JIS K 0134:2002 規格概要
この規格 K0134は、近赤外分光光度計を用いて無機物及び有機物の定性分析又は定量分析を行う場合の通則について規定。
JISK0134 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K0134
- 規格名称
- 近赤外分光分析通則
- 規格名称英語訳
- General rules for near-infrared spectrophotometric analysis
- 制定年月日
- 2002年3月20日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 71.040.50
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 化学分析 2021, 環境測定 II 2021
- 改訂:履歴
- 2002-03-20 制定日, 2006-11-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS K 0134:2002 PDF [14]
K 0134 : 2002
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本分析機器工業会 (JAIMA) /財
団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS K 0134 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 0134 : 2002
近赤外分光分析通則
General rules for near-infrared spectrophotometric analysis
1. 適用範囲 この規格は,近赤外分光光度計を用いて無機物及び有機物の定性分析又は定量分析を行う
場合の通則について規定する(1)。
注(1) 近赤外線は,波長7002 500nm(波数14 2864 000cm−1)の領域を指すこととする。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS C 6802 レーザ製品の安全基準
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0212 分析化学用語(光学部門)
JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0211,JIS K 0212及びJIS K 0215によるほか,次
による。
なお,括弧内の対応英語は参考のために示す。
a) 干渉図形 (interferogram) マイケルソン干渉計からの信号を光の光路差を横軸に,光の強度を縦軸
にとって示した図形。インターフェログラムともいう。
b) アポダイゼーション (apodization)干渉計が有限の走査距離をもつために生じるスペクトルのひず
みなどを軽減するために,干渉図形に適切な関数を重畳する数学的操作。
c) 正反射法 (specular reflection method)試料表面での光の正反射(鏡面反射)を用い,反射光の強度
を測定する方法。反射率は複素屈折率の関数となるので吸収スペクトルに直すにはクラマース−クロ
ニッヒ変換が必要である。
d) クラマース−クロニッヒ変換 (Kramers−Kronig transformation) 反射測定で得られた複素屈折率
のスペクトルから吸収スペクトル及び/又は屈折率のスペクトルのそれぞれを求める方法。
試料からの散乱光を用い,反射光の強度を測定する方法。吸
e) 拡散反射法 (diffuse reflection method)
収スペクトルに直すには,クベルカ−ムンク変換を用いて吸収スペクトルに変換する。
f) クベルカ−ムンク変換 (Kubelka−Munk transformation) 拡散反射法で測定したスペクトルを吸収
スペクトルに変換する方法。
g) 透過反射法 (transflectance) 底部に拡散反射板をもつセルに測定光を入射させたときに,透過及び
拡散反射した光をともに測定する方法。
物質中を伝ぱする音波の振動数を電気
h) 音響光学フィルター (acousto-optical tunable filter ; AOTF)
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的に変化させ,格子間隔を変化させることのできる回折格子を利用したバンドパスフィルター。この
原理を利用した音響光学素子には回折格子として用いられるものもあり,音響光学的回折格子と呼ば
れる。
i) 数学的手法や統計的手法を適用し,最適手順及び最適実験計画
ケモメトリックス (chemometrios)
の立案・選択を行うとともに,化学的データから得られる化学情報量の最大化を目的とする手法の総
称。パターン認識,定量,ニユーラルネットワークなど多くの方法がある。
4. 概要 近赤外分光分析法は,固体(粉体含む。)又は液体試料と近赤外光との相互作用による光の吸収
及び/又は散乱などを測定し,それらのスペクトルを用いて定性分析,定量分析を行う方法である。
近赤外分光分析法に使用する装置には,回折格子,音響光学素子など用いた分光系で構成された分散形
近赤外分光光度計,干渉計,スペクトルを得るための演算器などで構成されたフーリエ変換形近赤外分光
光度計,干渉フィルターを用いた干渉フィルター形近赤外分光光度計などがある。
近赤外分光分析法においては,固体(粉体含む。)試料では反射法,液体試料では透過法が主として用い
られる。得られたスペクトルから,主として重回帰分析法,因子解析法などの多変量解析法を用いて,定
性分析及び/又は定量分析を行う。
5. 装置
5.1 装置の構成
5.1.1 分散形近赤外分光光度計 分散形近赤外分光光度計の構成の例を図1及び図2に示す。分散形近赤
