JIS Z 3905:1976 規格概要
この規格 Z3905は、JIS Z 3265に規定された化学成分(クロム,ほう素,けい素,鉄,炭素,りん)の分析方法について規定。
JISZ3905 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z3905
- 規格名称
- ニッケルろう分析方法
- 規格名称英語訳
- Methods for chemical analysis of nickel brazing filler metals
- 制定年月日
- 1970年11月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 25.160.50
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1970-11-01 制定日, 1973-12-01 確認日, 1976-12-01 改正日, 1980-02-01 確認日, 1987-02-01 確認日, 1992-05-01 確認日, 1997-02-20 確認日, 2002-02-20 確認日, 2006-02-20 改正日, 2007-04-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS Z 3905:1976 PDF [14]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 3905-1976
ニッケルろう分析方法
Methods for Chemical Analysis of Nickel Brazing Filler Metals
1. 適用範囲 この規格は,JIS Z 3265(ニッケルろう)に規定された化学成分(クロム,ほう素,けい
素,鉄,炭素,りん)の分析方法について規定する。
引用規格 :
JIS H 0301 地金の試験並びに検査通則
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS H 2107 亜鉛地金
JIS K 0050 化学分析通則
JIS K 8005 容量分析用標準試薬
JIS K 8006 試薬の含量試験中滴定に関する基本事項
JIS K 8383 サッカロース(試薬)
JIS Z 3265 ニッケルろう
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050(化学分析通則)による。
3. 分析試料の採り方及び取扱い方
3.1 分析試料の採取と調製
3.1.1 分析試料の採取と調製に際しては,試料全体の平均品質を代表するようにし,特に偏析,汚染など
に注意しなければならない。
3.1.2 分析試料の採取と調製は,JIS H 0321(非鉄金属材料の検査通則)の5.及びJIS H 0301(地金の試
験並びに検査通則)の2.2に準じて行うものとし,1融解ごとに二つ以上(1融解量が特に少ないときは一
つ)の鋳込試料約100gを取り,この試料を削って分析に必要な量の2倍以上の切粉を作り,これを十分に
混合して分析試料とする。
3.1.3 鋳込試料の削り方は,次のとおり行う。
(1) きり,そのほかの工具を,エチルアルコールなどで清浄にする。
(2) 試料の表面に付いている油そのほかの付着物を除いて清浄にする。
(3) 試料の中央部又は両端に近い部分などを片面から直角にきりもみして貫通させるか,両面から少なく
とも中心部に達するまできりもみするか,又はそのほかの適当な方法によって削り取る。
(4) 削り試料の大きさは,切粉があまり厚くならない程度にきりもみして,長さを約5mm以下にする。
もし切粉がひも状のときは,清浄なはさみで約5mm以下に切断する。
なお,このとき切粉にきりの摩耗粉が混入しないように注意し,また冷却のために水などを注加し
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てはならない。
3.1.4 分析試料の採取と調製が上記の規定によることができない場合には,当事者間の協議によって定め
る。
3.1.5 結合剤を含む線状及び帯状試料の採り方については,当事者間の協議による。
3.2 分析試料のはかり取り
3.2.1 分析試料をはかり取る際には,よくかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また異物が混入して
いないことを確かめなければならない。
3.2.2 分析試料のはかり取りには化学はかりを用い,0.1mgのけたまで読みとる。
4. 分析操作上の注意
4.1 分析は,同一試料について,原則として2回以上行わなければならない。
