JIS M 8129:1994 鉱石中のコバルト定量方法

JIS M 8129:1994 規格概要

この規格 M8129は、鉱石中のコバルト定量方法について規定。コバルト定量方法が規定されている鉱石には適用しない。

JISM8129 規格全文情報

規格番号
JIS M8129 
規格名称
鉱石中のコバルト定量方法
規格名称英語訳
Ores -- Methods for determination of cobalt
制定年月日
1952年12月24日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

73.060.01
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属分析 II 2019
改訂:履歴
1952-12-24 制定日, 1955-11-25 確認日, 1958-11-25 確認日, 1962-01-01 改正日, 1966-04-01 確認日, 1969-06-01 確認日, 1972-06-01 確認日, 1975-06-01 確認日, 1976-03-01 改正日, 1979-03-01 確認日, 1981-03-01 改正日, 1988-02-01 確認日, 1994-07-01 改正日, 1999-11-20 確認日, 2005-02-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS M 8129:1994 PDF [12]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
M 8129-1994

鉱石中のコバルト定量方法

Ores−Methods for determination of cobalt

1. 適用範囲 この規格は,鉱石中のコバルト定量方法について規定する。ただし,他の日本工業規格(日本産業規格)で
コバルト定量方法が規定されている鉱石には適用しない。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS M 8083 ばら積み非鉄金属浮選精鉱のサンプリング方法
JIS M 8101 非鉄金属鉱石のサンプリング,試料調製及び水分決定方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 一般事項 定量方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0113,JIS K 0115及びJIS K 0121によ
る。
3. 分析試料の採り方及び取扱い方
3.1 試料の採取と調製 試料の採取と調製は,JIS M 8083及びJIS M 8101による。
3.2 試料のはかり方 試料のはかり方は,次による。
(1) 試料のはかり採りに際しては,試料をよくかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また,異物が混
入していないことを確かめなければならない。
(2) 試料は,105±5℃に調節されている空気浴に入れて乾燥し,2時間ごとに空気浴から取り出し,デシ
ケーター中で常温まで放冷する。乾燥は,乾燥減量が2時間につき0.1% (m/m) 以下になるまで繰り
返す。ただし,硫化物などを含有するため変質しやすい試料の乾燥条件(温度,時間など)は,受渡
当事者間の協議による。
(3) 試料のはかり採りには,原則として化学はかりを用いる。
4. 分析値の表し方及び操作上の注意
4.1 分析値の表し方 分析値の表し方は,次による。
(1) 分析値は質量百分率で表し,JIS Z 8401によって小数点以下第3位に丸める。
(2) 分析は,同一分析室において2回繰り返して行い,これらの差が室内許容差(以下,許容差という。)
以下のとき,その平均値を求め,JIS Z 8401によって小数点以下第2位に丸めて報告値とする。
(3) 2回繰り返して行った分析値の差が許容差を超えるときは,改めて2回の分析をやり直す。

