JIS M 8850:1994 規格概要
この規格 M8850は、石灰石の分析方法について規定。
JISM8850 規格全文情報
- 規格番号
- JIS M8850
- 規格名称
- 石灰石分析方法
- 規格名称英語訳
- Methods for chemical analysis of limestone
- 制定年月日
- 1967年4月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 73.040
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1967-04-01 制定日, 1970-12-01 確認日, 1973-11-01 確認日, 1976-12-01 改正日, 1979-10-01 確認日, 1982-11-01 改正日, 1988-02-01 確認日, 1994-07-01 改正日, 1999-10-20 確認日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS M 8850:1994 PDF [19]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
M 8850-1994
石灰石分析方法
Methods for chemical analysis of limestone
1. 適用範囲 この規格は,石灰石の分析方法について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8885 二酸化けい素(試薬)
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8801 標準ふるい
2. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0115及びJIS K 0121による。
3. 分析項目 この規格で規定する分析項目(1)は,次のとおりとする。
強熱減量 (Ig. loss)
二酸化けい素 (SiO2)
酸化鉄 (III) (Fe2O3)
酸化アルミニウム (Al2O3)
酸化カルシウム (CaO)
酸化マグネシウム (MgO)
酸化りん (V) (P2O5)
全硫黄 (Total S)
注(1) 二酸化けい素(重量法を除く。),酸化鉄 (III),酸化アルミニウム,酸化カルシウム,酸化マグ
ネシウム及び酸化りん (V) は,それぞれ元素態で定量が行われるが,便宜上,酸化物の形で表
示する。
4. 試料の採り方及び取扱い方
4.1 分析試料は,よくかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また,異物が混入していないことを確
かめなければならない。
4.2 分析試料は,JIS Z 8801の149 通過させるように粉砕したもの約10gを平形はかり瓶(直
径50mm)に薄く広げ,105110℃の空気浴中で1時間以上乾燥した後,デシケーター中に保存したもの
からはかり採る。
――――― [JIS M 8850 pdf 1] ―――――
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M 8850-1994
4.3 分析試料のはかり採りには化学はかりを用い,規定された量を0.1mgのけたまではかる。
5. 分析値のまとめ方
5.1 分析結果は,百分率で表し,JIS Z 8401によって次のように丸める。
(1) 強熱減量及び酸化カルシウムは,小数点以下第1位。
(2) 二酸化けい素,酸化鉄 (III),酸化アルミニウム,酸化マグネシウム及び全硫黄は,小数点以下第2位。
(3) 酸化りん (V) は,小数点以下第3位。
5.2 分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,測定値を補正しなければならない。
5.3 分析は,同一試料について原則として2回以上繰り返して行い,その差が表1の許容差 (%) に示す
数値よりも大きいときは再分析し,許容差以内のものの平均値を出す。
表1 許容差(2)
単位 %
強熱減量 二酸化けい素 酸化鉄 (III)
重量法 吸光光度法 吸光光度法
含有率区分 許容差 含有率区分 許容差 含有率区分 許容差
0.3
0.10未満 0.02
0.10以上1.00未満 0.04 0.20未満 0.02
0.10以上0.50未満 0.03
1.00以上 0.07 0.20以上1.20未満 0.05
0.50以上1.50未満 0.05
酸化鉄(III) 酸化アルミニウム 酸化カル
原子吸光法 滴定法 原子吸光法 シウム
含有率区分 許容差 含有率区分 許容差 含有率区分 許容差
0.10未満 0.02 0.10未満 0.02 0.10未満 0.02
0.10以上0.50未満 0.04 0.10以上0.50未満 0.04 0.10以上0.50未満 0.04 0.3
0.50以上1.00未満 0.06 0.50以上 0.06 0.50以上1.00未満 0.06
酸化マグネシウム 酸化りん (V)
滴定法 原子吸光法 モリブデン青吸光光度法
