JIS Z 3080:1995 アルミニウムの突合せ溶接部の超音波斜角探傷試験方法

JIS Z 3080:1995 規格概要

この規格 Z3080は、厚さ5mm以上のアルミニウム及びアルミニウム合金板の完全溶込み突合せ溶接部に対して,パルス反射法による基本表示の探傷器を用いて行う超音波斜角探傷試験方法について規定。

JISZ3080 規格全文情報

規格番号
JIS Z3080 
規格名称
アルミニウムの突合せ溶接部の超音波斜角探傷試験方法
規格名称英語訳
Methods of ultrasonic angle beam examination for butt welds of aluminium plates
制定年月日
1976年3月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

25.160.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
溶接 I(基本) 2021, 溶接 II(製品) 2021, 非破壊検査 2020
改訂:履歴
1976-03-01 制定日, 1979-02-01 確認日, 1981-03-01 改正日, 1987-02-01 確認日, 1988-11-01 改正日, 1995-02-01 改正日, 2001-03-20 確認日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS Z 3080:1995 PDF [10]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 3080-1995

アルミニウムの突合せ溶接部の超音波斜角探傷試験方法

Methods of ultrasonic angle beam examination for butt welds of aluminium plates

1. 適用範囲 この規格は,厚さ5mm以上のアルミニウム及びアルミニウム合金板(以下,アルミニウ
ムという。)の完全溶込み突合せ溶接部に対して,パルス反射法による基本表示の探傷器を用いて行う超音
波斜角探傷試験方法について規定する。
なお,試験結果の分類方法を附属書に規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS Z 2300 非破壊試験用語
JIS Z 2345 超音波探傷試験用標準試験片
JIS Z 2350 超音波探触子の性能測定方法
JIS Z 2352 超音波探傷装置の性能測定方法
JIS Z 3871 アルミニウム溶接部の超音波探傷試験の技術検定における試験方法及び判定基準
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 2300によるほか,次による。
(1) 振動子の等価寸法 試験体中へ屈折通過した超音波の進行方向から見たときの,見掛けの振動子寸法。
[ ] を用いて,実寸法と区別する。
(2) きずの指示長さ 探触子の移動距離によって測定したきずの見掛けの長さ。
3. 試験技術者 超音波探傷試験を行う技術者は,JIS Z 3871に基づくB種試験に合格した者又はこれと
同等以上の技量をもつ者とする。
4. 探傷装置の使用条件
4.1 探傷器の使用条件
4.1.1 増幅直線性 増幅直線性は,JIS Z 2352の4.1(増幅直線性)によって測定し,±3%とする。
4.1.2 時間軸の直線性 時間軸の直線性は,JIS Z 2352の4.2(時間軸直線性)によって測定し,±1%と
する。
4.1.3 感度余裕値 感度余裕値は,JIS Z 2352の4.3(垂直探傷の感度余裕値)によって測定し,40dB以
上とする。
4.1.4 使用条件の確認 4.1.14.1.3の使用条件については,JIS Z 2352によって,装置の使用開始時及
び12か月ごとに確認する。

――――― [JIS Z 3080 pdf 1] ―――――

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4.2 斜角探触子の使用条件
4.2.1 周波数 公称周波数は5MHz,試験周波数は4.55.5MHzとする。
4.2.2 振動子及び屈折角 振動子の寸法及びアルミニウム中における公称屈折角は,表1に示すものを使
用する。
なお,公称屈折角と探傷屈折角の差は,±2°とする。
表1 斜角探触子の振動子の寸法と公称屈折角
振動子の寸法 mm 公称屈折角
等価寸法 40°
[5×5] 45°
[10×10] 50°
55°
実寸法
60°
5×5
65°
10×10
70°
4.2.3 ビーム中心軸の偏り ビーム中心軸の偏りは,JIS Z 2350の13.1(ビーム中心軸の偏りと偏り角)
によって測定し,読取り単位1°で測定し,この角度が2°を超えないものとする。
4.3 標準試験片 (STB) 及び対比試験片 (RB)
4.3.1 標準試験片 標準試験片は,JIS Z 2345に規定するSTB-A1,STB-A3又はSTB-A31を使用する。
4.3.2 対比試験片 対比試験片 (RB-A4AL) は,試験体又は試験体と超音波特性の近似したアルミニウム
で製作し,その形状及び寸法は図1及び表2による。
なお,図1に規定する以外の位置に標準穴を追加してもよい。
図1 対比試験片 (RB-A4 AL) の形状
備考 L : 対比試験片の長さ(使用するビーム路程によって定める。)
T : 対比試験片の厚さ(表2参照)
表2 対比試験片 (RB-A4 AL) の寸法
単位 mm
試験片呼称 試験片の適用測定範囲 対比試験片の厚さ T 標準穴の径
No.1 100以下 12.5又はt(1) 2.0
No.2 200以下 25 又はt 5.0
No.3 250以上 50 又はt 5.0
注(1) : 試験体の母材の厚さ

