JIS X 0002:1987 情報処理用語(算術演算及び論理演算)

JIS X 0002:1987 規格概要

この規格 X0002は、情報処理における算術演算及び論理演算に関する用語とその読み方,意味及び対応英語について規定。

JISX0002 規格全文情報

規格番号
JIS X0002 
規格名称
情報処理用語(算術演算及び論理演算)
規格名称英語訳
Glossary of terms used in information processing (Arithmetic and Logic Operation)
制定年月日
1987年4月1日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 2382-2:1976(IDT)
国際規格分類

ICS

01.040.35, 35.020
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
情報基本 2016
改訂:履歴
1987-04-01 制定日, 1992-06-01 確認日, 1997-10-20 確認日, 2002-08-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS X 0002:1987 PDF [16]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
X 0002-1987

情報処理用語(算術演算及び論理演算)

Glossary of Terms Used in Information Processing (Arithmetic and Logic Operation)

1. 適用範囲 この規格は,情報処理における算術演算及び論理演算に関する主な用語とその読み方,意
味及び対応英語について規定する。
備考1. この規格は,国際規格ISO 2382/2-1976に準拠している。
2. 番号の右肩に星印*が付いている用語の対応英語は参考とする。
対応国際規格 :
ISO 2382/2-1976 Data processing−Vocabulary−Section 02 : Arithmetic and logic operations
2. 表記法 この規格では,各用語を,番号,用語及び読み方,意味並びに対応英語の四つの欄に分けて
記述する。それぞれの欄における表記法を次に示す。
(1) 番号に関する表記法
(1.1) 番号は,6個の数字によって表す。
最初の2けたの数字は情報処理用語規格番号の末尾2けたを,次の2けたの数字は同一分類のこ
の規格の区分を意味する。最後の2けたの数字は,同一区分内の一連番号とする。
(1.2) 番号の右肩の星印*は,その用語がJIS独自のものであることを表す。
(2) 用語及び読み方に関する表記法
(2.1) 同一の意味を表す用語が二つ以上ある場合は,その順位に従って優先使用する。
(2.2) 用語の一部が丸括弧( )で囲まれている場合は,その部分を省略してもよいことを表す。この場
合は,括弧内を省略したときと省略しないときとの間に優先順位はない。
例1 : “自動(的)”は,“自動”又は“自動的”を表す(01.01.04参照)。
例2 : “(計算機)プログラム”は,“計算機プログラム”又は“プログラム”を表す(01.04.01
参照)。
(2.3) 用語が幾つもの類似の意味をもつ場合には,それらを個々に規定し,用語の前に(1),(2),······を付
ける。
例 : “(1)引き数”(02.02.02参照),“(2)引き数”(02.02.03参照)
(2.4) 類似の意味をもち,しかもその記述がほとんど同一である二つ以上の用語は,角括弧[ ]を用い
て一つにまとめて規定する。この場合,用語及び読み方欄の[ ]に対して,意味欄の対応する[ ]
を採るものとする。

――――― [JIS X 0002 pdf 1] ―――――

2
X 0002-1987
例1: 次の(a)と(b)とは同じ(02.10.05参照)。
(a) 用語及び読み方 意味
2項[N項]演算 2個[N個]のオペランドに対する演算。
(b) 用語及び読み方 意味
2項演算 2個のオペランドに対する演算。
N項演算 N個のオペランドに対する演算。
例2: 次の(a)と(b)とは同じ(04.02.06参照)。
(a) 用語及び読み方 意味
欧数字[英数字]集合欧字[英字]及び数字を含み,場合によっては制御文字,
[部分集合] 特殊文字,間隔文字を含む文字集合[文字部分集合]。
(b) 用語及び読み方 意味
欧数字集合 欧字及び数字を含み,場合によっては制御文字,特殊文
字,間隔文字を含む文字集合。
欧数字部分集合 欧字及び数字を含み,場合によっては制御文字,特殊文
字.間隔文字を含む文字部分集合。
英数字集合 英字及び数字を含み,場合によっては制御文字,特殊文
字,間隔文字を含む文字集合。
英数字部分集合 英字及び数字を含み,場合によっては制御文字,特殊文
字,間隔文字を含む文字部分集合。
(2.5) 用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧( )内にそのことを示す。
例1 : “情報(データ処理及び事務機械における)”(01.01.02参照)
例2 : “呼出し(プログラミングにおける)”(07.09.04参照),“呼出し(データ網における)”
(09.06.08参照)
(2.6) 文法上の用法又は省略形などを,用語に引き続く丸括弧( )内に示す。
例 : “SYSGEN(頭字語)”(10.02.18参照),“DP(省略形)”(01.01.03参照)
(2.7) 漢字が常用漢字表にない場合には,仮名で示し,それに引き続く山括弧< >内に該当する漢字を
示す。
例 : “間げき<隙>文字”(04.10.09参照)
(2.8) 用語の読み方は,振り仮名によって示す。ただし,用語が英字から成り,その読み方が各英字の読
み方どおりの場合には,振り仮名は付けない。
例1 : (データ)しょり
処理(01.01.03参照)
こぼ る
例2 : COBOL(07.02.22参照)
例3 : DP(01.01.03参照)
(3) 意味に関する表記法
(3.1) 文中で下線の引いてある語は,情報処理用語の規格中に規定されている用語であることを示す。
(3.2) 角括弧[ ]の使い方については,(2.4)を参照のこと。
(4) 対応英語に関する表記法
(4.1) この欄の英語は,国際規格 (ISO 2382/2) に規定されている用語であって,規定されている意味と対
応する。ただし,番号の右肩に星印*の付いているものを除く。
(4.2) 対応英語について使用上の注意事項がある場合には,対応英語に引き続く丸括弧( )内に示す。
(4.3) 対応英語に付けられた括弧内の注記の意味は,次のとおりとする。

