JIS M 8130:1996 規格概要
この規格 M8130は、鉱石中のアンチモン定量方法について規定。他の日本工業規格でアンチモン定量方法が規定されている鉱石には適用しない。
JISM8130 規格全文情報
- 規格番号
- JIS M8130
- 規格名称
- 鉱石中のアンチモン定量方法
- 規格名称英語訳
- Methods for determination of antimony in ores
- 制定年月日
- 1952年11月25日
- 最新改正日
- 2016年9月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 73.060.01
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 金属分析 II 2019
- 改訂:履歴
- 1952-11-25 制定日, 1955-11-25 確認日, 1958-11-25 確認日, 1961-11-25 確認日, 1962-08-01 改正日, 1966-04-01 確認日, 1969-06-01 確認日, 1972-06-01 確認日, 1975-06-01 確認日, 1976-03-01 改正日, 1979-03-01 確認日, 1984-04-01 確認日, 1984-12-01 改正日, 1990-07-01 確認日, 1996-05-01 改正日, 2000-09-20 確認日, 2005-10-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認日, 2016-09-20 改正
- ページ
- JIS M 8130:1996 PDF [12]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
M 8130-1996
鉱石中のアンチモン定量方法
Methods for determination of antimony in ores
1. 適用範囲 この規格は,鉱石中のアンチモン定量方法について規定する。ただし,他の日本工業規格(日本産業規格)
でアンチモン定量方法が規定されている鉱石には適用しない。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS M 8083 ばら積み非鉄金属浮選精鉱のサンプリング方法
JIS M 8101 非鉄金属鉱石のサンプリング,試料調製及び水分決定方法
JIS M 8132 鉱石中のひ素定量方法
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8402 分析・試験の許容差通則
2. 一般事項 定量方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0116及びJIS K 0121の規定による。
3. 分析試料の採り方及び取扱い方
3.1 試料の採取及び調製 試料の採取及び調製は,JIS M 8083又はJIS M 8101の規定による。
3.2 試料の取扱い方 試料の取扱い方は,次による。
(1) 試料のはかり採りに際しては,試料をよくかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また,異物が混
入していないことを確かめなければならない。
(2) 試料は,105±5℃に調節されている空気浴に入れて乾燥し,2時間ごとに空気浴から取り出し,デシ
ケータ中で常温まで放冷する。乾燥は,乾燥減量が2時間につき0.1% (m/m) 以下になるまで繰り返
す。ただし,変質しやすい試料の乾燥条件(温度,時間など)は,受渡当事者間の協議による。
(3) 試料のはかり採りには,原則として化学はかりを用いて規定された量を0.1mgのけたまではかり採る。
4. 分析値の表し方及び操作上の注意
4.1 分析値の表し方 分析値の表し方は,次による。
(1) 分析値は,質量百分率で表し,JIS Z 8401の規定によって小数点以下第3位(1)に丸める。
(2) 分析は,同一分析室において2回繰り返し行い,これらの差が室内再現許容差以下のときは,その平
均値を求め,JIS Z 8401の規定によって小数点以下第2位(1)に丸めて報告値とする。
――――― [JIS M 8130 pdf 1] ―――――
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M 8130-1996
(3) 2回繰り返して行った分析値の差が室内再現許容差を超えるときは,JIS Z 8402の6.4.2(適用方式A)
の規定による。
(4) 許容差は,表1による。
注(1) 誘導結合プラズマ発光分光法及び水酸化鉄共沈分離誘導結合プラズマ発光分光法でアンチモン
含有率1% (m/m) 未満の試料を定量したときは,分析値を小数点以下第4位に丸める。この場合,
平均値は小数点以下第3位に丸めて報告値とする。
表1 許容差(2)
単位 % (m/m)
定量方法 区分 室内再現許容差
硫化アンチモン沈殿分離過マ 1 以上 10未満 0.150
ンガン酸カリウム滴定法 10以上 40未満 0.200
40以上 70以下 0.300
過マンガン酸カリウム滴定法 50以上 70以下 0.250
水酸化鉄共沈分離原子吸光法0.01以上 0.2未満 0.010
未満
0.2 以上 1 0.020
1 以上 5以下 0.100
誘導結合プラズマ発光分光法 0.002以上 0.2未満 0.010
0.2以上 1 未満 0.020
1 以上 5 以下 0.100
0.002以上 0.2未満
