JIS H 8504:1999 めっきの密着性試験方法

JIS H 8504:1999 規格概要

この規格 H8504は、金属素地上に施した電気めっき及び化学めっきの密着性試験方法について規定。

JISH8504 規格全文情報

規格番号
JIS H8504 
規格名称
めっきの密着性試験方法
規格名称英語訳
Methods of adhesion test for metallic coatings
制定年月日
1984年11月1日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 2819:1980(MOD)
国際規格分類

ICS

25.220.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属表面処理 2021
改訂:履歴
1984-11-01 制定日, 1990-03-01 改正日, 1996-03-01 改正日, 1999-08-20 改正日, 2004-01-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS H 8504:1999 PDF [15]
H 8504 : 1999

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS H 8504-1996は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許権,実用新案権,又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる碓認について責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS H 8504 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 8504 : 1999

めっきの密着性試験方法

Methods of adhesion test for metallic coatings

序文 この規格は,1.適用範囲の備考に示す対応国際規格を元に,対応する部分についてはこれらの対応
国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,対応国際規格には規
定されていない規定項目を日本工業規格(日本産業規格)として追加している。
1. 適用範囲 この規格は,金属素地上に施した電気めっき及び化学めっきの密着性試験方法について規
定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 2819 : 1980 Metallic coatings on metallic substrates−Electrodeposited and chemically deposited
coatings−Review of method available for testing adhesion
参考 めっきの密着性試験方法は,定量的試験法もあるが,そのほとんどが定性的なものである。こ
のことは,めっき製品の品質管理の観点からすれば,十分なものとはいえないが,それぞれの
製品に適する試験方法を選定すれば,その試験によってめっきの密着性の限界を知ることはで
きる。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS B 4703 鉄工やすり
JIS B 4704 組やすり
JIS B 7721 引張試験機−力の検証方法
JIS B 7729 エリクセン試験機
JIS G 3502 ピアノ線材
JIS G 4401 炭素工具鋼鋼材
JIS H 0400 電気めっき及び関連処理用語
JIS R 6001 研削といし用研磨材の粒度
JIS R 6252 研磨紙
JIS Z 1522 セロハン粘着テープ
JIS Z 2201 金属材料引張試験片
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2247 エリクセン試験方法
JIS Z 3282 はんだ−化学成分及び形状

――――― [JIS H 8504 pdf 2] ―――――

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H 8504 : 1999
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS H 0400によるほか,次による。
被覆されているか又は被覆されるべきで,その被覆が主要な性能及び外
a) 有効面 (significant surface)
観にかかわる製品の表面。
4. 試験方法の種類 試験方法の種類は,次による。
なお,各種の試験方法に対するめっきの適用例を,付表1に示す。
a) 研削試験方法
1) やすり試験方法
2) と(砥)石試験方法
b) へらしごき試験方法
c) 押出し試験方法
d) エリクセン試験方法
e) ショットピーニング試験方法
f) バレル研磨試験方法
g) 引きはがし試験方法
1) テープ試験方法
2) はんだ付け試験方法
h) たがね打込試験方法
i) けい線試験方法
j) 曲げ試験方法
k) 巻付け試験方法
l) 引張試験方法
m) 熱試験方法
1) 加熱試験方法
2) 熱衝撃試験方法
n) 陰極電解試験方法
5. 試料
5.1 試料の取扱い 試料の取扱いは,素手で行わず,手袋を用いる。
5.2 試料の採取 試料は,製品の有効面から採取するか又は製品そのものとする。ただし,製品につい
ての試験又は判定が困難な場合は,これに代わる試料によってもよい。
なお,試料は,製品を代表(1)(2)できるものでなければならない。
注(1) 素材の組成,製造条件及びめっき前の仕上げの状態が製品と同様であることが望ましい。
(2) 前処理及びめっきは,製品と同一の浴及び同一の条件で行い,作業条件の影響が試料に反映す
るように,製品と同時に行うことが望ましい。
5.3 試料の大きさ 試料の大きさは,受渡当事者間の協定による。
5.4 試験面の処理 試験面は,その汚れに応じて適当な溶剤(3)を用いて処理する。
注(3) エチルアルコール,ベンジン,揮発油などの使用が望ましい。

