JIS Z 8824:2004 粒子径測定のための試料調製―粉体の液中分散方法

JIS Z 8824:2004 規格概要

この規格 Z8824は、粉体材料を測定するために,試料を分散させる調製方法について規定。

JISZ8824 規格全文情報

規格番号
JIS Z8824 
規格名称
粒子径測定のための試料調製―粉体の液中分散方法
規格名称英語訳
Sample preparation -- Dispersing procedures for powders in liquids
制定年月日
2004年3月20日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 14887:2000(MOD)
国際規格分類

ICS

19.120
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2004-03-20 制定日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS Z 8824:2004 PDF [24]
                                                                                   Z 8824 : 2004

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本粉体工業技術協会 (APPIE)/財
団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
制定に当たっては,日本工業規格(日本産業規格)と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格(日本産業規格)の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 14887:2000,Sample preparation−
Dispersing procedures for powders in liquidsを基礎として用いた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS Z 8824には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) 分散安定性試験の代用
附属書1(参考) JISと対応する国際規格との対比表

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS Z 8824 pdf 1] ―――――

Z 8824 : 2004

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[2]
  •  3. 定義・・・・[2]
  •  4. 記号及び略語・・・・[2]
  •  5. 試料粉体の検査・・・・[3]
  •  5.1 サンプリング方法・・・・[3]
  •  5.2 凝集体の大きさの範囲及び粒子径範囲・・・・[3]
  •  5.3 形状及び表面粗さ並びに粒子径による変化・・・・[3]
  •  6. 分散液の選択及び予備分散試験・・・・[3]
  •  6.1 分散液の選択・・・・[3]
  •  6.2 粉体の試験用ペーストの調製・・・・[4]
  •  6.3 粉体の希薄分散体の調製・・・・[4]
  •  7. 分散試験・・・・[4]
  •  7.1 一次粒子の破壊又は凝集体の未解砕の評価・・・・[4]
  •  7.2 安定性の評価・・・・[4]
  •  7.3 形成されたフロックの評価・・・・[5]
  •  8. 分散剤の判定・・・・[5]
  •  8.1 液体による固体粒子のぬれ・・・・[5]
  •  8.2 一般原理・・・・[6]
  •  8.3 電荷による安定化・・・・[6]
  •  8.4 立体安定化・・・・[7]
  •  8.5 選択手順・・・・[7]
  •  9. 分散方法の最適化・・・・[11]
  •  9.1 はじめに・・・・[11]
  •  9.2 分散剤の有効性の比較・・・・[11]
  •  9.3 凝集体解砕法の最適化・・・・[11]
  •  9.4 最適分散剤量の決定・・・・[13]
  •  10. 試料ハンドリング中の分散安定性の保持・・・・[13]
  •  10.1 希釈時の安定性・・・・[14]
  •  10.2 pH変化時の安定性・・・・[14]
  •  附属書A(参考)分散安定性試験の代用・・・・[15]
  •  附属書1(参考)JISと対応する国際規格との対比表・・・・[18]

――――― [JIS Z 8824 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 8824 : 2004

粒子径測定のための試料調製−粉体の液中分散方法

Sample preparation-Dispersing procedures for powders in liquids

序文

 この規格は,2000年に第1版として発行されたISO 14887:Sample preparation−Dispersing procedures
for powders in liquidsを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,対応国際
規格には規定されていない規定項目を日本工業規格(日本産業規格)としている。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧
表をその説明を付けて,附属書1(参考)に示す。
粒子径分布の測定は,研究活動,製品開発,プロセス制御,品質管理及び粒子径の影響が顕著な技術分
野において重要である。塗料,インク,粒子充てんプラスチック,鉱石処理,薬剤,農業製品,化粧品,
種々の化成品などの品質は,粒子径分布測定の正確さに依存している。
通常,粉体は,“一次”粒子が強い力で凝集した凝集体(アグリゲート)又は弱い力で凝集した凝集体(ア
グロメレート)から成っている。液体に分散した後に残る凝集体の大きさは,凝集体を壊すために,どれ
くらいのエネルギーが使われたかということに依存している。大抵の粒子径測定方法において,凝集体は
大きな粒子とみなされるので,完全に分散された場合に比べて凝集体が残っていると,粒子径分布は大き
い方にひずむ。粒子径測定は,粒子の分散度が明らかである試料に対してだけ有効である。大部分の凝集
体が完全に解凝集され,更に測定中に粒子が再凝集したり,試料容器壁に付着しないことが好ましい。
一次粒子の“完全”分散がしばしば望まれるが,多くの場合,試料が十分に分散されていない場合でも,
有益な情報が得られる。例えば,穏やかに結合した凝集体を破壊しないような弱いせん断力で,粉体を液
中で混合する場合,その品質試験における試料調製及び測定は,同じような低せん断条件で行う。
凝集体を破壊する装置,粒子径測定方法,及び試験に用いる分散剤は,不純物が存在する場合,測定場
所によって変えてもよい。すなわち,同じ粉体でも,この規格に基づいて作成した手順は,他の測定場所
で作成した手順と異なってもよい(しかし,両方とも妥当で,かつ,有効である。)。
さらに,いろいろな分散方法については,“関連規格及び参考文献”に文献リストを示す。ここには,よ
り複雑な系についても含まれている。
附属書Aは,次の幾つかの困難な事項について示している。
− 粉体が表面処理されている場合又は溶解性成分を含む場合
− 液体がイオン性溶質又は高分子溶質を含む場合
− 分散剤が微量の添加物を含む場合

