この規格ページの目次
JIS Z 8462-1:2001 規格概要
この規格 Z8462-1は、実際に調べようとしている測定対象系の状態と,基底状態(ブランク状態)との差の検出に関連する用語及び定義を規定。
JISZ8462-1 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z8462-1
- 規格名称
- 測定方法の検出能力―第1部 : 用語及び定義
- 規格名称英語訳
- Capability of detection -- Part 1:Terms and definitions
- 制定年月日
- 2001年3月20日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 11843-1:1997(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 01.040.03, 01.040.17, 03.120.30, 17.020
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 2001-03-20 制定日, 2006-01-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS Z 8462-1:2001 PDF [10]
Z 8462-1 : 2001 (ISO 11843-1 : 1997)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準
原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大
臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
JIS Z 8462-1には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 化学分析で用いられる用語
附属書B(参考) 参考文献
JIS Z 8462は,一般名称を“測定方法の検出能力”として,次の各部によって構成される。
−第1部 : 用語及び定義
−第2部 : 校正関数(検量線)が直線で表せる場合の方法論*(予定)
附属書A及び附属書Bは参考文書である。
*ISO 11843-2 : 2000 Capability of detection−Part2 : Methodology in the linear calibration caseを対応規格とし
てJIS化予定。
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS Z 8462-1 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 8462-1 : 2001
(ISO 11843-1 : 1997)
測定方法の検出能力−第1部 : 用語及び定義
Capability of detection Part I : Terms and definitions
序文 この規格は,1997年に第1版として発行されたISO 11843-1, Capability of detection−Part1 : Terms and
definitionsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。
適用範囲
この規格では,実際に調べようとしている測定対象系の状態と,基底状態(ブランク状態)との差の検
出に関連する用語及び定義を規定する。
JIS Z 8462のこの部に規定する一般的概念,すなわち,応答変数の限界値,正味状態変数の限界値,検
出可能な最小正味状態変数値(定義9.,10.及び11.参照)は,物質中のある成分の存在,サンプル若しく
はプラントからのエネルギーの放射,又は外力による静力学的形状変化のチェックなど種々の場合に適用
する。
応答及び正味状態変数の限界値は,測定対象系の未知の状態を評価するための一連の実際の測定から導
くことができ,一方,測定方法の特性として,検出可能な最小正味状態変数値は,適切な測定プロセスを
選択するときに役立つ。測定プロセス,試験室又は測定方法の特性を明らかにするために,それぞれのレ
ベルに対応するデータ,すなわち,一連の測定,測定プロセス,試験室又は測定方法に該当するデータが
存在する場合は,検出可能な最小値を記述することができる。検出可能な最小値は,一連の測定,測定プ
ロセス,試験室又は測定方法によって異なることがある。
参考 測定方法はmeasurement methodの訳であり,計測,分析方法を含む概念である。
この規格は,基本的に連続な量(計量値)に適用される。また,応答変数の期待値と状態変数値との関
数関係を校正関数(検量線)で表すことができる測定プロセスと測定装置に適用する。応答変数又は状態
変数がベクトル量の場合は,この規格の概念を,ベクトル成分や成分の関数に対して別々に適用する。
備考1. 定義6.及び11.は,実際には未知である理論的な量に関する定義である。理論量の推定値は実
験結果から求めることができる。
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 11843-1 : 1997 Capability of detection−Part 1 : Terms and definitions (JDT)
用語及び定義
正味状態変数(定義4.参照)は負ではなく,校正関数(検量線)(定義6.参照)は厳密な単調増加関数で
――――― [JIS Z 8462-1 pdf 2] ―――――
2
Z 8462-1 : 2001 (ISO 11843-1 : 1997)
あると仮定するが,この仮定は,この規格の一般的な適用を制限するものではない。定義9.の備考1.も参
照されたい。
図1は定義された概念の一部を示す。応答変数の分布の形状と校正関数(検量線)は,単なる一例であ
り,実際の分布がこのような形状になることを意味しているわけではない。この規格で用いられる記号を
図1に示す。ただし,記号それ自体は,この規格の規定事項ではない。
図1 校正関数(検量線),応答変数の限界値,正味状態変数の限界値及び
検出可能な最小正味状態変数値
――――― [JIS Z 8462-1 pdf 3] ―――――
3
