JIS R 7603:1999 規格概要
この規格 R7603は、サイジング剤を除去した炭素繊維の密度を測定する4方法(液置換法;浮沈法;密度こう配管法;比重瓶法)について規定。
JISR7603 規格全文情報
- 規格番号
- JIS R7603
- 規格名称
- 炭素繊維―密度の試験方法
- 規格名称英語訳
- Carbon fiber -- Determination of density
- 制定年月日
- 1999年9月20日
- 最新改正日
- 2018年10月22日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 10119:1992(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 59.100.20
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1999-09-20 制定日, 2004-03-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
- ページ
- JIS R 7603:1999 PDF [14]
R 7603 : 1999 (ISO 10119 : 1992)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS R 7603 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
R 7603 : 1999
(ISO 10119 : 1992)
炭素繊維−密度の試験方法
Carbon fiber−Determination of density
序文 この規格は,1992年に第1版として発行されたISO 10119, Carbon fiber−Determination of densityを
翻訳し,原国際規格の様式によって作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,規定内容の一部を我が国の実情に即
して変更した。
なお,この規格で下線(点線)を施してある箇所は,原国際規格の規定内容を変更した事項又は原国際規
格にはない事項である。
1. 適用範囲
1.1 この規格はサイジング剤を除去した炭素繊維の密度を測定する4方法について規定する。
A法 : 液置換法
B法 : 浮沈法
C法 : 密度こう配管法
D法 : 比重瓶法(1)
密度の測定は,受渡当事者間の協定によって,サイジング剤の付着した炭素繊維について行ってよい。
サイジング剤付着率が1%以下の場合にはサイジング剤の付着していない炭素繊維と同等とみなしてよい。
注(1) 比重瓶法は受渡当事者間で採用されている方法のため追加した。
2. 引用規格
次の規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この規格の発行
時点では,ここに示す版の規格が有効である。すべての規格は改訂されることがあるのでこの規格の使用
者は,引用規格の最新版を適用できるかどうか検討するのが望ましい。IEC及びISOの加盟機関は国際規
格の最新版の登録簿を維持している。
ISO 291 : 1977, Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing.
ISO 1675 : 1985, Plastics−Liquid resins−Determination of density by the pyknometer method.
備考1. サンプリング法を削除したためISO 1886 : 1990は引用しない。
ISO 10548 : 1994 Carbon fiber−Determination of size content.
2. ISO 10548は1994年に出版されたので追加した。
3. 定義
この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
――――― [JIS R 7603 pdf 2] ―――――
2
R 7603 : 1999 (ISO 10119 : 1992)
3.1 密度 (Density)
指定された温度での物質の単位体積当たりの質量。この特性値は指定された温度でのg/cm3又はkg/m3
