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JIS K 0229:1992 規格概要
この規格 K0229は、甲殻類,枝角目のオオミジンコ(Daphnia magna)又はミジンコ(Daphnia pulex)に対する化学物質,工場排水,表面水,地下水などによる遊泳阻害を試験する方法について規定。
JISK0229 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K0229
- 規格名称
- 化学物質などによるミジンコ類の遊泳阻害試験方法
- 規格名称英語訳
- Testing methods for determination of the inhibition of the mobility of Daphnia by chemicals
- 制定年月日
- 1992年8月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 6341:1989(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 07.080
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 環境測定 II 2021
- 改訂:履歴
- 1992-08-01 制定日, 2000-12-20 確認日, 2007-02-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS K 0229:1992 PDF [13]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 0229-1992
化学物質などによるミジンコ類の遊泳阻害試験方法
Testing methods for determination of the inhibition of the mobility of Daphnia by chemicals
1. 適用範囲 この規格は,甲殻類,枝角目のオオミジンコ (Daphnia magna) 又はミジンコ (Daphnia pulex)
(以下“ミジンコ類”という。)に対する化学物質,工場排水,表面水,地下水などによる遊泳阻害を試験
する方法について規定する。
備考1. 物質の毒性に関する生物の感受性は種によってかなり異なるため,この規格で求めたミジン
コ類に対する化学物質など水溶液中の物質の影響を他の種へ適用してはならない。
2. ISO 6341に規定された方法を,附属書に示す。
3. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7411 ガラス製棒状温度計(全浸没)
JIS K 0094 工業用水・工場排水の試料採取方法
JIS Z 8802 pH測定方法
4. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 6341-1989 Water quality−Determination of the inhibition of the mobility of Daphnia magna
Straus (Cladocera, Crustacea)
2. 用語の定義 この規格で用いる用語の定義は,次による。
(1) 試験原液 希釈して試験溶液を調製するために用いる化学物質,工場排水などの原液。
(2) 希釈水 所定の試験溶液を調製するために,試験原液を希釈するための水。
(3) 試験溶液 試験原液と希釈水を用いて調製した各試験区の供試水。
(4) 初期設定濃度 試験開始時設定した化学物質などの濃度,又は工場排水であれば希釈倍率。このとき,
24時間後における50%遊泳阻害される初期濃度を24h-EC(I)50とし,48時間後における50%遊泳阻
害の初期濃度を求めることもでき,このときは48h-EC(I)50と表す。
また,ミジンコ類の遊泳阻害率が100%である最低濃度と,0%である最高濃度を示すことが望まし
い。
(5) 遊泳阻害 化学物質などのミジンコ類への急性毒性を判定するために用いるもので,試験溶液を穏や
かにかき混ぜた後の15秒間に,触角が動いても遊泳できない状態。
3. 共通事項 試料水の採取については,JIS K 0094による。
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4. 測定方法の概要 実験室でミジンコ類を順化飼育しておき,化学物質などを加えて24時間後において
ミジンコ類の50%が遊泳阻害される初期設定濃度を求める。
5. 供試生物 試験に使用する生物は,ミジンコ類とする。
ミジンコ類は,試験に用いる希釈水とできるだけ同一の組成の水の中で,水温20±2℃,休眠卵が生じ
ない良好な条件下で飼育する。ミジンコ類の餌料は,培養した緑藻類などとする。
試験するときは,累代飼育した生後2週間以上のミジンコ雌成体を試験前日に新しく用意した容器に移
し,翌朝までに産出した幼体(生後24時間未満)を選別しておき供試生物とする。ピペット又はふるいな
どを用い成体と幼体を選別する。
供試生物として用いるミジンコ類の飼育法などは,次のとおりとする。
5.1 供試生物の入手 供試生物はミジンコ類とし,種が明確で経歴の明らかなミジンコを入手する。
