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JIS T 7204:1989 規格概要
この規格 T7204は、医療用に使われる成人用,小児用又は新生児用の人工呼吸器について規定。麻酔専用のものを含む。
JIST7204 規格全文情報
- 規格番号
- JIS T7204
- 規格名称
- 医療用人工呼吸器
- 規格名称英語訳
- Lung ventilators for medical use
- 制定年月日
- 1989年6月1日
- 最新改正日
- 2016年10月25日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 5369:1987(MOD), ISO 8185:1988(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 11.040.10
- 主務大臣
- 厚生労働
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1989-06-01 制定日, 1995-05-15 確認日, 2011-07-29 確認日, 2016-10-25 確認
- ページ
- JIS T 7204:1989 PDF [18]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
T 7204-1989
医療用人工呼吸器
Lung Ventilators for Medical Use
1. 適用範囲 この規格は,医療用に使われる成人用,小児用又は新生児用の人工呼吸器(以下,人工呼
吸器という。)について規定する。この人工呼吸器の中には,麻酔専用のものも含む。
備考 この規格の中で{}を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって規格
値である。
引用規格 :
JIS T 1001 医用電気機器の安全通則
JIS T 1005 医用電気機器取扱説明書の様式
JIS T 7201 麻酔器
対応国際規格 :
ISO 5369 Breathing machines for medical use−Lung ventilators
ISO 8185 Humidifiers for medical use−Safety requirements
関連法規 : 薬事法
2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。
なお,用語の括孤内は,記号を示す。
(1) 人工呼吸器 患者の気道に接続し,患者の換気を調節又は補助するように設計された自動的換気装置。
(2) 調節呼吸装置 患者の吸気努力とは関係なく,患者の肺を膨らませる装置。
(3) 補助呼吸装置 患者の吸気努力に同調し,患者の吸気を補助するように設計された装置。
(4) 補助・調節呼吸装置 補助呼吸装置又は調節呼吸装置のいずれでも機能するように設計され,患者の
吸気努力がなくなると自動的に調節呼吸装置として機能する装置。
(5) 換気数 (f)毎分の呼吸回数。
(6) 1回換気量 (VT) 吸気相又は呼気相時に,患者又はテスト肺に出入りするガス量(mlで表す。)。
(7) 分時換気量 ( ・
VE) 患者が1分間に呼出するガス量(lで表す。)。
(8) 呼吸回路 呼吸ガスが呼吸圧で通る人工呼吸器のガス系の部分。
(9) 装置内部コンプライアンス 吸気相時間中に加圧されて呼吸回路内又は構成部分に入るガスの容量と
圧との変化の関係(ml/kPa [{ml/cmH2O}] で表す。)。
(10) 人工呼吸器内圧 (Pvent)人工呼吸器の呼吸回路内の特定部位における圧力。
(11) 気道内圧 (Paw) 患者の気道内圧の特定部位における圧力。
(12) 肺胞内圧 (PA) 肺胞内の圧力。テスト肺の場合には,コンプライアンスモデルの内圧で表す。
(13) 陰圧 呼気相時間中に,人工呼吸器によって作り出される呼吸回路内の大気圧よりも低い圧力。
(14) 最高安全圧 (Ps, max)安全機構によって制限される人工呼吸器の呼吸回路が達する最高の内圧。
――――― [JIS T 7204 pdf 1] ―――――
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(15) 最低安全圧 (Ps, min)安全機構によって制限される人工呼吸器の呼吸回路が達する最大の陰圧。
(16) 最高作動圧 (Pw, max) 人工呼吸器が正常に作動しているとき,吸気相中に呼吸回路が到達することが
