JIS H 1501:1975 ホワイトメタル分析方法

JIS H 1501:1975 規格概要

この規格 H1501は、JIS H 5401に規定された化学成分(すず,アンチモン,銅,鉛,亜鉛,鉄,アルミニウム,ひ素,ビスマス)の分析方法について規定。

JISH1501 規格全文情報

規格番号
JIS H1501 
規格名称
ホワイトメタル分析方法
規格名称英語訳
Methods for chemical analysis of white metal
制定年月日
1955年12月16日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.120.60
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1955-12-16 制定日, 1958-12-16 確認日, 1961-12-16 確認日, 1964-12-01 確認日, 1966-03-01 改正日, 1969-03-01 確認日, 1972-07-01 確認日, 1975-07-01 確認日, 1975-11-01 改正日, 1979-02-01 確認日, 1984-06-01 確認日, 1988-12-01 確認日, 1994-10-01 確認日, 2000-02-20 確認日, 2005-02-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS H 1501:1975 PDF [25]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 1501-1975

ホワイトメタル分析方法

Methods for Chemical Analysis of White Metal

1. 適用範囲 この規格は,JIS H 5401(ホワイトメタル)に規定された化学成分(すず,アンチモン,
銅,鉛,亜鉛,鉄,アルミニウム,ひ素,ビスマス)の分析方法について規定する。
引用規格 :
JIS H 5401 ホワイトメタル
JIS K 0050 化学分析通則
JIS K 0115 吸光光度分析方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準試薬
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050(化学分析通則)及びJIS K 0115(吸光光度分
析方法通則)による。
3. 分析試料の採り方及び取扱い方
3.1 試料の採り方 試料の採り方及びその調製方法は,JIS H 5401による。
3.2 試料の取扱い方 試料の取扱い方は,次による。
(1) 分析試料は,異物などによる汚染を防止するため,適当なふた付きガラス容器などに入れ,密封して
保存する。
(2) 分析試料は,その表面に油などが付着しているおそれがあるときは,あらかじめ純良なアルコール及
びエーテルで洗浄して除去する。
3.3 試料のはかり方 試料のはかり方は,次による。
(1) 分析試料のはかり取りに際しては,試料を良くかき混ぜて平均組成を表すように注意しなければなら
ない。
(2) 分析試料のはかり取りには,原則として化学はかりを用い,規定された量に近い量を分析値の表示け
た数を参考として,必要な位まではかり取る。
4. 分析値の表し方と操作上の注意
4.1 分析値の表し方 分析値は百分率で表し,JIS H 5401に規定された数値の有効最下位の次のけたま
で算出して,JIS Z 8401(数値の丸め方)によって丸める。
4.2 分析操作上の注意 分析操作上の注意は,次による。
(1) 分析は同一試料について2回以上行って結果を確かめる。
(2) 分析に当たっては全操作を通じて空試験を行い,測定値を補正しなければならない。

