JIS K 0063:1992 化学製品の旋光度測定方法

JIS K 0063:1992 規格概要

この規格 K0063は、溶液又は液体の状態の化学製品の旋光度を測定するための一般的な方法について規定。

JISK0063 規格全文情報

規格番号
JIS K0063 
規格名称
化学製品の旋光度測定方法
規格名称英語訳
Test methods for optical rotation of chemical products
制定年月日
1966年9月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

71.040.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
化学分析 2021
改訂:履歴
1966-09-01 制定日, 1969-08-01 確認日, 1972-07-01 確認日, 1975-08-01 確認日, 1978-08-01 確認日, 1984-02-01 確認日, 1989-06-01 確認日, 1992-05-01 改正日, 2002-06-20 確認日, 2006-11-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS K 0063:1992 PDF [8]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 0063-1992

化学製品の旋光度測定方法

Test methods for optical rotation of chemical products

1. 適用範囲 この規格は,溶液又は液体の状態の化学製品の旋光度を測定するための一般的な方法につ
いて規定する。
備考1. 化学製品は,化学反応によって生成する物質全般を指すが,個別の製品又は製品群の規格に
おいて,この規格と異なる測定方法が規定されている場合には,その規格に規定する方法に
よる。
2. 化学製品には,揮発性,爆発性,放射性などが強いために,この規格を用いるとき試験の安
全を確保できないものもある。この規格に規定する方法は一般的な方法であり,あらかじめ
安全性を十分に確認できるものに適用する。
3. この規格に規定する測定方法は,試料に光を照射して行うため,光に対して安定でない物質
は,この適用範囲から除外する。
4. この規格の化学製品の旋光度は,一般に20℃で測定し,比旋光度として表す。
5. この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. 一般事項
2.1 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0211,JIS K 0212及びJIS Z 8120によるほ
か,次のとおりとする。
(1) 直線偏光 光波で電気ベクトルの振動方向が同一平面内に含まれる光をいう。
(2) 旋光 媒質の中を直線偏光が進行するとき,偏光面が回転する現象。
(3) 旋光度 光学活性物質が偏光面を回転させる度合を角度で示し,
光源に向かい合っている観測者からみて,偏光面が時計回りに回転している場合を右旋といい+,
反時計回りの場合を左旋といい−で表す。旋光角も同じ意味である。単位は (度)。
(4) 比旋光度 試料の層の長さ100mm,濃度100%当たりに換算した旋光度。物質の示す旋光度は,試料
の層の長さ(試料中を光が通過する距離),試料の濃度及び温度に依存するため,この旋光度を一定の
層の長さ,一定の濃度値に換算した値を比旋光度として,化学製品の光学活性の強さを示すのに規定
する。
測定温度 (t),測定波長 ( ‰ して [ 愀 瓰 +(又は−)xx. xxxと表す。一般的にはナトリウ
ムランプを光源とし,そのD線 (589.3nm) を用いて測定することが多いが,そのときには波長の代わ
りにDを付記する。単位は ・cm2・dag−1。
(5) 変旋光 光学活性物質がその比旋光度を変える現象。
2.2 共通事項 試験に共通する事項は,次のとおりとする。