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4.3.3 標準試験片及び対比試験片の種類と用途 標準試験片及び対比試験片の種類と用途は,表3による。
表3 標準試験片及び対比試験片の種類と用途
種類 用途
STB-A1 斜角探触子の入射点の測定,測定範囲の調整
STB-A3 斜角探触子の入射点の測定,測定範囲250mm以下
又はSTB-A31 の場合の調整
RB-A4AL 斜角探触子の屈折角の測定,距離振幅特性曲線の作
成及び探傷感度の調整
4.4 接触媒質 接触媒質には,グリセリン水溶液,グリセリンペースト,又はこれと同等の性質をもつ
ものを使用する。
5. 探傷試験の準備
5.1 試験部の形状・寸法の測定 試験部(熱影響部を含む。)においては,母材の厚さ及び溶接部の形状
(余盛の幅,溶接角変形,目違いなど)を測定し,記録する。
5.2 探触子の選定 一探触子法に使用する斜角探触子の屈折角は,対象とするきずによって表4による。
基本となる探傷は,公称屈折角70°とし,特に開先面の融合不良などの検出を目的とするときは,開先形
状を考慮して決定する。
また,振動子寸法は,使用するビーム路程によって表5による。
なお,タンデム探傷法に使用する探触子については,対象とするきずの深さ位置によって表6による。
表4 一探触子法に使用する斜角探触子の公称屈折角
対象とするきず 公称屈折角 ( 一
全般 70°
開先面の融合不良 90- 愀 2)°に最も近い表1の公称屈折角
裏面に開口した溶込み不良 45°(母材の厚さが40mm以下の場
合は70°を使用してもよい。)
注(2) 愀 °) : ベベル角
表5 一探触手法に使用する斜角探触子の振動子の寸法
単位 mm
ビーム路程 振動子の寸法
50以下 [5×5] 又は5×5
50を超え 100以下 [5×5], [10×10],5×5又は10×10
100を超えるもの [10×10] 又は10×10
表6 タンデム探傷法に使用する斜角探触子
きずの深さ位置 d mm 探触子
25以下 5M [10×10] A70AL
又は5M10×10A70AL
25を超えるもの 5M [10×10] A45AL
又は5M10×10A45AL
5.3 超音波特性の違いによる感度補正量の測定 試験体と対比試験片の超音波特性の違いによる感度補
正量 探傷に使用する探触子及びそれと同じ形式の斜角探触子を用いて,次のように求める。
2・ 愀
ここに, 試験体と対比試験片の伝達損失量の差
懿 試験体と対比試験片の減衰係数の差
lmax : 探傷に使用する最大のビーム路程