――――― [JIS X 0002 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
X 0002-1987
(使用しないほうがよい。) : 国際規格及びこの規格では,この英語を使用しないので,使用しな
いほうがよいことを示す。
例 : 02.04.01 logic function(使用しないほうがよい。)
(使用してはいけない。) : 国際規格及びこの規格では,用語統一の見地から,この英語を使用し
てはいけないことを示す。
(この意味では使用しないほうがよい。) : 国際規格及びこの規格では,他の意味で使われている
ため,この英語を使用しないほうがよいことを示す。
(××だけ) : この英語は××(国名)だけで通用することを示す。
例 : 02.02.07 range(オーストラリアだけ)
また,角括弧及び使用分野を限定する丸括弧の用法は,“用語及び読み方”の欄と同様とする。
(5) 注,備考 注は,国際規格及びこの規格の一部である。備考は,この規格の一部であるが,国際規格
には記述されていない事項を示す。
3. 情報処理用語(算術演算及び論理演算) 主な用語について,次のとおり定める。
02.01 方法
番号 用語及び読み方 意味 対応英語
はっけんてきほうほう
02.01.01 発見的方法 heuristic method
一連の近似的な結果を用いて,意にかなう最終結果に
近づいているかどうかの評価がなされる問題解決の探
索的方法。例えば,一定の指針に従った試行錯誤によ
る方法。
すうがくてききのうほう
02.01.02 数学的帰納法 mathematical induction
N以上の自然数を含む項に関する命題を証明する方法
であって,まずその命題がNについて成立することを
示し,次に,もしN以上の任意のnに対してその命題
が成立するならば, (n+1) に対してもその命題が成
立すると示すことによって証明する。
けいしきろんり
02.01.03 形式論理 formal logic
論証の中の用語の意味にかかわらない正当な論証の構
成及び形式の研究。
きごうろんりがく
02.01.04 記号論理学, symbolic logic ,
自然言語のもつあいまいさ及び論理的不十分さを避け
すうりろんりがく
数理論理学 mathematical logic
るために選定された人工言語を用いて,正当な論証及
び演算を行う学問分野。
02.02 変数の表現
番号 用語及び読み方 意味 対応英語
02.02.01 スイッチングへんすう
変数 有限個の可能な値又は状態だけをとりうる変数。 switching variable ,
例 : 文字集合中の任意の1文字。 logic variable(使用し
ないほうがよい。)
ひ引きすう数
02.02.02 (1) 独立変数。 argument
ひ引きすう数
02.02.03 (2) 独立変数の任意の値。 argument
例 : 探索かぎ,すなわち表中の項目の場所を識
別する数。
02.02.04 パラメタ parameter
特定の用途のために,ある一定の値が与えられる変数
であって,かつ,その用途を示しうるもの。
02.02.05 スカラ ただ一つの値によって特性付けられる量。 scalar
02.02.06 ベクトル vector
通常,スカラの順序付けられた集合によって特性付け
られる量。