――――― [JIS H 1501 pdf 1] ―――――

2
H 1501-1975
5. すず定量方法
5.1 方法の区分 すずの定量方法は,よう素滴定法による。
5.2 よう素滴定法
5.2.1 要旨 試料を硫酸で分解し,水と塩酸を加えて煮沸後,塩酸,還元用鉛及び塩化アンチモンなどを
加えてキャップ付ゴムせんを施し,加熱還元後でんぷんを指示薬として,速やかによう素標準溶液で滴定
する。
5.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 硫酸
(3) 炭酸水素ナトリウム溶液(飽和,約9w/v%)
(4) 三塩化アンチモン溶液 三塩化アンチモン5gを塩酸 (1+1) 500mlに加熱溶解する。
(5) /10よう素標準溶液 よう化カリウム30gとよう素12.8gとをはかり取ってビーカー (300ml) に移し
入れ,冷水50mlを加えて振り混ぜてよう素を完全に溶かした後150mlにうすめ,ガラスろ過器 (17G4)
を用いてろ過した後,水を用いて1lとし,かっ色びんに入れて保存する。この溶液1mlはすず約0.006g
に相当するが,すず地金1種の一定量を用いて,使用の都度次のとおり標定する。
標定方法 すず地金1種1.000gをはかり取ってトールビーカー (300ml) に移し入れ,硫酸20mlを
加えて時計ざらで覆い強熱分解し,引き続いて強熱し,時計ざら及びビーカーの内壁に付いた硫黄を
揮散させる。冷却後,水と塩酸 (1+1) とを用いて時計ざら及びビーカーの内壁を洗い,塩酸 (1+1)
50mlを加えて可溶性塩を溶解し,250mlのメスフラスコに移し,塩酸 (1+1) を用いて標線までうす
める。又はすず1.000gを水浴上で白金板を触媒として塩酸50mlで分解し,250mlのメスフラスコに
移し,塩酸 (1+1) を用いて標線までうすめ,標準すず溶液とする。
この溶液25mlを正しく取り,三角フラスコ (500ml) に入れ,水で200mlにうすめた後,5.2.5(3)
(5)の手順に従って操作し,1mlに相当するすず量を次の式によって算出する。
1.0
f
V1 V2
ここに f : N/10よう素標準溶液1mlに相当するすず量 (g)
V1 : N/10よう素標準溶液の使用量 (ml)
V2 : 空試験値 (ml)
(6) /30よう素標準溶液 よう化カリウム15gとよう素4.3gとをはかり取ってビーカー (300ml) に移し
入れ,冷水50mlを加えて振り混ぜてよう素を完全に溶かした後150mlにうすめ,ガラスろ過器 (17G4)
を用いてろ過した後,水を用いて1lとし,かっ色びんに入れて保存する。この溶液1mlは,すず約
0.002gに相当するが,すず地金1種の一定量を用いて,使用の都度次のとおり標定する。
標定方法 標準すず溶液〔(5)に従って調製する〕10mlを正しく取り,(5)と同様にして滴定し,1ml
に相当するすず量を次の式によって算出する。
.004
f
V1 V2
ここに f : N/30よう素標準溶液1mlに相当するすず量 (g)
V1 : N/30よう素標準溶液の使用量 (ml)
V2 : 空試験値 (ml)
(7) でんぷん溶液 でんぷん(溶性)0.1gを少量の冷水ででい(泥)状とし,100mlの熱水中にかき混ぜ
ながら注入した後少し煮沸し,放冷して用いる。この溶液は使用の都度調製し,よう素によって赤か

