JIS K 7109:1986 規格概要
この規格 K7109は、プラスチックの合理的な寸法許容差を定める方法の,一般的な事項について規定。
JISK7109 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K7109
- 規格名称
- プラスチックの寸法許容差の決め方
- 規格名称英語訳
- General tolerancing rules for plastics dimensions
- 制定年月日
- 1986年3月1日
- 最新改正日
- 2018年10月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1986-03-01 制定日, 1992-02-01 確認日, 1999-08-20 確認日, 2003-11-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
- ページ
- JIS K 7109:1986 PDF [16]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 7109-1986
プラスチックの寸法許容差の決め方
General Tolerancing Rules for Plastics Dimensions
1. 適用範囲 この規格は,プラスチックの合理的な寸法許容差を定める方法の,一般的な事項について
規定する。
2. 用語の意味及び記号 この規格で用いる主な用語の意味及び記号は,次のとおりとする。
(1) プラスチック 高分子物質を主原料として人工的に有用に形作った固体。ただし,繊維・ゴム・塗料・
接着剤などを除外する。
(2) 基準値 (m) 組立者が図面に示したプラスチックの基準の寸法。
(3) 許容差 () 基準値と規定された限界値との差。
(4) 生産者 プラスチックを製造する者。
(5) 組立者 プラスチックを使った製品を製造する者。
(6) 使用者 組立者の製品を使う者。
(7) 許容限界値 (0) プラスチックの寸法が基準値と異なって使用者又は組立者の段階で不具合を生じ
る場合に寸法に許容される限界値と基準値との差。
(8) 平均損失 (A0) 寸法が許容限界値を超えたときに発生する損失の平均。
(9) 生産者側の損失 (A) 組立者が生産者から購入する場合の価格(購入原価の推定値)。
(10) 比例定数 (k)経済的損失を表す定数。平均損失A0を許容限界値0の2乗で除した値。
A0
k 2
0
(11) 選定許容限界値(1) (0) 使用者と組立者の比例定数kのうち大きいほうのkの許容限界値。
(12) 選定平均損失(2) (A0) 使用者と組立者の比例定数kのうち大きいほうのkの平均損失。
注(1) 許容限界値と記号が同じであるが,使い方で区別する。
(2) 平均損失と記号が同じであるが,使い方で区別する。
3. 許容差の求め方
3.1 選定許容限界値0及び選定平均損失A0の求め方 次の手順によって求める。
(1) 使用者の段階における許容限界値0及び平均損失A0を推定する。
(2) 組立者の段階における許容限界値0及び平均損失A0を推定する。
(3) (1)及び(2)の比例定数kを求める。
(4) 二つのkの値を比較し,kの値の大きいほうの許容限界値0及び平均損失A0を選択する。
備考 1. 許容限界値0及び平均損失A0は,おおよその値でもかまわない場合が多い。
2. 許容限界値0及び平均損失A0が寸法のプラス側とマイナス側で異なるときは両側で別々に
――――― [JIS K 7109 pdf 1] ―――――
2
K 7109-1986
求める。この場合kが大きいほうだけを用いて,プラス側,マイナス側とも同じように損失
を求めてもよい。
例 : 音響製品に使用しているプラスチック部品の例
(1) 部品の寸法と基準値との差が0.15mmを超えたとき,音のひずみのため使用者の半数が製品
を修理すると仮定し,使用者段階における許容限界値0を0.15mmと推定する。
この製品の修理料を3 000円,使用者が修理のため店頭に搬入,搬出するための時間を1
時間として,使用者の段階での時間損失を3 000円(この値は,それぞれの場合に応じて算
出する。)とすれば,使用者段階における平均損失A0は
A0 3 000 3 000 6 000(円)
と推定される。
(2) 組立て段階において,プラスチック部品の寸法と基準値との差が0.07mmを超えると,組立
てができないか又は製品としての性能が得られないとすれば,組立者の段階における許容限
界値0は0.07mmと推定される。
組立者の段階において,組み立てた後で不良品が発見された場合,部品代として200円(購