――――― [JIS X 0002 pdf 3] ―――――

4
X 0002-1987
番号 用語及び読み方 意味 対応英語
はん範い囲
02.02.07 span ,
ある量又は関数がとりうる最大値と最小値との差。
range(オーストラリア
だけ)
し指すう数(対数の)
02.02.08 characteristic
対数表示において正又は負の値をとりうる整数部。
(of a logarithm)
か仮すう数(対数の)
02.02.09 対数表示における非負の小数部。 mantissa
(of a logarithm)
し自ぜん然すう数,
02.03.01 0,1,2,···のうちの一つの数。 natural number ,
ひ非ふ負せいすう
整数 nonnegative integer
注 自然数は,0からでなく,1から始まると定義
する人もいる。
せいすう
02.03.02 整数 0,+1,−1,+2,−2,···のうちの一つの数。 integer ,
integer number
じつすう
02.03.03 実数 real number
固定基数記数法において,有限又は無限の数表示を使
って表現される数。
ゆう有り理すう数
02.03.04 ある整数を0でない整数で割った商である実数。 rational number
む無り理すう数
02.03.05 有理数でない実数。 irrational number
ふく複そ素すう数
02.03.06 complex number
実数の順序対からなる数であって,a+ibの形で表現で
きる。ここで,a及びbは実数であり,i2=−1である。
02.03.07 一様)らんすう
(いちよう
乱数 random number
ある既知の数の集合から,どの数も同じ出現確率をも
つように取り出される数。
らんすうれつ
02.03.08 乱数列 random number
各々の数が先行する数に関する知識からだけでは予測
できない数列。 sequence
ぎ擬じ似らんすうれつ
02.03.09 乱数列 pseudo-random number
ある定義された算術処理によって決定された数列であ
sequence
るが要求されている目的に対しては実際上,乱数列で
あるもの。
とお通しばんごう
02.03.10 番号 列中のある項目の位置を示す整数。 serial number
02.03.11 ゼロ(データ処理に zero (in data processing)
いかなる数に加えても,又はいかなる数から引いても,
おける) その数の値を変えない数。
注 ゼロは計算機の中で異なる複数個の表現をと
ることがある。例えば,正又は負の符号付き
ゼロ(符号付きの数からそれ自身を引くと得
られることがある。)とか浮動小数点ゼロ(そ
の固定小数点部分はゼロであるが,浮動小数
点表示の指数は様々でありうる。)がある。
02.03.12 2ち値[3ち値][8ち値] binary [ternary] [octal]
2 [3] [8] [10] [12] [16] [N] 個の異なる値又は状態をと
[10ち値][12ち値] [decimal or denary]
りうるような選択又は条件で特性付けられることを表
[16ち値][Nち値]
す用語。 [duodecimal]
[sexadecimal or
hexadecimal] [N-ary]
02.03.13 2しん進[3しん進][8しん進] binary [ternary] [octal]
固定基数記数法において,基数として2 [3] [8] [10] [12]
[10しん進][12しん進]
[16] [N] をとること及びそのような方式。 [decimal or denary]
[16しん進][Nしん進] [duodecimal]
(法) [sexadecimal or
hexadecimal] [N-ary]
かいじょう
02.03.14 階乗 1から与えられた整数までのすべての自然数の積。factorial

――――― [JIS X 0002 pdf 4] ―――――

                                                                                              5
X 0002-1987
2.04 関数及び写像
番号 用語及び読み方 意味 対応英語
02.04.01 スイッチングかんすう
関数 switching function ,
有限個の可能な値だけをとる関数であって,その関数
の各各の独立変数も有限個の可能な値だけをとるもlogic function(使用し
の。 ないほうがよい。)
02.04.02 ブールかんすう
関数 Boolean function
関数及び各独立変数のとりうる値が二つしかないスイ
ッチング関数。
さい再き起てき的にてい定ぎ義された
02.04.03 recursively defined
2番目以降の項の各々は,それに先行する幾つか又は
れつ列
すべての項をオペランドに含む演算によって定められsequence
る項の列。
注 再帰的に定義された列においては,通常,2
個以上の有限個の定義されていない項があっ
てもよい。
しやぞう
02.04.04 写像する to map (over)
他の集合中の量又は値との間に,定まった対応をもつ
値の集合を確定すること。
例 : 数学的関数を評価すること。すなわち直接
関係する独立変数の値に対して従属変数の値
を確定すること。
しやぞう
02.04.05 写像 map ,
他の集合中の量又は値との間に,定まった対応をもつ
値の集合。 mapping(使用しない
ほうがよい。)
ぼ母かんすう
02.04.06 関数 generating function
無限級数で表現されたときに,一連の与えられた関数
又は定数を,その無限級数の係数としてもつ数学的関
数。
21
−は次のように展開で
例 : 関数 (1−2ux±u2)
きるので,ルジャンドルの多項式Pn (x) の母
関数である。
21
−=
(1−2ux±u2) Pn (x) un
n 0
02.04.07 しきいち値かんすう
関数 threshold function
一つ以上の引き数をもつ2値スイッチング関数であっ
て,その引き数は必ずしも2値引き数である必要はな
いが,その引き数に関する所定の数学的関数が,与え
られたしきい値を超えたときにはその関数の値が1を
とり,それ以外のときにはその関数の値が0をとるも
の。
例 : 次のようなしきい値関数
g≦Tのときf (a1,···,an) =0
g>Tのときf (a1,···,an) =1
ここでg=W1a1,+···+Wnan
ただし,W1,···,Wnは実数の引き数a1,···,
anに対する正の重みであり,Tはしきい値で
ある。

――――― [JIS X 0002 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS X 0002:1987の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2382-2:1976(IDT)

JIS X 0002:1987の国際規格 ICS 分類一覧