JIS Z 3082:1995 アルミニウムのT形溶接部の超音波探傷試験方法

JIS Z 3082:1995 規格概要

この規格 Z3082は、厚さ5mm以上のアルミニウム及びアルミニウム合金板の完全溶込みT形溶接部に対して,パルス反射法による基本表示の探傷器を用いて行う超音波探傷試験方法について規定。

JISZ3082 規格全文情報

規格番号
JIS Z3082 
規格名称
アルミニウムのT形溶接部の超音波探傷試験方法
規格名称英語訳
Methods of ultrasonic examination for T type welds of aluminium plates
制定年月日
1988年11月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

25.160.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
溶接 I(基本) 2021, 溶接 II(製品) 2021, 非破壊検査 2020
改訂:履歴
1988-11-01 制定日, 1995-02-01 改正日, 2001-03-20 確認日, 2006-03-25 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS Z 3082:1995 PDF [10]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 3082-1995

アルミニウムのT形溶接部の超音波探傷試験方法

Methods of ultrasonic examination for T type welds of aluminium plates

1. 適用範囲 この規格は,厚さ5mm以上のアルミニウム及びアルミニウム合金板(以下,アルミニウ
ムという。)の完全溶込みT形溶接部に対して,パルス反射法による基本表示の探傷器を用いて行う超音
波探傷試験方法について規定する。
なお,試験結果の分類方法を附属書に規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS G 0801 圧力容器用鋼板の超音波探傷検査方法
JIS Z 2300 非破壊試験用語
JIS Z 2345 超音波探傷試験用標準試験片
JIS Z 2350 超音波探触子の性能測定方法
JIS Z 2352 超音波探傷装置の性能測定方法
JIS Z 3080 アルミニウムの突合せ溶接部の超音波斜角探傷試験方法
JIS Z 3871 アルミニウム溶接部の超音波探傷試験の技術検定における試験方法及び判定基準
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 2300によるほか,次による。
(1) 振動子の等価寸法 試験体中へ屈折通過した超音波の進行方向から見たときの見掛けの振動子寸法。
[ ]を用いて,実寸法と区別する。
(2) きずの指示長さ 探触子の移動距離によって測定したきずの見掛けの長さ。
3. 試験技術者 超音波探傷試験を行う技術者は,JIS Z 3871に基づくF種試験に合格した者又はこれと
同等以上の技量をもつ者とする。
4. 試験方法の種類 溶接部の試験方法は,原則として図1に示す開先を取ったT1材からの斜角探傷と,
開先を取らないT2材からの垂直探傷とを併用する。
なお,必要に応じて,T2材からの斜角探傷を実施することができる。

――――― [JIS Z 3082 pdf 1] ―――――

2
Z 3082-1995
図1 試験対象となる溶接部
5. 探傷装置の使用条件
5.1 探傷器の使用条件
5.1.1 増幅直線性 増幅直線性は,JIS Z 2352の4.1(増幅直線性)によって測定し,±3%とする。
5.1.2 時間軸の直線性 時間軸の直線性は,JIS Z 2352の4.2(時間軸直線性)によって測定し,±1%と
する。
5.1.3 感度余裕値 感度余裕値は,JIS Z 2352の4.3(垂直探傷の感度余裕値)によって測定し,40dB以
上とする。
5.1.4 使用条件の確認 5.1.15.1.3の使用条件については,JIS Z 2352によって,装置の使用開始時及
び12か月ごとに確認する。
5.2 斜角探触子の使用条件
5.2.1 周波数 公称周波数は5MHz,試験周波数は4.55.5MHzとする。
5.2.2 振動子及び屈折角 振動子の寸法及びアルミニウム中での公称屈折角は,表1に示すものを使用す
る。
なお,公称屈折角と探傷屈折角の差は,±2°とする。
表1 斜角探触子の振動子の寸法と公称屈折角
振動子の寸法 mm 公称屈折角
等価寸法 40°
[5×5] 45°
[10×10] 50°
実寸法 55°
5×5 60°
10×10 65°
70°
5.2.3 ビーム中心軸の偏り ビーム中心軸の偏りは,JIS Z 2350の13.1(ビーム中心軸の偏りと偏り角)
によって測定し,読取り単位1°で測定して,この角度が2°を超えないものとする。
5.3 一振動子及び二振動子垂直探触子の使用条件
5.3.1 周波数 公称周波数は5MHz,試験周波数は4.55.5MHzとする。
5.3.2 形式及び振動子寸法 表2に示す種類の形式と振動子寸法を使用する。
表2 垂直探触子の形式と振動子寸法
形式 振動子寸法 mm
一振動子形 こ は
二振動子形 は5×5

