JIS Z 4812:1995 放射性エアロゾル用高性能エアフィルタ

JIS Z 4812:1995 規格概要

この規格 Z4812は、放射性エアロゾルを除去する目的で,原子力施設などの排気系統などで使用する高性能エアフィルタのうち,火災防護上難燃性を要求されるものについて規定。

JISZ4812 規格全文情報

規格番号
JIS Z4812 
規格名称
放射性エアロゾル用高性能エアフィルタ
規格名称英語訳
HEPA Filters for radioactive aerosols
制定年月日
1962年2月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

13.280
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1962-02-01 制定日, 1965-02-01 確認日, 1968-10-01 確認日, 1971-10-01 確認日, 1974-11-01 確認日, 1975-02-01 改正日, 1978-02-01 確認日, 1983-11-01 確認日, 1989-03-01 確認日, 1995-03-01 改正日, 2002-01-20 確認日, 2007-03-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS Z 4812:1995 PDF [12]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 4812-1995

放射性エアロゾル用高性能エアフィルタ

HEPA Filters for radioactive aerosols

1. 適用範囲 この規格は,放射性エアロゾルを除去する目的で,原子力施設などの排気系,換気空調系
統などで使用する高性能エアフィルタ(以下,高性能エアフィルタという。)のうち,火災防護上難燃性を
要求されるものについて規定する。
備考1. 放射性エアロゾル用高性能エアフィルタ現場試験方法は,附属書に規定する。
2. この規格の引用規格を次に示す。
JIS B 7512 鋼製巻尺
JIS B 7516 金属製直尺
JIS B 8330 送風機の試験及び検査方法
JIS B 9921 光散乱式自動粒子計数器
JIS Z 4001 原子力用語
JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8122及びJIS Z 4001によるほか,次による。
(1) 高性能エアフィルタ ろ材を深いひだ状に折りたたみ,その中間にセパレータなどを組み込み,外枠
又は外箱に収納したエアフィルタであって,放射性エアロゾルを除去する目的で使用するエアフィル
タ。ろ材とセパレータの収納形状とによって,図1のように,枠形,箱形などがある。
図1 高性能エアフィルタ
(2) 放射性エアロゾル 空気中に浮遊する固体又は液体の微粒子で放射性核種を含むもの。
(3) 粒子捕集率 高性能エアフィルタのろ材を通過する気体中の粒子を捕集する効率。

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Z 4812-1995
(4) 定格流量 一定の条件下でろ過できる処理流量。
(5) 難燃性 火災によって著しい燃焼をせず,また,加熱源を除去した場合はその燃焼部が広がらない性
質。
(6) 多段エアフィルタ装置 高性能エアフィルタを1系列に直列に2段以上設置してある装置。
(7) 密封交換形エアフィルタ装置 エアフィルタケーシングが全溶接構造で気密性が保持され,高性能エ
アフィルタの交換も気密状態で行うことができ,必要な排気量に見合う数の高性能エアフィルタが並
列に接続される形式。
(8) 箱形エアフィルタ装置 箱形高性能エアフィルタを排気ダクトに直結する構造で,高性能エアフィル
タ交換時に上下流が完全に分離される形式。
(9) バンク形エアフィルタ装置 エアフィルタケーシング内に数枚から数十枚の高性能エアフィルタを設
置し,エアフィルタケーシング内で高性能エアフィルタを交換する形式。
(10)光散乱形測定装置 試料に光を照射し微粒子によって散乱された光の強度などから濃度を求める装置。
光散乱式粒子計数器と光散乱式濃度計がある。
(11) 加圧噴霧法 試験用粒子の発生方法で,試験用粒子の原液を加圧空気によって噴霧する方法。ラスキ
ン (Laskin) ノズルが一般的に使用される。
(12) 加熱凝縮法 試験用粒子の発生方法で,試験用粒子の原液を加熱して蒸発した蒸気を冷却し,凝縮す
る方法。
(13) 同時計数損失 光散乱式粒子計数器の光の照射領域を複数の微粒子が同時に通過することによって生
じる微粒子の数え落とし。
(14) 単孔ノズル 試料採取ノズルで,試料を吸引する穴が1個のノズル。
(15) 多孔ノズル 試料採取ノズルで,試料を吸引する穴が3個以上あるノズル。
(16) 多点採取法 試料採取点のダクトの断面で,単孔ノズルを移動して複数の点から試料を採取し,平均
値を試料濃度とする方法。
(17) バイパスリーク 高性能エアフィルタのガスケット,その他の取付部を通過してエアロゾルが漏れる
こと。
(18) 総合捕集率 フィルタの現場試験によって得られた捕集率で,バイパスリークを含めた装置としての
捕集率。
3. 種類,寸法及び定格流量 高性能エアフィルタの種類,寸法及び定格流量は,表1のとおりとする。
表1 種類,寸法及び定格流量
種類 形式 寸法(1) 定格流量
mm m3/min
高さ 幅 深さ
W-101-1 101 101 150 0.4
W-203-1 203 203 80 0.8
W-203-2 203 203 150 1.5
枠形
W-305-1 305 305 150 3.9
標準風量
W-305-2 305 305 292 6.4
W-610-1 610 610 150 18.0
W-610-2 610 610 292 32.0
枠形 WG-610-1 610 610 150 28.0
多風量 WG-610-2-1 610 610 292 42.5

