JIS Z 8461:2001 標準物質を用いた校正(検量線が直線の場合)

JIS Z 8461:2001 規格概要

この規格 Z8461は、測定システムを校正(検量線作成)し,”校正(検量線作成)”した測定システムを統計的に管理された状態に維持するために必要な一般的原理について概説し,次の測定値の可変性に関連する二つの仮定のいずれか一つに基づく直線で表される校正関数(検量線)の推定;校正関数(検量線)の直線性の仮定と,測定値の可変性に関する仮定のチェック;ある新規,かつ,未知の量に関して校正関数(検量線)によって得られた測定値を変換することによる,その量の値の推定を行うための基本的方法を規定。

JISZ8461 規格全文情報

規格番号
JIS Z8461 
規格名称
標準物質を用いた校正(検量線が直線の場合)
規格名称英語訳
Linear calibration using reference materials
制定年月日
2001年3月20日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 11095:1996(IDT)
国際規格分類

ICS

03.120.30, 17.020
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2001-03-20 制定日, 2006-01-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS Z 8461:2001 PDF [33]
Z 8461 : 2001 (ISO 11095 : 1996)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人 日本規格協会 (JSA) から工業標
準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業
大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
JIS Z 8461には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 記号及び略語
附属書B(規定) 繰返し数が異なる場合の基本的方法
附属書C(参考) 参考文献

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS Z 8461 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 8461 : 2001
(ISO 11095 : 1996)

標準物質を用いた校正(検量線が直線の場合)

Linear calibration using reference materials

序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO11095,Linear calibration using reference materials
を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
校正(検量線作成)は,ほとんどすべての測定手順において重要な作業である。校正(検量線作成)は,
特定の条件下で,測定システムが示す値と,対応する幾つかの“標準”の採択値との関係を確立する一連
の作業である。この規格における標準とは,標準物質をいう。
標準物質 (RM) とは,測定システムを検証するため,一つ以上の特性が十分良好に確立された(天然)物
質又は人工物をいう。RMには幾つかの種類が存在する。
a) 自家製標準物質とは,ユーザーが自己の使用に供するために作成したRMをいう。
b) 市販の標準物質とは,ユーザー以外が提供するRMをいう。
c) 認証標準物質とは,その資格を承認された機関が提出し,かつ,認証するRMをいう。
1. 適用範囲 この規格は,
a) 測定システムを校正(検量線作成)し,“校正(検量線作成)”した測定システムを統計的に管理され
た状態に維持するために必要な一般的原理について概説し,
b) 次のことを行うための基本的方法を規定する。
− 測定値の可変性に関連する二つの仮定のいずれか一つに基づく直線で表される校正関数(検量線)の
推定
− 校正関数(検量線)の直線性の仮定と,測定値の可変性に関する仮定のチェック
− ある新規,かつ,未知の量に関して校正関数(検量線)によって得られた測定値を変換することによ
る,その量の値の推定
c) 次のことに関して校正関数(検量線)を拡張適用する場合の管理方法を規定する。
− 校正関数(検量線)を更新すべき時期の決定
− 校正関数(検量線)により変換した後の,測定値の不確かさの推定
d) 基本的方法に対して,特殊な条件下での二つの代替法を規定する。
e) 例を用いて基本的方法と管理方法の説明を行う。
この規格は,標準物質が入手できる測定システムに適用することができる。
この規格は,直線で表される校正関数(検量線)が仮定された測定システムに適用することができ
る。この規格は,直線性の仮定を検証する方法を規定する。校正関数(検量線)が非直線であること