含有率区分 許容差 含有率区分 許容差 含有率区分 許容差
0.010未満 0.002
0.50以上1.00未満 0.10 1.00未満 0.05
0.010以上0.050未満 0.004
1.00以上 0.12 1.00以上5.00未満 0.10
0.050以上1.000未満 0.008
酸化りん(V) 全硫黄
りんバナドモリブデン酸吸光光度法
含有率区分 許容差
0.030以上0.100未満 0.008
0.02
0.100以上 0.015
注(2) 2個の分析値が二つの区分にまたがるときは,2個の分析値の平均値の該当する区分の許容差を
適用する。
――――― [JIS M 8850 pdf 2] ―――――
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M 8850-1994
6. 強熱減量定量方法
6.1 方法の区分 強熱減量の定量方法は,重量法による。
6.2 重量法
6.2.1 要旨 試料を1 050±50℃で恒量になるまで強熱したときの減量をはかる。
6.2.2 試料はかり採り量 試料は,1.0gをはかり採る。
6.2.3 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり採り白金るつぼ(例えば,30番)(3)に移し入れ,少しすき間をあけてふたをし,初めは
低温で加熱し,次第に温度を上げ,最後は電気炉中で1050±50℃で1時間強熱する。ふたを密にして
デシケーター中で放冷後,その質量をはかる。
(2) 15分間ずつ強熱を繰り返して,恒量(4)になったときの減量を求める。
注(3) 磁器るつぼを用いてもよい。
注(4) 通常は1時間の強熱で恒量が得られる。
6.2.4 計算 試料中の強熱減量を,次の式によって算出する。
w1 w2
G 100
W
ここに, G : 強熱減量 (%)
w1 : 強熱前の試料の入っている白金るつぼの質量 (g)
w2 : 強熱後の試料の入っている白金るつぼの質量 (g)
W : 試料はかり採り量 (g)
7. 二酸化けい素定量方法
7.1 方法の区分 二酸化けい素の定量方法は,次のいずれかによる。
(1) 過塩素酸脱水重量法 この方法は,二酸化けい素含有率0.10%以上の試料に適用する。
(2) モリブデン青吸光光度法 この方法は,二酸化けい素含有率1.20%未満の試料に適用する。
7.2 過塩素酸脱水重量法
7.2.1 要旨 試料を塩酸と過塩素酸で分解し,加熱して白煙を発生させ,けい酸を不溶性としてこし分け
る。沈殿を強熱して質量をはかり,ふっ化水素を加え加熱して二酸化けい素を揮発させた後,再び強熱し
て質量をはかり,前後の質量差を求める。
7.2.2 試薬 試薬は次による。
(1) 塩酸 (1+1,1+100)
(2) 過塩素酸 (60%)
(3) ふっ化水素酸
7.2.3 試料はかり採り量 試料は,1.0gをはかり採る。
7.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり採りビーカー (200ml) に移し入れ(5),少量の水を加えてスラリー状とし,時計皿で覆っ
て塩酸 (1+1) 5mlをビーカーの縁から徐々に加える。激しい反応が終わったら,時計皿を少量の水で
洗って取り除く。
(2) 過塩素酸5mlを加え,砂浴上で加熱し,過塩素酸の濃い白煙が出始めたら再び時計皿で覆い,引き続
き10分間加熱する。
――――― [JIS M 8850 pdf 3] ―――――
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(3) 少し冷却した後,塩酸 (1+1) 5ml及び温水約50mlを加えて振り混ぜ,不溶解物がほぼ沈降したら,
直ちにろ紙(5種B)でこし分け,熱塩酸 (1+100) で数回洗浄し,更に熱水で十分に洗浄する(6)。ろ
液及び洗液はビーカー (300ml) に受け,保存する。
(4) 不溶解物はろ紙と共に白金るつぼ(例えば,30番)に入れて乾燥し,徐々に加熱して炎の出ないよう
にろ紙を灰化した後,1 050±50℃で1時間強熱し,デシケータ中で放冷後質量をはかり,恒量(4)とな
るまで強熱を繰り返す。
(5) 不溶解物を2,3滴(7)の過塩素酸で湿し,ふっ化水素酸5mlを加え,砂浴上で加熱して蒸発乾固する。
1 050±50℃で10分間強熱し,デシケータ中で放冷後,質量をはかる。
なお,残留物の付着している白金るつぼは,そのまま保存する。
注(5) 有機物を多量に含む試料の場合は,はかり採った試料をあらかじめ磁器るつぼ中で500600℃
に加熱し,有機物を分解してからビーカーに移す。
(6) 洗浄が不十分であると,ろ紙の灰化時に爆発飛散するおそれがある。特に不溶解物の多い場合
は注意する必要がある。
(7) 不溶解物の量が多いときは,適宜増量する。
備考 二酸化けい素が極めて少量であって,特にこれの定量を必要としないときは,7.2.4(5)の操作を
省略して酸不溶解物残さとしても良い。この場合は,不溶解物の強熱に磁器るつぼを使用して
も差し支えない。
7.2.5 計算 試料中の二酸化けい素含有率を,次の式によって算出する。
w1 w2
Q 100