5.2 飼育設備及び器具
(1) 温度 温度調節可能な恒温槽を利用するか,室温調節可能な場所を選ぶ。
(2) 照明 蛍光灯を用い照度1 0002 000lxが保てるようにし,タイマーで明暗周期を調節する。
(3) 飼育容器 表面積の大きい容器。
(4) 選別器具 成体と幼体を選別するには,ミジンコのサイズに合ったステンレス鋼製ふるいなどを用い
る。
また,ミジンコの移し替えにはスポイトなどを用いる。
(5) 餌料としての藻類などを培養するための器具 容器は三角フラスコなどの透明容器が好ましく,エア
コンプレッサーなどを用いて常時通気できるもの。照明は連続的に照射し,種に適切な照度を保つこ
とができる蛍光灯。
5.3 飼育法
(1) 環境条件
(a) 水温 20±2℃
(b) 飼育水 脱塩素した水道水(1),井戸水,又は合成水(2)。
(c) H pHは6.78.5とする。
(d) 溶存酸素濃度 飽和値の60%以上。
(e) 光 1 0002 000lxの照度で,照明時間は16時間/8時間の明暗周期。
(f) 餌料 緑藻(Selenastrum capricornutum,Scenedesmus quadricauda,Chiorella vulgarisなど),原生動
物(Chlamydomonas reinhardtiiなど),酵母などを与えると良好な繁殖性を示す。
(g) 餌料の培養法 緑藻類や原生動物の培養には適切な培地を調製し,連続培養を行う。餌料として使
用する場合は対数増殖期のものを遠心分離し希釈水に懸濁して与える。
(2) 単一株からの分離法 単為生殖によって繁殖しているミジンコの雌1個体を50100mlの容器に移し,
これから産出される幼体を累代飼育用とする。
(3) 累代飼育法 単一株からの分離法に従って得られたミジンコを容器に入れ,定期的に給餌しながら2
4週間飼育し,この間に産出した幼体(3回以降のものが望ましい。)を累代飼育用として残してい
く。この場合,生物密度が高くなると餌料不足や水質の劣化が生じ,繁殖率が低下するため定期的に
飼育水を交換する必要がある。
急激な温度変化を与えると繁殖率に影響が現れるので注意する。
注(1) ミジンコ類に対して有毒であることが知られている遊離塩素,重金属,アンモニア,農薬など
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を含んではならない。
(2) 調製法の一例を附属書の5.2に示す。
5.4 雌雄の判別法 第一触角の形態によって,判別する。雄では非常に発達したかぎ(鉤)状の触角で
あるのに対して,雌では極めて小さいのが特徴である。
6. 希釈水 特に異常な成分を含まない良質な井戸水若しくは脱塩素した水道水,又は的確な方法によっ
て一定量の試薬を蒸留水若しくは脱塩素した水道水に溶かして調製した合成水に溶存酸素が飽和するまで
通気したもの(3)。
注(3) 希釈水は,ミジンコ類を少なくとも48時間正常に遊泳させることができなければならない。
7. 器具及び装置 器具及び装置は,次のとおりとする。
(1) 恒温設備 恒温室又は恒温水槽で順化水槽,試験容器の水温を20±2℃に保つことができるもの。
(2) 順化水槽 表面積の大きい浅形の容器。容器はよく洗浄してから使用する。
(3) 試験容器 ガラス製の試験管又はビーカーで容量10100mlのもの。よく洗浄してから使用する。
(4) 溶存酸素計 温度補償回路を組み入れたもの。
(5) ガラス電柱pH計 JIS Z 8802に規定するII形以上のもの。
(6) 温度計 JIS B 7411に規定する50度のもの。
(7) 全硬度測定器具
8. 試験条件 試験条件は,次のとおりとする。
(1) 試験室の環境 試験はミジンコ類が正常に飼育できることが確認された環境で実施する。
(2) 水温 試験期間中,水温を20±2℃に調節する。
(3) 溶存酸素濃度 試験期間中,溶存酸素は飽和濃度の60%以上に保つ(4)。
(4) 供試生物の個体数と密度 一つの試験濃度区には最小20個体のミジンコ類を四つの試験容器に等分
して用いる。このとき密度が5個体/10mlを超えないようにする。
注(4) 生分解性の高い排水など特殊な試料で60%以上の飽和濃度の維持が困難な場合でも,2.0mg/l以
上の溶存酸素濃度が保たれねばならない。この場合には,並行して通気試験を行い,溶存酸素
濃度低下による影響を把握しておくことが望ましい。
9. 操作
9.1 試験原液と試験溶液の調製 排水などの採取方法及び試料の保存方法は,JIS K 0094による。
(a) 試料瓶には空間のないように採取した水を満たす。試験は採取後できるだけ速やかに行う。採取後
6時間以内に行うことができないときは採取場所で試料を冷却 (010℃) 保存する。このとき保存
剤を用いてはならない。試験には試料瓶から取り出した試料に希釈水を加えて所定の濃度とした試
験溶液を調製して用いる。
(b) 化学物質などの場合には,ガラス容器内で希釈水,蒸留水又はイオン交換水の一定量に溶かして試
験原液を調製する。化学物質などの水中安定性が不明の場合には試験原液は使用時に調製する。水
に難溶な物質の試験原液を調製する場合は,適切な手段を用いることができる。例えば,ミジンコ
類に対する毒性の低い溶媒などに溶かす。