――――― [JIS M 8129 pdf 1] ―――――

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M 8129-1994
(4) 許容差は,表1による。
表1 許容差(1)
単位 % (m/m)
定量方法 コバルト含有率の区分 許容差
(繰返し)
1-ニトロソ-2-ナフトール分離 0.5 以上 10 以下 0.150
酸化コバルト (III) 重量法
0.1 以上 3 未満 0.035
イオン交換分離電位差滴定法 3 以上 7 未満 0.075
7 以上 20 以下 0.150
0.01 以上 0.05 未満 0.005
ニトロソR塩吸光光度法 0.05 以上 0.2 未満 0.010
0.2 以上 0.5 以下 0.020
0.01 以上 0.05 未満 0.005
原子吸光法 0.05 以上 0.2 未満 0.010
0.2 以上 1.0 以下 0.020
注(1) 2個の分析値が二つのコバルト含有率の区分にまたがるときは,2個の分析値の
平均値の該当する区分の許容差を適用する。
4.2 分析操作上の注意 分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,測定値を補正しなければな
らない。
5. 定量方法
5.1 定量方法の区分 鉱石中のコバルト定量方法は,次のいずれかによる。
(1) 1-ニトロソ-2-ナフトール分離酸化コバルト (III) 重量法 この方法は,コバルト含有率0.5% (m/m) 以
上10% (m/m) 以下の試料に適用する。
(2) イオン交換分離電位差滴定法 この方法は,コバルト含有率0.1% (m/m) 以上20% (m/m) 以下の試料
に適用する。
(3) ニトロソR塩吸光光度法 この方法は,コバルト含有率0.01% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下の試料に
適用する。
(4) 原子吸光法 この方法は,コバルト含有率0.01% (m/m) 以上1% (m/m) 以下の試料に適用する。
5.2 1-ニトロソ-2-ナフトール分離酸化コバルト (III) 重量法
5.2.1 要旨 試料を硝酸及び塩酸で分解し,硫酸を加え加熱して濃縮し,硫酸の白煙を発生させる。塩酸
を加えて可溶性塩を溶解し,硫化水素ガスを通じて銅,ひ素などを沈殿させ,ろ過する。ろ液を煮沸して
硫化水素ガスを揮散させ,硝酸で鉄などを酸化した後,アンモニア水及び塩酸で微酸性とし,酸化亜鉛乳
を加えて鉄などを沈殿させ,ろ過する。ろ液を塩酸酸性とした後,1-ニトロソ-2-ナフトール溶液を加え,
コバルトを沈殿させてこし分け,乾燥灰化後,酸化コバルト (III) としてその質量をはかる。
5.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 塩酸 (1+1)
(3) 硝酸
(4) ふっ化水素酸
(5) 臭化水素酸
(6) 硫酸 (1+1)

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(7) 硝硫混酸(水4+硝酸4+硫酸2)
(8) アンモニア水 (1+1)
(9) 臭素
(10) 硫化水素
(11) 塩酸洗浄溶液 塩酸 (1+20) に硫化水素を飽和させる。
(12) 酸化亜鉛乳状液 酸化亜鉛約50gを水約300mlに加え,よく振り混ぜる。
(13) 1-ニトロソ-2-ナフトール溶液 1-ニトロソ-2-ナフトール1gを酢酸25mlに加熱溶解し,水25mlを加
え,約1時間静置後乾燥ろ紙を用いてろ過したもの。この溶液は使用の都度調製する。
(14) メチルオレンジ溶液 (1g/l)メチルオレンジ0.1gを温水100mlに溶解し,冷却後ろ過したもの。
5.2.3 試料はかり採り量 試料はかり採り量は,コバルト含有率に応じて表2によって0.1mgのけたまで
はかる(2)。
表2 試料はかり採り量
コバルト含有率 試料はかり採り量
% (m/m) g
0.5以上 3未満 0.5 2
3 以上 10以下 0.250.5
注(2) 試料は,コバルト量がなるべく1030mg程度になるようにはかり採る。
5.2.4 操作
5.2.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり採り,ビーカー (200300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸1020mlを加え,静か
に加熱して分解する(3)。
(2) 激しい反応が終わってから塩酸1020mlを加え,引き続き加熱して分解する(4)。
(3) 硫酸 (1+1) 1020mlを加えて加熱蒸発し,硫酸の白煙を十分に発生させる(5)。
(4) 放冷後,水約50ml及び塩酸1520mlを加え,加熱して可溶性塩を溶解した後,ろ紙(5種B)を用
いてろ過し,温水で十分に洗浄する(6)。
注(3) 酸化鉱又は焼鉱などの場合には,試料をはかり採った後,塩酸1020mlを加えて加熱し,さら
に硝酸1020mlを加える。
(4) 硫化鉱などを分解した場合,析出した硫黄の分解が不十分な場合には,少量の臭素を加えると
よい。
(5) 試料中に多量のひ素,アンチモン,すず又はセレンを含み,以後の定量操作に対する影響が無
視できないときは,放冷後,水約5ml及び臭化水素酸510mlを加え,加熱蒸発して硫酸の白
煙を十分に発生させる。少し放冷後,硫酸 (1+1) 510ml及び臭化水素酸510mlを加え,再
び加熱蒸発して硫酸の白煙を十分に発生させる。この操作を行う場合には,容量300400ml
のビーカーを用い,強熱を避けて飛散しないよう特に注意する必要がある。
(6) 残さ中にコバルトが含まれる場合には,少量の水を用いて残さを白金皿(50番)に洗い移し,
硫酸 (1+1) 約5ml,硝酸約5ml及びふっ化水素酸510mlを加え,加熱して硫酸の白煙を十分
に発生させて二酸化けい素を揮散させ,乾固近くまで濃縮する。放冷後,少量の水を加えて溶
解し,元のろ紙(5種B)を用いてろ過し,温水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液は主液に合わ
せるか,又は主液に合わせずに5.4若しくは5.5のいずれかによってコバルトを定量して補正す
る。