――――― [JIS Z 3080 pdf 3] ―――――

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5.4 装置の調整
5.4.1 入射点の測定 入射点は,STB-A1,STB-A3又は,STB-A31を用いて1mmの単位で測定する。
5.4.2 探傷屈折角の測定 探傷屈折角は,次の方法で測定する。
(1) 一探触子法の場合 RB-A4 ALの標準穴を表7に示すスキップ距離となる位置からねらい,図2に示
す試験体表面上における探触子と標準穴との距離yを測定し深さdとから,次の式によって探傷屈折
角 単位で求める。
1 y
= tan
d
表7 探傷屈折角の測定に用いるRB-A4 ALのスキップ距離
振動子寸法
公称屈折角 RB-A4 AL (No.1) B-A4 AL (No.2) B-A4 AL (No.3)
mm
[5×5] 4060°
3スキップ
8
1スキップ 1スキップ
又は 1スキップ
4 8
65°,70°
5×5 4
[10×10] 4060°
5スキップ
4
3スキップ
4
3スキップ
8
又は 5スキップ 3スキップ 1スキップ
65°,70°
10×10 8 8 4
図2 一探触子法における探傷屈折角の測定方法
(2) タンデム探傷法の場合 STB屈折角の差が±1°の2個の探触子を用いて,図3に示すように試験体
の母材部でV透過パルスを求め,そのときの入射点の間隔y及び母材の厚さtから,次の式によって
探傷屈折角 単位で求める。
y
= tan1
2t
図3 タンデム探傷法における探傷屈折角の測定方法
5.4.3 測定範囲の調整 測定範囲の調整は,STB-A1,STB-A3又はSTB-A31を用いて行い,次による。
(1) 測定範囲が100mm及び200mmの場合 STB-A1のR100mm及びSTB-A3又はSTB-A31のR50mmが,
アルミニウム中でそれぞれ98mm及び49mmに相当するものとして測定範囲を調整する。
(2) 測定範囲が125mm及び250mmの場合 STB-A1のR100mm及びSTB-A3又はSTB-A31のR50mmが,

――――― [JIS Z 3080 pdf 4] ―――――

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アルミニウム中でそれぞれ97.5mm及び48.75mmに相当するものとして測定範囲を調整する。
(3) 測定範囲が250mmを超える場合 STB-A1のR100mmがアルミニウム中で98mm又は97.5mmに相当
するものとして測定範囲を調整する。
5.4.4 装置の調整の時期 装置の調整は,作業開始時及びその後4時間以内ごとに行う。
5.5 距離振幅特性曲線の作成 距離振幅特性曲線の作成は,次による。
(1) 距離振幅特性曲線の作成には,RB-A4AL及び探傷に使用する探触子を用いる。
(2) 距離振幅特性曲線は,表示器目盛板又はそれを覆う補助目盛板に直接記入する。
(3) 表7に示したスキップ距離よりビーム路程の短い範囲は,そのスキップのエコー高さとする。
(4) 使用するビーム路程の範囲内で,距離振幅特性曲線の高さが90%以下で,かつ,10%以上になるよう
に作成する。
6. 一探触子法
6.1 基準レベル及び評価レベル
6.1.1 基準レベル 基準レベルは,RB-A4 ALの標準穴からのエコー高さレベルに5.3に示した感度補正
量を加えて基準レベルとし,HRLで表す。
なお,RB-A4 ALのNo.1の直径2.0mmの標準穴を使用する場合は,横穴の径の違いによる感度補正量は,
−4dBとする。
6.1.2 評価レベル エコー高さによってきずを評価するため,5.5に規定した距離振幅特性曲線を基準レ
ベルとして,表8に示すA,B及びCの3種類の評価レベルを設ける。
表8 評価レベルとエコー高さのレベル
評価レベルの種類 エコー高さのレベル
A評価レベル HRL−12dB
B評価レベル HRL−18dB
C評価レベル HRL−24dB
6.2 評価レベルの指定 試験の目的に応じて,A評価レベル,B評価レベル又はC評価レベルのいずれ
かを指定する。
6.3 探傷面及び走査範囲 探傷面及び走査範囲は,試験体の母材の厚さによって(1)(3)のように定める。
ただし,対象とするきずが,開先面の融合不良の場合は,開先面を垂直に近い方向からねらうことのでき
る探傷面及び探触子位置を選定すればよいものとする。
(1) 母材の厚さが40mm以下の場合,片面両側から直射法及び一回反射法によって探傷する[図4(a)参照]。
(2) 母材の厚さが40mmを超え80mm以下の場合,両面両側から直射法によって探傷する[図4(b)参照]。
ただし,溶接部の形状などによって,特に一回反射法による探傷が必要な場合は,対象とするきずの
存在が予想される位置に,超音波が十分に伝搬することを確認した上で,片面両側から直射法及び一
回反射法によって探傷してもよい。
(3) 母材の厚さが80mmを超える場合,両面両側から直射法によって探傷する[図4(b)参照]。

――――― [JIS Z 3080 pdf 5] ―――――

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