――――― [JIS H 8504 pdf 3] ―――――

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5.5 試料の状態調節 試料は,試験開始前に,通常,温度23±2℃,相対湿度65%以下の室内又は恒温・
恒湿槽に放置して状態調節を行う。ただし,試験に支障がないと認められるときは,受渡当事者間の協定
によって省略してもよい。
6. 試験室の一般条件
6.1 試験場所 試験場所は,通常,温度23±2℃,相対湿度65%以下の室内とする。ただし,試験に支
障がないと認められるときは,受渡当事者間の協定によって適宜の場所で行ってもよい。
6.2 試験装置の整備 試験装置は,堅固な実験台に正しく据え,かつ,試験に伴う異常な動きを生じな
いように安定にする。また,使用する器具類は,常に一定の条件で使用できるように整備しておかなけれ
ばならない。
7. 判定方法 判定方法は,特に指定がない限り次による。
試験箇所を目視によって観察し,めっきのはく離又は膨れが明らかなときは,密着不良とする。
目視によって密着性の良否が判定し難いときは,試験箇所を4倍若しくは適宜な倍率の拡大鏡を用いて
観察し,めっきの密着性の良否を判定する。
なお,めっきの密着性の良否の判定が困難な場合は(4),受渡当事者間の協定によって他の試験方法で補
足してもよい。
注(4) 例えば,めっきの膨れか素材の欠陥か判定しにくいことがある。そのような場合は,めっきを
はく離することによっていずれかが判明する。
8. 記録 試験結果には,次の事項を記録する。
a) めっきの種類及びその条件
b) 試験方法の名称
c) 試験条件
d) 試験年月日
e) その他必要な事項
9. 研削試験方法
9.1 やすり試験方法
9.1.1 要旨 試料をやすりで削って,めっきの密着性を調べる試験方法である。
備考 やすりより硬い[HRC約62(HV約700)]クロムめっきや硬質ニッケルめっきなどのめっきに
は適用しない。
9.1.2 試験器具 試験に用いるやすりは,JIS B 4703又はJIS B 4704に規定する平形で中目のものを使用
する。
9.1.3 試料 試料は,5.による。
9.1.4 試験方法 試験方法は,次による。
a) 試料を移動しないように固定する。
b) めっき面に対して垂直に切断した試料の断面又は端面を,図1に示すように,素地の方向からめっき
面に対して45°の角度でやすりをかける。
9.1.5 判定方法 判定方法は,7.による。

――――― [JIS H 8504 pdf 4] ―――――

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図1 やすりがけの一例
9.2 と石試験方法
9.2.1 要旨 試料面をと石で研削して,めっきの密着性を調べる試験方法である。
備考 主に工業用クロムめっきのような硬質で厚いめっきに適用する。
9.2.2 装置及びと石 装置は,研削盤,携帯用研削盤又は卓上研削盤を用い,と石は,JIS R 6001に規定
する#60,結合度HMのものを使用する。
9.2.3 試料 試料は,5.による。
なお,試験面は,平面又は円筒形とする。
9.2.4 試験方法 試験方法は,次による。
a) 試料を研削盤に取り付けるか又は適当な器具で固定する。
b) 研磨と石の周速は1秒間に1033mとし,1回の切込み深さは5 下で研削油又は石けん水を十
分に使用しながら静かに研削する。研削しろは,少なくとも30 上とする。
なお,と石は,目詰まりしたものを使用してはならない。
備考 と石の代わりに,金属のこぎりを使用してもよい。
9.2.5 判定方法 試験箇所に異常があるかどうかを調べる。部分的にはく離又は膨れを生じた場合は,密
着不良とする。ときにはめっきに割れを生じることがあるが,研削方向と直角に小さい割れを生じたとき
は,密着不良とはみなさない。
10. へらしごき試験方法
10.1 要旨 試料面を金属又はめのう製のへらしごき用工具によって摩擦して,めっきの密着性を調べる
試験方法である。
備考 この試験は,極めて密着性の悪い皮膜を検出するだけであって,厳しい使用環境のもとで使用
されるめっき製品及び40 上の厚い皮膜には適用しない。
10.2 試験器具 適当なへらしごき用工具を使用する。へらしごき用工具としては,端部及び半球状に滑
らかにした直径6mmの鋼棒又はめのう製の歯科用へら(舌押し器)がある。
10.3 試料 試料は,5.による。
10.4 試験方法 試料表面の6cm2以下の面積を,へらしごき工具を使用し,約15秒間,素早く,均一に
摩擦する。押付け圧力は,各ストロークともめっきに光沢を与えるに十分なものとするが,めっきを切断
しないようにする。
10.5 判定方法 判定方法は,7.による。
11. 押出し試験方法
11.1 要旨 めっき面の裏側から貫通しない穴をあけ,押出し棒を挿入してめっき層を突き破り,破断部
のめっきの変化の状態から,めっきの密着性を調べる試験方法である。

――――― [JIS H 8504 pdf 5] ―――――

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