4.2 分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,含有率を補正しなければならない。
5. 分析値のまとめ方 分析値は百分率で表し,2回以上の分析値を平均して,JIS Z 3265に規定された
位に,JIS Z 8401(数値の丸め方)によって丸める。
6. クロム定量方法
6.1 方法の区分 クロムの定量方法は,過硫酸アンモニウム酸化滴定法による。
6.2 過硫酸アンモニウム酸化滴定法
6.2.1 要旨 試料を王水で処理分解し,硫酸,りん酸及びふっ化水素酸を加え,加熱蒸発して硫酸白煙を
発生させ,放冷後水で可溶性塩類を溶解し,触媒として硝酸銀を加え,更に過硫酸アンモニウムを加えて
クロムを酸化し,クロムを重クロム酸とする。同時に生成した過マンガン酸を塩酸を加えて分解し,次に
硫酸マンガンを添加する。冷却後,硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液を過剰に加えて重クロム酸を還元し,
過マンガン酸カリウム標準溶液で過剰の硫酸第一鉄アンモニウムを逆滴定する。
6.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸(1+3)
(2) 過塩素酸
(3) ふっ化水素酸
(4) 硫酸(1+1,1+10,1+50)
(5) りん酸
(6) 王水(塩酸3,硝酸1)
(7) 硝酸銀溶液 (0.5w/v%)
(8) 過硫酸アンモニウム溶液 (w/v%)
(9) ピロ硫酸カリウム
(10) 過マンガン酸カリウム溶液 (2w/v%)
(11) 硫酸マンガン溶液 硫酸マンガン(46水塩)10gを水100mlに溶解する。
(12) /10硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液 硫酸第一鉄アンモニウム〔FeSO4・ (NH4) 2SO4・6H2O〕40gを
水約300mlに溶解し,これに硫酸(1+1)60mlを加え,1000mlのメスフラスコに移し入れ,水で標線ま
で薄める。この標準溶液のファクターは,使用の都度N/10過マンガン酸カリウム標準溶液で標定する。
もし正確にN/10でないときはN/10に対するファクターを求め,クロム量の算出に際し硫酸第一鉄ア
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ンモニウム標準溶液の使用量を補正することが必要である。すなわち,ここに調製した硫酸第一鉄ア
ンモニウム標準溶液25mlを正確に取り,水25ml及び(14)のo-フェナントロリン溶液0.25mlを加え,
次に(13)のN/10過マンガン酸カリウム標準溶液で淡緑色を呈するまで滴定し,過マンガン酸カリウム
標準溶液に対する硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液のファクターを次の式から求める。
V1 F2
F1
V2
ここに F1 : N/10硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液のファクター
V1 : N/10過マンガン酸カリウム標準溶液使用量 (ml)
V2 : N/10硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液分取量 (25ml)
F2 : N/10過マンガン酸カリウム標準溶液のファクター
(13) /10過マンガン酸カリウム標準溶液 (3.161gKMnO4/l)調製・標定及び保存方法はJIS K 8006(試薬
の含量試験中滴定に関する基本事項)の2.(22)による。
(14) -フェナントロリン溶液 o-フェナントロリン(1水塩)3.0gをはかり取り,硫酸第一鉄アンモニウム
(6水塩)2.0gを含む水200mlに溶解する。
6.2.3 試料はかり取り量 試料は0.2gをはかり取る。
6.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取りビーカー (500ml) に移し入れ,時計ざらで覆い,王水20mlを加えて静かに加熱し
て分解した後,硫酸(1+1)20ml,りん酸10ml及びふっ化水素酸12ml(1)を加えて加熱蒸発し,硫酸
白煙を34分間発生させる(2)。
(2) 放冷後,温水約150mlを加えて加温し,塩類を溶解させた後(3),硝酸銀溶液10ml及び過硫酸アンモ
ニウム溶液2025mlを加え,35分間煮沸してクロムを重クロム酸に酸化する。もしマンガン含有
率が非常に少なく,過マガンン酸の呈色のない場合は,過マンガン酸カリウム溶液を加えて紅色を呈