入原価),手直しに要する時間を5分として,ここでの時間損失を1時間当たり3 000円(こ
の値はそれぞれの場合に応じて算出する。)とすれば,組立者の段階における平均損失A0は
5
A0 200 3 000 450(円)
60
と推定される。
(3) 使用者及び組立者の段階における比例定数kを求める。
使用者 :
6 0002
k)1( 266 667
.015
組立者 :
4502
k)2( 91837
.007
(4) 比例定数kの値を比較する。
k)1( k)2(
であるから選定許容限界値及び選定平均損失として,使用者の段階における許容限界値0
及び平均損失A0を選択する。
0 .015 (mm)
A0 6 000 (円)
3.2 生産者側の損失Aの推定 組立者が生産者から購入する購入原価の推定を行う。
例 : 音響製品に使用しているプラスチック部品の購入原価を,ここでは200円と見積る。
A0 200 (円)
3.3 加工能力及び計測能力の検討 生産者側の損失Aの推定に当たり,許容差を設定する部品に対して
どの程度の精度で加工が可能なのか,また,それらを判定するのに十分な計測能力があるのかを附属書1
及び附属書2に基づき検討する。その結果,能力が不十分な場合には改善を行う。
3.4 許容差の計算 許容差を次の式によって計算する。
――――― [JIS K 7109 pdf 2] ―――――
3
K 7109-1986
A
0
A0
例 : 0=0.15 (mm) ,A0=6 000(円),A=200(円)の場合
200
.015 .0027 (mm)
6 000
3.5 許容差の検討 3.2,3.3及び3.4の結果を検討して無理があると思われれば,Aの値を変えての
再計算を行う。
(1) 加工能力が十分で不良率が適正な場合は,A及びの値は再計算を行わない。
例 : =0.027 (mm) に決定する。
(2) 加工能力が不十分で,不良率 (p) が大きすぎる場合は,次の式によって生産者側の損失Aの値を修正
し,の値を再計算する。
A
1 p
例 : A=200(円),p=0.3の場合
200 200
2857. (円)
1 3.0 7.0
2857.
.015 .0033 (mm)
6 000
(3) 上記の検討を行っても加工能力の改善が不可能で許容差が満たされない場合には,全数検査をする。
3.6 許容差の決定 3.5の検討に基づいて許容差を決定する。
参考 参考表に,各種部品の基準寸法,使用者の段階における平均損失A0,生産者側の損失A,使用
者の段階における許容限界値0及び本規格によって求めた許容差の関係を使用者側の比例
定数kの大きかった場合について示す。
――――― [JIS K 7109 pdf 3] ―――――
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K 7109-1986
参考表
組立者側 生産者側 使用者の 使用者の 本規格に
が決めた の損失 段階にお 段階にお よって求
No. 機能 基準値 許容差 ける許容 ける平均 めた許容
限界値 損失 差
m (mm) (mm) A(円) 0 (mm) A0(円) (mm)
1 外径 3.95 0.040 30 0.11 5 000 0.009
2 5.40 0.020 6 0.04 100 0.018
3 6.00 0.100 300 0.18 10 000 0.028
4 6.00 0.050 10 0.10 1 500 0.008
5 6.11 0.015 30 0.08 5 000 0.006
6 6.30 0.050 55 0.15 10 000 0.011
7 30.00 0.040 5 0.15 1 500 0.009
8 30.00 0.200 500 0.30 2 000 0.150
9 38.50 0.120 400 1.00 15 000 0.163
10 39.15 0.100 600 0.13 2 000 0.071
11 41.30 0.035 250 0.15 6 000 0.031
12 60.00 0.025 30 0.08 5 000 0.006
13 120.00 0.150 25 0.23 20 000 0.026
14 内径 2.00 0.015 100 0.08 1 500 0.021
15 2.00 0.015 60 0.05 2 000 0.009
16 3.00 0.010 150 0.05 5 000 0.009
17 3.00 0.040 30 0.30 5 000 0.023
18 4.00 0.025 200 0.05 1 500 0.016
19 4.00 0.015 15 0.05 5 000 0.003