できる圧の最高数値。この値は,調整可能な人工呼吸器の機構によって,最高安全圧を超えない。
(17) 最低作動圧 (Pw, min) 人工呼吸器が正常に作動しているとき,呼気相中に呼吸回路が到達することの
できる陰圧の最大数値。この値は,調整可能な人工呼吸器の機構によって,最低安全圧を超えない。
人工呼吸器が吸気相を開始するのに必要な患者によって発生される患者接続口
(18) 吸気トリガ圧 (Ptr)
での気道内圧。
(19) 吸気トリガ流量 ( ・
Vtr) 人工呼吸器が吸気相を開始するのに必要な患者によって発生される患者接
続口でのガス流量。
(20) 吸気トリガ容量 (Vtr)人工呼吸器が吸気相を開始するのに必要な患者によって発生される,患者接
続口でのガスの容量。
(21) 吸気トリガ応答時間 (Ttr) 吸気トリガ圧,吸気トリガ流量又は吸気トリガ容量の条件が満たされて
から,吸気流量が開始するまでの時間。
(22) 吸気レリーフ弁 患者が自発呼吸をしていて,人工呼吸器からの吸入ガス供給が不十分な場合,呼吸
回路に外気を導入するような構造の一方向弁。
(23) 吸気レリーフ弁抵抗 定流量(成人用では,30l/min)ガスが吸気レリーフを通して流れるときに発生
する圧力差。
(24) 吸気相時間 (TI) 吸気流の開始から呼気流の開始までの時間。
(25) 呼気相時間 (TE) 呼気流の開始から吸気流の開始までの時間。
(26) 吸気休止時間 (TIP) 吸気流の終末から呼気流の開始までの時間。
(27) 呼気休止時間 (TEP) 呼気流の終末から吸気流の開始までの時間。
(28) 吸気/呼気相時間比(I : E比) 吸気相時間と呼気相時間との比。
(29) ため息 (Sigh)定間隔で1回又は数回,1回換気量又は肺内のガス量を人為的に増加させること。
(30) 仕事量 (W) 人工呼吸器が患者に対して行う仕事量[ジュール (J) で表す。]。
dt
W Paw V
dV
V
ただし, dt
(31) パワー (P= ・
W) 人工呼吸器が患者に対して行う仕事率[ワット (W) で表す。]。
・
P=W=Paw× ・
V
dV
V
ただし, dt
(32) 呼気抵抗 呼気が補助されない人工呼吸器で,患者接続口から人工呼吸器の呼気口を通って外気へ出
る気流に対する呼吸回路の総抵抗(慣習的にcmH2Oで表す。)。
(33) 時定数 指数減衰過程が約63%完成するまでの時間。
(34) EEP(呼気終末陽圧) 呼気相において,その終末時まで陽圧を保持するときの圧。
(35) PAP(持続陽圧呼吸) 自発呼吸下の呼気終末時に持続的陽圧を加える方法。
(36) MV(間欠的強制換気) 自発呼吸の間に間欠的に人工呼吸器によって陽圧呼吸を行う方法。吸気に
同期するものをSIMV(同期式間欠的強制換気)という。
――――― [JIS T 7204 pdf 2] ―――――
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T 7204-1989
(37) スパイロメータ(呼吸量計) 呼吸によって呼出又は吸入されるガスの容量を測定する装置。
(38) ネブライザ(噴霧給湿器) 吸気ガスに微粒子の形で薬液又は水を加える装置。
(39) 気化ヒューミディファイア(気化給湿器) 吸気ガスに蒸気の形で薬液又は水を加える装置。
(40) ヒューミディファイア(給湿器又は加湿器) ネブライザと気化ヒューミディファイアとの総称。
(41) テスト肺 人工呼吸器の患者接続端に接続し,人工呼吸器の性能試験,日常の機能チェックなどに使
用する模擬的肺。
3. 構造及び性能
3.1 動力源 人工呼吸器は,最高定格電圧の105%から最低定格電圧の90%まで,又は最高定格駆動ガス
圧の105%から最低定格駆動ガス圧の90%までの範囲で,いかなる調節設定下でも効果的に機能し続け,1
回換気量又は分時換気量の誤差及び変動は±10%でなければならない。
3.2 調節器,指示器及び圧レリーフ弁の精度
3.2.1 目盛付調節器及び指示器 公称入力で作動しているとき,すべての目盛付調節器及び指示器の精度
は,最大目盛の±10%でなければならない。
3.2.2 気道内圧 目盛付陽圧(呼気)調節弁,陰圧(吸気)調節弁及びレリーフ弁は,他の調節設定がど
のような場合でも,また,気道が完全に閉そく(塞)された場合でも,気道内圧を設定値の±0.49kPa [{±
5cmH2O}] 又は設定値の20%(どちらか大きい方)に制限しなければならない。呼吸回路内圧の急激な変