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Z 4812-1995
種類 形式 寸法(1) 定格流量
mm m3/min
高さ 幅 深さ
WG-610-2-2 610 610 292 50.0
WG-610-2-3 610 610 292 56.6
H-203-1 203 203 228 0.8
H-203-2 203 203 254 1.5
箱形
H-305-1 203 203 305 3.9
標準風量
H-610-1 610 610 356 18.0
H-610-2 610 610 508 32.0
HG-610-1 610 610 508 28.0
箱形 HG-610-2-1 610 610 508 42.5
多風量 HG-610-2-2 610 610 508 50.0
HG-610-2-3 610 610 508 56.6
注(1) 枠形の寸法許容差は,高さ及び幅03
mm,深さ±1mmとする。
深さは,ガスケットの厚さを除いた寸法とする。
箱形の寸法許容差は,高さ及び幅03
mm,深さ±3mmとす
る。
4. 性能
4.1 粒子捕集率 7.3によって試験したとき,試験に供したすべての高性能エアフィルタの粒子捕集率は,
表2のとおりでなければならない。
4.2 圧力損失 7.4によって試験したとき,定格流量での圧力損失は,表2のとおりでなければならない。
4.3 圧力変形抵抗 7.5によって試験したとき,破損及び(又は)変形せず,かつ,4.1を満足しなけれ
ばならない。
4.4 箱形高性能エアフィルタの気密性 7.6によって試験したとき,圧力の戻りは,毎分試験圧の5%以
下でなければならない。
表2 性能
圧力損失 粒子捕集率
圧力損失(2) 流量 粒子捕集率 基準粒子径
Pa m3/min %
250以下 定格 99.97以上 0.15
(標準風量)
300以下
(多風量)
注(2) 箱形の圧力損失は,両面開放時とする。
5. 部品及び材料
5.1 ろ材 ろ材は空気中に浮遊するエアロゾルを除去するものであって,空気を通しやすく,通常の空
気条件において,容易に変質及び(又は)腐食しないもので,かつ,難燃性のものとする。
mm,18
0.15.1 mm又は19
0.15.1 mm
0.15.1
5.2 外枠 枠には,合板,金属などを用いる。合板製の外枠の厚さは15
とする。合板は難燃合板を用いる。金属製の外枠の厚さは,1.22.3mmとする。