で表示する。温度としては23 ℃が望ましい。
4. 試験場所の状態調節
試験に先立って,試験片はISO 291に規定する標準試験雰囲気中に保ち,試験中も装置及び試験片は同
じ条件下に維持する。条件としては23℃±2℃,(50±5)%RHが望ましい。またJIS K 7100(プラスチック
の状態調節及び試験場所の標準状態)に定める23℃±5℃,
50 20
10%RHを採用してもよい。(2)
注(2) IS R 7601にはJIS K 7100が使用されているので,この規格に定める条件の採用を追加した。
5. 試験片の数
基本単位(スプールなど)当たり少なくとも2個以上(3)の試験片をとる。
注(3) IS R 7601規格に合わせた。
6. 試験方法
6.1 A法 : 液置換法
6.1.1 原理
試験片を大気中で量り,次いで試験片の密度より少なくとも0.2g/cm3以下の密度既知の液中で量る。こ
の二つの媒体中での質量差はアルキメデス原理に基づく。この質量差を,使用した液体の密度で除した値
が試験片の体積となる。大気中の試験片の質量をこの体積で除した値が試験片の密度となる。
6.1.2 装置及び器具
6.1.2.1 はかり 最小0.1mgまで測定できるものとする。
6.1.2.2 試験片支持具 直径0.4mm又はそれ以下のステンレス鋼製のワイヤ,若しくは浸せき液中に容易
に沈められるように穴のあいたガラス又はステンレス鋼製の容器(図1参照)。
6.1.2.3 比重瓶又は比重浮ひょう 最小0.001g/cm3まで測れるものとする。
6.1.2.4 ビーカー ほうけい酸ガラス製のものとする。
6.1.2.5 支持架台 はかり(6.1.2.1)を用いるのに適したもの(図2参照)とする。
6.1.2.6 真空ポンプ(必要に応じて)
6.1.2.7 超音波発信器(必要に応じて)
6.1.2.8 デシケーター シリカゲル,塩化カルシウム,酸化りん (V) などの適当な乾燥剤を含むものとす
る。(4)
注(4) 原国際規格には乾燥剤の具体的例示はないが,ISO 10548には示されているので,両規格の内容
を一致させるために付け加えた。
6.1.2.9 浸せき液浸 せき液の例(5)を次に示す。
エタノール 0.79g/cm3
アセトン 0.79g/cm3
メタノール 0.80g/cm3
ジクロロエタン 1.25g/cm3
o−ジクロロベンゼン 1.31g/cm3
ジクロロメタン(6) 1.33g/cm3
――――― [JIS R 7603 pdf 3] ―――――
3
R 7603 : 1999 (ISO 10119 : 1992)
トリクロロエタン 1.35g/cm3
トリクロロメタン 1.48g/cm3
四塩化炭素(7) 1.59g/cm3
注(5) IS K 1600[1, 1, 1-トリクロルエタン]に規定する試薬を用いる。
JIS K 4102[o-ジクロロベンゼン(試薬)]に規定する試薬を用いる。
JIS K 8034[アセトン(試薬)]に規定する試薬を用いる。
JIS K 8102[エタノール(95)(試薬)]に規定する試薬を用いる。
JIS K 8161[ジクロロメタン(試薬)]に規定する試薬を用いる。
JIS K 8322[トリクロロメタン(試薬)]に規定する試薬を用いる。
JIS K 8465[1, 2-ジクロロエタン(試薬)]に規定する試薬を用いる。
JIS K 8891[メタノール(試薬)]に規定する試薬を用いる。
注(6) この浸せき液は,受渡当事者間で採用の実績があるので追加した。
(7) 我が国では,四塩化炭素の使用は禁じられているが,他国でこれを使用して測定したデータに
ついては有効と認める。
注意事項 これらの液体を取り扱う際には,必要な安全策を講じること。
6.1.3 試験片 試験片については,特に規定がなければ,受渡当事者間の協定に従った方法でサイジング
剤を除去し,少なくともその0.2gを取り出し,それらを取扱いやすい形状,例えば,ちょう(蝶)結びと
する。
6.1.4 手順
6.1.4.1 ISO 1675に基づく比重瓶法(6.1.2.3)か又は比重浮ひょう法で試験温度における浸せき液の密度を
測る。
6.1.4.2 大気中で試験片支持具を0.1mg (m1) まで量る。
6.1.4.3 ビーカー(6.1.2.4)中の浸せき液に試験片支持具又はワイヤを浸す。試験片の質量を試験片支持具
