JIS K 3603:1990 細胞凍結保存用プラスチック製容器

JIS K 3603:1990 規格概要

この規格 K3603は、バイオテクノロジー関連分野において,細胞を園性質を変化させることなく,-80℃以下で凍結保存するために用いるプラスチック製容器について規定。

JISK3603 規格全文情報

規格番号
JIS K3603 
規格名称
細胞凍結保存用プラスチック製容器
規格名称英語訳
Plastic vials for frozen storage and ultra low-temperature preservation
制定年月日
1990年4月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

07.100.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1990-04-01 制定日, 1996-01-01 確認日, 2002-01-20 確認日, 2006-10-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS K 3603:1990 PDF [7]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 3603-1990

細胞凍結保存用プラスチック製容器

Plastic Vials for Frozen Storage and Ultra Low−Temperature Preservation

1. 適用範囲 この規格は,バイオテクノロジー関連分野において,細胞をその性質を変化させることな
く,−80℃以下で凍結保存するために用いるプラスチック製(1)容器(以下,容器という。)について規定す
る。
注(1) ポリエチレン,ポリプロピレンなど。
備考 この規格の中で [{}] を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参考
として併記したものである。
引用規格 :
JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析のための通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0512 水素
JIS K 1107 高純度窒素
JIS K 3600 バイオテクノロジー用語
JIS K 8101 エタノール (99.5) [エチルアルコール (99.5) ](試薬)
JIS Z 9031 ランダム抜取方法
2. 用語の意味 この規格に用いる用語の意味は,JIS K 0114(ガスクロマトグラフ分析のための通則),
JIS K 0211[分析化学用語(基礎部門)]及びJIS K 3600(バイオテクノロジー用語)によるほか,次によ
る。
(1) 滅菌 微生物を殺滅又は除去すること。
(2) 放射線滅菌法 放射性同位元素を含む線源からのガンマ線などの放射線照射によって行う滅菌。
(3) エチレンオキシド滅菌法 エチレンオキシドを含むガスによって行う滅菌。
(4) 電子線滅菌法 電子線照射によって行う滅菌。
3. 種類 容器の種類は,滅菌製品及び未滅菌製品とし,滅菌製品は滅菌法によって3種類とする。
(1) 滅菌製品
(a) 放射線滅菌法によるもの。
(b) エチレンオキシド滅菌法によるもの。
(c) 電子線滅菌法によるもの。
(2) 未滅菌製品
4. 品質 容器の性質は,次のとおりとする。

――――― [JIS K 3603 pdf 1] ―――――

2
K 3603-1990
(1) 外観 肉まわりが平均しており,きず,ひび割れが認められないこと。
(2) 耐低温性 6.2によって試験を行い,異常が認められないこと。
(3) 無菌性 滅菌製品については6.3によって試験を行い,無菌であること。
(4) 残留エチレンオキシド 6.4によって試験を行い,残留エチレンオキシドの値は,受渡当事者間の協定
によること。
(5) 耐放射線 ガンマ線など放射線照射製品については,品質に著しい経時変化が認められないこと。
(6) 密封性 密封性がよいこと。
5. 構造及び寸法
5.1 構造 有栓で,円筒形又はアンプル状で溶封できる構造であること。
備考1. “つば”付きのものでもよい。“つば”付き容器の例を図1に示す。
図1 “つば”付き容器の一例
2. 密封方式による構造の分類は,次のとおりである。
(a) パッキン,リングなどを用いた構造のもの。
(b) パッキン,リングなどを用いない構造のもの。
(c) 溶封できる構造のもの。
5.2 寸法 容器の寸法は表による。
表 寸法
単位 mm
呼び 外径
呼び
容量 A形 B形 高さ
記号
(ml) (“つば”付きのもの)(“つば”なしのもの)
1号 0.5
2号 1.0
10.5±0.5 125. 5.00.1 2550
3号 1.2
4号 1.5
5号 2.0 10.5±0.5 125. 5.00.1 3863
6号 3.5
5.00.1
7号 4.0 10.5±0.5 125. 63100
8号 5.0
6. 試験方法

