JIS W 0106:1995 航空用語(航空機一般)

JIS W 0106:1995 規格概要

この規格 W0106は、航空機に関する用語について規定。

JISW0106 規格全文情報

規格番号
JIS W0106 
規格名称
航空用語(航空機一般)
規格名称英語訳
Glossary of terms for aircraft general
制定年月日
1972年1月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

01.040.49, 49.020
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1972-01-01 制定日, 1975-01-01 確認日, 1978-01-01 確認日, 1983-06-01 確認日, 1984-12-01 改正日, 1990-03-01 確認日, 1995-03-01 改正日, 2000-11-20 確認日, 2005-09-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS W 0106:1995 PDF [14]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                            JIS
W 0106-1995

航空用語(航空機一般)

Glossary of terms for aircraft general

1. 適用範囲 この規格は,航空機に関する主な用語について規定する。
2. 分類 用語は,次のように分類する。
(1) 航空機の種類に関する用語
(2) 航空機の寸法·面積に関する用語
(3) 航空機を構成する部分に関する用語
(4) 航空機の重量(物体に作用する重力の大きさ)比に関する用語
(5) 航空機の空気力学·性能に関する用語
(6) 航空機の運航·整備に関する用語
3. 用語·定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のため対応英語及び一部の用語に対する記号を示す。
備考1. 用語欄で二つの用語を並べてある場合は,その順序に従って優先的に使用する。
2. 用語欄の( )内の太字体の語は省略してもよい。
3. 用語欄の( )内の細字体の語は参考として示したものである。
4. 用語の下に括弧で示したものは,読み方である。
(1) 航空機の種類に関する用語
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1010 航空機 aircraft
人が乗って,航空の用に供することができる機器
の総称。
1020 軽航空機 lighter-than-air aircraft
飛行中の揚力を,主として空気より軽い気体の静
的な浮力から得るすべての航空機。
1030 飛行船 推進装置及び操縦装置を備えた軽航空機。 airship
1040 重航空機 heavier-than-air aircraft
それ自体の重量が,その排除する空気の重量より
も重く,飛行中の揚力を主として空気力学的な力
から得るすべての航空機。
1050 固定翼航空機 fixed wing aircraft
固定した翼面をもち,その翼面に生じる揚力によ
って飛行する重航空機。
1060 飛行機 aeroplane,
推進装置を備え,飛行中の揚力を,主として,そ
airplane(米)
れぞれの飛行状態において固定翼面上に生じる空
気力学的な力から得る固定翼航空機。
1070 可変後退翼機 variable-swept-wing airplane
飛行中に翼の後退角を変更させることができる飛
行機。
1080 無尾翼機 水平尾翼をもたない飛行機。 tailless airplane