――――― [JIS Z 3082 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
Z 3082-1995
5.3.3 二振動子垂直探触子の使用条件 JIS G 0801の附属書2(二振動子垂直探触子用感度設定試験片)
によって測定し,交軸点の深さl0の値が8mm以上12mm以下とする。
5.4 標準試験片 (STB) 及び対比試験片 (RB)
5.4.1 標準試験片 標準試験片は,JIS Z 2345に規定するSTB-A1,STB-A3又はSTB-A31を使用する。
5.4.2 対比試験片 対比試験片は,JIS Z 3080に規定するRB-A4AL又は図2の対比試験片 (RB-N4AL) を
使用する。
図2 対比試験片 (RB-N4AL) の形状
備考 B : 対比試験片の幅 (B≧0.3T)
L : 対比試験片の長さ (L≧1.2T)
T : 対比試験片の厚さ,34 (t2+W)≦T≦4t2
RB-N4ALの標準穴の直径は,原則として5.0mmとする。対比試験片は,試験体又は試験体と超音波特
定の近似したアルミニウムで作製する。
なお,図2に規定する以外の位置に標準穴を追加してもよい。
5.4.3 標準試験片及び対比試験片の種類と用途 標準試験片及び対比試験片の種類と用途は,表3による。
表3 標準試験片及び対比試験片の種類と用途
種類 用途
STB-A1 斜角探触子の入射点の測定,斜角探傷における測定範囲の調整
STB-A3 斜角探触子の入射点の測定,斜角探傷における測定範囲250mm
又はSTB-A31 以下の場合の調整
RB-A4AL 斜角探触子の屈折角の測定,斜角探傷における距離振幅特性曲線
の作成及び探傷感度の調整,垂直探傷における測定範囲の調整
RB-N4AL 垂直探傷における測定範囲の調整,距離振幅特性曲線の作成及び
探傷感度の調整
5.5 接触媒質 接触媒質には,グリセリン水溶液,グリセリンペースト又はこれと同等の性質をもつも
のを使用する。
6. 探傷試験の準備

