JIS R 1674:2007 ファインセラミックスの加工損傷による強度変化の統計的判定方法

JIS R 1674:2007 規格概要

この規格 R1674は、ファインセラミックス製の機械部品又は構造部材が,その製造工程において加工を行った場合,加工によって生じる強度差の有意性を,統計的に判定する方法について規定。

JISR1674 規格全文情報

規格番号
JIS R1674 
規格名称
ファインセラミックスの加工損傷による強度変化の統計的判定方法
規格名称英語訳
Statistical analysis for influence of machining damage on strength of fine ceramics
制定年月日
2007年1月20日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

81.060.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
ファインセラミックス 2018
改訂:履歴
2007-01-20 制定日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS R 1674:2007 PDF [30]
                                                                                   R 1674 : 2007

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本ファインセラミックス協会(JFCA)
/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS A 1674には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定)等分散検定(F検定)の方法
附属書2(参考)数値例
附属書3(規定)記録様式

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS R 1674 pdf 1] ―――――

R 1674 : 2007

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[2]
  •  3. 記号・・・・[2]
  •  4. 用語の定義・・・・[2]
  •  5. 試験装置及び器具・・・・[3]
  •  6. 試験片及び試験片の加工手順・・・・[3]
  •  7. 試験方法・・・・[5]
  •  8. 統計的方法・・・・[6]
  •  9. 結果の記録・・・・[9]
  •  附属書1(規定)等分散検定(F検定)の方法・・・・[12]
  •  附属書2(参考)数値例・・・・[16]
  •  附属書3(規定)記録様式・・・・[18]

――――― [JIS R 1674 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
R 1674 : 2007

ファインセラミックスの加工損傷による強度変化の統計的判定方法

Statistical analysis for influence of machining damage on strength of fine ceramics

序文

 この規格は,ファインセラミックス製の機械部品又は構造部材の品質に大きな影響を及ぼす加工損
傷について,それが強度に及ぼす影響を客観的に比較する方法を提供することによって,製品の品質管理
を容易にし,信頼性の向上に資することを目的として制定された。これらの目的が達成されることによっ
て,我が国のファインセラミックス製品の技術的競争力は更に高まり,その市場拡大に寄与することが期
待される。
なお,この規格に対応する国際規格は現在制定されていない。

1. 適用範囲

 この規格は,ファインセラミックス製の機械部品又は構造部材が,その製造工程において
加工を行った場合,加工によって生じる強度差の有意性を,統計的に判定する方法について規定する。
備考 この規格でいう“強度”とは,通常用いられる“強さ”と同義であって,ここでは簡潔な表記
を行うことを目的に用いられる。
1.1 適用対象とする加工法 この規格は,基本的には同一の加工法を用いて,異なる2種類の加工条件
の下で加工を行った場合に生じる強度差を定量的に求める場合に用いる。
備考1. 加工法とは,機械部品又は構造部材の製造工程において,成形,切断,除去,仕上げなどの
目的で用いる手段のことをいう。セラミックスの加工による表面仕上げにおいては,研削加
工,ラッピング・ポリシングなどの遊離と(砥)粒加工,放電加工,レーザ加工などが用い
られる。
2. 加工条件とは,各々の加工法において加工能率,加工後の表面性状などを支配する設定条件
のことをいい,通常は幾つかの設定値の組合せによって表される。
3. この規格は,強度差を求める簡便な方法(例えば,平均値の相対比較などの方法)では,有
意性の判定が困難な場合に用いる。強度差が明らかに有意とみなせる場合は,この規格を適
用する必要はない。
1.2 強度差の有意性判定 有意性の判定は,比較優位の強度が得られると考えられる一方の加工条件を
基準として,他方の加工条件における強度低下が有意であるか否かを調べることによって行う。
1.3 加工損傷の有無の判定 また,加工の影響がない場合を基準としたときの強度差すなわち強度に影
響を及ぼす加工損傷の有無の判定にも用いることができる。
なお,この場合,基準となる試験片の加工法・加工条件については,この規格の中で規定する。
1.4 研削加工に関する推奨値 この評価法を適用するに当たっては,1.3の場合を除いて加工法は特に規
定しないが,セラミックスに用いられることの多い研削加工については,加工条件などに関する推奨値を

――――― [JIS R 1674 pdf 3] ―――――

2
R 1674 : 2007
規格の中に示す。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状 : 輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
JIS B 0621 幾何偏差の定義及び表示
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS R 1601 ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法
JIS R 1625 ファインセラミックスの強さデータのワイブル統計解析法
JIS Z 8101-1 統計−用語と記号−第1部 : 確率及び一般統計用語
JIS Z 8401 数値の丸め方