――――― [JIS W 0106 pdf 1] ―――――

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W 0106-1995
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1090 陸上機 陸上で発着する飛行機。 landplane
1100 水上機 水上で発着する飛行機。 seaplane
1110 フロート水上機 float seaplane,
水上にあるとき,フロートによってその重量を支
持する水上機。 float plane
1120 飛行艇 flying boat
水上にあるとき,主に艇体によってその重量を支
持する水上機。
1130 水陸両用機 amphibian
陸上又は水上のいずれへも発着できる飛行機及び
へリコプタ。
1140 グライダ glider
推進装置を備えず,飛行中の揚力を主として固定
(滑空機) 翼面上に生じる空気力学的な力から得る固定翼航
空機。
1150 ソアラ sailplane,
大気の動きを利用して,長時間又は長距離の飛行
を行うグライダ。 soarer
1160 モータグライダ motor glider
50kW以下のエンジンを装備し,主として離陸上昇
(動力滑空機) 時に動力を用い,所要の高度から滑空を行う固定
翼航空機。
1170 回転翼航空機 飛行中の揚力を回転翼から得る重航空機。 rotor craft,
rotary-wing aircraft
回転翼の配置によって,単回転翼機,同軸回転翼
機,タンデム回転翼機などがある。
1180 ジャイロプレーン gyroplane
起動の時だけエンジン駆動によるが,飛行中は空
気力の作用によって回転する1個以上の回転翼に
よって揚力を,またプロペラによって推進力を得
る回転翼航空機。
1190 ヘリコプタ helicopter
ほぼ垂直な軸周りに回転するエンジン駆動の回転
翼によって揚力及び推進力を得る回転翼航空機。
1200 複合ヘリコプタ compound helicopter
回転翼のほかに推進装置と固定翼とをもち,水平
飛行中の推進力と揚力の大部分をこれらによって
得るヘリコプタ。
1210 ジャイロダイン gyrodyne
1個以上のエンジン駆動の回転翼によって揚力を
得,推進力はプロペラによって得る回転翼航空機。
1220 短距離離着陸(航空)短い滑走距離で離着陸できる重航空機。 STOL aircraft (short takeoff
機 and landing aircraft)
1230 垂直離着陸(航空)機 VTOL
離着陸の際,ほぼ垂直に上昇又は降下できる重航 aircraft (vertical
空機。 takeoff and landing
aircraft)
1240 亜音速機 subsonic aircraft
空気の圧縮性の影響がほとんどない速度域で飛行
する航空機。
1250 遷音速機 transonic aircraft
機体の表面の空気の流れが音速に達している部分
とそれ以下の部分が共存している速度域まで飛行
できる航空機。
1260 超音速機 音速を超える対気速度で飛行できる航空機。 supersonic aircraft
1270 極超音速機 音速の約5倍以上の対気速度で飛行できる航空 hypersonic aircraft
機。
1280 輸送機 人員及び物資を輸送するために使用される航空transport aircraft
機。
1290 旅客機 乗客の輸送を主目的とする航空機。 airliner
1300 CCV control configured vehicle
機体固有の不安定性及び剛性の不足を制御系によ
って補償し,機体の小型化·軽量化,操縦性の向
上等を図った航空機。

――――― [JIS W 0106 pdf 2] ―――――

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W 0106-1995
(2) 航空機の寸法·面積に関する用語
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2010 上反角 翼が付け根から翼端に向かって上がっているとdihedral angle
き,機軸と翼幅方向の基準線を含む平面が水平面
となす角。
参考 量記号 は
2020 下反角 翼が付け根から翼端に向かって下がっているとcathedral angle
き,機軸と翼幅方向の基準線を含む平面が水平面
となす角。
2030 後退角 swept-back angle
翼の平面形において,翼端が翼の付け根に対し後
退しているとき,翼幅方向の基準線が機軸に垂直
な平面となす鋭角。
参考 量記号
2040 前進角 swept-forward angle
翼の平面形において,翼端が翼の付け根に対し前
進しているとき,翼幅方向の基準線が機軸に垂直
な平面となす鋭角。
2050 取付け角 angle of incidence
翼弦と胴体基準線とがなす角度。通常,翼の付け
根の値を用いる。
参考 量記号iで表す。
2060 ねじり上げ(角) wash-in (angle)
翼の取付け角が翼端に向かって次第に増すように
翼がねじってあるとき,翼付け根と翼端部との取
付け角の差。
2070 ねじり下げ(角) wash-out (angle)
翼の取付け角が翼端に向かって次第に減じるよう
に翼がねじってあるとき,翼付け根と翼端部との
取付け角の差。
2080 尾翼取付け角 尾翼の翼弦と胴体基準線とがなす角度。 tail-setting angle
参考 量記号itで表す。
2090 総翼面積 胴体部分を含めた主翼の投影面積。 gross wing area
参考 量記号SLで表す。
2100 正味翼面積 胴体部分を除いた主翼の投影面積。 net wing area
2110 ぬれ面積 航空機の全表面積。 wetted area
2120 円板面積 disc area
回転翼が回転することによって描かれる円形の面
積。
2130 縦横比 aspect ratio
総翼面積に対する翼幅の二乗の比。く(矩)形翼
(たてよこひ) の場合は翼弦長に対する翼幅の比になる。
参考 量記号 A又は
2140 テーパ比 翼根弦長に対する翼端弦長の比。 taper ratio
参考 量記号
2150 厚さ比 翼弦長に対する翼形の最大厚さの比。 thickness ratio
2160 翼形 aerofoil section,
翼の平面形における翼幅方向の基準線(通常は,
wing section,
25%弦長点を連ねる線)に直角にとった翼の切り
口の形状。 profile
2170 翼形中心線 center-line of an aerofoil,
翼形の上面及び下面までの距離がそれぞれ等しく
なる点を結んで得られる線。 mean line
2180 中心線の反り center-line camber
翼形中心線と翼弦との隔たりを,翼弦長に対する
百分率で表したもの。
2190 反り maximum camber
翼形中心線と翼弦との隔たりの最大値を,翼弦長
に対する百分率で表したもの。
2200 翼弦 翼形中心線の前端と後端とを結んだ直線。 chord
2210 翼弦長 翼弦の長さ。 chord length
参考 量記号cで表す。