するようにする。更に煮沸して過硫酸アンモニウムを分解させた後,塩酸(1+3)約5mlを加えて過マ
ンガン酸を分解する。溶液に過マンガン酸の呈色又は二酸化マンガンの沈殿が残存するときは,塩酸
(1+3)を更に23ml加えて煮沸し,これを完全に分解する。次に硫酸マンガン溶液5mlを加えて(4)2
3分間煮沸し,発生した塩素を完全に除去する。
(3) 冷水を用いて室温以下になるまで冷却した後,水を加えて液量を約300mlとし,とれにo-フェナント
ロリン溶液0.25ml及びN/10硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液を試料溶液が赤かっ色を呈し始めた後,
更に5ml程度が過剰になるよう正確に加え,直ちにN/10過マンガン酸カリウム標準溶液で滴定し,
赤かっ色から淡緑色に変わった点を終点とする。
6.2.5 計算 試料中のクロム含有率を,次の式によって算出する。
V1 V2 .0001734
クロム % 100
W
ここに V1 : N/10硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液使用量 (ml)
V2 : N/10過マンガン酸カリウム標準溶液使用量 (ml)
W : 試料はかり取り量 (g)
注(1) けい素を含まない試料の場合は,ふっ化水素酸を添加しなくてもよい。
(2) 濃厚な硫酸白煙を長時間発生させると,次の溶解操作が困難となるので注意が必要である。
(3) 試料の分解が不完全で残分が着色している場合は,少量のろ紙パルプを加えたろ紙(5種B)を
用いて沈殿をこし分け,硫酸(1+50)で洗浄する。この際のろ液及び洗液は主液として保存する。
沈殿はろ紙と共に白金るつぼに移し入れ,乾燥後強熱して灰化し,これに約10倍量のピロ硫酸
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カリウムを加えて加熱融解する。放冷後,融成物を少量の温水と硫酸(1+10)を用いて溶解し,
主液に合わせる。
(4) 備考による直接滴定を行う場合は,硫酸マンガン溶液の添加を省略することができる。
備考 滴定は直接滴定によってもよい。この場合には次のように操作する。
6.2.4(1)(2)の手順に従って操作した後,冷水を用いて室温以下になるまで冷却する。水を加
えて液量を約300mlとし,これにo-フェナントロリン溶液0.25mlを指示薬として加え,N/10
硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液で滴定し,溶液が赤かっ色に変わった点を終点とする。
この場合のクロム含有率は,次の式によって算出する。
V .0001734
クロム % 100
W
ここに V : N/10硫酸第一鉄アンモニウム標準溶液使用量 (ml)
W : 試料はかり取り量 (g)
7. ほう素定量方法
7.1 方法の区分 ほう素の定量方法は,水銀陰極電解分離−水酸化ナトリウム滴定法による。
7.2 水銀陰極電解分離−水酸化ナトリウム滴定法
7.2.1 要旨 試料を薄い硫酸で加熱分解し,過酸化水素水を加えて鉄その他を酸化する。更に過マンガン
酸カリウムで酸化した後,過酸化水素水を加えて生成した二酸化マンガンなどを分解する。冷却後水銀陰
極電解を行い,ニッケル,クロム,鉄などを分離する。電解残液は煮沸して二酸化炭素などを追い出し,
溶液のpHを正しく整えた後マンニットを加え,水酸化ナトリウム標準溶液で滴定を行い,元のpHにもど
った点を終点とする。
7.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 硫酸(1+3,1+9)
(2) 水酸化ナトリウム溶液 (4N) 水酸化ナトリウム溶液 (5N) 500mlに水酸化バリウム溶液 (6%) 100ml
を加えて混合し,1夜間静置してその上澄み液をサイホンで取り,ポリエチレンびんに保存する。
(3) 過酸化水素水(1+2)
(4) 水銀
(5) 過マンガン酸カリウム溶液(飽和,約7%)
(6) マンニット 水に溶解したときpHの変化のないものを用いる。
(7) 転化糖溶液 サッカロース (JIS K 8383) 200gを水600mlに加熱溶解後,硫酸(1+3)20mlを加え約30
分間加熱して転化させ,冷却後7.2.4(6)に準じて中和し,pHを6.80とする。この溶液を水で1lに薄め,
冷暗所に保存する。この溶液は,使用の都度pHが6.80であることを確認したうえで用いる。その使
用量は,マンニットの21量のサッカロース相当量でよい。
(8) /20水酸化ナトリウム標準溶液 (2)の水酸化ナトリウム溶液 (4N) 6mlを水で薄めて500mlとし,ポ
