JIS H 7001:2009 形状記憶合金用語

JIS H 7001:2009 規格概要

この規格 H7001は、形状記憶合金に関する主な用語及び定義について規定。

JISH7001 規格全文情報

規格番号
JIS H7001 
規格名称
形状記憶合金用語
規格名称英語訳
Glossary of terms used for shape memory alloys
制定年月日
1989年3月1日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

01.040.77, 77.120.99
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1989-03-01 制定日, 1994-10-01 確認日, 2002-03-20 改正日, 2007-01-20 確認日, 2009-04-20 改正日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS H 7001:2009 PDF [9]
                                                                                   H 7001 : 2009

pdf 目 次

ページ

  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 用語の分類・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS H 7001 pdf 1] ―――――

H 7001 : 2009

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人大阪科学
技術センター付属ニューマテリアルセンター (OSTEC) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準
原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大
臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS H 7001:2002は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS H 7001 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                                JIS
H 7001 : 2009

形状記憶合金用語

Glossary of terms used for shape memory alloys

1 適用範囲

  この規格は,形状記憶合金に関する主な用語及び定義について規定する。

2 用語の分類

  用語の分類は,次のとおりとする。
a) 基礎物性・特性
b) 形状記憶特性・超弾性特性
c) 熱処理及びその他の処理

3 用語及び定義

  用語及び定義は,次による。
なお,参考のために対応英語を示す。
注記 定義の説明の中で( )を付けてあるものは,同義及び略号の場合,又は前の用語を置き換え
る場合の二通りがある。
a) 基礎物性・特性
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1001 形状記憶効果 shape memory effect
ある形状の合金を低温相(マルテンサイト)の状態で異なる
形状に変形させても,高温で安定な相(オーステナイト)に
なる温度に加熱するとマルテンサイト逆変態が起こること
で,変形前の形状に戻る現象。
1002 形状記憶合金 形状記憶効果を示す合金。 shape memory alloys
注記 Ti-Ni合金,Ti-Ni-Cu合金,Cu-Zn-Al合金,Fe-Mn-Si
合金などがある。
1003 磁性形状記憶合金 magnetic shape memory
形状記憶合金としての性質及び磁性材料としての性質を併せ
もつ合金。 alloys
注記 Ni-Mn-Ga合金,Fe-Pd合金などの強磁性形状記憶合金
では,マルテンサイトに磁場を負荷することで大きな
ひずみを発生することができる。

――――― [JIS H 7001 pdf 3] ―――――

2
H 7001 : 2009
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1004 マルテンサイト変態 martensitic
固体間の相変態の一種で,高温で安定な相(オーステナイト)
transformation
を冷却したとき,ある温度で,原子が拡散を伴わずにせん断
変形的に連携移動して,異なる結晶構造の低温相(マルテン
サイト)に変化する相変態。
注記 マルテンサイト変態の特徴を,次に示す。
a) 無拡散変態である。
b) 表面起伏(形状変化)を伴う。
c) 母相とマルテンサイトの結晶格子との間に特定の
格子対応及び方位関係がある。
d) 晶へき面をもつ。
1005 マルテンサイト マルテンサイト変態によって生じる低温相の名称。 martensite
注記 マルテンサイトは,母相からの冷却だけで生じるので
はなく,母相状態で応力,静水圧又は磁場を加えるこ
とによっても生じることがある。
1006 オーステナイト austenite
マルテンサイト変態に関与する相で,高温側で安定に存在す
る相。
注記 母相又は高温相ともいう。
1007 B2相 Ti-Ni系形状記憶合金のオーステナイト相。 B2 phase
1008 B19相 B19 phase
Ti-Ni系形状記憶合金で生成する単斜晶のマルテンサイト。
1009 B19相 Ti-Ni-Cuなどで生成する斜方晶のマルテンサイト。 B19 phase
注記 B19相へのマルテンサイト変態は,変態ひずみが約5 %
ありながら温度ヒステリシスが小さいため,アクチュ
エータとしての応用に適している。
1010 R相 R phase
Ti-Ni系形状記憶合金で,母相とB19相との中間の温度域で生
成する三方晶のマルテンサイト。
注記 R相が出現するかどうかは組成又は内部組織によって
異なり,相変態がB2→R→B19の二段になる場合と,
B2→B19の一段になる場合とがある。Ti-Ni合金では,
転位などの加工組織又は析出物が存在するときにR相
が生成しやすくなる。B2相からR相へのマルテンサイ
ト変態は,B2相からB19相へのマルテンサイト変態と
比較して変態ひずみ,温度ヒステリシス及び応力ヒス
テリシスが小さい。
1011 R相変態 R phase transformation
Ti-Ni系形状記憶合金でR相を生じるマルテンサイト変態。
1012 熱弾性形マルテンサ thermo-elastic
変態による化学自由エネルギーの変化と変態に伴う弾性ひず
イト変態 martensitic
みエネルギーの変化とが,平衡を保ちながら起きるようなマ
ルテンサイト変態。 transformation
注記 この種の変態が起こる合金では,マルテンサイトとオ
ーステナイトとの界面の整合性が良いため,その移動
が容易に起こる。そのためマルテンサイトは,温度の
変化に対応して成長又は縮小し,変態の可逆性に優れ,
温度ヒステリシスも小さい。形状記憶合金のマルテン
サイト変態は,ほとんどの合金で熱弾性形である。
1013 応力誘起マルテンサ stress-induced
母相の安定な温度領域で,負荷応力によって誘起されるマル
イト変態 テンサイト変態。 martensitic
transformation
1014 磁場誘起マルテンサ外部磁場によって誘起されるマルテンサイト変態。 magnetic field induced
イト変態 martensitic
transformation

――――― [JIS H 7001 pdf 4] ―――――

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H 7001 : 2009
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1015 多段変態 multistep
マルテンサイト相を冷却したり,応力,磁場などの外場を負
transformation,
荷することで異なった構造のマルテンサイト相へと変態する
こと。 successive
transformation
1016 擬弾性 pseudoelasticity
原子間隔の変化に起因する弾性以外の機構で生じる,見かけ
の弾性の総称。
1017 超弾性 superelasticity
負荷時に応力誘起マルテンサイト変態によって生じた変形
が,除荷時の逆変態によって回復する性質。
注記 このようなマルテンサイト変態に伴う超弾性を,変態
擬弾性ともいう。また,マルテンサイトの双晶界面の
可逆的な運動によって生じるものは,双晶擬弾性とい
って区別する。
超弾性,双晶擬弾性では,弾性ひずみの数倍数十
倍のひずみが除荷時に回復する。
1018 逆変態 reverse transformation
冷却又は負荷に伴って生じた相変態が,加熱又は除荷に伴っ
て母相に逆戻りする変態。
注記 加熱の場合には,マルテンサイトからオーステナイト
へ,R相からオーステナイトへ,又はマルテンサイト
からR相への変態がある。
応力誘起マルテンサイト変態の場合には,マルテン
サイトから構造の異なるマルテンサイトへの逆変態も
ある。

――――― [JIS H 7001 pdf 5] ―――――

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JIS H 7001:2009の国際規格 ICS 分類一覧