1. 適用範囲

 この規格は,粉体材料の粒子径を測定するために,試料を分散させる調製方法について規
定する。この規格では,次の方法を規定する。
− 粉体を液にぬらす

――――― [JIS Z 8824 pdf 3] ―――――

2
Z 8824 : 2004
− ぬれた凝集体の解凝集
− 溶液の組成を変えて再凝集を防ぐように調製できるかどうかの決定
− 再凝集防止用分散剤の選択
− 再凝集に対する分散安定性の評価
この規格は,粒子径が0.05100 囲の粒子に適用する。対象となる粉体及び液体の性質に関する
一連の課題を提起し,粉体を液体中で分散させるために適すると思われる一般的な分散剤を決める指針を
与えることである。
この規格は,粒子径測定のために,単純,かつ,希薄な懸濁液(固体体積基準で1 %以下)の調製に対
してだけ適用する。塗料,インク,医薬品,除草剤及び複合プラスチックのような,固体を高濃度に含ん
だ複雑,かつ,市販の混合体の処方は扱わない。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 14887:2000,Sample preparation−Dispersing procedures for powders in liquids (MOD)

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 8816 粉体試料サンプリング方法通則

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1 凝集体 (clump) 強く又は弱く凝集した粒子集合体。弱凝集体及び強凝集体の総称。
参考 ISO 14887には,次のような用語の定義を行い,備考で「二つの用語を使用すると混乱を生じ
るので,ここでは使用しない。」とある。この規格では,使用されない用語は削除した。
弱凝集体(agglomerate) 弱く凝集した粒子集合体。
強凝集体(aggregate) 強く凝集した粒子集合体。
3.2 臨界ミセル濃度 CMC (critical micelle concentration) ミセルを形成しはじめる分散剤濃度。
3.3 フロック (floc) 非常に弱く凝集した粒子集合体。
3.4 一次粒子 (primary particles) 粒子径測定において測定される最小構成単位。一般に凝集体よりも破
壊することは困難。
3.5 チンダル現象 (Tyndall phenomenon) 光線が,粒子を含む液中を通過する際に見られる光の側方散
乱現象。
3.6 解凝集 (deagglomeration) 凝集体を解きほぐすこと。

4. 記号及び略語

 この規格で用いる主な記号及び略語は,次による。
Sv : 体積基準比表面積 (m2/m3)
CMC : 臨界ミセル濃度 (mol/m3)
IS : イオン強度 (mol/m3)
M-1,3 : 体積基準粒子径密度分布の完全−一次モーメント
PEO : ポリエトキシ=(-CH2-CH2-O-) n
PPO : ポリイソプロポキシ=[-CH2-CH(CH3)-O-]n

――――― [JIS Z 8824 pdf 4] ―――――

                                                                                              3
Z 8824 : 2004
pHiso : 等電点
pKa : 酸解離定数
pKb : 塩基解離定数
q3,i : 体積基準粒子径密度分布
xi : 粒子径区分i番目の上限の粒子径 (m)
ζ : ゼータ電位 (V)

5. 試料粉体の検査

5.1 サンプリング方法

 サンプリング方法は,測定者及び依頼者によって相互に合意する方法を優先す
る場合を除き,JIS Z 8816に規定する方法による。試料の調製は,1バッチの粉体(この粉体は,サンプ
リング又は試料の分割前に十分に混合されている。)から繰返し採取したサンプルの調製が,同等の結果を
与えるように行う。

5.2 凝集体の大きさの範囲及び粒子径範囲

 試料粉体を顕微鏡のスライドガラス上に散布し,光学顕微
鏡を使って200倍又は適切な倍率で検査する。顕微鏡用スライドガラス上の粉体の上にカバーガラスを置
き,スパチュラでカバーガラスを軽くたたき(カバーガラスを破壊しないように注意する。),凝集体が簡
単に壊せるかどうかを確認する。このような手順によって壊れない凝集体のおおよその寸法範囲を記録す
る。もし,大部分の粒子が1 下なら,透過形又は走査形電子顕微鏡を使ってその粒子を観察し,特
性を調べる。

5.3 形状及び表面粗さ並びに粒子径による変化

 粒子が,球形か結晶形か,表面が滑らかか粗いか,又
は多孔質か非多孔質かを記録する。いろいろの大きさの粒子が,同じ形態であるかどうかを調べる。もし,
粒子の表面が非常に粗いか又は多孔質であるなら,体積基準の比表面積(m2/m3)を測定する。この値が,
粉体の粒子径分布から球として計算した比表面積と比較して大きいならば,分散を安定させるために,通
常よりも多い分散剤(球形の非多孔質粒子の同じような粒子径分布に比べて)が必要となる場合がある。
備考 体積基準の球の比表面積は,次の式から計算できる。
Sv 6 ,1 3 [参考 JIS Z 8819-2の式(35)]
ここで,
n
xi
M 3,1 q,3iln [参考 JIS Z 8819-2の式(31)]
i 1 xi 1

6. 分散液の選択及び予備分散試験

6.1 分散液の選択

 測定者は,選択した粒子径測定方法に対して,固体を分散させるために一般に使用
される液体名のリストを作成し,次の基準を満足させることができないものを,リストから削除する。
− 沈降法の場合,液体の密度は,粒子の密度と十分に異なっている。
− 光散乱法の場合,液体の屈折率(測定波長で)は,粒子の屈折率と十分に異なっている。
− 液体と粉体との反応性は無視できる。
− 液体は,粒子の直径を5 %以上膨張させたり,収縮させたりしない。
− 液体に対する粉体の溶解度は,液体1 kg当たり5 g以下である。
備考 これは,測定時間中に粒子径分布を変化させる原因となるオストワルドライプニングを抑制す
るためである。

――――― [JIS Z 8824 pdf 5] ―――――

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JIS Z 8824:2004の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14887:2000(MOD)

JIS Z 8824:2004の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8824:2004の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISZ8816:2001
粉体試料サンプリング方法通則