水酸化鉄共沈分離誘導結合プ 0.010
ラズマ発光分光法 0.2 以上 1 未満 0.020
1 以上 5 以下 0.100
注(2) 2個の分析値が二つの区分にまたがるときは,2個の分析値の平均
値の該当する区分の許容差を適用する。
4.2 分析操作上の注意 分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,測定値を補正する。
5. 定量方法の区分 鉱石中のアンチモン定量方法は,次のいずれかによる。
(1) 硫化アンチモン沈殿分離過マンガン酸カリウム滴定法 この方法は,アンチモン含有率1% (m/m) 以
上70% (m/m) 以下の試料に適用する。
(2) 過マンガン酸カリウム滴定法 この方法は,アンチモン含有率50% (m/m) 以上70% (m/m) 以下では
かり採った試料中の銅が0.1mg以下,クロム,チタン,バナジウム,モリブデン及びタングステンの
合計量が1mg以下の試料に適用する。
(3) 水酸化鉄共沈分離原子吸光法 この方法は,アンチモン含有率0.01% (m/m) 以上5% (m/m) 以下の試
料に適用する。
(4) 誘導結合プラズマ発光分光法 この方法は,アンチモン含有率0.002% (m/m) 以上5% (m/m) 以下の試
料に適用する。
(5) 水酸化鉄共沈分離誘導結合プラズマ発光分光法 この方法は,アンチモン含有率0.002% (m/m) 以上
5% (m/m) 以下の試料に適用する。
6. 硫化アンチモン沈殿分離過マンガン酸カリウム滴定法
――――― [JIS M 8130 pdf 2] ―――――
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M 8130-1996
6.1 要旨 試料を硝酸と硫酸とで分解し,加熱して硫酸の白煙を発生させた後,ろ紙片を加えて加熱し,
ひ素及びアンチモンを還元する。塩類を水と塩酸とで溶解した後,硫化水素を通じて硫化ひ素などを沈殿
させ,ろ過する。ろ液に水を加えて塩酸濃度を調整した後,再び硫化水素を通じて硫化アンチモンを沈殿
させ,ろ過する。沈殿は硫酸で溶解し,ろ紙片を加え加熱して硫酸の白煙を発生させ,更に強熱してアン
チモンを還元する。水,塩酸及び亜硫酸水を加えて加熱し,一部酸化したアンチモンを還元するとともに,
過剰の亜硫酸を除去する。空気を吹き込んで,一部還元した銅を酸化した後,過マンガン酸カリウム標準
溶液で滴定する。
6.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 塩酸 (3+2,1+1)
(3) 硝酸
(4) 硫酸 (1+1)
(5) 水酸化ナトリウム溶液 (10g/l)
(6) 亜硫酸水(飽和)
(7) 硫化水素
(8) 硫化水素水(飽和)
(9) 硫化水素洗浄液 硫酸 (1+20) に硫化水素を通じて飽和させる。
(10) 硫化ナトリウム溶液 硫化水素水(飽和)250mlに水酸化ナトリウム溶液 (200g/l) 50mlを加える。
(11) 硫化ナトリウム洗浄液 硫化ナトリウム溶液を水で50倍に薄める。
(12) 硫酸カリウム
(13) 0.02mol/l過マンガン酸カリウム標準溶液 調製及び保存方法は,JIS K 8001の4.5(7)による。この溶
液1mlはアンチモン約0.006gに相当するが,標定は次のようにして行う。
アンチモン[99.99% (m/m) 以上]0.2gを0.1mgのけたまではかり採り,ビーカー (400ml) に移し
入れ,硫酸20mlを加え強熱して分解し,ビーカーの内壁などに遊離した硫黄を認めなくなるまで強
熱を続ける。放冷後,水5060mlを加えた後,塩酸 (1+1) 30mlを加え,かき混ぜた後,温水で液量
を約200mlとし,加熱して二,三分間穏やかに煮沸する。以下,6.4.3(3)の手順に従って操作して滴定
を行い,過マンガン酸カリウム標準溶液1mlに相当するアンチモン量を,次の式によって算出する。
f G
V
ここに, f : 過マンガン酸カリウム標準溶液1mlのアンチモン相当量 (g)
G : アンチモンはかり採り量 (g)
V : 過マンガン酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)
6.3 試料はかり採り量 試料のはかり採り量は,アンチモンの含有率に応じて表2による。
表2 試料はかり採り量
アンチモン含有率 試料はかり採り量
% (m/m) g
1以上 10未満 1
10以上 40未満 0.6
40以上 70以下 0.30.4
6.4 操作
6.4.1 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
――――― [JIS M 8130 pdf 3] ―――――
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M 8130-1996
(1) 試料をはかり採り,ビーカー (200300ml) に移し入れ,硝酸1015mlを加え,時計皿で覆い,穏や
かに加熱して分解する。激しい反応が終わった後,硫酸 (1+1) 40ml及び硫酸カリウム約3gを加え,
引き続き加熱して,硫酸の白煙を十分に発生させる(3)。
(2) 次いで,ろ紙の小片(4)を加え,加熱を続けて,溶液の色が無色となるまで強熱する。
(3) 放冷後,水30mlで時計皿の下面及びビーカー内壁を洗い時計皿を取り除き,塩酸50mlを加え,かき
混ぜて可溶性塩を溶解する(5)。
注(3) 硝酸が残存すると,以後の操作でアンチモンの還元が不十分となる。