3. 記号

 記号の定義は,次による。
表 1 記号とその定義
記号 定義
a 連続切れ刃間隔
D と(砥)石直径
f,f1,f2,fw 自由度
fd 平面研削におけると(砥)石軸方向送り量
g 最大と粒切込み深さ
l,L 4点曲げ内スパン及び外スパン
m ワイブル係数又は形状母数
n,na,nb 試験片の数
Ra 中心線平均粗さ
Sa,Sb 平方和
V,Va,Vb 測定強度値の分散
Vw と(砥)石周速
vw 加工物速度
w,h 試験片の幅及び高さ
Xai,Xbi 測定強度値
X,X,
a Xb 測定強度値の平均
α,αF 危険率又は有意水準
1−αc 信頼係数
Δ と(砥)石切込み深さ
μ,μa,μb 母平均
母標準偏差
2
2a 2b 母分散

4. 用語の定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,統計的仮説検定に関しては,JIS Z 8101-1に,ワ
イブル統計解析については,JIS R 1625 によるほか,次による。
4.1 加工損傷 セラミックスを加工したとき,加工表面の欠け,表面又は表面直下の微細なき裂,微小
なボイド状の欠陥,残留応力など,機械的又は熱的な原因によって被加工物に生じる変質。
参考 特に研削加工においては,加工方向に依存した方向性をもつき裂が残留することが知られてい

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R 1674 : 2007
る。
4.2 研削と(砥)石の目直し 研削と(砥)石表面に分布する摩耗・鈍化した切れ刃から,スティック
と(砥)石,軟鋼などを研削して鋭利な切れ刃を創生する作業。
4.3 研削と(砥)石の形直し 加工に伴うと粒の破砕・脱落で崩れたと(砥)石形状を,スティックと
(砥)石,軟鋼などを研削して修正する作業
参考 セラミックスの研削加工では切れ刃の摩耗・鈍化が進みやすく,これによって被加工物に対す
る機械的,熱的負荷が増大する場合があることから,これを避けるために研削と(砥)石の目直
し,形直しが行われる。
4.4 横軸平面研削盤 水平主軸に取り付けた平形と(砥)石の外周面を用いる研削方式の研削盤をいい,
テーブルの形状・動作の違いによって,角テーブル往復動形と円テーブル回転形の2種類がある。前者の
方がより一般的で加工条件の設定が容易なことから,この規格では,角テーブル往復動形が望ましい。
4.5 レジノイドボンド・ダイヤモンドホイール フェノール樹脂などの熱硬化性合成樹脂でダイヤモン
ドと粒を結合したと(砥)石。無機質又はメタル結合材に比べ被加工物に対するあたりが柔らかい。
4.6 最大と粒切込み深さ と(砥)石表面における個々のと(砥)粒切れ刃による切込み深さの最大値。
横軸平面研削では連続切れ刃の間隔をa,工作物速度及びと(砥)石周速をvw及びVw,毎回のと(砥)石
vw
切込み量をΔ,と(砥)石直径をDとすれば g 2a で表せるが,と(砥)石表面の切れ刃はその
Vw D
間隔,高さとも不ぞろいでgは通常大きく変動する。
4.7 スパークアウト 研削抵抗によると(砥)石軸などの弾性変形で生じる切り残しを,仕上げ面性状
の向上を目的に,と(砥)石切込みを与えることなく数回研削して除去する作業。
4.8 曲げ試験ジグ 材料試験機のテーブルと負荷ロッドとの間に設置し,曲げ試験を高精度,かつ,効
率的に行うための装置。曲げ試験では負荷点,支点の位置決め,試験片の形状など各種の誤差要因が存在
する。曲げ試験ジグはこれらによる測定誤差を極力低減できる構造及び位置決めの容易さが要求される。
Xa Xb
4.9 Welchの検定 二組のデータの平均値の差の検定で,統計量 は,分散が未知ではあ
2 2
a na b nb
るが等しいとみなせる場合にはt分布に従い,t検定を行うことができる。しかし,分散が等しいとみなせ
2 2
ない場合は,上式の a
b
帰 本分散で置き換えた統計量が,近似的に自由度(f)
(Vana Vb nb ) 2
f
(Vana ) 2
(na )1 (Vb nb ) 2
(nb )1
のt分布に従うことを利用して検定を行うことができる。この検定方法をWelchの検定という。

5. 試験装置及び器具

5.1   研削盤 試験片表面をこの規格に示す条件で加工できる横軸平面研削盤。
5.2 試験機 JIS R 1601に示す4点曲げ試験ができる材料試験機。
5.3 曲げ試験ジグ JIS R 1601 に示す4点曲げ試験及びこの規格で要求する仕様を満たす曲げ試験ジグ。

6. 試験片及び試験片の加工手順

6.1   試験片の数 この規格で用いる試験片は,比較を行う二つの加工条件に対してそれぞれ同数を準備
することを基本とする。ただし,同数の試験片を用意できない場合については,8.7に示すような近似的な

――――― [JIS R 1674 pdf 5] ―――――

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