JIS Z 3902:1984 規格概要
この規格 Z3902は、JIS Z 3262に規定された化学成分(銅,すず,鉄,ニッケル,鉛,アルミニウム,マンガン,銀,りん,けい素)の分析方法について規定。
JISZ3902 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z3902
- 規格名称
- 黄銅ろう分析方法
- 規格名称英語訳
- Methods for chemical analysis of brass brazing filler metals
- 制定年月日
- 1965年6月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 25.160.50
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1965-06-01 制定日, 1968-08-01 確認日, 1971-10-01 確認日, 1972-04-01 改正日, 1975-05-01 確認日, 1976-02-01 改正日, 1979-02-01 確認日, 1984-02-01 改正日, 1989-02-01 確認日, 1994-02-01 確認日, 2000-10-20 確認日, 2005-07-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS Z 3902:1984 PDF [28]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 3902-1984
黄銅ろう分析方法
Methods for Chemical Analysis of Brass Brazing Filler Metals
1. 適用範囲 この規格は,JIS Z 3262(黄銅ろう)に規定された化学成分(銅,すず,鉄,ニッケル,
鉛,アルミニウム,マンガン,銀,りん,けい素)の分析方法について規定する。
引用規格 :
JIS H 0301 地金の試験並びに検査通則
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS H 2102 アルミニウム地金
JIS H 2104 ニッケル地金
JIS H 2105 鉛地金
JIS H 2107 亜鉛地金
JIS H 2108 すず地金
JIS H 2121 電気銅地金
JIS H 2141 銀地金
JIS H 4502 電子管陰極用ニッケル板及び条
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析のための通則
JIS K 0121 原子吸光分析のための通則
JIS K 8005 容量分析用標準試薬
JIS K 8701 鉛(試薬)
JIS Z 3262 黄銅ろう
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050(化学分析方法通則),JIS K 0115(吸光光度分
析のための通則)及びJIS K 0121(原子吸光分析のための通則)による。
3. 分析試料の採り方及び取扱い方
3.1 分析試料の採取と調製
3.1.1 分析試料の採取と調製に際しては,試料全体の平均品質を代表するようにし,特に偏析,汚染など
に注意しなければならない。
――――― [JIS Z 3902 pdf 1] ―――――
2
Z 3902-1984
3.1.2 分析試料の採取と調製は,JIS H 0321(非鉄金属材料の検査通則)の5.及びJIS H 0301(地金の試
験並びに検査通則)の2.2に準じて行うものとし,1融解ごとに二つ以上(1融解量が特に少ないときは一
つ)の鋳込試料約100gを取り,この試料を削って分析に必要な量の2倍以上の切粉を作り,これを十分に
混合して分析試料とする。
3.1.3 鋳込試料の削り方は,次の手順によって行う。
(1) きり,その他の工具類を,エタノールなどで清浄にする。
(2) 試料の表面に付いている油その他の付着物を除いて清浄にする。
(3) 試料の中央部又は両端に近い部分などを片面から直角にきりもみして貫通させるか,両面から少なく
とも中心部に達するまできりもみする。これらのきりもみができない場合は,適当な方法によって,
削り取る。
(4) 削り試料の大きさは,切粉があまり厚くならない程度にきりもみして長さを約5mm以下にする。も
し,切粉がひも状のときは,清浄なはさみで約5mm以下に切断する。
なお,このとき切粉にきりの摩耗粉が混入しないように注意する。また,試料を冷却するために水
などを注加してはならない。
3.1.4 分析試料の採取と調製が上記の規定によれない場合には,当事者間の協議による。
