JIS H 0001:1998 アルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金―質別記号

JIS H 0001:1998 規格概要

この規格 H0001は、アルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金の展伸材及び鋳物の質別記号について規定。

JISH0001 規格全文情報

規格番号
JIS H0001 
規格名称
アルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金―質別記号
規格名称英語訳
Aluminium, magnesium and their alloys -- Temper designation
制定年月日
1972年2月1日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 2107:1983(MOD), ISO 6361-2:1990(MOD), ISO 6362-2:1990(MOD), ISO 6363-2:1990(MOD)
国際規格分類

ICS

77.120.10, 77.120.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
非鉄 2021, 熱処理 2020
改訂:履歴
1972-02-01 制定日, 1975-04-01 確認日, 1978-02-01 確認日, 1979-06-01 改正日, 1984-06-01 確認日, 1988-08-01 改正日, 1994-04-01 確認日, 1998-11-20 改正日, 2004-01-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS H 0001:1998 PDF [10]
H 0001 : 1998

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS H 0001 : 1988は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,国際規格ISO 2107 : 1983, Aluminium, magnesium and their alloys−Temper designations(ア
ルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金−質別記号)に整合させた。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS H 0001 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 0001 : 1998

アルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金−質別記号

Aluminium, magnesium and their alloys−Temper designation

序文 この規格は,1983年に第1版として発行された国際規格ISO 2107, Aluminium, magnesium and their
alloys−Temper designationsを元に作成した日本工業規格(日本産業規格)である。適用範囲をアルミニウム及びアルミニウ
ム合金からアルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金にまで拡大し,HX8の定義の相違点を国際規格
と一致させて作成した日本工業規格(日本産業規格)である。この規格を使用しやすくするために原国際規格には規定され
ていない細分記号の具体的説明についてはJIS H 0001-1988に規定されていたものはそのまま残して,更
に原国際規格ISO 6361-2, Wrought aluminium and aluminium alloy sheets, strips and plates−Part 2 : Mechanical
properties, ISO 6362-2, Wrought aluminium and aluminium alloy extruded rods/bars, tubes and profiles−Part 2 :
Mechanical properties, ISO 6363-2, Wrought aluminium and aluminium alloy cold-drawn rods/bars and tubes−Part
2 : Mechanical propertiesの各々の附属書及び国際的に最も利用されている American National Standard
(ANSI) 35.1-1993, Alloy and Temper Designation Systems for Aluminium及びEuropean Standard EN 515 : 1993,
Aluminium and aluminium alloys−Wrought products−Temper designationに規定されている事項も取り入れた。
1. 適用範囲 この規格は,アルミニウム,マグネシウム及びそれらの合金の展伸材及び鋳物の質別(1)記
号(以下,記号という。)について規定する。
注(1) 質別とは,製造過程における加工・熱処理条件の違いによって得られた機械的性質の区分をい
う。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 2107 Aluminium, magnesium and their alloys−Temper designations
2. 記号の形式 質別記号は,合金記号の後にハイフン (−) を付けてその後に表示する。基本記号は,
ラテン文字のアルファベット大文字1字とし,細分記号は,アラビア数字一つ又はそれ以上の組合せとし,
基本記号の後に付ける。
3. 基本記号 基本となる質別は5区分とし,その基本記号は表1による。

