JIS Z 9202:1991 熱勘定方式通則

JIS Z 9202:1991 規格概要

この規格 Z9202は、熱・燃料及び電熱を使用する工業設備について熱勘定を行う場合の方式の原則について規定。

JISZ9202 規格全文情報

規格番号
JIS Z9202 
規格名称
熱勘定方式通則
規格名称英語訳
General rules for heat balance
制定年月日
1959年2月17日
最新改正日
2017年10月20日
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

17.200.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1959-02-17 制定日, 1962-02-01 確認日, 1965-02-01 確認日, 1968-02-01 確認日, 1971-07-01 確認日, 1975-11-01 確認日, 1978-12-01 確認日, 1980-03-01 改正日, 1985-10-01 確認日, 1991-09-01 改正日, 2003-05-20 確認日, 2007-11-20 確認日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
ページ
JIS Z 9202:1991 PDF [22]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 9202 - 1991

熱勘定方式通則

General rules for heat balance

1. 適用範囲 この規格は,熱・燃料及び電熱を使用する工業設備について熱勘定を行う場合の方式の原
則について規定する。
備考 この規格の中で{}を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参
考として併記したものである。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) 熱勘定 設備に供給される熱量,燃料及び電力(又は仕事)の熱当量とその使用状態とを検討し,入
熱と出熱との関係を明らかにすること。
(2) 顕熱 等圧のもとで物体の温度変化のために使用される熱量。
(3) 潜熱 等圧のもとで物質の相を変化するために費やされる熱量。
参考 蒸発熱,融解熱,昇華熱などがこれである。
(4) 反応熱 設備内の化学反応において発生又は吸収される熱量。
(5) 高発熱量 燃料が水蒸気で飽和された空気によって完全燃焼したとき発生する熱の総量。
備考 この高発熱量は,燃焼によって発生した水蒸気(燃料中の水分による水蒸気及び燃焼によって
生成した水蒸気の和)の蒸発熱を含むが,空気中の水蒸気の蒸発熱は含まない。
(6) 低発熱量 高発熱量から,燃焼によって発生した水蒸気[(5)の備考参照。]の蒸発熱を減じた残りの
熱量。
3. 熱勘定の基準 熱勘定を行うときの基準は,次による。
(1) 基準温度 熱勘定の基準温度は,原則として外気温度とする。場合によって0℃その他の温度を基準
にとるときは,その旨を明記しなければならない。
(2) 燃料の発熱量 燃料の発熱量は,原則として低発熱量を用いる。場合によって高発熱量を用いるとき
は,その旨を明記しなければならない。発熱量は使用時の水分状態における値をとる。
なお,燃料の低発熱量は,高発熱量から次の式を用いて算出する。
(a) 固体及び液体燃料の場合
Hl=Hh−25 (9h+w) J/kg
{Hl=Hh−5.9 (9h+w) cal/kg}
ここに, Hhは高発熱量,Hlは低発熱量,h及びwは,それぞれ燃料中の水素
及び水分の含有率(質量%)を表す。
(b) 気体燃料の場合