――――― [JIS H 1501 pdf 2] ―――――

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H 1501-1975
っ色となったものを用いてはならない。
5.2.3 装置及び器具 装置及び器具は,原則として付図1,付図2及び付図3を用いる。
(1) 還元用鉛は試金用鉛を用いるのが便利であるが,還元用の鉛及び三塩化アンチモンの代わりに付図1
のようなニッケルシリンダーを用いてもよい。ニッケルシリンダーは,厚さ約1.5mmの純ニッケル板
を用いる。
(2) キャップ付ゴムせんは,厚さ11.5mmの硬質ガラスを用いて作った付図2のものを用いる。
また付図3のように二酸化炭素を通じて還元する装置を用いてもよい。
5.2.4 試料はかり取り量 試料はすず含有率に応じ,表1に従ってはかり取る。
表1
すず含有率 試料はかり取り量
よう素標準溶液の濃度
% g
9未満 1 N/30
9以上 20未満 1 N/10
20以上 35未満 0.5 N/10
35以上 55未満 0.3 N/10
55以上 65未満 0.2 N/10
5.2.5 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取って三角フラスコ (500ml) に移し入れ,硫酸15mlを加えて加熱分解する。
(2) 放冷後,水50mlと塩酸10mlとを加え,煮沸してひ素を揮散させ,水で200mlにうすめる。
(3) 塩酸40ml,還元用鉛10g及び三塩化アンチモン溶液10mlを加え,キャップ付ゴムせんを施し,キャ
ップに水50mlを入れ,約10分間静かに煮沸して還元する。
(4) 少し放冷し,キャップ中の水を三角フラスコに逆流させた後,炭酸水素ナトリウム溶液50mlを加え,
再び30分間加熱して完全にすずを還元する。
(5) この溶液を10℃以下に冷却し,ゴムせんを外し,あらかじめ用意してある洗浄水(1)で三角フラスコの
内壁,ゴムせんの下端を洗浄し,でんぷん溶液10mlを指示薬として加えた後,よう素標準溶液(表1
参照)を用いて約10℃で滴定する。
5.2.6 計算 試料中のすず含有率を次の式によって算出する。
f 圀
すず (%) 100
ここに f : よう素標準溶液1mlに相当するすず量 (g)
V : よう素標準溶液の使用量 (ml)
W : 試料はかり取り量 (g)
注(1) 洗浄水は煮沸して空気を追い出し二酸化炭素を通じながら冷却した水を用いる。二酸化炭素中
に酸素が混入しているときは塩化第一銅45gを塩酸 (1+1) 300mlに溶解し,これに少量の金属
銅削り片を加えた後,密せんして24時間以上放置した溶液を用いて酸素を除いた後使用する。
備考 付図3のような二酸化炭素を通じて還元する装置を用いる場合の操作は,次による。
試料を5.2.5(1)(2)の手順によって操作した後,塩酸40ml,還元用鉛10g及び塩化アンチモ
ン溶液10mlを加え装置を組み立て,二酸化炭素を通じながら約30分間加熱し,完全にすずを
還元する。放冷後,流水中で10℃以下に冷却し,ガラス棒eを抜き,洗浄びんの口を突き込み,
洗浄水(1)で三角フラスコの内壁,ゴムせんの下端を洗浄し,でんぷん溶液10mlを指示薬とし
て加えた後,よう素標準溶液を入れたビュレットの先をeの孔に突き込み,約10℃で滴定する。

――――― [JIS H 1501 pdf 3] ―――――

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H 1501-1975
以下5.2.6に従ってすず含有率を算出する。
6. アンチモン定量方法
6.1 方法の区分 アンチモンの定量方法は,過マンガン酸カリウム滴定法による。
6.2 過マンガン酸カリウム滴定法
6.2.1 要旨 試料を硫酸と硫酸カリウムとで加熱分解し,水及び塩酸を加えて煮沸し,更に水を加えて冷
却後,過マンガン酸カリウム標準溶液を用いて滴定する。
6.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 硫酸
(3) 硫酸カリウム
(4) 亜硫酸ナトリウム
(5) /20過マンガン酸カリウム標準溶液 過マンガン酸カリウム1.58gを水1lに溶解し,フラスコに入れ
静かに煮沸した後1夜間暗所に放置する。上澄み液をガラスろ過器 (17G4) (ろ過の前後に水洗して
はならない)でろ過し,かっ色びんに入れ暗所にたくわえる。この溶液1mlはアンチモン約0.003gに
相当するが,次のとおり標定する。
標定方法 アンチモン地金特種0.600gをはかり取って三角フラスコ (500ml) に移し入れ,6.2.4(1)
の手順に従って操作する。放冷後,注意して水50ml及び塩酸50mlを加えて可溶性塩を溶解し,冷却
後250mlのメスフラスコに移し,塩酸 (1+1) を用いて標線までうすめる。
この溶液25mlを分取し,水100ml及び硫酸20mlを加え,約5分間静かに煮沸し,水を加えて約250ml
にうすめて約10℃に冷却し,6.2.4(3)に従って操作し,1mlに相当するアンチモン量を次の式によって
算出する。
.006
f
V1 V2
ここに f : N/20過マンガン酸カリウム標準溶液1mlに相当するアンチ
モン (g)
V1 : N/20過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)
V2 : 空試験値 (ml)
(6) /20臭素酸カリウム標準溶液 水で2回再結晶して180℃で恒量となるまで乾燥した臭素酸カリウム
1.3918gを水に溶解した後1000mlのメスフラスコに移し,水で標線までうすめる。この溶液1mlは,
アンチモン0.003044gに相当する。
(7) メチルオレンジ溶液 (0.1w/v%)
6.2.3 試料はかり取り量 試料はアンチモン含有率に応じ,表2に従ってはかり取る。
表2
アンチモン含有率 試料はかり取り量
% g
10未満 1
10以上 0.5
備考 鉛基合金(710種)は0.3gをはかり
取る。
6.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。