――――― [JIS H 0001 pdf 2] ―――――

2
H 0001 : 1998
表1 基本記号,定義及び意味
基本記号 定義 意味
F(2) 製造のままのもの 加工硬化又は熱処理について特別の調整をしない製造工程から得られ
たままのもの。
O 焼なまししたもの 展伸材については,最も軟らかい状態を得るように焼なまししたもの。
鋳物については,伸びの増加又は寸法安定化のために焼なまししたもの。
H(3) 加工硬化したもの 適度の軟らかさにするための追加熱処理の有無にかかわらず,加工硬化
によって強さを増加したもの。
W 溶体化処理したもの 溶体化処理後常温で自然時効する合金だけに適用する不安定な質別。
T 熱処理によってF・O・H以外の安 安定な質別にするため,追加加工硬化の有無にかかわらず,熱処理した
定な質別にしたもの もの。
注(2) 展伸材については,機械的性質を規定しない。
(3) 展伸材だけに適用する。
4. 細分記号
4.1 Hの細分記号 Hの細分記号は,基本記号Hの後に,常に二つ又はそれ以上の数字をつける。
a) XY Hの後の最初の数字Xは,表2の基本的な処理を表す。
次の数字Yは,表3に示す引張強さの程度を表す。
HX8の引張強さは,原則としてO質別の引張強さの程度を基準にして表4から求める。これらの質
別の引張強さは,末尾の数字が0又は5でないときは,0又は5に切り上げる。
表2 HXの細分記号及びその意味
記号 意味
H1 加工硬化だけのもの :
所定の機械的性質を得るために追加熱処理を行わずに加工硬化だけしたもの。
H2 加工硬化後適度に軟化熱処理したもの :
所定の値以上に加工硬化した後に適度の熱処理によって所定の強さまで低下したもの。常温で時効軟化す
る合金については,この質別はH3質別とほぼ同等の強さをもつもの。そのほかの合金については,この
質別は,H1質別とほぼ同等の強さをもつが,伸びは幾分高い値を示すもの。
H3 加工硬化後安定化処理したもの :
加工硬化した製品を低温加熱によって安定化処理したもの。また,その結果,強さは幾分低下し,伸びは
増加するもの。
この安定化処理は,常温で徐々に時効軟化するマグネシウムを含むアルミニウム合金だけに適用する。
H4 加工硬化後塗装したもの :
加工硬化した製品が塗装の加熱によって部分焼なましされたもの。
表3 HXYの細分記号及びその意味
記号 意味 参考
HX1 引張強さがOとHX2の中間のもの。 1/8硬質
HX2 引張強さがOとHX4の中間のもの。 1/4硬質
(HXB)
HX3 引張強さがHX2とHX4の中間のもの。 3/8硬質
HX4 引張強さがOとHX8の中間のもの。 1/2硬質
(HXD)
HX5 引張強さがHX4とHX6の中間のもの。 5/8硬質
HX6 引張強さがHX4とHX8の中間のもの。 3/4硬質
(HXF)
HX7 引張強さがHX6とHX8の中間のもの。 7/8硬質

――――― [JIS H 0001 pdf 3] ―――――

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H 0001 : 1998
記号 意味 参考
HX8 硬質
通常の加工で得られる最大引張強さのもの。引張強さの最小規格値は原則としてその合金の
(HXH) 焼なまし質別の引張強さの最小規格値を基準に表4によって決定される。
HX9 引張強さの最小規格値がHX8より10N/mm2以上超えるもの。 特硬質
(HXJ)
備考 ( ) 内は対応ISOの記号であり,これを用いてもよい。
表4 HX8の引張強さの最小規格値を決定する基準
単位 N/mm2
焼なまし質別の引張強さの最小規格値 HX8の引張強さの最小規格値決定のための上乗せ補正値
40以下 55
45以上 60以下 65
65以上 80以下 75
85以上 100以下 85
105以上 120以下 90
125以上 160以下 95
165以上 200以下 100
205以上 240以下 105
245以上 280以下 110
285以上 320以下 115
325以上 120
b) XYZ HXYに続く数字Zは,HXYで決められた質別を基礎として若干の変更が加えられたことを
示す。
1) X11 最終焼なまし後にHX1より少ない加工硬化を受けた状態を示す。
2) 112 熱間加工によって得られるか又はごくわずかな冷間加工を加えただけの状態で機械的性質
の保証された展伸材に適用する。また,代替記号であるMを用いてもよい。
3) XY4 板に模様つけ又はエンボス加工した状態。
4) XY5 溶接管に適用する。合金と管の形状の違いによって溶接管に加工される条の質別HXYとは,
機械的性質の規格が異なる。
5) 116 マグネシウム含有量が4%以上で機械的性質と耐はく離腐食性の規格がある5000系アルミニ
ウム合金に適用。
4.2 Tの細分記号
a) X Tの後に続く数字Xは,表5の基本的な処理の組合せによる。
b) XY TXの後に続く数字Y(4)は,特定の処理方法又は特定の機械的性質による。具体例を表6に示
す。
1) X51, TX510, TX511 引張矯正によって永久ひずみを与えて,残留応力を除去したもの。それぞれ
次の製品に適用する。
TX51 厚板(5) 1.5%以上3%以下の永久ひずみを与えたもの
薄板(5) 0.5%以上3%以下の永久ひずみを与えたもの
厚延棒 1%以上3%以下の永久ひずみを与えたもの
鍛造品 1%以上5%以下の永久ひずみを与えたもの
TX510 押出棒,管,形材 1%以上3%以下の永久ひずみを与えたもの
引抜管 0.5%以上3%以下の永久ひずみを与えたもの
引張矯正の後全く加工しないもの