――――― [JIS Z 8461 pdf 2] ―――――

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Z 8461 : 2001 (ISO 11095 : 1996)
が既知の場合は,この規格を適用することはできない。ただし,8.3に述べる“ブラケティング法”を
適用する場合を除く。
この規格は,各種のRMを区別せず,測定システム校正(検量線作成)のために選択されたRM採
択値には誤差がないものとする。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 11095 : 1996, Linear calibration using reference materials (IDT)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格)のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を
構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。
JIS Z 8101-1 : 1999 統計−用語と記号−第1部 : 確率及び一般統計用語
備考 ISO 3534-1 : 1993, Statistics−Vocabulary and symbols−Part 1 : Probability and generalstatistical
termsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Z 8101-2 : 1999 統計−用語と記号−第2部 : 統計的品質管理用語
備考 ISO 3534-2 : 1993, Statistics−Vocabulary and symbols−Part 2 : Statistical quality controlからの引
用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS Q 0030 : 1997標準物質に関連して用いられる用語及び定義
備考 ISO Guide 30 : 1992, Terms and definitions used in connection with reference materialsが,この規
格と一致している。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8101-1及びJIS Z 8101-2によるほか,次による。
3.1 標準物質 (reference material) 測定システムを検証するため,一つ以上の特性が十分良好に確立され
た物質又は人工物
4. 一般原理 校正(検量線作成)とは,測定システムと,標準物質及びその採択値によって表される“参
照”システムとの間に存在する可能性がある系統的な差違を決定する手順をいう。この規格においては,
システムという用語(測定システム及び参照システム)は,測定器具だけでなく,手順,オペレーター及
び当該測定器具に関連する環境条件の集合を表す。
校正(検量線作成)手順の出力は,将来の測定結果を変換するための校正関数(検量線)である。この
規格においては,“変換”という用語は,次のいずれか一つを表す。
− 標準物質 (RM) の採択値と観測値が同じ単位の場合,将来の測定値の補正
− 観測された測定値の単位からRMの単位への変換
校正関数(検量線)の有効性は,次の二つの条件によって決まる。
a) 校正関数(検量線)の計算に使用された測定値が測定システムを使用する通常の条件を代表する。
b) 測定システムが管理状態にある。
校正(検量線作成)実験は,項目a)を満足するよう計画しなければならない。管理方法は,システムが
管理状態から逸脱したと考えるしかないとき,可能な限り速やかにこれを検知する。
この規格の手順は,参照システムと直線関係にある測定システムに適用できるだけである。直線性の仮

――――― [JIS Z 8461 pdf 3] ―――――

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Z 8461 : 2001 (ISO 11095 : 1996)
定が妥当か否かをチェックするためには,校正(検量線作成)実験にRMを3個以上使用する必要がある。
このことは,基本的方法において説明する。基本的方法は,RMを数個使用し,校正(検量線作成)実験
において収集されたデータを解析する計画と手法を提供する。直線性が明確に成立する場合は,基本的方
法より簡単な代替法を用いて1点に基づく直線で表される校正関数(検量線)を推定することができる。
この“1点校正(検量線作成)”法(ゼロ水準変換に従う)は,仮定に関するいかなる検定も考慮していな
いが,これまでの実験において,より徹底的に検討されたシステムを敏速,かつ,容易に“再校正(検量
線作成)”する方法である。直線性が疑わしい場合は,“ブラケティング法”と呼ぶもう一つの方法を適用
する。
基本的方法と1点校正(検量線作成)法は,校正(検量線作成)に注がれた労力がプロセスの安定期間
全体を通じて有効であるという仮定に基づく。校正(検量線作成)の有効期間を調べるためには,管理方
法が適切でなければならない。管理方法は,システムに究明又は再校正(検量線作成),若しくはその両方
を必要とする変化が発生したか否かを検出するよう計画される。管理方法は,また,与えられた校正関数
(検量線)によって変換された値の精度を決定する簡単な方法を提供する。
ブラケティング法は,大きな労力を要するが,より精確に未知量の値を決定する方法である。この方法
では,二つのRMによって各未知量を可能な限り短い間隔で取り囲み(ブラケティングし),未知量の測
定値と二つのRMの測定値から未知量に関する変換値を抽出する。この方法で測定プロセスの安定性を仮
定するのは,短い期間(未知量とRM2個の測定期間)についてだけである。直線性は二つのRMの値の
間においてだけ仮定される。
5. 基本的方法
5.1 一般 この箇条では,RMが数個(3個以上)利用できる場合に,直線で表される校正関数(検量線)
を推定し,それを用いる方法について述べる。RMが複数個存在すれば,校正関数(検量線)の直線性を
検証することができる。
5.2 仮定
5.2.1 RMの採択値には,誤差が存在しないものと仮定する(この規格では,この仮定をチェックしない。)。
しかし,実際にはRMの採択値には不確かさが付記されて引用される。その不確かさがこれらのRMの測
定値の誤差の大きさに比べて小さい場合には,RMの採択値に誤差がないという仮定は成立するものと考
えられる(参考文献[1]参照)。
備考1. 測定器の示す値を読み取る前に,RMが化学的に処理されるか,又はある場合には物理的に
処理される状況では,この規格は,新たな測定結果の変換に伴う不確かさを過小評価するこ
とがある。
5.2.2 校正関数(検量線)は直線であると仮定する(この仮定は検証される。)。
5.2.3 所与のRMの繰り返された測定値は独立に正規分布に従うものと仮定し,その分散は“残差分散”
と呼ぶ(この規格では,独立性と正規性の仮定はチェックしない。)。残差分散の平方根を残差標準偏差と
呼ぶ。
5.2.4 残差標準偏差は,RMの採択値に対して一定であるか,又は比例するものと仮定する(この仮定は,
検証される。)。
5.3 校正(検量線作成)実験