――――― [JIS K 3603 pdf 2] ―――――

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K 3603-1990
6.1 試料の採取 試料の採取は,JIS Z 9031(ランダム抜取方法)によって行う。
6.2 耐低温性試験方法 耐低温性試験方法は,次のとおりとする。
(1) 試料容器に容量の21の水を入れる。
(2) その容器を液化窒素が入ったジュワ−瓶(2)の気相中に72時間放置する。
(3) その後,容器を取り出し,直ちに37℃の水(3)に浸せき(漬)する。
(4) 容器内の氷が完全に解凍したら取り出し,容器の異常の有無を観察する。
注(2) 熱の遮断を有効に行える保存容器であること。ガラス製でなくてもよい。
(3) 容器の大きさに対して,十分な量の水であること。
6.3 無菌性試験方法 日本薬局方の無菌試験法に準じる(参考参照)。
6.3.1 培地及びその調製法
(1) 培地の組成(4) 日本薬局方に規定するもの。
注(4) 調製後の培地は必ず密閉状態に保ち,調製後3週間以上経過したものは用いない。
なお,無菌試験用チオグリコール酸培地I,ぶどう糖・ペプトン培地には,市販品がある。た
だし,これを用いるときは毎回性能試験を行わなければらない。
(2) 調製法
(a) 細菌試験用 日本薬局方の規定による。
(b) 真菌試験用 日本薬局方の規定による。
6.3.2 操作 試料容器に6.2.1で調製した無菌試験用培地を容量の21程度加え容器にふたをした後,細菌
の場合には3032℃で少なくとも7日間,真菌の場合には2025℃で少なくとも10日間ふ卵器中で培養
する。
6.3.3 判定 日本薬局方の規定による。
6.4 残留エチレンオキシド試験方法
6.4.1 概要 試料を細断し抽出容器に入れ,プロピレンオキシドエタノールを加え振り混ぜ,残留エチレ
ンオキシドを抽出し,抽出液についてガスクロマトグラフによって定量を行う。
6.4.2 測定装置・器具及び試薬
(1) 測定装置・器具
(a) ガスクロマトグラフ 水素炎イオン化検出器 (FID) 付きのもの。
(b) 抽出容器 気密性ガラス容器で容量100ml(5)のもの。
注(5) 例えば,図2に示すようなヘッドスペースボトルが用いられる。

――――― [JIS K 3603 pdf 3] ―――――

4
K 3603-1990
図2 ヘッドスペースボトル(一例)
(2) 試薬
(a) エタノール JIS K 8101〔エタノール (99.5) [エチルアルコール (99.5) ](試薬)〕に規定するも
の。
(b) エチレンオキシドエタノール溶液(100 最一 低温室でエチレンオキシド(6)約1gを1mgのけた
まではかりとり,全量フラスコ100mlに入れ,エタノールを加えて100mlにする。この溶液10ml
を全量フラスコ1 000mlにとり,エタノールで1 000mlにする。
(c) プロピレンオキシドエタノール溶液(200 最一 低温室でプロピレンオキシド(7)約2gを1mgの
けたまではかりとり,全量フラスコ100mlに入れ,エタノールを加えて100mlにする。この溶液10ml
を全量フラスコ1 000mlにとり,エタノールで1 000mlにする。
注(6) エチレンオキシドは沸点10.7℃の低沸点化合物であるから,エチレンオキシドの揮散を防ぐた
め,雰囲気温度を5℃以下に保ち操作を行う。エチレンオキシドエタノール溶液は,市販品のも
のを用いることもできる。
(7) プロピレンオキシドの沸点は35℃であるから,低温室で操作することが望ましい。プロピレン
オキシドエタノール溶液は,市販品を用いてもよい。
6.4.3 分析方法
(1) 試料の調製方法 容器を包装から取り出し5mm角くらいの大きさに切り,その約5gを1mgのけたま
ではかりとり,内標準物質として,6.4.3(3)(b)で作成した検量線の範囲に入るような濃度のプロピレン
オキシドエタノール溶液(200 最一 8)50mlを加えた抽出容器に入れ,70℃で少なくとも6時間恒温振
とう機で振とう後(9),冷蔵庫内(10)に放置する。
注(8) プロピレンオキシドエタノール溶液(200 最一 をエタノールで適宜希釈して用いる。
(9) 材質,厚さ,残存量によって抽出時間は異なるので,予備実験によって,6時間振とうで十分
抽出が行われているかを確認する。
(10) 検量線の作成の場合と同一温度を保つ。
(2) 分析条件 分析条件は機器によって異なるので,最適となる分析条件を選び定量を行う。一例を次に
示す。
分析条件の一例
(a) カラム用管 内径34mm,長さ3mのガラス管又はステンレス鋼管