外分光光度計には,分光部に分散素子として,回折格子,プリズム,音響光学素子などを用いる。検出の
方法には,単一波長における光を検出するもの及び複数の波長における光を同時に検出するものがある。
測光方式には,複光束方式及び単光束方式がある。また,照射方式には,試料に分光した光を照射するも
の及び試料に白色光を照射し,試料からの光を分光するものがある。
図1 分散形近赤外分光光度計の一例 (A)
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図2 分散形近赤外分光光度計の一例 (B)
a) 光源部 光源部は,光源用放射体,光源用電源などで構成する。
1) 光源用放射体は,ハロゲンランプ,タングステンランプ,発光ダイオード,レーザー,炭化けい素,
ニッケル−クロム合金,セラミックなどを放射体材とし,近赤外光を安定に放射するもの。
2) 光源用電源は,光源に安定した電圧及び電流を供給する機能をもつもの。
b) 試料部 試料部は,試料セル,試料ホルダー,附属装置をそれぞれ単独に又はそれらを組み合わせて
取り付けることのできるホルダーなどで構成する。光ファイバーを用いる場合は,試料部は分光計か
ら分離して設置されることが多い。
c) 分光部 分光部は,分散素子を用いて必要とする波長の光を取り出すためのもので,スリット,ミラ
ー,分散素子などで構成する。分散素子には,プリズム,回折格子,音響光学素子などがある。
d) 測光部 測光部は,検出器及び増幅器で構成する。
1) 検出器 入射した光をその強度に応じた電流又は電圧などの電気信号に変換するためのもので応答
速度,感度などの点で,半導体検出器が主として用いられる。そのほか,焦電形検出器,光電子増
倍管などが用いられる。
2) 増幅器 検出器からの電気信号を,以降の信号処理系において処理しやすい大きさに増幅するもの。
e) 信号処理部 信号処理部では,増幅器の出力信号から測定に必要な信号を分離し,出力する。信号処
理方式にはアナログ処理及びデジタル処理がある。
f) データ処理部 データ処理部では,データ変換,スペクトル解析などを行う。データ変換には,反射
率・透過率・吸光度変換,クベルカ−ムンク変換,微分変換,正規化変換などがある。スペクトル解
析には多変量解析などがある。またそのほか,差スペクトル計算,ベースライン補正,検量線作成,
スペクトルデータ検索などがある。
g) 表示・記録・出力部 表示・記録・出力部は,CRT,液晶,LED,プリンターなどで構成する。デー
タ,分析結果,データ処理結果などを記録計,プリンターなどに出力する。また,外部出力端子をも
つものもある。
5.1.2 フーリエ変換形近赤外分光光度計 図3に,フーリエ変換形近赤外分光光度計の構成の一例を示す。
装置は,光源部,分光測光部,光ファイバー部(2),試料部,信号処理部,データ処理部(2),表示・記録・
出力部などで構成する。
注(2) 光ファイバー部は必す(須)の構成要素ではない。また,データ処理部が独立した部となって
いない装置もある。
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図3 フーリエ変換形近赤外分光光度計の一例
a) 光源部 光源部は,光源用放射体,光源用電源などで構成する。
1) 光源用放射体 5.1.1a)の1)による。
2) 光源用電源 5.1.1a)の2)による。
b) 分光測光部 分光測光部は,干渉計,サンプリング信号発生器,検出器,増幅器,A/D変換器などで
構成する。
1) 干渉計 マイケルソン干渉計,トランセプト干渉計,偏光干渉計などを用いる。
2) サンプリング信号発生器 干渉図形の測定に用いるサンプリングパルス信号を発生するもの。通常,
ヘリウム−ネオンレーザーの干渉信号を用いる。
3) 検出器 5.1.1d)1)による。
4) 増幅器 5.1.1d)2)による。
5) /D変換機 アナログ信号をデジタル信号に変換する機能をもつもの。
c) 光ファイバー部 光ファイバー部は,光ファイバー,コリメーターなどで構成され,分光光度計本体
から離れた場所に設置された試料部へ光を伝送する機能をもつ。分光光度計本体内に試料部が設置さ
れている場合などでは,光ファイバー部のない構成となることもある。
1) 光ファイバーは一般には石英ガラス系光ファイバーが使用されるが,長波長域 (2 0002 500nm) に
はふっ化物,カルコゲナイトなどの光ファイバーが使用されることもある。
2) コリメーターは,干渉計から出射された光を光ファイバーに入射し,また,光ファイバーから出射
された光を検出器に入射するときのインターフェース機能をもつ。
d) 試料部 5.1.1b)による。
e) 信号処理部 信号処理部は,干渉図形を,スペクトルに変換するためのフーリエ変換機能をもつ。
f) データ処理部 5.1.1f)による。
g) 表示・記録・出力部 5.1.1g)による。
5.1.3 干渉フィルター形近赤外分光光度計 干渉フィルター形近赤外分光光度計の一般的な構成の例を
図4に示す。干渉フィルター形近赤外分光光度計には,分光部に干渉フィルターを用いる。測光方式には,
複光束方式及び単光束方式がある。また,光源からの光を分光せずに照射する方式及び波長選択された光
を試料に照射する方式がある。
――――― [JIS K 0134 pdf 5] ―――――
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JIS K 0134:2002の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 0134:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
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- 分析化学用語(基礎部門)
- JISK0212:2016
- 分析化学用語(光学部門)
- JISK0215:2016
- 分析化学用語(分析機器部門)