JIS X 0016:1997 情報処理用語(情報理論)

JIS X 0016:1997 規格概要

この規格 X0016は、情報処理における情報理論用語,定義及び対応英語について規定。

JISX0016 規格全文情報

規格番号
JIS X0016 
規格名称
情報処理用語(情報理論)
規格名称英語訳
Glossary of terms used in information processing (Information Theory)
制定年月日
1987年4月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO/IEC 2382-16:1996(IDT)
国際規格分類

ICS

01.040.35, 35.020
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
情報基本 2016
改訂:履歴
1987-04-01 制定日, 1992-06-01 確認日, 1997-04-20 改正日, 2002-07-20 確認日, 2007-09-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS X 0016:1997 PDF [10]
X 0016 : 1997 (ISO/IEC 2382-16 : 1996)

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS X 0016 : 1987は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,情報通信技術の進展に伴って,既存用語の拡充,新技術及び新しい概念に対する用語
の追加を行った。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS X 0016 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
X 0016 : 1997
(ISO/IEC 2382-16 : 1996)

情報処理用語(情報理論)

Glossary of terms used ininformation processing(Information Theory)

序文 この規格は,1996年に第2版として発行されたISO/IEC 2382-16, Information technology−Vocabulary
−Part 16 : Information theoryを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,情報処理における情報理論用語,定義及び対応英語について規定する。
2. 分類 用語は,次のとおり分類する。
a) 一般用語(16.01参照)
b) 通報及び通信系(16.02参照)
c) 基本量に関する用語(16.03参照)
d) 導出量に関する用語(16.04参照)
3. 表記法 この規格は,各用語を番号,用語,定義及び対応英語の四つの欄に分けて規定する。それぞ
れの欄における表記法及び解釈を,次に示す。
a) 番号 番号は,6個の数字によって表す。最初の2けたの数字は,情報処理用語の規格番号の末尾2
けたを示す。次の2けたの数字は,この規格での分類を示す。最後の2けたは,同一分類内の一連番
号を示す。
b) 用語
1) 同一の意味を示す用語が二つ以上ある場合は,表記した順に従って優先使用する。
2) 用語の一部が丸括弧( )で囲まれている場合は,その部分を省略してもよいことを表す。この場
合は,括弧内を省略したときとしないときとの間に優先順位はない。
3) 用語の使用分野を限定する場合には,用語に引き続く丸括弧( )内にそのことを示す。
例 “情報(情報理論における)”(16.01.03参照)
c) 定義
1) 文中で下線の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格(日本産業規格)に規定されていることを示す。
2) 丸括弧( )の使い方は,b)と同様とする。
d) 対応英語
1) この欄の英語は,対応国際規格に規定されている用語であって,規定されている定義と対応する。

――――― [JIS X 0016 pdf 2] ―――――

2
X 0016 : 1997 (ISO/IEC 2382-16 : 1996)
2) 対応英語について使用上の注意がある場合には対応英語に引き続く丸括弧( )内に示す。
3) 対応英語に付けられた括弧内の注記の意味は,次のとおりとする。
(使用しないほうがよい。) 国際規格及びこの規格では,この英語を使用しないので,使用しな
いほうがよいことを示す。
例 16.03.03 negentropy(使用しないほうがよい)
(使用してはいけない。) 国際規格及びこの規格では,用語統一の見地から,この英語を使用し
てはいけないことを示す。
(この意味では使用しないほうがよい。) 国際規格及びこの規格では,他の意味で使われている
ため,この英語を使用しないほうがよいことを示す。
(××だけ) この英語は××(国名)だけで通用することを示す。
4) 使用分野を限定する丸括弧( )の用法は,b)と同様とする。
4. 情報処理用語(情報理論)
16.01 一般用語
番号 用語 定義 対応英語
16.01.01 情報理論 情報の定量的な尺度を取り扱う理論分野。 information theory
16.01.02 通信理論 commumication theory
雑音,その他の妨害の影響下における通報の伝送に関す
る性質を取り扱う理論分野。
16.01.03 情報(情報理論にお information
事象の集合から生起する事象に関する不確実さを減らし
ける) たり取り除いたりする知識。
備考 情報理論において,“事象”は,確率論で使用
されるものと同様である。事象の例には次の
ようなものがある。
− ある要素 集合の中に特定の要素が存在する
こと。
− ある通報の中又はある通報の特定の位置に,
ある文字又はある語が存在すること。
− ある実験から得られる結果の一つ。
16.02 通報及び通信系
番号 用語 定義 対応英語
16.02.01 通報(情報理論及び情報の伝達を目的とする,順序付けられた文字列。 message (in information
通信理論におけ theory and
る) communication
theory)
16.02.02 情報源 通信系において通報が発生する部分。 message source,
information source
16.02.03 通報受端 通信系において通報を受け取る部分。 message sink,
information sink

