JIS X 0028:1999 情報処理用語―人工知能―基本概念及びエキスパートシステム

JIS X 0028:1999 規格概要

この規格 X0028は、情報処理における人工知能に関する用語,定義及び対訳英語について規定。

JISX0028 規格全文情報

規格番号
JIS X0028 
規格名称
情報処理用語―人工知能―基本概念及びエキスパートシステム
規格名称英語訳
Information technology -- Vocabulary -- Artificial intelligence -- Basic concepts and expert systems
制定年月日
1999年1月20日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO/IEC 2382-28:1995(MOD)
国際規格分類

ICS

01.040.35, 35.020
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
情報基本 2016
改訂:履歴
1999-01-20 制定日, 2004-11-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS X 0028:1999 PDF [12]
X 0028 : 1999

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS X 0028 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
X 0028 : 1999

情報処理用語−人工知能−基本概念及びエキスパートシステム

Information technology−Vocabulary− Artificial intelligence−Basic concepts and expert systems

序文 この規格は,1995年12月に第1版として発行されたISO/IEC 2382-28,Information technology−
Vocabulary−Part 28 : Artificial intelligence−Basic concepts and expert systemsを翻訳し,その技術的内容を変
更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。ただし,幾つかの用語につき,対応国際規格が技術的に不
正確又は時代遅れと判断されるところがあったため,最新の用法に合致するよう一部修正を加えた。
1. 適用範囲 この規格は,情報処理における人工知能に関する主な用語,定義及び対応英語について規
定する。
備考1. この規格の関連規格を,付表1に示す。
2. 参考は,対応国際規格にない事項である。
2. 分類 用語は,次のとおり分類する。
a) 一般概念(28.01参照)
b) 知識構造及び知識表現(28.02参照)
c) 推論(1)及び問題解決(28.03参照)
d) エキスパートシステム(28.04参照)
3. 表記法 この規格は,各用語を番号,用語,定義及び対応英語の四つの欄に分けて規定する。それぞ
れの欄における表記法及び解釈を,次に示す。
a) 番号 番号は,6個の数字によって表す。最初の2けたの数字は,情報処理用語の規格番号の末尾2
けたを示す。
次の2けたの数字は,この規格での分類を示す。最後の2けたは,同一分類内の一連番号を示す。
b) 用語
1) 同一の意味を示す用語が二つ以上ある場合は,表記した順に従って優先使用する。
2) 用語の一部が丸括弧 ( ) で囲まれている場合は,その部分を省略してもよいことを表す。この場
合は,括弧内を省略したときとしないときの間に優先順位はない。
3) 同一の用語が別の定義をもつ場合には,用語の前に(1),(2), ···を付ける。
例 “(1)人工知能”(28.01.01参照)と“(2)人工知能”(28.01.02参照)
ただし,定義文中でその用語を参照する場合は,用語の後ろに(1),(2),···を付ける。

――――― [JIS X 0028 pdf 2] ―――――

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X 0028 : 1999
4) 同じ用語が,情報処理用語に関する他の日本工業規格(日本産業規格)で別の意味で定義されている場合には,用語
に引き続く丸括弧 ( ) 内に,使用分野がこの規格の適用範囲に限定されることを示す。
例 “知識(人工知能における)”(28.01.03参照)
5) 用語に引き続く丸括弧 ( ) は,用法を示す場合もある。
例 “AI(省略形)”(28.01.01参照)
6) 常用漢字表音訓欄にない漢字は仮名で書き換えてあるが,仮名文字表現だけでは意味が分かりにく
い場合には,対応する漢字を丸括弧 ( ) で示す。
例 “演えき(繹)”(28.03.02参照)
C) 定義
1) 文中で下線の引いてある語は,情報処理用語に関する日本工業規格(日本産業規格)に規定されていることを示す。
2) 丸括弧 ( ) の使い方は,b)と同様とする。
d) 対応英語
1) この欄の英語は,対応国際規格に規定されている用語であって,規定されている定義と対応する。
2) 丸括弧 ( ) の使い方は,b)と同様とする。
4. 情報処理用語−人工知能
28.01 一般概念
番号 用語 定義 対応英語
28.01.01 (1)人工知能, artificial intelligence(1),
一般に人間の知性と結び付けて考えられる,推論(1),学
AI(省略形) AI(省略形)
習などの機能を遂行するモデル及びシステムを取り扱う
学際分野。通常は,計算機科学に属するものとみなされる。
備考 これは,JIS X 0001 : 1994に規定されている定
義をこの分野に合わせて変更したものである。
28.01.02 (2)人工知能, artificial intelligence(2),
一般に人間の知性と結び付けて考えられる,推論(1),学
AI(省略形) 習などの機能を遂行する,機能単位の能力。 AI(省略形)
28.01.03 知識(人工知能におけ knowledge(人工知能にお
系統だって使用することができるように整理された,事
る) 実,事象,信念及び規則の集合。 ける)
知識又は専門的知識の特定の分野。
28.01.04 領域(人工知能におけ domain(人工知能におけ
る), る)
対象領域,
ドメイン
知識ベースからの推論(2)によって,特定の領域又は応用
28.01.05 知識ベースシステム, knowledge-based system,
KBS(省略形) KBS(省略形)
分野の問題を解決するように設計されている情報処理シ
ステム。
備考1. 用語“知識ベースシステム”は“エキスパー
トシステム”と同じ意味で使用されることが
あるが,後者は通常,専門家の知識に限定さ
れる。
2. 知識ベースシステムには,学習能力を備えた
ものもある。

