JIS R 1672:2006 長繊維強化セラミックス複合材料の示差走査熱量法による比熱容量測定方法

JIS R 1672:2006 規格概要

この規格 R1672は、セラミックス長繊維及びセラミックス母材によって構成される長繊維強化セラミックス複合材料の比熱容量を,示差走査熱量法によって室温から1 273K(1 000℃)まで測定する方法について規定。

JISR1672 規格全文情報

規格番号
JIS R1672 
規格名称
長繊維強化セラミックス複合材料の示差走査熱量法による比熱容量測定方法
規格名称英語訳
Determination of specific heat of fiber-reinforced ceramics composite by differential scanning calorimetry methods
制定年月日
2006年10月20日
最新改正日
2016年10月20日
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

81.060.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
ファインセラミックス 2018
改訂:履歴
2006-10-20 制定日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS R 1672:2006 PDF [15]
                                                                                   R 1672 : 2006

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日
本工業規格である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS R 1672には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定)校正用の純物質及び標準物質
附属書2(規定)比熱容量の参照データ
附属書3(規定)等温ベースラインの不一致を考慮した解析方法
附属書4(規定)試料容器質量の補正方法

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS R 1672 pdf 1] ―――――

R 1672 : 2006

pdf 目 次

ページ

  •  1. 適用範囲・・・・[1]
  •  2. 引用規格・・・・[1]
  •  3. 定義・・・・[1]
  •  4. 測定法の概要・・・・[2]
  •  5. 測定装置及び器具・・・・[2]
  •  5.1 示差走査熱量計・・・・[2]
  •  5.2 ガス流量計・・・・[2]
  •  5.3 化学天びん・・・・[2]
  •  6. 試験試料の準備・・・・[3]
  •  7. 示差走査熱量計の校正・・・・[3]
  •  8. 測定方法・・・・[4]
  •  8.1 共通事項・・・・[4]
  •  8.2 測定の順番・・・・[4]
  •  8.3 空容器の測定・・・・[4]
  •  8.4 参照試料の測定・・・・[5]
  •  8.5 試験試料の測定・・・・[5]
  •  9. 比熱容量の算出・・・・[5]
  •  9.1 一般・・・・[5]
  •  9.2 DSC曲線の解析・・・・[5]
  •  9.3 等温ベースラインの不一致を考慮した解析・・・・[6]
  •  9.4 試料容器質量の補正・・・・[6]
  •  9.5 平均化処理・・・・[6]
  •  10. 数値の丸め方・・・・[6]
  •  11. 報告・・・・[6]
  •  附属書1(規定)校正用の純物質及び標準物質・・・・[8]
  •  附属書2(規定)比熱容量の参照データ・・・・[9]
  •  附属書3(規定)等温ベースラインの不一致を考慮した解析方法・・・・[12]
  •  附属書4(規定)試料容器質量の補正方法・・・・[13]

――――― [JIS R 1672 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
R 1672 : 2006

長繊維強化セラミックス複合材料の示差走査熱量法による比熱容量測定方法

Determination of specific heat of fiber-reinforced ceramics composite by differential scanning calorimetry methods

1. 適用範囲

 この規格は,セラミックス長繊維及びセラミックス母材によって構成される長繊維強化セ
ラミックス複合材料の比熱容量を,示差走査熱量法によって室温から1 273 K(1 000 ℃)まで測定する方
法について規定する。ただし,測定機器は入力補償DSC,熱流束DSCのいずれかの示査走査熱量計を対
象とし,定速昇温の連続加熱法による測定を規定する。

2. 引用規格

 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0129 熱分析通則
JIS K 7121 プラスチックの転移温度測定方法
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
JIS Z 8401 数値の丸め方

3. 定義

 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0129,JIS R 1600によるほか,次による。
a) SC 示差走査熱量法(differential scanning calorimetry)又は示差走査熱量計(differential scanning
calorimeter)。JIS K 0129 c) 及びo) を参照。
b) SC信号 DSCで直接測定される信号で,熱流束DSCでは熱起電力差又は熱入力差,入力補償DSC
では補償エネルギー差又は熱入力差。
c) SC曲線 所定の温度制御に従って得られたDSC信号の時間又は温度に対する変化。
d) 熱入力差 DSCの試料容器側と参照容器側とに流入する単位時間当たりの熱エネルギーの差。ただし
入力補償DSCでは等価な単位時間当たりの補償エネルギーの差。
e) 連続加熱法 試料を定速昇温で連続的に加熱しDSC信号を得る方法。
f) 3ステップ温度制御 初段の等温制御,中段の定速昇温制御,終段の等温制御からなる連続加熱法に
用いる温度制御。
g) 昇温速度(b) 3ステップ温度制御の中段の定速昇温における単位時間当たりの昇温の割合。
h) 等温ベースライン 初段又は終段の等温制御下の定常状態で得られるDSC曲線。
i) 仮想ベースライン 中段の定速昇温制御で得られるDSC信号のゼロ点を与える仮想的ベースライン。
j) 試験試料片 セラミックス複合材料から切り出された,DSCの比熱容量測定のための試料片。
k) 参照試料片 DSCの比熱容量測定で用いる参照用の試料片。