――――― [JIS Z 8461 pdf 4] ―――――

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Z 8461 : 2001 (ISO 11095 : 1996)
5.3.1 実験条件 実験条件は,測定システムの通常の操作条件と同じでなければならない。すなわち,例
えば,オペレータが二人以上で一つの測定装置を使用する場合,校正(検量線作成)実験にもオペレータ
ーが二人以上参画するものとするのがよい。
5.3.2 RMの選択 選択したRMの値の範囲が,(可能な限り)測定システムの通常の操作条件で測定さ
れ得る値の範囲を含むことが望ましい。
選択したRMの組成は,可能な限り測定対象物質の組成を近似していることが望ましい。
RMの値は,測定システムの通常の操作条件で測定され得る値の範囲の全体にほぼ等間隔で配置するの
がよい。
5.3.3 RMの個数,N 校正関数(検量線)の評価には,少なくとも3個のRMを使用することが望まし
い。
校正関数(検量線)の初めての評価には,RMを4個以上[校正関数(検量線)の直線性に疑いがもた
れる区間については,いずれの区間でも少なくとも3個]使用することが望ましい。
5.3.4 繰返し回数,K 各RMは,少なくとも2回測定するのがよい(実際には,可能な限り多数回繰り
返すことを薦める。)。
すべてのRMについて,同一回数の繰返し測定を行うのがよい。
繰返し測定の時期と条件は,操作条件のすべてを代表することを保証するために必要な程度広い範囲に
わたることが望ましい。
5.4 データ解析の方策
5.4.1 データをプロットして,次のことを調査する。
a) 校正(検量線作成)実験時の測定システムの管理状態
b) 直線性の仮定
c) Mの採択値の関数としての測定値のばらつき
5.4.2 残差標準偏差一定の仮定の下で直線で表される校正関数(検量線)を推定する。
5.4.3 校正関数(検量線)と残差をプロットする。残差プロットは,直線性又は, 残差標準偏差一定の
仮定からの逸脱を示す強力な指標である。 残差標準偏差一定の仮定が明らかに成立する場合は,ステップ
5.4.4を省略してステップ5.4.5へ進み,その仮定が成立しない場合はステップ5.4.4を実行する。
5.4.4 比例する残差標準偏差の仮定の下で直線で表される校正関数(検量線)を推定し,校正関数(検量
線)と残差をプロットする。
参考 “比例する残差標準偏差の仮定” (the assumption of proportional residual standard deviation) は,
“残差標準偏差がRMの採択値に比例する”という仮定を意味する。(5.2.4参照)
5.4.5 校正関数(検量線)の不適合性(当てはまりの悪さ)を評価する。繰返し測定値のばらつきに比べ
て,不適合性(当てはまりの悪さ)を表すばらつきが大きい場合は,校正(検量線作成)実験で実施した
手順を調査し,校正関数(検量線)の直線性の仮定を再検討する。直線性の仮定が成立しない場合は,8.3
に述べるブラケティング法を適用するのも一つの方法である。
備考2. この規格の目的を超えるが,データに2次以上の高次曲線を当てはめる手法もある(参考文献
[2]及び[3]参照)。
5.4.6 校正関数(検量線)によって,将来の測定値を変換する。
次の箇条は,この方策の六つのステップについて述べる。9.では,例を用いて基本的方法を説明する。
6. 基本的方法の各ステップ

――――― [JIS Z 8461 pdf 5] ―――――

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JIS Z 8461:2001の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11095:1996(IDT)

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