――――― [JIS K 0063 pdf 1] ―――――

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2.2.1 測定環境及び測定温度条件
(1) 測定環境 測定環境は,温度20±5℃,湿度80%以下。
(2) 測定温度 20±2℃(1)。
注(1) 測定温度及び温度範囲が特に規定されている場合にはそれによる。温度係数が規定されている
場合は,その適用温度範囲で測定し補正する。
備考 温度係数の大きい物質は,恒温装置を用いて規定温度に対して±0.2℃で測定を行うと,より高
い精度で比旋光度を求めることができる。
2.2.2 試料 製品が固体の場合には,適切な溶媒に溶かして均質な試料を調製する。液体の場合には,そ
のまま試料とするか,又は適切な溶媒に溶かして均質な試料を調製して用いる。これらの試料を長さが既
知のセルに入れ,測定を行う。
2.2.3 標準物質 装置の正確さを確認するための標準物質として,純度が保証され,比旋光度が大きい物
質を用いる。
備考 標準物質として,例えばサッカロースがある。調製方法は,JIS K 8383に規定するサッカロー
ス26gに水を加えて100mlにしたもの。
参考 純度が保証されたものとしては,NIST Srandard Referenced Material 17d Sucroseがある。
なお,サッカロースの比旋光度,比旋光度の濃度依存性及び旋光度の温度依存性の文献値を
次に示す。
(1) サッカロースの比旋光度
20
[ ]D 66.529 cm 2 dag−1
(c=26,水)
201.
[ ] 546 78.342 cm 2 dag−1
(c=26,水)
ただし,(c=26,水)は濃度が26g/100mlで溶媒が水であることを示す。
出典 : Certificate of Analysis, Standard Reference Material 17d ; Sucrose (NIST)
(2) サッカロースの比旋光度の濃度依存性
濃度g/100ml 愀D (°・cm2・dag−1)
比旋光度 [
5 +66.500
10 +66.527
15 +66.541
20 +66.540
25 +66.523
30 +66.487
35 +66.432
40 +66.351
45 +66.245
50 +66.109
出典 : Handbook of Chemistry and Physics, 42-nd
Edition (1960-1961), P1784, The Chemical Rubber Co.,
Ohio, U. S. A.
(3) サッカロースの旋光度の温度依存性
tD 20
D 1 .000037(t20) ;t 1430 C
出典 : Handbook of Chemistry and Physics, 42-nd Edition (1960-1961), P3019, The Chemical Rubber
Co., Ohio, U. S. A.

――――― [JIS K 0063 pdf 2] ―――――

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2.2.4 装置の正確さの確認方法 セルの長さを含む装置全体の正確さの確認には,標準物質を用いて一定
温度でその旋光度を測定し,この規格によって比旋光度に換算し,文献値とする。
確認の結果,装置の仕様から外れている場合は,測定値の校正は行わず,修理調整した後,再び正確さ
の確認をしなければならない。セルの長さが規格から外れた場合は,そのセルを用いないか又はセルの長
さを補正して比旋光度の計算に用いる。
2.2.5 数値の丸め方 数値の丸め方は,JIS Z 8401による。
3. 測定方法
3.1 要旨 光路内に2枚の偏光子を偏光面が直交するように配置すると,光は透過しない。この状態で,
偏光子の間に旋光性をもつ試料を挿入すると,試料の旋光度に応じた量の光が透過する。検光子を回転し
て,再び光が透過しない状態とし,そのときの回転角から試料の旋光度を求める。
3.2 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(1) 旋光計の種類 旋光計の種類には,自動化の程度及び旋光角の読取り方法によって,次の3種類があ
り,そのいずれかによる。旋光度を0.01°まで読み取れるものを用いる。
備考 旋光計の測定値の正確さは,必要に応じて2.2.4によって確認する。
(a) 目視形旋光計 検光子として,その偏光面が互いに一定の角度で交わる2枚の半円形の結晶板が,
はり合わされた素子を用いる。一般に試料をセットした状態での各結晶板を通しての視野の明るさ
は異なるが,検光子を回転していくと視野の明るさが等しくなる位置を見付けることができる。こ
のときの検光子の角度を目盛で読み取ることによって旋光度を求めることができる。測定旋光度範
囲は+90 −90 ,その読取り精度は0.01°程度である。
(b) 光電光度計形旋光計 検光子の後に光電子増倍管などの光検出器を置き,検光子を回転させながら
光検出器の出力をガルバノメータの針の振れでモニターし,その振れが最も小さくなる位置の角度
を目盛で読み取ることによって旋光度を求める。測定旋光度範囲は+90 −90 ,その読取り精度
は0.005°程度である。
(c) 自動ディジタル表示形旋光計 測光原理として振動偏光方位方式の光学零位法が用いられる。試料
に入射する前,又は試料透過後の直線偏光の偏光面をわずかに振動させると,その振動数の2倍の
周波数の交流成分が検出器の光電出力信号に現れる。もし試料に旋光性があると,振動数に等しい
周波数の交流成分も混じる。後者の交流成分がゼロになる位置まで検光子を回転し,角度の差を読
み取って旋光度を求める。一般的にこの操作は完全に自動で行われ,結果の旋光度は数字で表示さ
れる。測定旋光度範囲は装置によって差異はあるが,+90 −90 ,その読取り精度は0.001°程度
である。このシステム構成の例を図1に示す。

