JIS P 8221-1:1998 パルプ―こう解方法―第1部:ビーター法

JIS P 8221-1:1998 規格概要

この規格 P8221-1は、パルプの物性試験のための,ビーターによるパルプのこう解方法について規定。

JISP8221-1 規格全文情報

規格番号
JIS P8221-1 
規格名称
パルプ―こう解方法―第1部 : ビーター法
規格名称英語訳
Pulps -- Laboratory beating -- Part 1:Beater method
制定年月日
1998年11月20日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 5264-1:1979(MOD)
国際規格分類

ICS

85.040
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
紙・パルプ 2021
改訂:履歴
1998-11-20 制定日, 2005-04-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS P 8221-1:1998 PDF [10]
P 8221-1 : 1998

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS P 8221-1には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) ビーター
附属書B(規定) ビーターの校正
JIS P 8221は,次に示す部編成となっている。
第1部 : ビーター法
第2部 : PFIミル法

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS P 8221-1 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
P 8221-1 : 1998

パルプ−こう解方法−第1部 : ビーター法

Pulps-Laboratory beating−Part 1 : Beater method

序文 この規格は,1979年に第1版として発行されたISO 5264-1, Pulps−Laboratory beating−Part 1 : Valley
beater methodを基に,対応する部分については技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)であ
るが,対応国際規格には規定されていない規定項目(定義,ろ水度試験器及び特定パルプの試料の採取)
を日本工業規格(日本産業規格)として追加した。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,パルプの物性試験のための,ビーターによるパルプのこう解方法について規
定する。
備考1. この方法は,原則としてすべての種類のパルプに適用できるが,実際にはリンターパルプの
ような極めて長い繊維のパルプでは満足な結果は得られない。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 5264-1 : 1979 Pulps−Laboratory beating−Part 1 : Valley beater method
3. この規格の中で [{}] をつけて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語
JIS P 8121 パルプのろ水度試験方法
JIS P 8201 製紙用パルプの試料採取方法
備考 ISO 7213 : 1981, Pulps−Sampling for testingが,この規格と対応している。
JIS P 8203 パルプ−絶乾率の試験方法
備考 ISO 638 : 1978, Pulps−Determination of dry matter contentが,この規格と対応している。
JIS P 8220 パルプ−離解方法
備考 ISO 5263 : 1995, Pulps−Laboratory wet disintegrationが,この規格と対応している。
ISO 4119 Pulps−Determination of stock concentration
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001によるほか,次による。
a) ベールパルプ シート状のパルプを荷造り機で圧縮して縛ったパルプの包み。

――――― [JIS P 8221-1 pdf 2] ―――――

2
P 8221-1 : 1998
b) ラップパルプ ウェットマシンですいて,折り畳んだパルプ。
4. 原理 規定濃度のパルプの適切量を,ビーターのロールとベッドプレートのバーの間でこう解する。
こう解の過程で,こう解されたパルプを採取する。
5. 装置
5.1 ビーター 附属書Aに規定した装置を用いる。
5.2 ろ水度試験器 JIS P 8121に規定されている装置を用いる。
5.3 タイマ
5.4 天びん 1g以内の精度でひょう量できるもの。
5.5 水 蒸留水,イオン交換水又はそれに類する水。
6. 試料 試料の採取は,次による。
a) 製紙用のベールパルプ又はラップパルプの場合には,試料の採取は,JIS P 8201に従って行い,他の
形態のパルプの場合にも,できるだけそのロットを代表するようにして,適切量のパルプを採取する。
b) シートパルプの場合は,JIS P 8203に従って絶乾率を測定し,スラッシュパルプの場合には,ISO 4119
に従って紙料濃度を測定する。
c) 絶乾パルプ量で360±5gを採取する。シートパルプの場合,パルプをカッターなどで切断しないで,
ちぎって採取する。また,切断された部分を避けて採取する。
d) ドライパルプの場合は,5lの水に少なくとも4時間以上浸せき(漬)後,25mm×25mm程度の大きさ
にちぎる。予備離解時のこう解の影響を最低限にするために,浸せきによってパルプを完全に膨潤さ
せておく。
なお,ウェットパルプは,浸せきしないで離解してもよい。
7. 操作
7.1 離解 離解は,次による。
なお,予備離解も,ビーターで行う。
a) ロールとベッドプレートの間が10mm以上開くように,ベッドプレートを下げて止める。
b) 循環槽の出口を閉じ,20±5℃の水を1518l満たす。
c) ロールを回転させながら,パルプと(浸せき)水を35分間かけてゆっくりと加え,最終的に23.0
±0.2リットルとなるように水を加える。
参考 結果的に,パルプ濃度は,約1.57%となる。
d) 標準的な離解時間は,試料固形分が20%以上の場合は30分間,20%未満の場合は5分間とする。パル
プの種類によっては離解しにくいものもあるので,必ず離解状態を確認し,不十分な場合には,更に
離解する。
なお,離解中,ときどき,てこを素早く12度上下させて,ロール及びカバーの背後に付着したパ
ルプを落とす。
参考 以上の操作によって離解したパルプは,JIS P 8220に従って離解したパルプと同じにならない
かもしれない。
7.2 こう解 こう解は,次による。

