JIS M 8803:1993 ハードコール―包蔵水分測定方法

JIS M 8803:1993 規格概要

この規格 M8803は、ハードコール包蔵水分測定方法について規定。

JISM8803 規格全文情報

規格番号
JIS M8803 
規格名称
ハードコール―包蔵水分測定方法
規格名称英語訳
Hard coal -- Determination of moisture-holding capacity
制定年月日
1972年4月1日
最新改正日
2016年10月20日
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対応国際規格

ISO

ISO 1018:1975(IDT)
国際規格分類

ICS

73.040
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1972-04-01 制定日, 1975-04-01 確認日, 1976-02-01 改正日, 1979-03-01 確認日, 1984-04-01 確認日, 1993-06-01 改正日, 2002-05-20 確認日, 2006-10-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS M 8803:1993 PDF [9]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
M 8803 1993
(ISO 1018 : 1975)

ハードコール−包蔵水分測定方法

Hard coal−Determination of moisture-holding capacity

日本工業規格(日本産業規格)としてのまえがき
この規格は,1975年に発行されたISO 1018 (Hard coal−Determination of moisture-holding capacity) を翻訳し,
技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
0. 序文 包蔵水分は,ハードコールの石炭化度を示すもので,石炭を分類する際に,試料の発熱量を含
水無鉱物質ベースに換算するために用いられる。本来の包蔵水分とは,水蒸気で飽和した雰囲気と平衡に
達している石炭が,保持し得る最大水分量のことである。
このような雰囲気で処理するには,克服できない実験上の難点があるので,測定は,96%相対湿度にお
いて行われる。
1. 適用範囲 この規格は,ハードコールの包蔵水分測定方法について規定する。
2. 引用規格
ISO 1988 Hard coal−Sampling
3. 原理 石炭を30℃において96%相対湿度の雰囲気と平衡させ,次に,105110℃で恒量になるまで乾
燥する。石炭の調湿条件は,大気圧又は減圧下のいずれで行ってもよい。包蔵水分は,調湿終了後の石炭
に対する質量百分率として報告される。
4. 試薬 硫酸カリウム過飽和溶液 水に十分な量の硫酸カリウムを加えて,過飽和溶液を調整する。
5. 装置
5.1 大気圧法
5.1.1 調湿用容器(図1参照) 二つに分離できる二重壁の割りふたをもった銅板製の二重壁の容器。ふ
た及び容器は,スポンジゴムの断熱用被覆によって覆われている。
ふたのそれぞれの半分は,等間隔にある3個の止め金又は2kgのおもりを取り付けることによって,締
め付ける。
5.1.2 電気モータ 毎分約1 500回転で,2枚羽のプロペラを駆動できるもの。
5.1.3 ポンプ 調湿用容器に水を循環して,その温度を30±0.1℃に維持できるもの。
5.1.4 試料皿 径約50mm,深さ約10mmで,よく適合するふたをもつガラス製又は耐食金属製のもの。

――――― [JIS M 8803 pdf 1] ―――――

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M 8803 1993 (ISO 1018 : 1975)
5.2 減圧法
5.2.1 調湿用容器(図2参照) 水に浸せきしたとき,浮き上がらないようにするために,重くしてある
真空デシケータを用いる。デシケータには,水銀真空圧力計が取り付けてあり,また,試料皿を泡立ちに
よる飛まつ(沫)から防ぐようにするために,硫酸カリウム過飽和溶液の水平面の上方に試料皿を保持で
きるガラス製又は耐食金属製の支持板を備えている。適切な設計によって,硫酸カリウム過飽和溶液物質
の容積を増加するか,又は硫酸カリウム過飽和溶液にガラス玉若しくは洗浄した砂のような不活性物質を
加えて,デシケータの自由空間の容積を最小にする。
5.2.2 水槽(図2参照) 温度調節機構によって,30±0.1℃の温度に調節できるもの。
5.2.3 試料皿 径約22mm,深さ約15mmで,ガラス製又は耐食金属製のもの。これらの試料皿のふたは,
スライドして密着する形にするのがよい。
5.3 両方法に共通するもの
5.3.1 真空ポンプ
5.3.2 ろ過るつぼ又は漏斗
5.3.3 ろ過フラスコ
5.3.4 水分測定装置 石炭が酸化されないような方法1)に用いられるもの。
5.3.5 ろ紙 径約200mm。
6. 試料調整 供試石炭は,新鮮で変質していない状態であることが重要である。試料を直ちに測定でき
ない場合には,水中に保存して酸化を防ぐようにしなければならない。試料は,ISO 1988に記載してある
操作を用いて,0.2mm目のふるいを通過するまで粉砕する。過剰量の微粉の生成は避けなければならない。
7. 操作
7.1 装置の準備
7.1.1 両方法に共通事項 図1又は図2に示した調湿用容器のレベルまで,硫酸カリウムパルプを満たす。
7.1.2 大気圧法 調湿用容器をポンプに連結し,十分な量の水を循環して容器内の温度を30±0.1℃に維
持する。
7.1.3 減圧法 泡立ちがおさまるまで,デシケータを数回減圧する。以後の泡立ちを最小限にするために,
デシケータを使用しないときも,減圧状態に保持しておくことが望ましい。
7.2 試料の前処理 0.2mm目のふるいを通過するまで粉砕した試料,約20gをコニカルフラスコに採り,
蒸留水約100mlを加え,数回振とうして,ろ過るつぼ又は漏斗上でろ過する。ろ別した石炭を毎回25ml
の蒸留水で,23回洗う。その際,石炭の表面が過度の吸引によって乾燥しないように注意する。ろ過器
から石炭を取り出し,それぞれ8枚のろ紙から構成される2層のろ紙層の間に広げる。石炭層の厚さは,
4mmを超えないようにすることが望ましい。上部のろ紙層の上に,約10kgのおもりを置く。この圧力に
よって,石炭表面の付着水分のかなりの量が取り除かれる。約10分後おもりを除き,石炭を平型薬さじで
よく混合する。
7.3 調湿
1)
この目的のためには,ISO 589,ハードコール−全水分の測定に記載されている方法Bの装置及
び操作が適当である。その内容は,附属書Aに再録してある。

