この規格ページの目次
JIS B 0910:1999 規格概要
この規格 B0910は、回転軸のa)振動挙動の変化,b)過大な動荷重,及びc)半径方向すきまの監視を直接測定することによって,軸振動を把握するための機械振動の測定と評価基準の一般的指針について規定。
JISB0910 規格全文情報
- 規格番号
- JIS B0910
- 規格名称
- 非往復動機械の機械振動―回転軸における測定及び評価基準―一般的指針
- 規格名称英語訳
- Mechanical vibration of non-reciprocating machines -- Measurements on rotating shafts and evaluation criteria -- General guidelines
- 制定年月日
- 1999年3月20日
- 最新改正日
- 2019年10月21日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 7919-1:1996(IDT)
- 国際規格分類
ICS
- 17.160
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1999-03-20 制定日, 2005-01-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
- ページ
- JIS B 0910:1999 PDF [21]
B 0910 : 1999 (ISO 7919-1 : 1996)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の制定は,国際規格の体系化に合わせてISO 7919-1 : 1996のJIS化を図った。
JIS B 0910には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 異なる種類の機械に振動評価基準を適用するための一般的原則
附属書B(参考) 測定量の求め方
附属書C(参考) 推奨する回転軸の相対振動及び絶対振動の測定装置
附属書D(参考) 振動変化のベクトル解析
附属書E(参考) 参考文献
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS B 0910 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
B 0910 : 1999
(ISO 7919-1 : 1996)
非往復動機械の機械振動−回転軸における測定及び評価基準−一般的指針
Mechanical vibration of non-reciprocating machines−Measurements on rotating shafts and evaluation criteria−General guidelines
序文 この規格は,1996年に第2版として発行されたISO 7919-1, Mechanical vibration of non-reciprocating
machines−Measurements on rotating shafts and evaluation criteria−Part 1 : General guidelinesを翻訳し,技術的
内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
この規格は,完成した機械の回転部分で測定された機械振動の測定及び評価に関する一般的な指針をまと
めた基本規格である。この規格の対応国際規格ISO 7919-1には,それぞれに分類された機械ごとの測定及
び評価基準を第1部以降の各部で制定しており,その規格体系の構成及び各部の適用方法について,この
規格に規定する。
現在,機械は高速化及び高負荷化が進み,より厳しい稼動条件の下で運転されている。また,保守点検の
間隔を2年又は3年間とし,その間の連続運転が期待され要求されることも珍しくない。したがって,安
全で信頼できる連続運転を確かなものにするために,回転機械の振動評価を的確に行える指針として,回
転機械の運転時の振動値に関して,より詳細な要求事項を規定する必要がある。一方,JIS B 0906は,非
回転の構造部分だけの振動応答を測定することによって,機械の振動評価を行うための基本を規定してい
る。しかし,弾性ロータを含むある種の機械では,非回転の構造部分での測定では,機械の運転状態を十
分には把握できない。このような機械に対しては,回転部分及び非回転部分又は回転部分だけでの測定で
機械を監視する必要がある。
軸振動の測定は幾つかの目的のために行われ,その範囲は日常的な運転監視と受入試験から診断や解析調
査のような高度な実験検討まであるが,この規格では,基本的には運転監視と受入試験の指針とすること
を意図している。
1. 適用範囲 この規格は,回転軸のa)振動挙動の変化,b)過大な動荷重,及びc)半経方向すきまの監視
を直接測定することによって,軸振動を把握するための機械振動の測定及び評価基準の一般的指針につい
て規定する。
この規格は,半経方向の絶対軸振動及び相対軸振動の測定に適用できるが,ねじり振動及び軸方向の振
動には適用できない。その手順は,機械の運転監視及び試験架台上並びに据付け後の受入試験のいずれに
も適用できる。また,この指針は,運転時の限界値について規定する。
――――― [JIS B 0910 pdf 2] ―――――