――――― [JIS K 0063 pdf 3] ―――――

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図1 自動旋光計のシステム構成の一例
(2) 光源 光源は装置に付属するものを用いる。ナトリウムランプが一般的であるが,水銀ランプなども
ある。光源からの光が単色光でない場合には,光学フィルターなどによって単色光にして,測定に用
いなければならない。
(3) 偏光子 自然光を直線偏光に変えるための光学素子。
(4) 検光子 偏光を検出するための偏光素子。
(5) 恒温装置 測定温度を±0.1℃に制御できるもの。恒温型セルホルダ,ウォータージャケット付セルに
循環恒温槽を接続するものなどがある。
(6) セル 旋光度測定用セル。セルの長さ(2)は100mmのものを用いるが,その他の長さのものを用いて

――――― [JIS K 0063 pdf 4] ―――――

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もよい。
注(2) セルの長さはセルの窓板の内のりの長さであり,公称長に対する許容幅は±0.1%とする。この
セル長は,サッカロース溶液など,旋光度が既知の溶液を用いて確認する。
備考1. 組立型のセルを用いる場合にひずみの起こるのを避けるには,セルに試料を入れて止め金を
ねじ込んで固定するとき,何回ねじれば適切に固定されるかを知っておくか又は固定した止
め金の最終位置に印をつけておくのがよい。
2. セル長が長いほど,比旋光度の精度は高くなる。したがって,目視形旋光計を用いて測定を
行う場合には,精度を確保するために200mmのセルを用いるのが望ましい。試料が着色し
ていて光を吸収するような場合には,透過光の強度を確保するため50mmのような短いセル
を用いてもよい。
(7) 温度計 最小目盛0.1℃,精度±0.1℃のもの。
3.3 試料 試料は,次のとおりとする。
3.3.1 試料調製法
(1) 固体試料は,恒量になるまで乾燥した後,JIS R 3505に規定する全量フラスコを用い,JIS K 0050に
規定する方法で適宜の溶媒(3)に,適当な濃度(4)に溶かした溶液を測定に用いる。溶媒や濃度が規定さ
れている場合にはそれによる。
注(3) 溶媒は,試料を完全に溶解し,旋光性がなく,溶液中で試料分子が2量体などの高次構造を作ら
ないものを用いる。
(4) 装置の測定精度に比べて,その試料の旋光度の測定値が十分大きくなる濃度をいう。この濃度
の精度は,比旋光度を計算したときに要求される精度を満たすものでなければならない。
(2) 純液体(5)は,そのまま測定に用いるか,又は適宜な溶媒を用いて適切な濃度の溶液として測定に用い
る。
注(5) 常温,特に旋光度の測定温度で液体である物質を溶液と区別して,純液体と呼ぶ。
備考1. 試料が完全に溶けないために,試料溶液が濁っている場合は,完全に溶かすことができる溶
媒を用いる。不純物のために濁っている場合も,試料の濃度に誤差が含まれることになるの
で,測定前にろ過するなどして濁りを除く。
2. 用いた溶媒の種類や濃度によって比旋光度が変わることがあるので,比旋光度を示す場合に
は,測定時の溶媒名及びその溶液の濃度を記載する。試料によっては溶液のpHのわずかな
差によっても比旋光度が影響されるので,その場合にはpHも付記する。
3. 変旋光を示す試料については,溶液の調製方法及び調製後測定までの経過時間を付記する。
3.3.2 試料の保存 試料は調製後できるだけ速やかに測定に供する。止むを得ず試料を保存する場合には,
遮光し,冷蔵又は冷凍する。この場合,保存の前後で旋光度が変化していないことを確認する。
参考 経過時間とともに,分解,ラセミ化などの化学変化が起こり,旋光度が変化する物質がある。
このような変化は,固体状態より液体又は溶液状態の方が起こりやすく,一般に光や温度はこ
のような化学変化を促進する。
3.4 操作 操作は,次のとおり行う。
(1) 光源を点灯し,光量が安定するまでしばらく待つ。この時間は,装置及びランプの状態によって変わ
るが1530分間である。
(2) 装置の光束絞りを調節する。セルの内径より太い光束を使うと,セルの内面で反射を起こし,正しい
旋光度が得られないことがある。内面反射が起こらず,十分な光量が得られるように光束絞りを調節

――――― [JIS K 0063 pdf 5] ―――――

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JIS K 0063:1992の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0063:1992の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0211:2013
分析化学用語(基礎部門)
JISK0212:2016
分析化学用語(光学部門)
JISK8383:2019
スクロース(試薬)
JISR3505:1994
ガラス製体積計
JISZ8120:2001
光学用語
JISZ8401:2019
数値の丸め方