――――― [JIS M 8803 pdf 2] ―――――

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M 8803 1993 (ISO 1018 : 1975)
7.3.1 大気圧法 空の試料皿とふたの重さをはかり,その中に処理炭(7.2参照)約2gを均一に広げる。
30±0.1℃に調節してある調湿用容器内に試料皿を入れ,循環空気吹出口の下に置く。2分割の割りぶたの
両方を取り付け,止め金又はおもりを用いて締め付ける。プロペラのモータを始動して,36時間空気を
流す(7.3.2 注1参照)。モータの電源を切り,試料皿を取り出してふたをする。金属板上の試料皿をはか
りに移し,速やかに0.2mgまではかる。
7.3.2 減圧法 空の試料皿とふたの重さをはかり,その中に処理炭(7.2参照)約1gを均一に広げる。試
料をはかり採った皿に,緩くふたをして,調湿用容器に入れる。調湿用容器にふたを取り付けて,圧力を
22.5kPaまで減圧する。その容器を30±0.1℃の温度に維持してある水槽に入れて,再び減圧する。圧力
は,速やかに30℃における硫酸カリウム飽和容器の蒸気圧である約4kPaまで上昇するはずである。圧力
を4kPaより高くしないように,容器を再び減圧する。
24±2時間後に,容器を水槽に入れたままの状態で,一系列の器具を通して,30℃の乾燥空気を除々に
入れて圧力を大気圧に戻す。一系列の器具とは,毛細管,無水過塩素酸マグネシウム入りの塔(注2参照)
及び水槽に水没しているコイル状銅製管から構成され,容器の入口に連結しているものである(図2参照)。
水分含量の変化を避けるためには,調湿後の試料のすぐ近くに局部的な雰囲気の乱れのないことを,確実
にすることが重要である。そのためには,大気圧に戻す時間を約15分にするように毛細管G(図2参照)
の長さと直径とを調整する。水槽から容器を取り出してふたを外し,ふたをした試料皿を直ちにはかりに
移して,速やかに0.2mgまではかる。
注1. 平衡に到達する所要時間は,石炭化度に依存する。未知の石炭の場合には,数個の同一石炭試
料を容器中に入れ,種々の調湿時間後に包蔵水分を測定するのがよい。
2. 過塩素酸マグネシウムは,爆発のおそれがあるので再生は行ってはならない。失効した過塩素
酸マグネシウムを捨てる場合は,流水で洗い流すのがよい。
7.4 水分の測定 調湿した石炭の入った試料皿を用いて,附属書Aに記載の方法によって調湿後試料の
水分を測定する。
8. 結果の表示 包蔵水分 (MHC) は,次の式によって求め,質量百分率で表示する。
m2 m3
MHC 100
m2 m1
ここに, m1 : 空の試料皿とふたの質量 (g)
m2 : 調湿後の石炭と試料皿とふたの質量 (g)
m3 : 乾燥後の石炭と試料皿とふたの質量 (g)
結果は,望ましくは2回の繰返し測定の平均値(9.参照)を,次のように報告しなければならない。
単位 %
包蔵水分 報告値の単位
5未満 0.1
5以上 0.5
9. 方法の精度
単位 %(絶対値)
包蔵水分 結果間の最大許容差
室内再現精度 室間再現精度
0.5 1.2

――――― [JIS M 8803 pdf 3] ―――――

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M 8803 1993 (ISO 1018 : 1975)
9.1 室内再現精度 同一分析試料から取られた代表測定試料について,同一試験室内で同一の分析者が
同一装置で,異なった時間に行った繰返し2回の測定結果は,上記の値を超えてはならない。
9.2 室間再現精度 同一分析試料から取られた代表測定試料について,2か所の異なった試験室で行った
繰返し2回の測定結果の平均値は,上記の値を超えてはならない。
10. 試験報告 試験報告は,次の項目(特記事項)が含まれていなければならない。
a) 採用した方法に関する記述
b) 試験結果と採用した表示の方法
c) 測定中に気が付いた異常な状況
d) この国際規格には含まれないか,又は任意選択とみなされる何らかの操作。

――――― [JIS M 8803 pdf 4] ―――――

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M 8803 1993 (ISO 1018 : 1975)
図1 石炭の包蔵水分測定装置(大気圧法)

――――― [JIS M 8803 pdf 5] ―――――

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