m
ここに, Q : 二酸化けい素 (%)
w1 : 7.2.4(4)ではかった質量 (g)
w2 : 7.2.4(5)ではかった質量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
7.3 モリブデン青吸光光度法
7.3.1 要旨 試料を炭酸ナトリウムで融解し,水に溶解して一定量とする。この溶液をろ過し,ろ液の一
部を分取し,塩酸を加えて酸濃度を調節した後,モリブデン酸アンモニウムを加えてけいモリブデン酸を
生成させる。酒石酸を加えてりんの影響を除いた後,アスコルビン酸を加えてモリブデン青を呈色させ,
吸光度を測定する。
7.3.2 試薬 試薬は,次による。ただし,(3)(6)は,プラスチック瓶に保存する。
(1) 塩酸 (1+1,1+4)
(2) 炭酸ナトリウム(無水)
(3) モリブデン酸アンモニウム溶液 モリブデン酸アンモニウム(四水和物)25gを温水に溶かして500ml
とする。必要ならばろ過する。ただし,保存中にモリブデン酸が析出したときは,新しく調製する。
(4) 酒石酸溶液 (100g/l)
(5) アスコルビン酸溶液 (50g/l)冷暗所に保存する。ただし,保存中に着色したときは,新しく調製す
る。
(6) 標準二酸化けい素溶液 (0.1mgSiO2/ml) 二酸化けい素(無水けい酸,沈降製) (JIS K 8885) を磁器
るつぼに取り,1 050±50℃で約1時間強熱した後,デシケータ中で放冷したもの0.100gを0.1mgの
けたまではかり採り白金るつぼに移し入れる。炭酸ナトリウム(無水)1gと混合した後,ふたをして
――――― [JIS M 8850 pdf 4] ―――――
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加熱融解する。放冷後,水に溶かして1 000mlのメスフラスコに移し,水で標線まで薄める。
(7) -ニトロフェノール溶液 (2g/l)
7.3.3 試料はかり採り量 試料は,0.25gをはかり採る。
7.3.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり採り白金るつぼ(例えば,30番)に移し入れ(8),炭酸ナトリウム(無水)2gと混合した
後,ふたをして,初めは低温で加熱し,次第に温度を上げて融解し,引き続き23分間加熱する。
(2) 放冷後,白金るつぼに水約5mlを加え,穏やかに加熱し,プラスチック棒で融成物を押しつぶし,溶
液をプラスチックビーカー (100ml) に移し入れる。融成物が完全につぶれるまで,この操作を繰り返
す。
(3) 白金るつぼ及びふたは水洗し,洗液をプラスチックビーカー (100ml) に集める。冷却した後,100ml
の全量フラスコに移し,水で標線まで薄める。直ちに,乾いたプラスチックビーカー (200ml) に移し
入れる。
(4) 乾いたプラスチックビーカー (100ml) に,乾いたプラスチック漏斗及び乾いたろ紙(5種C)を用い
て直ちにろ過し,初めの1020mlは捨てる。ろ液から一定量(9)をプラスチックビーカー (200ml) に
正確に分取する。
(5) −ニトロフェノール溶液2,3滴を指示薬として加え,振り混ぜながら溶液の色が無色になるまで塩
酸 (1+1) を滴加した後,水で約50mlに薄め,塩酸 (1+4) 1mlを加える。
(6) モリブデン酸アンモニウム溶液4mlを加えて振り混ぜ,10分間放置する。酒石酸溶液5mlを加えた後,
アスコルビン酸溶液 [7.3.2(5) ] 2mlを加えて振り混ぜる。100mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線
まで薄め,30分間放置する。
(7) この溶液の一部を光度計の吸収セルに取り,波長650nm付近で吸光度を測定する。
注(8) 試料中に有機物,硫化物などの還元性物質を含む場合は,500600℃で加熱して分解する。
(9) ろ液の分取量は,二酸化けい素の含有率に応じて表2による。
表2 ろ液の分取量
二酸化けい素含有率 分取量
% ml
0.24未満 50
0.24以上0.60未満 20
0.60以上1.20未満 10
7.3.5 計算 7.3.6で作成した検量線から二酸化けい素量を求め,試料中の二酸化けい素含有率を,次の
式によって算出する。
a 103 100
Q 100
m V
ここに, Q : 二酸化けい素 (%)
a : 7.3.4(7)二酸化けい素検出量 (mg)
m : 試料はかり採り量 (g)
V : 7.3.4の分取量 (ml)
7.3.6 検量線の作成 標準二酸化けい素溶液を水で正しく2倍に薄め,その06.0ml(二酸化けい素とし
て00.3mg)を100mlの全量フラスコに段階的に取り,水で約50mlに薄め,それぞれに塩酸 (1+4) 1ml
を加える。
以下,7.3.4(6)及び(7)の手順に従って操作し,得た吸光度と二酸化けい素量との関係線を作成して検量線
――――― [JIS M 8850 pdf 5] ―――――
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