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X 0016 : 1997 (ISO/IEC 2382-16 : 1996)
番号 用語 定義 対応英語
16.02.04 通信路(通信理論に通信系において情報源と通報受端とを結ぶ部分。 channel (in
おける) 備考1. 符号器が情報源と通信路入力との間に,ま communication
た復号器が通信路出力と通報受端との間に theory)
存在してもよい。一般に,符号器及び復号
器は,通信路の一部とはみなさない。しか
し,情報源及び通報受端の一部とみなす場
合がある。
2. シャノンの情報理論においては,情報源か
らの通報に対して通報受端が受け取る通報
の条件付き生起確率で,通信路は特徴付け
られる。
16.02.05 2元対称通信路 symmetric binary
2進文字から成る通報を伝送する通信路であり,伝送し
channel
たある文字がもう一方の文字に変化してしまう条件付き
確率が等しい性質をもつもの。
16.02.06 定常情報源 通報の生起確率が時刻に依存しない情報源。 stationary message
source,
stationary information
source
16.03 基本量に関する用語
番号 用語 定義 対応英語
16.03.01 選択情報量 decision content
互いに排反な事象から成る有限集合中の事象の数の対
数。数学的には,この選択情報量は,
H0=log n
で表される。ここで,nは事象の数である。
備考1. 16.01.03の備考参照。
2. 対数の底によって単位が定まる。よく使わ
れる単位には次のものがある。
対数の底が2のときはシャノン(記号は
Sh)。
対数の底がeのときはナット(記号は
nat)。
対数の底が10のときはハートレー(記号
はHart)。
単位の変換表を次に示す。
1Sh =0.693nat=0.301Hart
1nat =1.443Sh =0.434Hart
1Hart=3.322Sh=2.303nat
3. 選択情報量は,事象の生起確率に対して独
立である。
4. 有限個の互いに排反な事象から成る有限集
合の中から,特定の事象を選択するために
必要な,b個の選択肢からの選択回数は,b
を底とする対数で定義した選択情報量の小
数部分を切り上げた整数に等しい。ただし,
bは整数とする。
例 [{a, b, c}] を三つの事象から成る集合とすると,
この集合の選択情報量は次のとおり。
H0= (log2 3) h =1.585Sh
= (loge 3) at =1.098nat
= (log10 3) art=0.477Hart

――――― [JIS X 0016 pdf 4] ―――――

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X 0016 : 1997 (ISO/IEC 2382-16 : 1996)
番号 用語 定義 対応英語
16.03.02 情報量 information content
確率事象の生起を知ることによって伝えられる情報の尺
度。この尺度はその事象の生起確率の逆数の対数に等し
く,数学的には,
1
I(x) og log p(x)
p(x)
で表される。ここで,p (x) は事象xの生起確率である。
備考1. 16.01.03の備考参照。
2. 生起確率が等しい事象から成る集合では,
各事象の情報量はその集合の選択情報量に
等しい。
例 [{a, b, c}] を三つの事象から成る集合とし,各事
象の生起確率をp (a) =0.5, p (b) =0.25及びp
(c) =0.25とする。これらの事象の情報量は次の
とおり。
1
I(a) og 2 Sh 1 Sh
.050
1
I(b) og 2 Sh 2 Sh
.025
1
I(c) og 2 Sh 2 Sh
.025
16.03.03 エントロピー, entropy,
有限の完全事象系の中から,いずれの事象が生起したか
平均情報量 average information
を知ることによって伝えられる情報量の平均値。数学的
には, content,
n n negentropy(使用しない
1
H(X) p(xi) (xi) p(xi) og ほうがよい)
i1 i1
p(xi)
で表される。ここで,X= [{x1,······,xn}] は事象xi(i=1,
······,n)の集合, I (xi) は事象の情報量,及びp (xi) は事
象xiの生起確率であって,
n
p(ix) 1
i1
を満たすものとする。
備考 完全事象系とは,それを構成する事象が互い
に排反であり,すべての事象の和集合が全事
象に一致する事象系をいう。
例 [{a, b, c}] を三つの事象から成る集合とし,各事
象の生起確率をp (a) =0.5, p (b) =0.25及びp
(c) =0.25とする。この集合のエントロピーは次
のとおり。
H(X)=p(a) (a)+p(b) (b)+p(c) (c)=1.5 Sh

――――― [JIS X 0016 pdf 5] ―――――

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