――――― [JIS H 0001 pdf 4] ―――――

4
H 0001 : 1998
TX511 押出棒,管,形材 1%以上3%以下の永久ひずみを与えたもの
引抜管 0.5%以上3%以下の永久ひずみを与えたもの
引張矯正の後わずかな加工は許容されるもの
2) X52 圧縮矯正によって1%以上5%以下の永久ひずみを与えて,残留応力を除去したもの。
3) X54 引張りと圧縮の複合矯正によって永久ひずみを与えて,残留応力を除去したもの。最終型に
よって矯正をした型鍛造品に適用する。
4) 7Y2 T7Y質別に要求される機械的性質と耐食性を満足するまで人工過時効を使用者が行ったも
の。
注(4) は,二つ以上の数字を並べて用いることがある。
(5) 厚さが6mmを超える板を厚板といい,厚さが0.15mm以上6mm以下の板を薄板という。
表5 TXの細分記号及びその意味
記号 意味
T1 高温加工から冷却後自然時効させたもの :
(TA) 押出材のように高温の製造工程から冷却後積極的に冷間加工を行わず,十分に安定な状態まで自然時効
させたもの。したがって,矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。
T2 高温加工から冷却後冷間加工を行い,更に自然時効させたもの :
(TC) 押出材のように高温の製造工程から冷却後強さを増加させるため冷間加工を行い,更に十分に安定な状
態まで自然時効させたもの。
T3 溶体化処理後冷間加工を行い,更に自然時効させたもの :
(TD) 溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い,更に十分に安定な状態まで自然時効させたもの。
T4 溶体化処理後自然時効させたもの :
(TB) 溶体化処理後冷間加工を行わず,十分に安定な状態まで自然時効させたもの。したがって矯正してもそ
の冷間加工の効果が小さいもの。
T5 高温加工から冷却後人工時効硬化処理したもの :
(TE) 鋳物又は押出材のように高温の製造工程から冷却後積極的に冷間加工を行わず,人工時効硬化処理したもの。
したがって,矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。
T6 溶体化処理後人工時効硬化処理したもの :
(TF) 溶体化処理後積極的に冷間加工を行わず,人工時効硬化処理したもの。したがって,矯正してもその冷
間加工の効果が小さいもの。
T7 溶体化処理後安定化処理したもの :
(TM) 溶体化処理後特別の性質に調整するため,最大強さを得る人工時効硬化処理条件を超えて過時効処理し
たもの。
T8 溶体化処理後冷間加工を行い,更に人工時効硬化処理したもの :
(TH) 溶体化処理後強さを増加させるため冷間加工を行い,更に人工時効硬化処理したもの。
T9 溶体化処理後人工時効硬化処理を行い,更に冷間加工したもの :
(TL) 溶体化処理後人工時効硬化処理を行い,強さを増加させるため,更に冷間加工したもの。
T10 高温加工から冷却後冷間加工を行い,更に人工時効硬化処理したもの :
(TG) 押出材のように高温の製造工程から冷却後強さを増加させるため冷間加工を行い,更に人工時効硬化処
理したもの。
備考 ( ) 内は対応ISO記号であり,これを用いてもよい。

――――― [JIS H 0001 pdf 5] ―――――

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JIS H 0001:1998の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2107:1983(MOD)
  • ISO 6361-2:1990(MOD)
  • ISO 6362-2:1990(MOD)
  • ISO 6363-2:1990(MOD)

JIS H 0001:1998の国際規格 ICS 分類一覧