――――― [JIS P 8221-1 pdf 3] ―――――

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P 8221-1 : 1998
a) 離解終了後,てこにおもりをかけ,てこの止めを外して,こう解を始める。同時にタイマをスタート
する。
こう解条件 てこの腕の荷重 : 54±1N [{5.5±0.1kgf}]
ロールの回転数 : 8.3±0.2s−1 [{500±10rpm}]
b) 所要ろ水度で,約1200ml(絶乾で18.8g)ずつパルプ液を採取する。このとき,ビーターを止めたり
荷重を外したりしない。この所要ろ水度に達するこう解時間は,予備こう解や過去のデータから予測
するが,こう解中にろ水度試験器でときどきろ水度を測定すると,より正確となる。
c) 試料の採取スケジュールは,目的に応じて任意であるが,こう解程度と物性の関係を把握するために
は,ろ水度全般にわたって5点ほど採取するとよい。次に,こう解時間の例を示す。
例 広葉樹アルカリパルプ,亜硫酸パルプ,わらパルプ : 5,10,15,20,30min
さらし針葉樹アルカリパルプ : 5,15,30,45,60min
未ざらし針葉樹アルカリパルプ又は難こう解パルプ : 5,15,30,60,90min
備考1. 採取量が変わると,こう解効率が変化するおそれがあるので,できるだけ同一量の試料を採
取する。
2. こう解が終了したら,ビーターをきれいに洗浄する。必要に応じてピッチ溶剤を用いるが,
ダイヤフラム(ゴム)を考慮した溶剤を用いる。
3. カナダ標準ろ水度300CSF以下又はショッパーろ水度40°SR以上にこう解した場合には,ビ
ーターの校正(附属書B)を頻繁に行う。
4. ろ水度試験は,こう解後数分以内に行う。
8. 報告 報告には,必要に応じて次の事項を記録する。
a) 規格名称又は規格番号
b) 試料の種類及び名称
c) 試験年月日及び試験場所
d) 離解時間
e) こう解時間
f) ろ水度試験結果
g) 観察された異常現象
h) この規格及び関連規格にない操作で,結果に影響したと考えられる操作
i) その他必要とする事項

――――― [JIS P 8221-1 pdf 4] ―――――

4
P 8221-1 : 1998
附属書A(規定) ビーター
1. 適用範囲 この附属書は,実験室こう解に用いるビーターについて規定する。
2. 装置 ビーターは,附属書A図1に示すように,ベッドプレート,ロール及びこう解圧を加えるため
のてこを備えているものとする。
a) ベッドプレート及びロールバーの材質は,ステンレス鋼製(例えば,SUS304, SUS410)とする。ベッド
プレートバーのブリネル硬度は,170375HB,ロールのフライバーの硬度は,170400HBとする。
b) ロールは,直径168mm,面長152mmとし,厚さ4.7±0.1mmのフライバーを32個,等間隔に備えて
おり,フライバーまで含めた外径は,190194mmとする。
c) ベッドプレートは,厚さ3.2mmのバーを7本,2.4mm間隔に備えており,バーの間には鉛又は木材を
埋め込んでバーを固定する。バーの間に木材を充てんする場合には,最初のバーの高さ及びバーの間
の溝の深さを1.0±0.2mmとする。
d) ベッドプレートのバーは,ロール軸に対して5°の角度になるようにV字形に湾曲させる。V字の頂
点は,原料の流れ方向を向いており,バーの投影長は159mm,ベッドプレートの幅は43mmとする。
ベッドプレートのバーは,ロールとよくかみ合うように,ロールと同じ曲率に研磨されているものと
する。
e) ベッドプレートは,厚さ1.52.0mmのゴム製のダイヤフラムによって循環槽の底に取り付け,ベッ
ドプレートとロールが接触したときに張力がかからないように設置する。
f) ベッドプレートは,こう解圧を加えるためのてこにつながっており,てこの腕の長さの比を1.94 : 1
とし,長い方の腕に5.5kgのおもりを掛けることによって54Nの荷重を掛け,ベッドプレートとロー
ルの間に105±5Nの力を掛ける。
g) ロールは,回転速度8.3±0.2s−1 [{500±10rpm}] で回転するように,モータ(例えば400W)でベルト
駆動する。
h) ビーター槽には,研磨のときにてこを固定するためのクランプを取り付ける。
i) てこには,可動おもりを取り付ける。
備考 ビーターに23lの水を入れてロールを回転させた状態で,ベッドプレートとロールがかすかに
接触するように,てこの可動おもりを移動して調節する。
j) さらに,再現性のあるこう解をするため,以下の条件を満たすようにする。
1) ロールに異常な振動がなく,滑らかに回転する。
2) ロールのフライバーとベッドプレートのバーが,全幅にわたって均一に接触する。
3) フライバーの先端の角が,0.20.3mmに丸められている。
4) すべてのバーに,傷,付着物及び腐食がないようにする。
5) バーの間に木材を埋め込んだビーターの場合には,最初のバーの高さ及びバーの間の溝の深さを1.0
±0.2mmとする。

――――― [JIS P 8221-1 pdf 5] ―――――

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