――――― [JIS H 1501 pdf 4] ―――――

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H 1501-1975
(1) 試料をはかり取って三角フラスコ (500ml) に移し入れ,硫酸20ml及び硫酸カリウム4gを加え,始め
は徐々に加熱し,次第に温度を高めて分解させた後,引続き1030分間加熱(1)して二酸化硫黄を除く
(2)。
(2) 放冷後注意して水50mlを加え,三角フラスコの内壁を水洗し,これに塩酸15ml(3)を加え,5分間(鉄
又はひ素含有量の多い場合は10分間)静かに煮沸し(4),水を加えて約250mlにうすめた後(5)約10℃
に冷却する。
(3) 約10℃に保ちながらN/20過マンガン酸カリウム標準溶液で徐々に滴定する(6)。
6.2.5 計算 試料中のアンチモン含有率を次の式によって算出する。
f 圀
アンチモン (%) 100
ここに f : N/20過マンガン酸カリウム標準溶液1mlに相当するアンチ
モン量 (g)
V : N/20過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)
W : 試料はかり取り量 (g)
注(1) この際あまり高い温度で加熱すると低値を与えやすいので注意する必要がある。
(2) 二酸化硫黄が残存し,過マンガン酸カリウム溶液を消費して高値を与えることがあるので,分
解後引続き加熱してこれを避ける必要がある。
(3) 塩酸の量は,すず基合金では15mlでよいが,鉛基合金の場合は25mlを用い,最後に水で全容
を約400mlとして滴定する。
(4) 塩酸酸性で長時間加熱を行えば,アンチモン (III) は空気酸化を受けて低値を与える(銅が共存
するとき特に著しい)。
(5) この際硫酸鉛の沈殿が多量に存在するときはアンチモンは高値となりやすいので,1分間煮沸
した後,直ちに振り混ぜて沈殿をなるべく溶解させる必要がある。
(6) 滴定は徐々に行わなければならない。急激に行うと塩酸と反応して0.20.3ml過剰に消費する。
備考 ひ素を合金成分とする10種については,次のように操作する。6.2.4(1)によって試料を分解し
た後放冷後,水10ml,塩酸75ml及び亜硫酸ナトリウム1gを加え,静かに煮沸して容積が60
±5mlとなるまで蒸発する。これに熱湯を加えて300mlにうすめ,1分間激しく空気を通じた
後,この熱溶液にメチルオレンジ溶液を指示薬として加え,N/20臭素酸カリウム標準溶液を用
いて滴定し,アンチモン含有率を次の式によって算出する。
f 圀
アンチモン (%) 100
ここに f : N/20臭素酸カリウム標準溶液1mlに相当するアンチモン量
(g)
V : N/20臭素酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)
W : 試料はかり取り量 (g)
7. 銅定量方法
7.1 方法の区分 銅の定量方法は,次のいずれかによる。
(1) チオ硫酸ナトリウム滴定法
(2) 電解重量法 この方法は,鉛含有率3%未満の試料に適用する。
7.2 チオ硫酸カリウム滴定法

――――― [JIS H 1501 pdf 5] ―――――

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JIS H 1501:1975の国際規格 ICS 分類一覧

JIS H 1501:1975の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISH5401:1958
ホワイトメタル
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISZ8401:2019
数値の丸め方