2
B 0910 : 1999 (ISO 7919-1 : 1996)
備考1. 機械の種類ごとに分類た評価基準は,ISO 7919-1以降の各部で規定する。
判定の指針を,附属書Aに示す。
2. この規格で規定する測定は,ほとんどの場合には,機械の軸について行われるので,用語“軸
振動”をこの規格の全体で使用する。しかし,他の回転要素の測定のほうがより適している
ことが分かれば,この指針の思想が生かされる限り,この規格は,その要素についての測定
にも適用できる。
この規格における“運転監視”とは,機械の通常の運転中に行われる振動測定の意味で使用する。幾つ
かの測定量及び測定方法が,その相互関係がよく理解されるように十分に定義され,その適用限界が決め
られていれば,この規格で種々の異なった測定量及び測定方法を使ってもよい。
この規格は,往復動機械には適用しない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。この引用規格は,その最新版を適用する。
JIS B 0906 機械振動−非回転部分における機械振動の測定と評価−一般的指針
備考 ISO 10816-1 : 1995, Mechanical vibration−Evaluation of machine vibration by measurements on
non-rotating parts−Part 1 : General guidelinesがこの規格と一致している。
3. 測定
3.1 測定量
3.1.1 変位 軸振動測定のために推奨する測定量は,変位であり,測定単位は, 謀 1 10-6m)。
備考 変位は,ベクトル量なので,二つの変位を比較するときには,位相角を考慮する必要が生じる
場合がある(附属書D参照)。
この規格は,相対軸振動及び絶対軸振動の測定のいずれにも適用できるので,変位は,更に次のように
定義する。
a) 相対変位 軸及び軸受箱又は機械のケーシングのような適切な構造部分との間の振動変位。
b) 絶対変位 慣性座標系に対する振動変位。
備考 変位の値が相対値か又は絶対値かを明確に示すのが望ましい。
絶対変位及び相対変位は,次に定義する異なる変位量が広く使われている。
S (p−p) 測定方向での振動変位のp-p値
Smax 測定面内での最大振動変位
軸振動の測定には,これらの変位量のどちらかを使う。しかし,これら二つの定義による変位量が5.の
評価基準に対応した測定量に正しく変換できるようにする。これらの量の関係を,附属書B図1及び附属
書B図2に示す。
備考 現時点では,互いに直角をなす方向で測定した変位(p-p値)の大きいほうを評価基準に使う。
将来,関連する測定量についての経験が蓄積されれば,附属書B図2に定義した測定量S (p−p) ax
のほうが適切であると考えられる。
3.1.2 振動数範囲 相対軸振動及び絶対軸振動の測定は,機械が発生する振動の周波数成分を包含するよ
うに広帯域振動(1)の測定を行う。
(脚注 (1) 特定の振動数成分を取り出すためのフィルタを通さずに測定される振動データ。
――――― [JIS B 0910 pdf 3] ―――――
3
B 0910 : 1999 (ISO 7919-1 : 1996)
3.2 測定の形式
3.2.1 相対振動測定 相対振動測定は,通常,軸と機械の構造部分,例えば,軸受箱との間の振動変位を
検出する非接触式変換器で行う。
3.2.2 絶対振動測定 絶対振動測定は,次のいずれかの方法で行う。
a) サイズモ式変換器(2) (速度形又は加速度形)を取り付けた軸接触形振動検出器で,絶対軸振動を直
接測定する。
b) 相対軸振動を測定する非接触式変換器とその取付部の振動を測定するサイズモ式変換器(速度形又は
加速度形)とを組み合わせる。両方の変換器は,その測定方向で同じ絶対運動を検出できるように互
いに近接して取り付ける。両方の変換器からの出力は,適切に信号処理を行い,絶対軸振動が得られ
るようにベクトル的に加算する。
3.3 測定手順
3.3.1 一般 軸の重要な位置で,その半径方向の動きが評価できる位置に変換器を取り付けることが望ま
しい。相対振動及び絶対振動のいずれの場合も,機械の各軸受又はその近くに2個1組の変換器を設置す
るとよい。この二つの変換器は,回転軸に対して垂直な同一軸断面上か,実施可能な限り近づけた軸断面
で,軸の半径方向に対し±5°以内に取り付けるのがよい。二つの変換器は,軸受上半部又は下半部のいず
れかに,互いに90°±5°離れて取り付けるのがよい。その取付角度は,各軸受で等しいことが望ましい。
軸振動についての情報が十分にあれば,直交する二つの変換器の組合せの代わりに,各測定面に一つの
変換器を採用してもよい。軸表面のや(冶)金学的不均一性,局所的な残留磁気,軸の機械的ランアウト
(3)などが原因となる本来の振動でないランアウトの総和を求めるために,特別な測定を行うことを推奨す
る。非対称回転軸では,重力の影響で,ランアウトと間違えやすい信号が発生することに注意するのが望
ましい。
推奨する測定システムについては,附属書Cに示す。
3.3.2 相対振動測定のための手順 非接触式相対振動計は,通常,軸受箱のねじ穴又は軸受箱に近接した
剛性の高い取付け具に固定する。変換器を軸受に固定する位置は,潤滑油の圧力発生を妨げない位置にす
るのがよい。しかし,別の軸方向位置に変換器を取り付けなければならないような特別な場合があるが,