――――― [JIS M 8129 pdf 3] ―――――

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5.2.4.2 コバルトの分離 コバルトの分離は,次の手順によって行う。
(1) ろ液及び洗液はビーカー (300ml) に受け,加熱して液温を約80℃とし,硫化水素ガスを十分に通じ,
銅,ひ素などを沈殿させ,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,塩酸洗浄溶液で数回洗浄する。
(2) ろ液及び洗液はビーカー (500ml) に受け,加熱し,硫化水素臭がなくなるまで煮沸を続ける。硝酸5ml
を加え,さらに数分間煮沸した後,水で液量を約200mlとする。
(3) 放冷後かき混ぜながら,アンモニア水を鉄,アルミニウムなどの沈殿が生じる直前まで加え,液量を
水で約300mlとする。
(4) この溶液をかき混ぜながら,酸化亜鉛乳状液を少量ずつ加えて鉄などを完全に沈殿させ,さらに少過
剰加え(7),しばらく放置して沈殿を沈降させた後,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,冷水で数回洗浄
する。ろ液及び洗液は合わせてビーカー (500800ml) に受け,塩酸5mlを加え,加熱濃縮して主溶
液として保存する。
(5) 沈殿は,温水で元のビーカーに洗い移し,できるだけ少量の温塩酸 (1+1) を加えて加熱溶解し,水
で約200mlとする。この溶液に再び(4)の手順にしたがって酸化亜鉛乳状液を加えて再沈殿操作(8)を行
い,ろ液と洗液は(4)の主液に合わせる。
(6) この全溶液を加熱濃縮(9)して液量約300mlとし,煮沸近くまで加熱する。この溶液をかき混ぜながら,
1-ニトロソ-2-ナフトール溶液2060ml(10)を加え,7080℃の温所に2時間以上静置して沈殿を熟成
させた後,ろ紙(5種C)を用いてこし分け,温水で数回洗浄する。
(7) 沈殿は,ろ紙と共に磁器るつぼ(PC1又は2)に移し入れて乾燥した後,始めは弱く加熱して炭化物
を焼失させ,次に750800℃に強熱して灰化する。
(8) 放冷後,内容物を水でビーカー (500ml) に洗い移し保存する。磁器るつぼには硫酸 (1+1) 5ml及び塩
酸2mlを加え,加熱して十分に白煙を発生させる。磁器るつぼに付着した酸化コバルト (III) を分解
した後放冷し,水約5mlを加え,加熱して可溶性塩を溶解する。この溶液を先に保存しておいたビー
カー (500ml) に洗い移し,硫酸 (1+1) 1015ml及び塩酸5mlを加え,加熱して十分に白煙を発生さ
せる。放冷後,少量の水を加え,加熱して可溶性塩を溶解して未分解物のないことを確かめた後(11),
さらに水を加えて液量約50mlとする。
(9) この溶液にメチルオレンジ溶液1, 2滴を指示薬として加え,アンモニア水で溶液の色が赤色から黄色
になるまで中和する。次に塩酸5mlを加え水で液量を約300mlとし,煮沸近くまで加熱する。この溶
液をかき混ぜながら,1-ニトロソ-2-ナフトール溶液を2060ml(10)加え,7080℃の温所に2時間以
上静置して沈殿を熟成させた後,ろ紙(5種C)を用いてこし分け,冷水で数回,次に塩酸 (1+1) と
冷水とを交互に用いて数回洗浄した後,温水で十分に洗浄する。
注(7) 酸化亜鉛が過剰になると,その上澄み液が白濁を呈する。
(8) 沈殿中にコバルトが残存するおそれのあるときは,さらにこの操作を繰り返すか,又は塩酸に
溶解した後,5.4若しくは5.5のいずれかによってコバルトを定量して補正する。
(9) もし沈殿が認められたときは,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,冷水で数回洗浄して除去する。
(10) 1-ニトロソ-2-ナフトール溶液の使用量は,コバルト含有量0.01gにつき通常約20mlの割合とす
る。
(11) 分解が不十分で,未分解物が認められる場合には,さらに硫酸 (1+1) 1015ml及び塩酸5ml
を加えて加熱白煙処理を繰り返す。
5.2.4.3 ひょう量 ひょう量は,次の手順によって行う。
(1) 5.2.4.2(9)で得た沈殿は,ろ紙と共に質量既知の磁器るつぼ(12)(PC1又は2)に移し入れ,乾燥した後,

