAD 1000-5 1 000以上 700以上 5以上 −
FCAD 1200-2 1 200以上 900以上 2以上 341以上
FCAD 1400-1 1 400以上 1 100以上 1以上 401以上
6. 黒鉛球状化率 鋳鉄品は,11.7の試験を行い,その黒鉛球状化率は,特に注文者の指定がない場合,
80 %以上とする。
7. 内部の健全性 鋳鉄品の内部には,使用上有害な巣があってはならない。
8. 形状,寸法,寸法公差及び質量 鋳鉄品の形状,寸法は,図面又は模型で指定するものとし,長さ及
び肉厚寸法の公差は,注文者の指定がない場合,JIS B 0403の球状黒鉛鋳鉄品による。
質量については,受渡当事者間の協定による。
9. 外観 鋳鉄品の外観は,使用上有害なきず,鋳巣などがあってはならない。
10. 製造方法 製造方法は,次による。
(1) オーステンパ処理前の素材は,キュポラ,電気炉,その他適当な炉によって溶解し,黒鉛を球状化す
るための処理を行い,砂型又はこれと同等の熱拡散率をもつ鋳型に鋳造する。
(2) 鋳鉄品は,鋳放しの状態又は機械加工後の素材でオーステンパ処理を行う。
なお,鋳鉄品は,必要がある場合,オーステンパ処理前に機械加工を行ってもよい。
(3) 鋳鉄品は,受渡当事者間の協定によって,オーステンパ処理を行う前に,焼きなまし,その他の熱処
理を行うことができる。
11. 試験
11.1 試験場所 試験場所は,原則として,当該製造所とする。
11.2 バッチの構成
11.2.1 熱処理前の素材のバッチ 熱処理前の素材の1バッチの構成は,JIS G 5502の11.2.1(バッチの構
成)による。
11.2.2 鋳鉄品のバッチ 鋳鉄品のバッチの構成は,次による。
(1) 非連続熱処理の場合,同一熱処理条件で同時に熱処理を行った鋳鉄品を1バッチとする。
(2) 連続熱処理の場合,11.2.1のバッチの素材に連続熱処理を行う場合は,最大4時間の生産量を1バッ
チとしてもよい。
(3) (1)又は(2)によらないで受渡当事者間の協定によって,数バッチをまとめて1グループとし,その中の
1バッチでそのグループを代表させることができる。
11.3 バッチごとの試験回数 バッチごとの試験回数は,次による。
(1) 鋳鉄品の引張試験,硬さ及び黒鉛球状化率判定試験は,1バッチごとに行う。

――――― [JIS G 5503 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
G 5503-1995
(2) 受渡当事者間の協定によって,12バッチ以下をまとめて1グループとした場合には,その中の1バッ
チでそのグループを代表し,試験することができる。
11.4 供試材
11.4.1 供試材の製造法 供試材の製造法は,鋳鉄品と同種の鋳型を用いて,素材の1バッチごとに鋳鉄品
と別個に鋳込みの終わり近くに鋳造し,押湯を取り除いたあと,製品と同一熱処理を行う。鋳鉄品が鋳型
内で黒鉛球状化処理される場合は,供試材も同じ方法で鋳込む。
11.4.2 供試材の形状・寸法 供試材の形状・寸法は,図1及び表3のY形のA号,B号並びに図2のノ
ックオフ形(Ka形又はKb形)の4種類とし,原則としてY形のB号を用いる。
なお,供試材の種類は,試験成績に付記する。
図1 Y形供試材の形状・寸法
表3 Y形供試材の寸法
単位mm
種類 a b c d e
A号 12 40 25 135 150以上
B号 25 55 40 140 150以上
図2 ノックオフ形(Ka形,Kb形)の供試材及びその鋳型の形状・寸法