リエチレンびんに保存する。この溶液のファクターは,(9)の標準ほう素溶液の一定量 (20ml) を正し
く分取し,硫酸(1+5)5mlを加え,水で150mlとした後,7.2.4の(6)(7)の手順に従って操作し,N/20
水酸化ナトリウム標準溶液1mlに相当するほう素量を次の式によって算出する。
20 .0001
f
V
ここに f : N/20水酸化ナトリウム標準溶液1mlに相当するほう素量 (g)
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Z 3905-1976
V : N/20水酸化ナトリウム標準溶液使用量 (ml)
(9) 標準ほう素溶液 (1mgB/ml) 再結晶法で精製し乾燥したほう酸1.430gを水に溶解して正しく250ml
とする。
7.2.3 試料はかり取り量 試料は0.5gをはかり取る。
7.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取り三角フラスコ (300ml) に移し入れ,硫酸(1+9)15mlを加え,還流冷却器を付けて加
熱分解する(1)。
(2) 冷却後,過酸化水素水(1+2)45mlを徐々に加えて鉄などを酸化し,数分間煮沸して過剰の過酸化水
素を除去する。次に過マンガン酸カリウム溶液を過マンガン酸の着色を認めるまで滴加し,再び煮沸
する。
(3) 冷却後,過酸化水素水(1+2)を少量ずつ滴加し,二酸化マンガンなどの沈殿を分解し,更に煮沸して
過剰の過酸化水素を分解する。
(4) 溶液は冷却し,還流冷却器を水で洗って取り外し,なるべく少量の水で洗いながら水銀陰極電解そう
に移し入れ,液量を約80mlとする。水銀約20mlを加えて陰極とし,うず巻状白金陽極を用い,室温
で電圧約4V,電流約1.5Aで12時間電解を行う(2)。
(5) 電解が終われば,電流を通じたまま溶液をビーカー (300ml) に移し入れ,水で約150mlに薄めた後,
時計ざらを覆い約10分間煮沸して二酸化炭素などを完全に追い出す。
(6) 冷却後,pH計を用い溶液をかき混ぜながら水酸化ナトリウム溶液を注意して滴加してpHを6.06.5
とする。ビーカーの内壁を少量の水で洗浄し(3),次にN/20水酸化ナトリウム標準溶液を加え,pHを
正確に6.80に調節する。
(7) これにマンニット(4)約25gを加えて溶解し,再びN/20水酸化ナトリウム標準溶液を用いて滴定を行い,
pHが6.80にもどった点を終点とし,2度目に消費したN/20水酸化ナトリウム標準溶液の使用量を求
める。
7.2.5 計算 試料中のほう素含有率を,次の式によって算出する。
V 圀
ほう素 % 100
ここに V : N/20水酸化ナトリウム標準溶液使用量 (ml)
f : N/20水酸化ナトリウム標準溶液1mlに相当するほう素量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
注(1) 比較的低温(約150℃)で,長時間(2030分間)加熱すると分解が完全に行われる。
(2) 通常の電解装置を用いるときは12時間を要するが,この際,電解液に過マンガン酸の呈色を
認めてから更に約10分間電解を続け,着色が消えるまでとする。磁気水銀陰極電解装置を用い
た場合は,時間を短縮することができる。
(3) 必要に応じ溶液の一定量を分取した後,次の操作に移ることができる。この際のマンニットの
添加量は,適当に減じてよい。
(4) マンニットの代用として転化糖溶液を用いることができる。
――――― [JIS Z 3905 pdf 5] ―――――
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JIS Z 3905:1976の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.50 : ろう付け及びはんだ付け
JIS Z 3905:1976の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH0301:1997
- 非鉄金属地金のサンプリング,試料調製及び分析検査通則
- JISH0321:1973
- 非鉄金属材料の検査通則
- JISH2107:2015
- 亜鉛地金
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8006:1961
- 試薬の含量試験中滴定に関する基本事項
- JISK8383:2019
- スクロース(試薬)
- JISZ3265:1998
- ニッケルろう
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方