――――― [JIS W 0106 pdf 3] ―――――

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W 0106-1995
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2240 25%弦長点 翼弦の前端から翼弦長の25%隔たった点。 quarter-chord point
2250 幾何平均翼弦 翼面積を翼幅で割った値。 mean geometric chord
2260 空力平均翼弦 aerodynamic mean chord,
縦揺れモーメントに関して翼の空気力学的性質を
代表する翼弦。 mean aerodynamic chord
(米)(MAC)
2270 前縁 翼形又は翼の前端。 leading edge
備考 構造上は,前けたから前方の翼の部分
をいう。
2280 後縁 翼形又は翼の後端。 trailing edge
備考 構造上は,後けたから後方の翼の部分
をいう。
2290 翼幅 左右の両翼端の間の水平距離。 span,
参考 量記号bで表す。 wing span
2300 全長 航空機の最前端と最後端との間の水平距離。 overall length
参考 量記号lRで表す。
2310 全高 航空機の最低端と最高端との間の垂直距離。 height
参考 量記号hRで表す。
2320 車輪左右間隔 wheel track,
主着陸装置の左右の車輪中心間距離。車輪の代わ
てつ(轍)間距離 りに,そり,スキーなどでも同じ。 wheel tread
2330 車輪前後間隔 前部着陸装置と後部着陸装置の車軸中心間の距wheel base
軸間距離 離。車輪の代わりに,そり,スキーなどでも同じ。
(3) 航空機を構成する部分に関する用語
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3010 機体 airframe
主翼,胴体,尾翼,着陸装置など,航空機を構成
する構造部分。
3020 翼 wing,
重航空機が空気中でその重量を支持するのに必要
aerofoil,
とする空気力学的な力(揚力)を発生するもの。
airfoil(米)
3030 主翼 main wing,
重航空機の重量を支持するための揚力の大部分を
発生する翼。 main plane
3040 テーパ翼 taperd wing
翼の付け根から翼端に向かって,直線的に翼弦長
が小さくなっている翼。
3041 く(矩)形翼 翼弦長が付け根から翼端まで一定の翼。 constant chord wing
3050 後退翼 後退角をもつ翼。 swept-back wing
3051 前進翼 前進角をもつ翼。 swept-forward wing
3060 三角翼 delta wing
平面形が三角形であり,比較的小さい縦横比の翼。
3070 短翼 stub wing
胴体の両側面に取り付けられた短い翼。主として,
着陸装置,エンジンなどを取り付けたり,物をつ
り上げるために用いる。
3080 ウィングレット winglet
主翼の翼端にほぼ垂直に取り付けられ,これによ
って得られる翼端渦の減殺と推力成分の効果を利
用して,誘導抗力の減少と有効揚力の増加を図る
ための小翼片。
3090 操縦だ(舵)面 control surface
航空機の姿勢及び飛行方向を制御するために用い
る可動翼面。だ(舵)面ともいう。
3100 補助翼 aileron
操だ(舵)によって航空機の前後軸周りに回転運
動(横揺れ)を起こさせるため,主翼の後縁に取
り付ける可動翼面。