3.2 分析試料のはかり取り
3.2.1 分析試料をはかり取る際には,良くかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また異物が混入して
いないことを確かめなければならない。
3.2.2 分析試料のはかり取りには化学はかりを用い,0.1mgのけたまで読み取る。
4. 分析操作上の注意
4.1 分析は,同一試料について,原則として2回以上行わなければならない。
4.2 分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,含有率を補正しなければならない。
5. 分析結果の表し方 分析値は百分率で表し,二つ以上の分析値を平均して,JIS Z 3262に規定された
位にJIS Z 8401(数値の丸め方)によって丸める。ただし,亜鉛分については亜鉛以外の化学成分を前記
によって算出した後,各々の総計を100から差し引いた残分とする。
6. 銅定量方法
6.1 方法の区分 銅の定量方法は,電解重量法による。
6.2 電解重量法
6.2.1 要旨 試料を硝酸で分解し,水及び硫酸を加えた後,電解を行い,陰極に析出した銅の質量をはか
る。
6.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+9)
(2) 硝酸 (1+1,1+50,1+100)
(3) 硫酸 (1+1,1+50)
(4) エタノール (95v/v%)
6.2.3 装置及び器具 装置及び器具は,原則として次のものを用いる。
(1) 電解用ビーカー(付図1参照)
――――― [JIS Z 3902 pdf 2] ―――――
3
Z 3902-1984
(2) 白金電極A(付図2参照)
(3) 白金電極B(付図3参照)
(4) 半円形時計皿(付図4参照)
6.2.4 試料はかり取り量 試料は,1gをはかり取る。
6.2.5 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってトールビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 10mlを加え静
かに加熱分解し,煮沸して酸化窒素を追い出した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水洗する。
(2) これに水を加えて液量を約100mlとし,かき混ぜながら,硫酸 (1+1) 10mlを少量ずつ加える(1)。
(3) 溶液は電解用ビーカーに移し入れ,水で約150mlに薄めた後,あらかじめ質量をはかった白金電極A
を陰極とし,白金電極Bを陽極に用い,2個の半円形時計皿で覆い,室温で0.30.5Aの電流を通じ
て1夜間電解する。
(4) 少量の水で時計皿の下面,ビーカーの内壁及び電極の柄の液面に露出した部分を洗い,その洗浄水に
よって電解液面を約5mm上昇させ,更に約30分間電解を続ける。
(5) 新しく電解液にはいった陰極の柄の部分に,もはや銅が析出しなくなれば,電流を流したまま水洗し
ながら両極を引き上げ,最後に手早く新たな水中に浸して陰極を外す。
(6) 陰極は始めは水で,次にエタノール (95v/v%) を用いて洗い,約80℃の空気浴中で速やかに乾燥し,
デシケーター中で約30分間放冷後質量をはかる。
注(1) この際硫酸鉛の沈殿を生じたときは,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,硫酸 (1+50) で十分に洗
浄する。
備考1. 試料にけい素を含む場合は,6.2.5(1)の手順に従って操作した後,更に加熱蒸発してシロップ
状とし,これに硝酸 (1+1) 10mlと温水50mlを加え,加熱して可溶性塩類を溶解した後,ろ
紙(5種B)を用いてろ過し,温硝酸 (1十50) を用いて十分に洗浄する。以下,備考4.の操作
に従う。ただし,けい素とともにすずを含む場合は備考2.の操作に従う。
2. 試料にすずを含む場合は,備考1.に従って操作し,可溶性塩類を溶解後更に煮沸するまで加
熱し,温所に12時間静置した後,直ちに少量のろ紙パルプを入れたろ紙(5種B)でろ過
し,温硝酸 (1+50) を用いて十分に洗浄する。以下,備考4.の操作に従う[7.2.5(2)のすずの
定量の際のろ液を用いることができる。]。
3. 試料に銀を含む場合は,備考1.に従って操作し,可溶性塩類を溶解した後,水を加えて液量
を約150mlとし,かき混ぜながら塩酸 (1+9) を滴加して塩化銀の沈殿を生成させる。沈殿
が生じなくなった後,更にその1mlを過剰に加えて約5分間静かに加熱し煮沸する。流水中