(4) ろ紙の小片は,ひ素及びアンチモンを還元するために加えるもので,通常径9cmのろ紙(5種
B) (JIS P 3801) の81161を細くちぎって用いる。
(5) 硫化水素によるひ素とアンチモンの分離には,一定の塩酸濃度を必要とする。この溶液の塩酸
と水との容量比は,原則として3 : 2とする。
6.4.2 アンチモンの分離 アンチモンの分離は,次のいずれかによる。
6.4.2.1 試料中の銅及び/又はカドミウムの含有率が少ない場合
(1) 6.4.1(3)で得た溶液に硫化水素ガスを激しく通じて飽和させ,ひ素,大部分の銅などを硫化物として沈
殿させる。静置して沈殿を沈降させた後,あらかじめ塩酸 (1+1) で洗浄したろ紙(5種B)(6)を用い
てろ過し,塩酸 (1+1) で十分に洗浄して(7)(8),ろ液及び洗液はビーカー (800ml) に受ける。
(2) ろ液及び洗液は,熱水を加えて液量を約600ml(9)とし,液温を7080℃に保ちながら硫化水素を十分
飽和するまで通じ,硫化アンチモンを沈殿させる。温所に約1時間静置して沈殿を熟成させた後,ろ
紙(5種B)を用いてろ過し,温硫化水素洗浄液 [6.2(9) ] で十分に洗浄する。
(3) ろ紙上の沈殿は,温水でビーカー (400ml) に洗い移す。ろ紙上に残った沈殿は,水酸化ナトリウム溶
液を滴加して溶解し温水で洗浄する。溶解液及び洗液は,元のビーカー (800ml) に受け,振り混ぜて
ビーカー壁に付着している沈殿を溶解した後,水を用いて主沈殿を洗い移したビーカー (400ml) に合
わせる。
注(6) ろ紙(5種B)は漏斗に取り付けた後,塩酸 (1+1) で洗浄しておく。
また,ろ過時間を短縮するために,次のパルプろ過器を用いることができる。
ガラス製漏斗に有孔磁製板を取り付け,ろ紙(5種B)を用いて作ったろ紙パルプ液を注ぎ入
れて図1に示すとおりとし,これに塩酸 (3+2) を注ぎ入れて,磁製板より下に泡が存在しない
ように塩酸 (3+2) を満たした状態で用いる。
――――― [JIS M 8130 pdf 4] ―――――
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M 8130-1996
図1 パルプろ過器の例
(7) 洗浄の終了は,最後の洗液の一部を取り,約5倍量の硫化水素水を加え,硫化アンチモンが生
成しないことによって確認する。ただし,このとき硫化アンチモンが生成した検液は,主液に
合わせる。
(8) この沈殿及び残物中にアンチモンが含まれる場合は,8.の水酸化鉄共沈分離原子吸光法,9.の誘
導結合プラズマ発光分光法又は10.の水酸化鉄共沈分離誘導結合プラズマ発光分光法によって
沈殿中のアンチモン量を求め補正する。
(9) 熱水の添加量は,少なくともろ液及び洗液の合量の4倍量とする。この際,熱水の代わりに熱
硫化水素水を加えてもよい。この場合には,硫化水素ガスを通じる操作を省略することができ
る。
6.4.2.2 試料中の銅及び/又はカドミウムの含有率が多い場合
(1) 6.4.2.1(1)及び(2)による。
(2) ろ紙上の沈殿は,温水で元のビーカー (800ml) に洗い移し,温硫化ナトリウム溶液 [6.2(10) ] 100ml
を加え水で液量を約200mlとした後,約30分間約80℃に加熱して硫化アンチモンを溶解する。
(3) 元のろ紙を用いてろ過し,温硫化ナトリウム洗浄液 [6.2.(11) ] で十分洗浄し,ろ液及び洗液はビーカ
ー (800ml) に受ける(10)。
(4) 塩酸 (1+1) を加えて中和し,更に過剰に50mlを加えた後,温水で液量を400mlとし,硫化水素を激
しく通じて飽和させ,硫化アンチモンを沈殿させる。温所に約1時間静置して沈殿を熟成させた後,
ろ紙(5種B)を用いてろ過し,温硫化水素洗浄液 [6.2(9) ] で十分に洗浄する。
(5) 以下6.4.2.1(3)による。
注(10) ろ紙上に残った沈殿中にアンチモンが含まれる場合は,8.の水酸化鉄共沈分離原子吸光法,9.
の誘導結合プラズマ発光分光法又は10.の水酸化鉄共沈分離誘導結合プラズマ発光分光法によ
って沈殿中のアンチモン量を求め補正する。
なお,注(8)の操作を行う場合は,両方の沈殿及び残さを合わせて操作してもよい。
6.4.3 アンチモンの滴定
(1) 6.4.2.1(3)又は6.4.2.2(5)で得た溶液に硫酸 (1+1) 3040ml及びろ紙の小片(11)を加え,加熱して硫酸の
――――― [JIS M 8130 pdf 5] ―――――
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JIS M 8130:1996の国際規格 ICS 分類一覧
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JIS M 8130:1996の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISM8083:2001
- 銅,鉛及び亜鉛硫化精鉱―サンプリング及び水分決定方法
- JISM8101:1988
- 非鉄金属鉱石のサンプリング,試料調製及び水分決定方法
- JISM8132:1992
- 鉱石中のひ素定量方法
- JISP3801:1995
- ろ紙(化学分析用)
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402-6:1999
- 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)―第6部:精確さに関する値の実用的な使い方