その場合の評価には,別の振動評価基準を用いなければならない。取付け具に取り付けた変換器では,相
対軸振動測定用変換器としての能力を損なわないために,取付け具の固有振動数の影響を受けないように
しなければならない。
あらゆる温度条件下で,軸の軸方向の伸びを考慮したときでも,振動検出器の位置に対応する軸表面は
平滑で,かつ,誤った信号を発生する原因となる幾何学的不連続(キー溝,潤滑油溝,ねじ山),や金学的
不均一及び局所的残留磁気があってはならない。場合によっては,軸表面の電気式めっき又は金属溶射は
許されるが,校正値が異なることに注意する。変換器で測定した電気的及び機械的なランアウトの合成和
は,附属書Aに規定した許容振動変位の25%又は6 椰 ましい。
軸振動測定方法が定められていない運転中の機械の測定では,ランアウトについて別の基準を用いなけ
ればならない場合もある。
脚注 (2) サイズモ式変換器 (seismic transducer) とは,ばね−質量系の振動変換器のことをいう。
(3) ランアウト (runout) とは,主力以外の原因で現れる振動に類似した信号をいう。
――――― [JIS B 0910 pdf 4] ―――――
4
B 0910 : 1999 (ISO 7919-1 : 1996)
3.3.3 サイズモ式変換器と非接触式相対振動変換器とを組み合わせた絶対振動測定の手順 サイズモ式
変換器と非接触式相対振動変換器とを組み合わせると,両方の変換器の出力をベクトル的に合成すること
で絶対振動が得られる。非接触式振動変換器の取付け方法及びその他の要求項目は,3.3.2に規定する。さ
らに,二つの振動変換器が支持構造部分から同じ絶対振動を受けるように,サイズモ式変換器は,非接触
式振動変換器に近接して機械構造部分(例えば,軸受箱)にしっかりと取り付ける。非接触式振動変換器
とサイズモ式変換器との出力のベクトル和を行う信号処理によって正確な絶対軸振動の測定ができるよう
に,両方の変換器の感度軸は平行にする。
3.3.4 サイズモ式変換器付きの軸接触式機構を用いた絶対振動測定の手順 サイズモ式変換器(速度形又
は加速度形)は,軸接触式機構の上に軸の半径方向に取り付ける。軸振動の指示値の変化の原因となる機
構のびびり振動又は焼付きが生じてはならない。変換器については,3.3.1に規定する内容に従って軸接触
式機構を取り付ける。
軸接触式機構の接触子が当たる軸表面は,あらゆる温度条件下における軸の軸方向伸びを考慮したとき
でも平滑で,かつ,キー溝やねじ山などの軸の不連続性がないようにする。軸の機械的ランアウトは,附
属書Aで規定した許容振動変位の25%又は6 椰 ましい。軸接触
式機構では,例えば,軸接触子部分での油膜形成のように,振動の指示値に誤差を生じない軸表面速度及
び/又はその他の制約があるので,製造業者は,あらかじめそれらを考慮することが望ましい。
3.4 機械の運転条件 軸振動測定は,機械のすべての運転範囲内で合意した条件のもとで行うことが望
ましい。これらの測定は,合意した温度及び運転条件に達した後で行う。さらに,測定は,例えば,微速
回転速度,慣らし運転速度,危険速度などの種々の運転条件下で行う場合がある。しかし,これらの測定
結果を5.の評価基準で評価するのは,適切でない。
3.5 機械の基礎及び構造部分 機械の基礎及び構造部分(例えば,配管)の形式は,振動の測定値に大
きく影響する。一般に,基礎及び構造部分が類似の動特性をもつときにだけ,同一形式の機械の振動値を
正しく比較できる。
3.6 暗振動及び測定系の評価 運転中の機械の振動測定に先立ち,同じ測定システムで,かつ,同じ場
所での確認を,運転していない状態で行うのがよい。その測定の結果が,機械の運転速度における基準値
の3分の1を超えるときは,暗振動の影響を取り除くための処置をとることが望ましい。
4. 測定装置 この規格の目的に合わせるために,測定装置は,温度,湿度,腐食性雰囲気の存在,軸表
面の速度,軸材料及び表面処理,変換器に接触する作動流体(例えば,水,油,空気及び蒸気),振動及び
衝撃(主要三方向),空気伝ぱ(播)音,磁場,変換器の先端近くの金属の影響,電圧変動並びにその過渡
的変化の影響を考慮して計画しなければならない。
測定システムは,可能な限り記録装置と接続した状態で校正できるようにする。さらに,必要に応じて,
より詳細な解析装置を接続できるように適切な絶縁形出力をもつことが望ましい。
5. 評価基準
5.1 軸振動の判定には,次の二つの基本的な要素がある。
a) 絶対軸振動
b) 構造部分に対する相対軸振動
5.2 評価基準を軸振動の変化に適用する場合
a) 相対軸振動計を取り付けた構造部分の振動が小さい(すなわち,相対軸振動の20%未満)ときは,相
――――― [JIS B 0910 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS B 0910:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 7919-1:1996(IDT)
JIS B 0910:1999の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.160 : 振動,衝撃及び振動の測定
JIS B 0910:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0906:1998
- 機械振動―非回転部分における機械振動の測定と評価―一般的指針