で冷却後,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,始めは硝酸 (1+100) で,次に冷水で十分に洗浄
する。以下,備考4.の操作に従う(13.2.4における塩化銀をこし分けたろ液を用いることが
できる。)。
4. 備考1.3.によった場合は,それぞれのろ液に硫酸 (1+1) 15mlを加え,加熱して硫酸の白煙
が発生するまで蒸発し,放冷後水約50mlを加えて可溶性塩類を溶解し(硫酸鉛の沈殿を認
めたときは注(1)の操作に従って除去する。)。硝酸 (1+1) 5mlを加え,以下6.2.5(3)以降の手
順に従って電解を行う。
6.2.6 計算 試料中の銅含有率を,次の式によって算出する。
圀
銅% 100
――――― [JIS Z 3902 pdf 3] ―――――
4
Z 3902-1984
ここに, 陰極に析出した銅の質量 (g)
W : 試料はかり取り量 (g)
7. すず定量方法
7.1 方法の区分 すずの定量方法は,次のいずれかによる。
(1) よう素酸カリウム滴定法
(2) 原子吸光法
7.2 よう素酸カリウム滴定法
7.2.1 要旨 試料を硝酸で分解し蒸発乾固し,すずをメタすず酸とした後,温水と硝酸で可溶性塩類を溶
解し,こし分ける。沈殿は硝酸と硫酸に分解後,硫酸白煙を発生させた後塩酸を加え,炭酸水素ナトリウ
ムを入れたキャップを用い,三塩化アンチモンと鉛(又はニッケル)ですずを還元する。でんぷんを指示
薬として,よう素酸カリウム標準溶液で滴定する。
7.2.2 試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸
(2) 硝酸
(3) 硝酸 (1+1,1+50)
(4) 硫酸
(5) 鉛[99.99%以上,JIS H 2105(鉛地金)の特種相当品又はJIS K 8701(鉛)(試薬)の試金用粒状のも
の]
(6) ニッケルシリンダー又はニッケル線 純度 (Ni+Co) 99.8%以上[JIS H 4502(電子管陰極用ニッケル
板及び条)の3種相当品]で,原則として付図5のA又はBの形状とする。このシリンダー又は線は,
繰り返し使用することができる。
(7) 二酸化炭素 酸素を含んでいる場合には,塩化第一銅45gを塩酸 (1+1) 300mlに溶解し,少量の金属
銅削り片を加え,密栓して24時間以上放置した溶液に通して精製する。
(8) 三塩化アンチモン溶液 三塩化アンチモン5gを塩酸 (1+1) 500mlに加熱溶解する。
(9) 炭酸水素ナトリウム溶液(飽和)
(10) 標準すず溶液 (4mg/Sn/ml) すず[99.90%以上,JIS H 2108(すず地金)の1種A相当品]1.000gを
はかり取ってビーカー (300ml) に移し入れ,硫酸20mlを加え,時計皿で覆い加熱分解した後,引き
続いて加熱し,時計皿及びビーカーの内壁に付着した硫黄を揮散させる。冷却後,水及び塩酸 (1+1)
を用いて時計皿及びビーカーの内壁を洗い,塩酸 (1+1) 50mlを加えて可溶性塩類を溶解し,250ml
のメスフラスコに移し入れ,塩酸 (1+1) で標線まで薄める。又は,すず1.000gを水浴上で白金板を
触媒として塩酸50mlで分解し,250mlのメスフラスコに移し入れ,塩酸 (1+1) で標線まで薄めても
よい。
(11) よう素酸カリウム標準溶液 よう素酸カリウム1.784gを水酸化ナトリウム0.5gとよう化カリウム5g
を溶かした水100mlに溶解し,水で1 000mlに薄める。
この溶液は約N/20に相当するが,標定は次のように行う。
標準すず溶液を正確に25ml取り,還元装置の三角フラスコ (500ml) に入れ,水200ml及び塩酸50ml
を加える。以下,7.2.5(4)(6)の手順に従って操作し,次の式によって相当するすず量を求める。
.0100
f
V
――――― [JIS Z 3902 pdf 4] ―――――
5
Z 3902-1984
ここに, f : よう素酸カリウム標準溶液1mlに相当するすず量 (g)
0.100 : 標準すず溶液25ml中のすず量 (g)
V : よう素酸カリウム標準溶液使用量 (ml)
(12) よう素標準溶液 よう化カリウム20g及びよう素6.4gをはかり取ってビーカー (300ml) に移し,冷水
約50mlを加え,振り混ぜてよう素を完全に溶解する。水で約150mlに薄め,ガラスろ過器(ブフナ
ー形,17G4)を用いてろ過した後,水を用いて1 000mlとし,褐色瓶に入れて保存する。この溶液1ml
は,すず約3mgに相当するが,標準すず溶液を用いて,使用の都度,標定を行う。標定方法は,(11)
よう素酸カリウム標準溶液に準じる。