20 4.90 0.010 500 0.03 2 000 0.015
21 6.00 0.015 100 0.05 3 500 0.009
22 6.05 0.030 50 0.13 9 000 0.010
23 7.90 0.050 100 0.08 1 000 0.025
24 9.00 0.030 76 0.06 1 000 0.017
25 10.00 0.018 50 0.03 6 000 0.003
26 18.00 0.015 4 000 0.08 5 500 0.068
27 31.75 0.150 40 0.30 2 000 0.042
28 46.00 0.013 1 500 0.05 6 000 0.023
29 56.80 0.025 120 0.09 5 000 0.014
30 65.00 0.150 300 0.50 8 000 0.097
31 幅 39.00 0.05 40 0.26 3 000 0.030
32 302.00 0.50 100 0.08 1 000 0.025
33 長さ 8.80 0.025 2 000 0.20 5 000 0.126
34 100.00 0.05 10 0.10 500 0.014
35 ピッチ 23.00 0.02 25 0.04 1 000 0.024
36 45.00 0.05 160 0.15 1 600 0.047
37 69.80 0.01 300 0.30 10 000 0.050
38 振れ 0.00 0.05 100 0.10 3 000 0.018
39 0.00 0.10 300 0.15 3 000 0.047
――――― [JIS K 7109 pdf 4] ―――――
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K 7109-1986
附属書1 加工能力の検討及び改善方法
1. 適用範囲 この附属書は,プラスチックの寸法許容差に関連して,成形加工能力の検討及び加工能力
の改善方法について規定する。
2. 用語の意味及び記号 この附属書で用いる主な用語の意味は,本文によるほか,次のとおりとする。
SN比( 信号パワーの雑音パワーに対する比。ここでは,信号パワーを平均値又は信号因子の効果
の大きさ,雑音パワーを誤差因子の効果の大きさとする。
3. 品質と加工能力の検討 許容差と寸法のばらつき 較して成形加工能力の検討を次の手順で
行う。
手順1 プラスチックの寸法の基準値mに対するばらつきの大きさ ラスチックの寸法yと基準
値mの差の2乗の平均の平方根として,次のように表す。
(y m2) の平均
手順2 現状の技術水準又は4.の加工能力改善のための実験などから求める。
手順3 程能力指数 (Cp) を求める。
Cp
3
手順4 求めたCpの値から,加工能力の判定を行う。例えば,次のように考えて判定する。
(1) pの値が十分大きい場合は加工能力は十分だと判定する。
(2) pの値が小さい場合は加工能力の改善を検討する。
(3) 加工能力の改善が不可能な場合は生産者側の損失Aの値を変えて許容差の再検討をする。
(4) 許容差の再検討が不可能な場合は全数検査を行う。
例 : 音響製品に使用しているプラスチック部品の許容差が0.027mmの場合。
手順1, 2 現状の技術水準から0.015mmと推定する。
手順3 .0027
Cp 6.0
3 .0015
手順4 例えば,工程能力が適当かどうかを判断するためにCp=0.8を一つの目安とすると,
この例では0.8より小さいので加工能力の改善を検討する。
4. 加工能力の改善 目的とする製品に対する加工能力の改善は,材料,加工機,附属する機械,加工条
件などについて検討することによって行うが,従来の知見では十分に効果が期待できない場合は以下の手
順によって改善を検討する。
手順1 プラスチックの寸法に影響を及ぼすと考えられる加工条件などを取り上げて,その中から重
要と思われる因子を選択する。
手順2 取り上げた各因子に対して,許される範囲内の広い範囲で数水準を選ぶ。
手順3 制御因子を多元配置又は直交配列表に割り付ける。各制御因子に対して加工上のばらつきの
原因となる条件を誤差因子として選ぶ。実際の加工において発生すると思われる範囲内で誤
――――― [JIS K 7109 pdf 5] ―――――
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JIS K 7102:1981の国際規格 ICS 分類一覧
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