Z 8462-1 : 2001 (ISO 11843-1 : 1997)
1. 状態変数 (state variable)
Z
測定対象系の状態を表す量。
備考1. 一般に,測定対象系は複数の状態変数によってその特性が表される。ただし,調査の目的に
よっては,実際の状態と基底状態(ブランク状態)の差を検出するために状態変数を一つだ
け選択することがある。
2. 通常,選択された状態変数は,基底状態(ブランク状態)で最小値をとる。
例
a) 混合物中のある物質の濃度又は量。
b) 発生源から放射されるエネルギー(放射線,音など)の強さ(エネルギー密度,出力密度な
ど)。
c) 外力を受けたときの静力学的形状変化。
2. 基底状態,ブランク状態 (basic state)
測定対象系の実際の状態を評価するために基準として使用する測定対象系の特定の状態。
例 平衡状態又は最小状態。
3. 参照状態 (reference state)
状態変数Zに関し,基底状態(ブランク状態)からの偏差が既知であるとみなされる測定対象系の状態。
4. 正味状態変数 (net state variable)
X
状態変数Zと基底状態(ブランク状態)におけるその値z0との差。
備考1. 正味状態変数は,基底状態(ブランク状態)における状態変数の値がゼロに対応するとした
ときの,間隔尺度である。
2. 基底状態(ブランク状態)における状態変数の値が未知の場合(普通は,この状態であるこ
とが多い。)は,正味状態変数の値だけが測定され,状態変数自体は求まらない。
3. 基底状態(ブランク状態)が状態変数のゼロ値で表されると仮定できるときは,正味状態変
数は,概念的には状態変数と同じである。
5. 応答変数,レスポンス変数 (response variable)
Y
実験処理の観測結果を示す変数 (ISO 3534-3 : 1985) 。
参考 ISO 3534-3では,ある実験条件の組合せのことを処理と呼ぶ。
この規格では,上記の一般的な定義を次のように表現する。
直接観測できる状態変数Zの代用値
備考 応答変数の期待値は,校正関数(検量線)を介して正味状態変数Xと関連づけられる。
例 状態変数が物質の濃度又は量であり,分光光度法が適用されるときには,応答変数はピーク高さ,
又はピーク面積となるであろう。
参考 上記の表現には誤りがあり,“状態変数が物質の濃度又は量であり,検出に分光光度法を用いる
――――― [JIS Z 8462-1 pdf 4] ―――――
4
Z 8462-1 : 2001 (ISO 11843-1 : 1997)
クロマトグラフィが適用されるときには,応答変数はピーク高さ,又はピーク面積となるであ
ろう。”が正しい。
6. 校正関数,検量線 (calibration function)
応答変数の期待値と正味状態変数Xとの関数関係。
備考1. “用語及び定義”の第1段落を参照。
2. 校正関数(検量線)をグラフ表示する場合は,正味状態変数を横座標にとり,応答変数を縦
座標にとるのが普通である。図1を参照。
3. 校正関数(検量線)は概念的なものであり,真の関数関係は実験的には求められない。これ
は校正(検量線作成)によって推定される。
7. 校正,検量線作成 (calibration)
規定された条件のもとで,複数の参照状態から得られる応答変数Yの観測値を用いて校正関数(検量線)
を推定する一連の操作。
備考 この定義は,International Vocabulary of Basic and General Terms in Metrology(国際計量基本用語
集)における“calibration(校正)”の定義に,基本的には一致している。しかし,この規格で
は,ここで定義した用語を用いて定義を行っている。
8. 一連の測定 (measurement series)
同じ校正(検量線作成)に基づいて評価を行う測定のすべて。
備考 この場合の評価とは,推定された校正関数(検量線)によって応答変数の値を正味状態変数の
推定値に変換することをいう。
9. 応答変数の限界値 (critical value of the response variable)
yc
その値を超えると,あらかじめ定めた誤りの確率 柿 観測した測定対象系が基底状態(ブランク状態)
ではないと判定される応答変数Yの値。
備考1. 正味状態変数が負であるか,又は校正関数(検量線)が厳密に単調減少関数の場合には,そ
れに応じてこの定義を調整しなければならない。
2. 応答変数の限界値とは,統計的検定の棄却限界値のことである。この場合の帰無仮説は“状
態変数に関して検討対象の状態は基底状態(ブランク状態)と同じである”であり,対立仮
説は“状態変数に関して検討対象の状態は基底状態(ブランク状態)とは異なる”である。
上述の統計的検定の検定統計量,すなわち,応答変数の値は,単一測定の場合には観測値
であり,繰返し測定の場合には中心となる値(例えば,平均値,中央値)である。
3. 帰無仮説が真で,上述の結論に至るルールを尊重するとすれば,帰無仮説を誤って棄却する
確率(第1種の誤りの確率)は
4. 応答変数の限界値は,次のものに依存して決まる。
− あらかじめ定めた確率 懿 第1種の誤りの確率JIS Z 8101-1の“有意水準”も参照)。
− 校正(検量線作成)のために選択した参照状態。
− 校正(検量線作成)のために選択したサンプルサイズ。
――――― [JIS Z 8462-1 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS Z 8462-1:2001の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 11843-1:1997(IDT)
JIS Z 8462-1:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.020 : 度量衡及び測定一般
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.30 : 統計的方法の応用
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.17 : 度量衡及び測定.物理的現象(用語集)
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学(用語集)