――――― [JIS K 3603 pdf 4] ―――――

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K 3603-1990
(b) カラム充てん剤 酸洗浄した白色けい藻土担体(粒径177250 にポリエチレングリコール20M
を約20%被覆したもの。
参考 白色けい藻土担体は,クロモソルブWなどの名で市販されている。
(c) カラム槽温度 40℃
(d) 試料注入口温度 120℃
(e) 検出器 水素炎イオン化検出器
(f) キャリヤーガス JIS K 1107(高純度窒素)に規定する特級の窒素で,流量40ml/min
(g) 燃料ガス JIS K 0512(水素)に規定する1級の水素で,58.8kPa [{0.6kgf/cm2}]
(h) 助燃ガス 空気で98.1kPa [{1.0kgf/cm2}]
(3) 操作
(a) 定量 (1)で調製した抽出容器中の気相部分のガス10.5mlを(2)で最適の条件に設定したガスクロ
マトグラフに導入し,得られたクロマトグラムからエチレンオキシドのピーク面積とプロピレンオ
キシドのピーク面積の比を求め,検量線からエチレンオキシド濃度( 最一柿 を求める。
(b) 検量線の作成 抽出容器に6.4.2(2) (b)のエチレンオキシドエタノール溶液5mlをとり,プロピレン
オキシドエタノール溶液を,混合液中のエチレンオキシド (EO) とプロピレンオキシド (PO) の濃
度比 (EO/PO) が1.0, 0.8, 0.5, 0.2, 0.1になるように加えた後,全量が50mlになるようにエタノール
を加える。この抽出容器を70℃,6時間加温し冷蔵庫に放置した後,抽出容器の気相部分のガス1ml
を(2)で最適条件に設定したガスクロマトグラフに導入し,得られたクロマトグラムから横軸にエチ
レンオキシド濃度とプロピレンオキシド濃度比 (EO/PO) とを,縦軸にエチレンオキシドのピーク
面積とプロピレンオキシドのピーク面積の比をとって検量線を作成する。
7. 包装 最小包装単位の容器の包装材料には,取扱い中又は輸送中に破れない材質のものを用いる。
8. 表示 容器の外箱又は内包装に,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称及び呼び記号
(2) 材質
(3) 種類
(4) 滅菌法(滅菌製品の場合)
(5) 製造業者名又はその略号
(6) ロット番号
(7) 滅菌年月
9. 取扱い上の注意 容器の取扱いに当たっては,次の事項に注意する。
(1) オートクレーブで滅菌する場合は,変形を防ぐため,キャップを緩めて,121℃で行う。この際荷重が
かからないよう注意する。
(2) エチレンオキシド滅菌をした容器を使用する場合は,エチレンオキシドの残存量を減少させるため,
包装したまま箱から出して2週間ほど放置して使用することが望ましい。
(3) 細胞保存に使用した容器及び内容物の廃棄に当たっては,環境汚染のないよう注意して処理する。
(4) 容器を液化窒素に浸せきすると,内容物へのコンタミネーションのおそれがあり,また容器内に侵入・
残存した液化窒素が急速解凍時に急膨張して爆発するおそれがあるので注意する。

――――― [JIS K 3603 pdf 5] ―――――

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