(13) でんぷん溶液 でんぷん(溶性)又はでんぷん1gに少量の冷水を加えて泥状とし,100mlの熱水中に
かき混ぜながら加え,約1分間煮沸した後放冷し,不溶解物をろ過する。この溶液は使用の都度調製
し,よう素によって赤褐色となるものを用いてはならない。
7.2.3 装置及び器具 還元装置は,通常付図6のようなものを用いるが,付図7のものを用いてもよい。
7.2.4 試料はかり取り量 試料は,1gをはかり取る(2)。
7.2.5 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取ってトールビーカー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 15ml(3)を加え,
加熱して分解する。時計皿の下面並びにビーカーの内壁を水で洗浄し,更に水浴上で注意して加熱し,
蒸発乾固する。
(2) 硝酸5ml及び温水約50mlを加え,煮沸して可溶性塩類を溶解し,温所に12時間静置した後,直ち
に少量のろ紙パルプを入れたろ紙(5種C)でこし分け,温硝酸 (1+50) を用いて十分に洗浄する。
(3) 沈殿は,ろ紙と共に元のビーカーに入れ,硝酸15ml及び硫酸10mlを加え,時計皿で覆い,注意して
加熱分解し,更に加熱を続けて硫酸の白煙を十分に発生させる。
もし,この際有機物の分解が不十分のときは,冷却後更に硝酸10mlを加えて加熱分解を繰り返す。
冷却後,時計皿及びビーカーの内壁を水洗し,時計皿を除いて更に加熱蒸発し,硫酸の白煙を十分に
発生させる。
(4) 放冷後,水200ml及び塩酸50mlを加えて塩類を溶解し,溶液を三角フラスコ (500ml) に移し入れ,
三塩化アンチモン溶液10mlと鉛10g,又はニッケルシリンダー若しくは線を加える。三角フラスコに
付図6のキャップを付けたゴム栓を施し,キャップに炭酸水素ナトリウム溶液約50mlを加え,約30
分間静かに煮沸してすずを還元する。
(5) 三角フラスコの熱源を除き,そのまま約5分間放冷する。この間キャップ内の炭酸水素ナトリウム溶
液は三角フラスコ中に逆流するから,溶液が減少して空気を吸入するおそれがあれば追加する。次に
水中に浸して10℃以下になるまで冷却する。
(6) キャップと共にゴム栓を外し(4),直ちにゴム栓の下端及び三角フラスコの内壁をあらかじめ用意して
ある洗浄水(5)で洗浄した後,でんぷん溶液5mlを指示薬として加え,よう素酸カリウム標準溶液(6)で
滴定し,溶液が青紫色に変わった点を終点とする。
7.2.6 計算 試料中のすず含有率を,次の式によって算出する。
f 圀
すず % 100
ここに, f : よう素酸カリウム標準溶液1mlに相当するすず量 (g)
V : よう素酸カリウム標準溶液使用量 (ml)
W : 試料はかり取り量 (g)
注(2) すずの含有量がなるべく20mg以上になるようにはかり取る。
――――― [JIS Z 3902 pdf 5] ―――――
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JIS Z 3902:1984の国際規格 ICS 分類一覧
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.50 : ろう付け及びはんだ付け
JIS Z 3902:1984の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH0301:1997
- 非鉄金属地金のサンプリング,試料調製及び分析検査通則
- JISH0321:1973
- 非鉄金属材料の検査通則
- JISH2102:2011
- アルミニウム地金
- JISH2104:1997
- ニッケル地金
- JISH2105:1955
- 鉛地金
- JISH2107:2015
- 亜鉛地金
- JISH2108:1996
- すず地金
- JISH2121:1961
- 電気銅地金
- JISH2141:1964
- 銀地金
- JISH4502:1990
- 電子管陰極用ニッケル板及び条
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0115:2004
- 吸光光度分析通則
- JISK0115:2020
- 吸光光度分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK8005:2014
- 容量分析用標準物質
- JISK8701:1994
- 鉛(試薬)
- JISZ3262:1998
- 銅及び銅合金ろう
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方