動に際しては,一時的にこの制御値を超えてもよいが,レリーフ弁はこの影響を最小限にとどめるように
機能しなければならない。
3.2.3 気道内圧計及び呼吸回路内圧計 気道内圧計及び呼吸回路内圧計は,次の条件に適合しなければな
らない。
(1) 目盛が少なくとも−0.98kPa [{−10cmH2O}] から+9.8kPa [{+100cmH2O}] の幅があること。
(2) 必要な場合には,ゼロ点調整ができること。
(3) 読み値が±(フルスケールの幅の2%と読取り値の4%との和)の誤差範囲内であること。
(4) 指示目盛は,正常視力(矯正済み)の人が人工呼吸器から1m離れた距離で,215lx(20フィートしょ
っ光)の照明の下で読み取ることができること。
備考 正常視力とは,裸眼又は裸眼で弱い場合はレンズによって適当に矯正した場合,両眼で視力1.0
以上のものをいう。
3.3 スパイロメータ スパイロメータは,次の条件に適合しなければならない。
(1) スパイロメータの精度は,規定の容量及び流量の範囲内で,読取り値の±10%であること。
また,毎分30lの定常流量時にスパイロメータ通過によって生じる低抗は,0.098kPa [{1.0cmH2O}] を
超えないこと。
(2) スパイロメータは,いかなる湿度条件下でも,また1037℃の範囲内でも(1)に規定する誤差範囲内で
その機能を維持できること。
スパイロメータ内のガス温度及び湿度と校正時の温度及び湿度との差異は考慮するものとする。患
者に接近して設置されるスパイロメータは,患者の分泌物によって閉そくされないような構造である
こと。
(3) スパイロメータは,使い捨ての場合を除いて消毒又は滅菌ができなければならない[7.(8)参照]。
備考 呼気ガスを測定するための装置が内蔵されていない人工呼吸器は,スパイロメータを接続でき
る構造にすることが望ましい。
――――― [JIS T 7204 pdf 3] ―――――
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3.4 ガスの特性 患者に送り込まれるガスの特性は,次のとおりとする。
(1) 呼吸チューブの患者側端でのガス温度は,周囲温度よりも5℃以上低くならず,また,41℃を超えな
いように保たれること[3.8(13)参照]。
(2) 人工呼吸器に吸気ガス混合調節器が組み込まれている場合には,送り込まれる酸素濃度は,その人工
呼吸器の換気数及び1回換気量の設定範囲内において,設定値の±10%であること。
また,その酸素濃度は,±3vol%で安定していること。この条件が満たされない場合には,この人
工呼吸器は,患者に送り込まれる酸素濃度の正確な調整が不可能である旨を装置に表示しなければな
らない。
備考 吸気ガス混合調節器に二つ以上の種類の圧力ガスを導入する方式の場合は,それぞれガス入口
に逆流防止弁を備えることが望ましい。
3.5 呼気抵抗 呼気低抗器若しくは呼気終末陽圧装置がなく,又はそれを使用していないとき,製造業
者によって指定された呼吸附属品及びスパイロメータを使用する場合でも,患者接続口での圧力は,成人
用で毎秒0.5l,小児用で毎秒0.25l及び新生児用で毎秒0.83lの呼気流量で,0.49kPa [{5cmH2O}] を超えない
こと。
なお,これらの要求事項に従うために呼気補助が必要な場合には,この旨を取扱説明書に記載すること。
3.6 装置内部コンプライアンス 人工呼吸器の内部コンプライアンス(以下,内部コンプライアンスと
いう。)は,次の条件に適合しなければならない。
(1) ベローズ部に1回換気量目盛の付いた人工呼吸器は,内部コンプライアンスを次の二つの構成部分に
分けること(図1参照)。
(a) ガス取入れ口から吸気弁までの人工呼吸器内の呼吸回路部分(ベローズ部)。
(b) 吸気弁から呼気弁までの呼吸管内の部分(チュービング部)。
図1 内部コンプライアンス
(2) チュービング部には,必要な場合にはヒューミディファイアとウォータトラップを含めてもよい。製
造業者は,試験中にどの構成部分が呼吸回路に入っているか,また,製造上の許容差又はヒューミデ
ィファイアの水位の変動による内部コンプライアンスの予測変動幅をそれぞれ取扱説明書に記載する
こと。
(3) ベローズ部内で圧縮されたガスの一部が呼気中に呼気弁を通って外気に放出され,このガス量がチュ
ービング部内で測定されるガス量の一部をなす場合,呼出ガスが,呼出ガス量測定に誤差を生じるよ
うな持続的なネブライザ用気流によって増加する場合など,呼出ガス量測定に影響する事項は,取扱
説明書に記載すること。
――――― [JIS T 7204 pdf 4] ―――――