(図1参照)上で量るときに,試験片が10mm浸せきするようにビーカーの液面レベルを調節する。浸せ
き液中で試験片支持具を0.1mgまで量る (m2)。
6.1.4.4 試験片を試験片支持具に取り付け,大気中で0.1mgまで量る (m3)。
6.1.4.5 浸せき液の入ったビーカー中に試験片支持具に取り付けた試験片を浸せきし,ガラス棒でビーカ
ーの側壁に試験片を押し付けるか若しくは真空ポンプ(6.1.2.6)又は超音波発信器(6.1.2.7)を用いて気泡を取
り除く。
6.1.4.6 浸せき液深さを6.1.4.3の場合と同じレベルにして,試験片と試験片支持具を浸せき液中に浸し,
その質量を0.1mgまで量る (m4)。
6.1.5 計算及び結果の表示
6.1.5.1 温度 片の密度 g/cm3) は,次の式によって算出する。
(m3 m1 )
L
(m3 m1 ) (m4 m2 )
ここに, m1 : 大気中での試験片支持具の質量 (g)
m2 : 浸せき液中の試験片支持具の質量 (g)
m3 : 大気中での試験片支持具と試験片の質量 (g)
m4 : 浸せき液中の試験片支持具と試験片の質量 (g)
浸せき液の密度 (g/cm3)
――――― [JIS R 7603 pdf 4] ―――――
4
R 7603 : 1999 (ISO 10119 : 1992)
6.1.5.2 試験は,2個以上の試験片について行い,その平均値を小数点以下3けたで求め,JIS Z 8401(数
値の丸め方)によって2けたの位に丸める。(8)
注(8) 原国際規格に欠落しているので追加した。
6.2 B法 : 浮沈法
6.2.1 原理
炭素繊維と同じ密度をもつ混合液中での炭素繊維の平衡状態を観察する方法。これには2方法がある。
B1法 試験片を安定な浮遊状態に保てるように2液の混合割合を徐々に変えていく方法。
B2法 細かく切断した試料を一連の異なる密度既知の混合液中に挿入する方法。
6.2.2 装置及び器具
6.2.2.1 真空ポンプ(9) 1.3kPa (10mmHg) 以下に脱気できるものとする。
注(9) 原国際規格の6.2.4.1.2の記述が不適切なので訂正したが,それに合わせてこの項も訂正,追加し
た。
6.2.2.2 温度計
6.2.2.3 比重瓶又は比重浮ひょう 最小0.001g/cm3まで測れるものとする。
6.2.2.4 試験管又はサンプル管 容量5cm3の,栓の付いたものとする。
6.2.2.5 メスシリンダー 容量250cm3のものとする。
6.2.2.6 恒温水槽 試験管中の溶液の温度を23 ℃±0.5 ℃に保てるものとする(10)。
注(10) 密度測定において要求される精度を満たす条件としては,温度の管理幅を±0.1℃から±0.5℃に
広げても支障ないため訂正した。
6.2.2.7 ピンセット
6.2.2.8 切断用刃物
6.2.2.9 フラスコ 容量250 cm3の,真空ポンプに接続できる栓の付いたものとする。
6.2.2.10 浸せき液 次の各液から2液を選び,必要とする密度の範囲をカバーできる混合液を調製する。
アセトン,メタノール,エタノール 0.8g/cm3
ミネラルスピリット(11)
トリクロロエタン 1.35g/cm3
四塩化炭素(7) 1.59g/cm3
ジブロモエタン 2.17g/cm3
ブロモホルム 2.89g/cm3
注(11) IS K 2201(工業用ガソリン)の4号塗料用に規定するものを用いる。
注意事項 これらの液体を取り扱う際には必要な安全策を講じること。
6.2.3 試験片
質量で約10mgから20mgのフィラメント試験片(B1法)又は約100 断した試験片(B2
法)を用いる。
6.2.4 手順
6.2.4.1 B1法
6.2.4.1.1 浸せき液(6.2.2.10)から2種類を選び試料よりも小さい密度の混合液をフラスコ(6.2.2.9)中に調製
する。これを十分に混合し,23℃±0.5℃(12)にして,その温度に保持する。
6.2.4.1.2 ちょう結びした試験片を混合液中に入れ真空ポンプを用いて脱気し,少なくとも2分間1.3kPa
(10mmHg) に保持する。
――――― [JIS R 7603 pdf 5] ―――――
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