――――― [JIS W 0106 pdf 4] ―――――

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W 0106-1995
番号 用語 定義 対応英語(参考)
3110 差動補助翼 differential aileron
補助翼を操だ(舵)したとき,上がる角度と下が
る角度とが異なるような機構をもった補助翼。
3120 フリーズ補助翼 Frise aileron
上げ側の補助翼の前縁部が主翼の下面に突き出す
ようにしてある補助翼。
3130 すきま補助翼 slotted aileron
主翼後縁との間に,気流を円滑に流すために整形
されたすきまをもたせた補助翼。
3140 釣合いだ(舵)面 balanced surface
昇降だ(舵),方向だ(舵),補助翼,タブなどの
操縦だ(舵)面に取り付けられ,操だ(舵)力を
軽くする仕掛けをもった操縦だ(舵)面。
3150 ホーン·バランス horn balance
だ(舵)面の平面形において,翼端部がヒンジ中
心線より前方に張り出している釣合いだ(舵)面
の形式。
3170 エレボン elevon
昇降だ(舵)と補助翼の二つの働きを併せもつよ
うに設計された操縦だ(舵)面。
3180 高揚力装置 high-lift device
離着陸速度を低減させ又は空中操作を容易にする
ため,最大揚力係数を大きくする装置。
3190 すきま翼 slotted aerofoil wing,
高揚力装置の一種で,翼の前縁に可動式又は固定
式のすきまをもった翼。 slotted wing
3200 スラット slat
翼の前縁に取り付けられ,迎え角が大きいときの
気流のはがれを遅らせて最大揚力係数を大きくす
る固定式又は可動式の小翼。
備考 高揚力装置の一種。
3210 折り曲げ前縁 drooped leading edge
翼の前縁部を下方へ折り曲げて翼の反りを増すよ
うにしたもの。
3220 境界層制御装置 境界層に原因する好ましくない空気力学的効果boundary-layer control
(失速,抗力増加など)を減少又は除去するためsystem
の装置。
3230 フラップ flap
主翼の後縁又は前縁に取り付けられ,翼面積若し
くは翼の反り又は両方を増して,主として最大揚
力係数を大きくする働きをもつ装置。
備考 高揚力装置の一種。
3240 フラッペロン flaperon
フラップと補助翼の機能を兼ね備えた可動翼面。
3250 前縁フラップ 翼の前縁部に取り付けられたフラップ。 leading-edge flap
3260 クルーガフラップ Krger flap
前縁フラップの一種で,翼の前縁下側にその前端
をヒンジ止めした小翼で,作動時に後端を翼の前
下方に開くようにしたフラップ。
3270 後縁フラップ 翼の後縁部に取り付けられたフラップ。 trailing edge flap
3280 ファウラフラップ fowler flap
翼の後縁部が後方に張り出して翼面積を増す効果
を併せもっている形式のフラップ。
3290 単純フラップ plain flap
翼の後縁部分をそのまま下方へ折り曲げる形式の
フラップ。
3300 すきまフラップ slotted flap
フラップを下げたとき,翼本体とフラップの前縁
との間にすきまができるようにした形式のフラッ
プ。
3310 開きフラップ 翼の後縁部の下方だけを開く形式のフラップ。split flap
3320 吹出しフラップ blown flap
フラップを下げたとき,その上面に沿って高速の
空気を後方に吹き出して,フラップの効果を高め
る機能をもったフラップ。
3330 ジェットフラップ jet flap
翼の後縁から後下方に高速の空気を吹き出し,そ
の噴流によってフラップの効果を得る装置。

――――― [JIS W 0106 pdf 5] ―――――

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