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始めは弱く加熱して炭化物を焼失させ,次に750800℃(13)で恒量となるまで強熱した後,デシケー
ター中で放冷してその質量をはかる。
注(12) 磁器るつぼは,約800℃で2時間以上強熱し,デシケーター中で放冷してその質量をはかったも
のを用いる。
(13) 強熱温度は,900℃を超えると酸化コバルト (III) が一般化コバルトに変わる傾向があるので注
意を要する。
5.2.5 空試験 試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。
5.2.6 計算 試料中のコバルト含有率を,次の式によって算出する。
(W1 W2 ) .07342
CO 100
m
ここに, Co : コバルト含有率 [% (m/m) ]
W1 : 酸化コバルト (III) の入っているるつぼの質量 (g)
W2 : るつぼの質量 (g)
m : 試料はかり採り量 (g)
5.3 イオン交換分離電位差滴定法
5.3.1 要旨 試料を硝酸及び塩酸で分解後,硫酸を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させる。水で可溶性
塩を溶解し,ろ過した後,加熱して蒸発乾固させる。塩酸を加え,加熱して溶解した後,イオン交換カラ
ムに通してコバルトを吸着させる。次に塩酸を通してマンガンなどを除去した後,希塩酸を通してコバル
トを溶離させる。これに硝酸及び硫酸を加え,加熱蒸発し,硫酸の白煙を発生させる。水を加え,加熱し
て溶解し,くえん酸アンモニウム及びアンモニア水を加えた後,白金及び飽和カロメル電極を用い,ヘキ
サシアノ鉄 (III) 酸カリウム標準溶液で電位差滴定を行う。
5.3.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 塩酸 (2+1, 1+2, 1+100)
(3) 硝酸
(4) ふっ化水素酸
(5) 臭化水素酸
(6) 硫酸 (1+1)
(7) アンモニア水
(8) アンモニア水 (7+100)
(9) 臭素
(10) くえん酸アンモニウム溶液 くえん酸(1水塩)300gを水約500mlに溶解し,冷却しながらリトマス
試験紙などを用い,アンモニア水を加えて中和した後,水で1 000mlとしたもの。
(11) /30ヘキサシアノ鉄 (III) 酸カリウム標準溶液 ヘキサシアノ鉄 (III) 酸カリウム11gを水に溶解し
て1 000mlとしたもの。この溶液の標定は,次のようにして行う。
標準コバルト溶液50mlを正確に,ビーカー (300ml) に分取し,くえん酸アンモニウム溶液100ml
を加えた後5.3.5.3(1)以降の手順にしたがって操作し,電位差滴定を行い,ヘキサシアノ鉄 (III) 酸カ
リウム標準溶液1ml当たりのコバルト相当量を,次の式によって求める。
G
f
V

――――― [JIS M 8129 pdf 5] ―――――

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