――――― [JIS X 0028 pdf 3] ―――――

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X 0028 : 1999
番号 用語 定義 対応英語
28.01.06 エキスパートシステ expert system,
人間の専門的知識で構築された知識ベースからの推論(2)
ム, ES(省略形)
によって,特定の領域又は応用分野の問題を解決するよう
ES(省略形) に設計されている知識ベースシステム。
備考1. 用語“エキスパートシステム”は“知識ベー
スシステム”と同じ意味で使用されることも
あるが,後者と異なり,専門家の知識に重点
が置かれることに注意する必要がある。
2. エキスパートシステムには,過去の問題処理
の経験を通じて自らの知識ベースを改良し
たり,新しい推論(2)規則を作りだしたりする
能力を備えたものがある。
3. これは,JIS X 0001 : 1994に規定されている
定義をこの分野に合わせて変更したもので
ある。
28.01.07 知識工学 knowledge engineering
当該領域の専門家(エキスパート)及びその他の知識源か
ら知識を獲得して知識ベースに組み込むことに関する学
問分野。
備考 用語“知識工学”は,特にエキスパートシステ
ム,その他の知識ベースシステムの設計,構築
及び保守の技術を指すことがある。
28.01.08 知識表現 knowledge representation
知識をコード化して知識ベースに記憶する過程,又はその
結果。
28.01.09 知識獲得 knowledge acquisition
知識を探し出し,収集し,洗練し,知識ベースシステムが
更に処理できる形式に交換する過程。
備考 知識獲得は,通常知識技術者の介入を意味する
が,機械学習の重要な要素でもある。
28.01.10 認知モデル化 cognitive modeling
人間の知覚,行動,記憶及び推論(1)を情報処理の観点か
らモデル化すること。
28.01.11 (1)推論 人間又は計算機が,仮説を設定したり,分析,分類,診断, reasoning
問題解決,又は推論(2)を行ったりするときに実行する過
程。
28.01.12 問題解決 problem solving
達成したい目標につながり得る操作,又は動作の系列を決
定すること。
備考 問題解決とは,しばしば初期状態から出発して
到達したい目標を見つけるために,問題空間を
探索するプロセスを意味する。問題解決の成功
は,初期状態,到達したい目標のもとで許容さ
れる結果,及び問題空間を定義する要素又は操
作を知っているかどうかに依存する。
28.01.13 パターン認識 pattern recognition
機能単位を使用して,物理的パターン若しくは抽象的パタ
ーン,構造又は形状を識別すること。
備考 これは,JIS X 0012 : 1994に規定される定義を
この分野に合わせて変更したものである。
28.01.14 画像認識 image recognition
機能単位を使用して,画像及びその構成要素並びに構成要
素の特性及び空間的な位置関係を知覚し,分析すること。
備考 画像認識には,場面分析を含む。

――――― [JIS X 0028 pdf 4] ―――――

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X 0028 : 1999
番号 用語 定義 対応英語
28.01.15 音声認識, speech recognition,
機能単位を使用して,人間の声によってもたらされる情報
自動音声認識 を知覚し,分析すること。 automatic speech
recognition,
備考 認識する情報には,特定の語順の単語,特定の
ASR(省略形)
言語の音素などがある。声の特性から話者を同
定する場合もある。
28.01.16 合成(人工知能におけ synthesis(人工知能にお
機能単位を使用して,人工の声,テキスト,音楽,画像な
る) どを生成すること。 ける)
28.01.17 画像理解 image understanding,
機能単位を使用して,与えられた画像及びそれが表現する
ものの記述を作成すること。 image comprehension
備考 画像理解は,幾何学的モデリング,知識表現及
び認知モデル化という手段によって,視覚デー
タを統合して情報を作成することである。
28.01.18 自然言語理解 natural-language
機能単位を使用して,自然言語で伝達されるテキスト又は
understanding,
発話から情報を抽出すること,及び与えられたテキスト又
natural-language
は発話とそれが表現するものの記述を作成すること。
comprehension
28.01.19 コンピュータビジョ computer vision,
視覚データを獲得・処理・解釈する機能単位の能力。
ン artificial vision
備考1. コンピュータビジョンでは,電気的又はディ
ジタル的に視覚場面の画像を創造するため
に視覚センサを使用する。
2. マシンビジョンと混同してはならない。
28.01.20 マシンビジョン machine vision
コンピュータビジョンを機械,ロボット,プロセス,又は
品質管理に適用すること。
備考 マシンビジョンはエンジニアリング分野で使
用される。コンピュータビジョンと混同しては
ならない。
28.01.21 機械学習, machine learning,
機能単位が新しい知識・技能を獲得すること,又は既存の
自動学習 automatic learning
知識・技能を再構成することによって,自身の性能を向上
させる過程。
28.01.22 ニューラルネツトワ neural network,
原始的な処理要素が調整可能な重み付きリンクで結合さ
ーク, neural net,
れたネットワーク。各要素は,複数のリンクからの入力値
ニューラルネット, NN(省略形)
に非線形関数を適用して値を生成し,それを他の要素へ送
NN(省略形) 信し,又は出力として提供する。
備考 ニューラルネットワークは,神経系の神経細胞
の機能をモデルにしている。
28.02 知識構造及び知識表現
番号 用語 定義 対応英語
28.02.01 事実(人工知能におけ fact(人工知能における)
実世界又は概念世界で,一般的に正しいと認められている
る) 実体に関する記述。
備考 事実は,高い確信度をもつ信念と見ることもで
きる。
28.02.02 信念(人工知能におけ belief(人工知能におけ
実世界又は概念世界で,その正しさが確信度という尺度で
る) 計ることのできる実体に関する記述。 る)
備考1. 信念は,不完全な知識から結論を引き出すこ
とに使われる。
2. 高い確信度をもつ信念は,事実とみなすこと
もできる。

――――― [JIS X 0028 pdf 5] ―――――

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