――――― [JIS G 5503 pdf 3] ―――――

4
G 5503-1995
11.5 分析試験
11.5.1 分析試料 分析試料は,供試材を採取するごとに同じ溶湯から1個採る。ただし,炭素分析試料は,
白銑試料から採取しなければならない。
11.5.2 分析方法 分析方法は,原則として,次のいずれかによる。
JIS G 1211, JIS G 1212, JIS G 1213, JIS G 1214,
JIS G 1215, JIS G 1253, JIS G 1256, JIS G 1257
11.6 機械試験
11.6.1 試験片 試験片は,次による。
(1) 引張試験片は,JIS Z 2201の4号試験片を図1又は図2の供試材の斜線を施した部分から採り,その
数は予備を除き1個とする。
(2) 硬さ試験片は,引張試験片の一部を用いる。
11.6.2 引張試験方法 引張試験方法は,JIS Z 2241による。
11.6.3 硬さ試験方法 硬さ試験方法は,JIS Z 2243による。
11.7 黒鉛球状化率判定試験
11.7.1 試験片 試験片は,図1又は図2の供試材の斜線を施した部分から1個採る。
11.7.2 試験方法 試験方法は,顕微鏡写真又は直接観察による黒鉛組織について行う。
11.7.3 黒鉛粒の形状分類 黒鉛粒の形状分類は,図3 (ISO 945 FIGURE 1.) のとおりとし,これに基づい
て黒鉛粒を分類する。
11.7.4 黒鉛球状化率の算出 顕微鏡組織における黒鉛球状化率の算出は,原則として,次による。
(1) 倍率は,原則として100倍とし,5視野について行い,平均値を求める。
(2) 2 mm(実際の寸法20 以下の黒鉛及び非金属介在物は対象としない。ただし,受渡当事者間の協
定によって,2 mm以下の黒鉛についても対象にすることができる。
(3) 図3の形状V及びVIの黒鉛粒数の全黒鉛粒数に対する割合 (%) を求め,黒鉛球状化率とする。
(4) 画像解析装置によって算出する場合には(3)に準じて行う。
(5) 受渡当事者間の協定による標準組織がある場合にはこれを用い,5視野の組織を比較して球状化率を
判定してもよい。ただし,この場合の標準写真の黒鉛球状化率は,11.7.3によって黒鉛粒の形状を分
類し,11.7.4(1)(4)の方法で求めたものとする。
11.7.5 非破壊試験による黒鉛球状化率 受渡当事者間の協定によって,11.8の非破壊試験における音速測
定試験などによる黒鉛球状化率試験で顕微鏡観察による試験に代えることができる。このための試験片の
形状,採取条件は,受渡当事者間の協定による。
11.8 非破壊試験 非破壊試験については,受渡当事者間の協定によって,浸透探傷試験,超音波試験又
は,黒鉛球状化率又は基地判定のため音速測定試験などを行うことができる。
11.9 再試験 再試験は,次による。
(1) 試験片のきず又は鋳巣が試験成績に影響を及ぼしたと判断したときは,受渡当事者間の協定によって
その試験を無効とし,予備の試験片を用いて再試験することができる。
(2) 機械試験成績が規定に適合しない原因が熱処理によるものと認められる場合は,11.4による予備の供
試材を用いて再熱処理を行い,再試験することができる。この場合,試験片の数は,2個とする。た
だし,2個の試験片が採取できない場合は,受渡当事者間の協定による。再試験は11.6及び11.7によ
って行い,5.に適合しなければならない。
なお,この場合,鋳鉄品も再熱処理を行わなければならない。

――――― [JIS G 5503 pdf 4] ―――――

                                                                                              5
G 5503-1995
図3 黒鉛粒の形状分類図
12. 検査 鋳鉄品の検査は,次による。
(1) 機械的性質は,5.に適合しなければならない。

――――― [JIS G 5503 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS G 5503:1995の国際規格 ICS 分類一覧

JIS G 5503:1995の関連規格と引用規格一覧