(c) 試験では,希釈水に試験原液を加えて数種の段階濃度の試験溶液を調製し,試験区とする。試験溶
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液の上限濃度は,易水溶性のもので,1 000mg/lまでとする。試験原液が蒸留水又はイオン交換水に
よって調製されている場合には,試験溶液中での試験原液の割合が1%を超えないことが望ましい。
また,試験原液の調製に溶媒などを用いた場合には,試験溶液中での溶媒濃度は100mg/lを超え
てはならない。
(d) 試験区の他に,希釈水だけで調製した対照区を設ける。試験原液の調製に溶媒を用いた場合には,
試験溶液中での溶媒濃度が最高となる試験区と同じ溶媒濃度の対照区(溶媒対照区)も同時に設け
る。
9.2 予備試験 本試験で実施する試験濃度範囲を予備試験で定める。このために,試験溶液の濃度範囲
を広くとり,例えば,100%,10%,1%,0.1%又は100%,32%,10%,3.2%のように(対数値が等間隔
となる数列とする。)試料を希釈した試験区を設定して予備試験を行う。
予備試験によって24h-EC (I) 50[又は48h-EC (I) 50]の概略値を得る。
また,遊泳阻害率の0%と100%を示す濃度範囲と,ミジンコ類の異常な挙動を記録しておく。予備試験
の例を附属書の参考2に示す。
9.3 本試験 本試験では,試料濃度を対数値が等間隔となるように設定された連続3個以上の試験濃度
区が10%から90%の間の遊泳阻害率を与えるように,濃度範囲を選択することが望ましい。しかし,試料
濃度を対数値が等間隔となるように設定したときの対数値の間隔を0.3以下(濃度公比2以下)に設定し
ていれば,隣接2濃度区の遊泳阻害率が0%と100%であっても許容できる。対照区には,試験区と同じ数
と密度のミジンコ類を用いる。
本試験の例を附属書の参考2に示す。
試験開始時及び終了時に水温,pH,溶存酸素濃度などを測定する。測定はできるだけ速やかに,多くの
濃度区について行うことが望ましい。
9.4 判定
(1) 遊泳阻害の判定 容器内を穏やかにかき混ぜた後,たとえ,15秒間の観察期間中に触角を動かすこと
ができても,遊泳しないものを遊泳阻害とみなす。
(2) 対照試験の遊泳阻害率 対照試験におけるミジンコ類の遊泳阻害率が10%を超えないこと。
10. 計算 次の手順によって24h-EC(I)50を求める。
本試験終了後,用いたミジンコ類の全数との関係で,各濃度に対する遊泳阻害率を計算する。適切な統
計的手法(Probit法など)や対数正規確率方眼紙からの読み取りによって,24h-EC(I)50を決定する。
化学物質に用いた場合は,試験開始時から試験期間中にこの物質の分析を各濃度区別に実施されている
ならば,少なくとも開始時と終了時の2回,各濃度区別の実測値の平均値によって遊泳阻害濃度を算出し,
24h-EC50として併記する。
備考 分析回数が多い場合には,平均値のほかに,その標準偏差を求めることによって,実測値の信
頼性が増す。
この方法で48h-EC(I)50(又は48h-EC50)を算出することができ,また,100%遊泳阻害させ
る最低濃度と0%遊泳阻害させる最高濃度を決定することができる。
11. 試験報告
(1) 供試生物 和名と学名,生後24時間以内の幼体を使用したことを記録する。
(2) 希釈水 自然水,合成水の区分とpH,溶存酸素濃度,全硬度などの分析値。合成水を使用した場合は,
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その組成と調製方法。
(3) 試料の調製法
(a) 試料名(化学物質の場合は化学名。排水などの場合は採水場所,時刻など。)
(b) 化学物質,排水などの試験原液,試験溶液の調製法。
(c) 排水では,試料の前処理方法,保存方法,保存期間など。
(4) 試験方法 飼育方法も含む。
(5) 試験結果
(a) 24h-EC(I)50[必要に応じて48h-EC(I)50又は24h-EC50,48h-EC50]可能ならばその95%信頼限界,
有効数字は2けたとする。
(b) 24時間(必要に応じて48時間)の濃度に対する遊泳阻害率(可能ならば100%遊泳阻害させる最低
濃度と0%遊泳阻害させる最高濃度)
(c) 試験条件下でのミジンコ類の異常な挙動(中毒症状など)
(d) 試験開始時及び終了時に行った溶存酸素濃度,pH,水温などの測定値
(6) 結果に影響を及ぼしたと考えられる事象
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JIS K 0229:1992の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6341:1989(MOD)
JIS K 0229:1992の国際規格 ICS 分類一覧
- 07 : 自然科学及び応用科学 > 07.080 : 生物学.植物学.動物学
JIS K 0229:1992の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7411:1997
- 一般用ガラス製棒状温度計
- JISK0094:1994
- 工業用水・工場排水の試料採取方法
- JISZ8802:2011
- pH測定方法