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(4) ベローズ部及びチュービングの二つの構成部分の容量/圧力の関係が非直線的な場合は,内部コンプ
ライアンスが5.88kPa [{60cmH2O}] までの吸気終末圧又は人工呼吸器の最高安全圧のどちらか低い方
の範囲までを含む容量/圧曲線の図表を取扱説明書に記載すること。
備考1. 機械的換気中に,1回換気量の設定値と肺へ送り込まれるガス量及び呼気回路から排出される
ガス量との間に,差異が生じることがある。これらの差異は,吸気相中に回路に追加される
新鮮ガスや呼吸回路内でのガスの圧縮,ベローズ又は接続呼吸管の壁の弾性又は漏れなどに
よるものである。呼吸回路内で圧縮されるガス量は,吸気終末における呼吸回路内圧によっ
て変化するが,内部コンプライアンスによって決められる。
2. ベローズ部の内部コンプライアンスによって,人工呼吸器での1回換気量設定と吸気弁を通
るガス量との間に差異が生じる。多くの人工呼吸装置においてこのガス量は,人工呼吸器内
にとどまり,呼気口でスパイロメータによって測定されるガス量には関与しない。チュービ
ング部の内部コンプライアンスによって呼気口で記録されたガス量が肺に送り込まれたガス
量よりも大きいことになる。
3.7 警報システム 警報システムは,次の条件に適合しなければならない。
(1) 警報システムは,人工呼吸器の作動不良を警告するためのもので,吸入ガスの成分又は温度の異常な
変化,呼吸回路における漏れ又は閉そく(流量と圧の異常な変化),動力源の異常などによって作動す
ること。
(2) 警報システムは,人工呼吸器のすべての主機構から独立しても作動すること。
(3) 警報信号は,可聴及び可視警報とする。
また,警報システムに遠隔警報のための装置が設置できることが望ましい。この場合には,呼吸回
路外における故障が主な警報システムの本来の機能に影響しないこと。
(4) 警報システムには,簡単な試験方法を設けることとする。
(5) 警報システムが動力源又はガス供給源の故障によって作動する場合は,即時に作動し,故障が除かれ
ない限り少なくとも2分間は作動し続けなければならない。その他の原因によって作動する場合は,
30秒以内に必ず作動すること。
(6) 呼吸回路内に組み込まれた警報システムの部分は,消毒又は滅菌できると。
(7) 一時的に可聴警報の作動を停止させるために可聴警報停止スイッチを設ける場合には,2分間以内に
自動復帰すること。
(8) 可視警報信号として使用されるすべての指示器は,その機能が正常に作動している場合,明りょうに
見ることができ,また,機械的外力に対して適切に保護されていること。
(9) 警報システムが一般商用電源によって作動する場合は,電源故障を検知する独立した警報装置がある
こと。
(10) 警報システムが電池だけで作動する場合は,電池は容易に交換でき,長時間使用できるもので,電池
の電圧低下を点検する方法又は自動交換システムをもつこと。電池の容器は,酸やアルカリによって
侵される材料を使用してはならず,ガス及び液がたまらないものであること。
備考1. この警報装置は,搬送中,絶えず監視下で使用される小形の特殊な用途の人工呼吸器には省
くことができる。この場合,人工呼吸器の見やすい場所に,警報装置がない旨表示する。
2. 可視警報のためにフィラメント電球が使用されている場合は,人工呼吸器の最高定格電圧の
80%で作動することが望ましい。
3.8 ヒューミディファイア ヒューミディファイアは,次の条件に適合しなければならない。
――――― [JIS T 7204 pdf 5] ―――――
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JIS T 7204:1989の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 5369:1987(MOD)
- ISO 8185:1988(MOD)
JIS T 7204:1989の国際規格 ICS 分類一覧
- 11 : 医療技術 > 11.040 : 医療設備 > 11.040.10 : 麻酔設備,呼吸設備及び蘇生設備
JIS T 7204:1989の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JIST1001:1992
- 医用電気機器の安全通則
- JIST1005:1983
- 医用電気機器取扱説明書の様式
- JIST7201:1990
- 麻酔器