――――― [JIS R 1672 pdf 3] ―――――

2
R 1672 : 2006
l) 比熱容量(Cp) 定圧比熱容量のこと。単位質量当たりの物質・材料の温度を定圧下で1 K上昇させ
るのに必要な熱エネルギー。
m) 基準単位体積(Vu) セラミックス複合材料の周期構造を反映した最小単位体積で,試料片の代表性を
評価する基準となる単位体積。

4. 測定法の概要

 この規格では,入力補償DSCと熱流束DSCとを原理的に等価なものとして扱い,3
ステップ温度制御による連続加熱法に基づきセラミックス複合材料の比熱容量をDSCによって測定する
方法について規定する。ただし,セラミックス複合材料の不均質性を考慮し,基準単位体積に比べて十分
大きな試験試料片が得られる場合と得られない場合とで,試料片の準備及び測定データ処理の方法を区別
する。また,DSC曲線の等温ベースラインが一致しない場合の解析方法を附属書3に,試料容器質量の補
正方法については附属書4に,それぞれ規定する。

5. 測定装置及び器具

5.1 示差走査熱量計

 図1に示すように,試料側と参照側とに二つの容器ホルダーをもつ基本的な構造
と,それらのホルダーの熱容量が同等で,かつ,同一な熱交換条件で加熱及び冷却が可能な機能とをもつ
ものとする。ただし,その計測制御方法の違いから,熱流束DSCでは両ホルダーの温度差に比例する単位
時間当たりの熱エネルギーの入力差を測定し,入力補償DSCでは温度を等しく保つために両ホルダーに加
える単位時間当たりの熱エネルギーの入力差を測定するものとする。次に主な仕様を示す。
a) 昇温速度 毎分1020 Kの範囲の一定の速度で昇温でき,その再現性は毎分±0.1 Kとする。
備考 等温制御に要求される安定性は温度範囲によって異なるが,室温で±0.5 K,1 273 Kで±1 K程
度である。
b) ガス流入装置 ガス流入装置は,試料の周りに毎分1050 mlの範囲の一定流量でガスを導入できる
構造とする。
c) 試料容器 試料容器は,測定条件下で試料及び雰囲気によって侵されることのない熱伝導率の高い材
料とする。
d) データ記録装置 DSC曲線を0.5秒以下のサンプリング間隔でディジタル又はアナログのいずれかの
方式で自動記録でき,この規格に規定する比熱容量算出法が適用できるデータ形式で記録データを出
力できる装置を用いる。

5.2 ガス流量計

 ガス流量計は,ガス種の違いに応じて毎分1050 mlの範囲の流量を測定できる能力
を必要とする。

5.3 化学天びん

 化学天びんは,感量0.01 mg以上とする。

――――― [JIS R 1672 pdf 4] ―――――

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R 1672 : 2006
(a) 熱流束DSC
(b) 入力補償DSC
図 1 DSCの基本構成

6. 試験試料の準備

 試験試料の準備は,次による。
a) 試験試料の基準単位体積Vuを見積もる。
備考 セラミックス複合材料の立体的周期構造を反映した3軸方向の繰り返し長さlx,ly,lzからVu= lx・
ly・lzと見積もるのが妥当である。
b) 試料容器に適合する試料片を切断加工する。具体的には,試料容器(通常,内径56 mmで深さ2 mm
程度)内部の底面積比にして60 %以上の接触面積が確保された,厚さが一定の薄板状試料片を作製
する。形状は円形,方形のいずれでもよい。
c) )で得られた試料片の体積Vtとa)で求めた基準単位体積Vuとを比較する。Vt ≧ 5Vuの場合には,試
験試料片として測定に用いる。ただし,Vt<5Vuの場合には,次の二つの選択を可能とする。
1) 整数倍の試験試料片(Vt=4Vu,3Vu,2Vu,Vu)を1個用意し,測定に使用する。
2) 複数個の試験試料片(Vt<5Vu)を作製し,全測定の平均値を使用する。
d) 材料は受領時の状態で加工に,また,試料片は作製時の状態で測定に用いることを基本とするが,加
工・測定に先立ち熱処理,機械的処理などを施した場合は報告する。
備考 作製した試験試料片が多孔性の場合,主に水分子を中心とした吸着分子の脱着現象に伴う吸熱
が,測定に不確かさを生じる場合があり,これが明らかに予見される場合には,加工・分析に
先立ち加熱脱着処理を行う必要がある。

7. 示差走査熱量計の校正

 熱流束DSC,入力補償DSCのいずれの装置においても,温度校正を次の要
領で必要な周期で行う。また,比熱容量を決めるための装置の感度校正を,次の要領で比熱容量標準物質

――――― [JIS R 1672 pdf 5] ―――――

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