――――― [JIS Z 3082 pdf 3] ―――――

4
Z 3082-1995
6.1 試験部の形状・寸法の測定 試験部(熱影響部を含む。)においては,母材の厚さ及び溶接部の形状
(脚長,溶接角変形など)を測定し,記録する。特に,T2材の探傷面上でT1材の取付け位置が分かるよ
うにしておく。
6.2 探触子の選定
6.2.1 斜角探傷に使用する探触子 T1材からの斜角探傷に使用する探触子は,表4による。基本となる
探傷は,公称屈折角70°とし,特に開先面の融合不良などの検出を目的とするときは,開先形状を考慮し
て決定する。
また,振動子寸法は,使用するビーム路程によって表5による。
表4 斜角探傷に使用する探触子
対象とするきず 公称屈折角( 一
全般 70°
開先面の融合不良 90− 愀 1)°に最も近い表1の公称屈折角
表裏面に開口したきず 45°(母材の厚さが40mm以下の場合は
70°でもよい。)
注(1) 愀 °) : ベベル角
表5 探触子の振動子の寸法
単位 mm
ビーム路程 振動子の寸法
50以下 [5×5] 又は5×5
50を超え100以下 [5×5],[10×10],5×5又は10×10
100を超えるもの [10×10] 又は10×10
なお,必要に応じてT2材からの斜角探傷を行う場合に使用する探触子は,公称屈折角40°又は45°と
し,振動子寸法は,使用するビーム路程によって表5による。
6.2.2 垂直探傷に使用する探触子 T2材からの垂直探傷に使用する探触子は,表6による。
表6 垂直探傷に使用する探触子
T2材の厚さt2 mm 使用探触子
15以下 二振動子
15を超え25以下 垂直探触子 一振動子
25を超え60以下 垂直探触子
60を超え80以下
80を超えるもの 一振動子
垂直探触子
6.3 超音波特性の違いによる感度補正量の測定 試験体と対比試験片の超音波特性の違いによる感度補
正量 探傷に使用する探触子及びそれと同じ形式の斜角探触子を用いて,次のように求める。
懿攀 愀 dB)
ここに, 試験体と対比試験片の伝達損失量の差
懿 試験体と対比試験片の減衰係数の差
lmax : 探傷に使用する最大のビーム路程
6.4 装置の調整 装置の調整は,次による。
(1) 斜角探傷における装置の調整は,JIS Z 3080の5.4(装置の調整)による。
(2) 垂直探傷における測定範囲の調整は,RB-A4AL又はRB-N4ALを用いて行う。
6.5 距離振幅特性曲線の作成

――――― [JIS Z 3082 pdf 4] ―――――

                                                                                              5
Z 3082-1995
6.5.1 斜角探傷の場合 距離振幅特性曲線の作成は,JIS Z 3080の5.5(距離振幅特性曲線の作成)によ
る。
6.5.2 垂直探傷の場合 距離振幅特性曲線の作成は,次による。
(1) 距離振幅特性曲線の作成には,RB-N4AL及び探傷に使用する探触子を用いる。
(2) 使用するビーム路程の範囲内で,距離振幅特性曲線の高さが90%以下で,かつ,10%以上になるよう
に作成する。
7. 探傷方法
7.1 基準レベル及び評価レベル
7.1.1 基準レベル 基準レベルは,JIS Z 3080に規定するRB-A4AL及びRB-N4ALの直径5.0mmの標準
穴からのエコー高さのレベルに6.3に示した感度補正量を加えて基準レベルとし,HRLで表す。ただし,直
径2.0mmの標準穴を使用する場合は,横穴の径の違いによる感度補正量を−4dBとする。
7.1.2 評価レベル エコー高さによってきずを評価するため,6.5に規定した距離振幅特性曲線を基準レ
ベルとして,表7に示すA,B及びCの3種類の評価レベルを設ける。
表7 評価レベルとエコー高さのレベル
評価レベルの種類 エコー高さのレベル
A評価レベル HRL−12dB
B評価レベル HRL−18dB
C評価レベル HRL−24dB
7.2 評価レベルの指定 試験の目的に応じて,A評価レベル,B評価レベル又はC評価レベルのいずれ
かを指定する。
7.3 探傷面及び走査範囲
7.3.1 T1材からの斜角探傷 探傷面及び走査範囲は,試験体の母材の厚さによって(1)(3)のように定め
る。ただし,対象とするきずが,開先面の融合不良の場合は,開先面を垂直に近い方向からねらうことの
できる探傷面及び探触子位置を選定すればよいものとする。
(1) 母材の厚さが40mm以下の場合,片面から直射法及び一回反射法によって探傷する[図3(a)参照]。
(2) 母材の厚さが40mmを超え80mm以下の場合,両面から直射法によって探傷する[図3(b)参照]。た
だし,溶接部の形状などによって,特に,一回反射法による探傷が必要な場合は,対象とするきずの
存在が予想される位置に,超音波が十分に伝搬することを確認した上で,片面から直射法及び一回反
射法によって探傷してもよい。
(3) 母材の厚さが80mmを超える場合,両面から直射法によって探傷する[図3(b)参照]。

――――― [JIS Z 3082 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS Z 3082:1995の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3082:1995の関連規格と引用規格一覧