――――― [JIS Z 9202 pdf 1] ―――――

2
Z 9202 - 1991
1
Hl=Hh−20 h2 ycxhy w kJ/m 3 N
2
1
Hl Hh 4.7 h2 ycxhy w kcal/m3 N
2
ここに h2, cxhy及びwは,それぞれ燃料中の水素,炭化水素及び水蒸気分の
含有率(容積%)を表す。
(3) 燃焼用空気 燃焼用空気として使用する大気の組成は,容積比で酸素 (O2) 21%,窒素 (N2) 79%,質
量比で酸素 (O2) 23%,窒素 (N2) 77%とする。
4. 熱勘定を行う設備の状態 熱勘定を行う設備の状態は,連続操作を行う設備については定常状態とし,
回分操業を行う設備については,その操業の全工程又は工程内の指示された一部の工程の状態について行
う。
5. 熱勘定の方法と結果の表示 熱勘定の方法と結果の表示は,次による。
(1) 熱勘定に用いる単位量 熱勘定を行うには,対象とする設備の操業の単位時間当たり,又は使用燃料
の単位量(固体・液体燃料においては1 kg,気体燃料においては1 m3N),原料若しくは製品の単位量
についての入熱と出熱を算定し,その結果を(3)の熱勘定表によって表す。いずれの場合も単位量にと
った値を明示しなければならない。
(2) 熱勘定の範囲の設定及び入出熱 熱勘定を行うときは,対象とする設備をフローシート(図1参照)
上に区分し,その境界線を通って入出する熱量及び電力量を計測値に基づいて算定し,入熱・出熱の
2項目にまとめる。ただし,電力量は1 kWhを3 600 kJ [{860kcal}] とする。
入熱には熱勘定を行う設備に外部から入る熱量(燃料の発熱量,予熱による顕熱など。),電力量及
び設備内の化学反応で発生した反応熱,状態変化による潜熱などをとる。
出熱には熱勘定を行う設備から外部に出る熱量(被熱物の保有熱,排ガスの顕熱,放熱など。),電
力量及び設備内の化学反応で吸収された反応熱並びにその他の熱量をとる。
燃焼に使用する空気中に含まれる水蒸気の蒸発熱[2.(5)の備考参照。]は,入熱にも出熱にも入れな
い。燃焼排ガス中の燃焼によって発生した水蒸気[2.(5)の備考参照。]の蒸発熱は,低発熱量を用いる
場合は出熱としないが,高発熱量を用いる場合は出熱とする。
(3) 熱勘定表 入熱,出熱を各項目ごとに数量及び入出熱合計に対する百分率 (%) で示し,表にまとめる
(表1参照)。
なお,循環熱は別項として付記する。

――――― [JIS Z 9202 pdf 2] ―――――

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Z 9202 - 1991
図1 熱勘定の範囲の例示

――――― [JIS Z 9202 pdf 3] ―――――

4
Z 9202 - 1991
表1 熱勘定表
入熱 kJ/kg [{kcal/kg}] %
燃料の発熱量
燃料の顕熱
空気の顕熱
給水の顕熱
炉内吹込み蒸気の持込熱
補機の電力量に相当する熱量
合計 100
出熱 kJ/kg [{kcal/kg}] %
発生蒸気の保有熱
排ガスによる損失熱
不完全燃焼による損失熱
炉内吹込み蒸気による損失熱
放射伝導その他による損失熱
合計 100
循環熱 kJ/kg [{kcal/kg}] %
備考1. 循環熱には設備内部で循環する熱量をとる。
2. 炉内吹込み蒸気の持込熱量としては,吹込み蒸気の入口状態のエ
ンタルピーから,基準温度における水(又は蒸気)のエンタルピ
ーを減じたものをとる。
3. 炉内吹込み蒸気による損失熱量としては,排ガス中の蒸気のエン
タルピーから基準温度における水(又は蒸気)のエンタルピーを
減じたものをとる。

――――― [JIS Z 9202 pdf 4] ―――――

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Z 9202 - 1991
参考1 ボイラの熱勘定
この参考は,本体の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
1. 設備概要
ボイラ形式 放射再熱式超臨界圧貫流形(屋外式)
最大連続蒸発量 : t/h 1 950
最高使用圧力(ゲージ圧力) : MPa [{kgf/cm2}] 263 [{268}]
常用圧力(ゲージ圧力) : MPa [{kgf/cm2}] 250 [{255}]
過熱(再熱)温度 : ℃ 541 (568)
燃焼方式 重原油専焼
通風方式 加圧通風方式
伝熱面積 : m2
ボイラ及び水冷壁 6 175
過熱器 7 470
再熱器 10 920
エコノマイザ 15 290
燃焼室容積 : m3 6 858
2. 熱勘定の基準
(1) 外気温度 : ℃ 24
(2) 燃料の種類 重油
低発熱量 : kJ/kg [{kcal/kg}] 41 280 [{ 9 860}]
高発熱量 : kJ/kg [{kcal/kg}] 44 210 [{10 560}]
(3) 熱勘定の単位量 燃料 1 kg
(4) 設備の状態
操業の形態 定常運転
負荷 定格負荷

――――― [JIS Z 9202 pdf 5] ―――――

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