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5.3 ガスケット ガスケットの幅は15±1.0mm,18±1.0mm又は19±1mm,厚さ6±1mmとする。ガス
ケットは難燃性のものを用いる。
5.4 セパレータ セパレータは難燃加工した紙,プラスチックなどを用いるほか,金属なども用いる。
5.5 密封材 密封材は,接着材のほか,ガラスマットなども用いる。
6. 構造 高性能エアフィルタの構造は,次の条件に適合しなければならない。
(1) 堅固に仕上げてあること。
(2) 輸送,取付けなどの取扱い中に,損傷しない程度の強度をもつこと。
(3) 外枠(又は箱)の継ぎ目,及び外枠(又は箱)とろ材との接合部は,空気の漏れがないように緊密に
仕上げること。
7. 試験
7.1 寸法試験 試験品の寸法が,表1の許容差以内であることを,JIS B 7512に規定する1級巻尺又は
JIS B 7516に規定する1級直尺を用いて調べる。
7.2 構造試験 試験品の構造が,6.に示す規定のとおりであるかどうかを調べる。
7.3 粒子捕集率試験
7.3.1 試験装置 試験装置は,次による。
(1) 試験用粒子 試験用粒子はDOP(フタル酸ジオクチル)又はこれと同等のものとし,0.15 の
粒子を多く含むものを使用する。
(2) 試験に用いる装置及び機器
(2.1) 粒子捕集率試験用装置 粒子捕集率試験用装置は,図2に例示するような構造で,各部の条件は次
による。
(2.1.1) ダクト部 ダクト部は,正圧であること。
(2.1.2) 清浄用フィルタ 清浄用フィルタは,0.15 鉛歛地 上の捕集率をもつものを使
用すること。
(2.1.3) ベルマウス,漸拡大管及び高性能エアフィルタ整流格子 ベルマウス,漸拡大管及び整流格子は,
いずれも空気の流れを円滑にし,試験用粒子を均一に混合・拡散する目的で使用するので,(2.1.5)
の規定を満足していれば一部又は全部を必要としない。
(2.1.4) 上流側試験用粒子採取管 上流側試験用粒子採取管は,採取管取付位置のダクト中央の1点から採
取する単孔採取管,又は3点以上から採取する多孔採取管を使用する。
(2.1.5) 上流側試験用粒子採取管取付位置 上流側試験用粒子採取管は,試験用粒子が均一に混合されてい
る位置に取り付けること。試験用粒子の混合状態は,試験装置の流量範囲の上限と下限で,次の手
順によって測定すること。
(a) 上流側試験用粒子採取管の取付位置のダクト断面を,9分割以上のほぼ同面積に分割する。
(b) 各分割部分の中心で試験用粒子濃度を測定する。
(c) 濃度の相加平均を算出する。
(d) 全測定点の試験用粒子濃度が,平均値の±10%であること。
(2.1.6) 下流側試験用粒子採取管 下流側試験用粒子採取管は,採取管取付位置のダクト中央の1点から採
取する単孔採取管,又は3点以上から採取する多孔採取管を使用する。
(2.1.7) 下流側試験用粒子採取管取付位置 下流側試験用粒子採取管は,試験用粒子が均一に混合されてい

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る位置に取り付けること。試験用粒子の混合状態は,高性能エアフィルタの中央付近に模擬的な漏
れ状態をつくって,試験装置の流量範囲の上限と下限で試験用粒子の混合状態を(2.1.5)と同様な操
作を行うこと。さらに,ダクト壁近くに模擬的な漏れ状態をつくって同様な測定を行うこと。
(2.1.8) 高性能エアフィルタ固定部 高性能エアフィルタ固定部の流路寸法 (B) は,高性能エアフィルタの
通風部分の寸法(枠の厚さを引いた寸法)と等しいことが理想であるが,次の条件が満たされると
きはこれと異なっていてもよい。
(a) 高性能エアフィルタ前面で試験用粒子濃度が均一であることが確認されている場合。
(b) 高性能エアフィルタを取り付けていないときの圧力損失(装置圧損)を測定し,高性能エアフィル
タを取り付けたときの圧力損失から装置圧損を差し引いて正しい圧力損失が求められる場合。
(2.1.9) 流量測定部 流量の測定は,JIS B 8330の規定による。
(2.1.10) 試験用粒子サンプリング配管 上流側,下流側の採取位置から測定装置までのサンプリング配管
は,同一材質,同一内径,同一長とし,かつ,できるだけ短くすること。
また,曲管部を少なくし,配管の幾何学的形状もできるだけ等しくすること。
図2 高性能エアフィルタ試験装置の一例
(2.2) 試験用粒子発生器 試験用粒子発生器は,使用条件を適切な条件に調節し,試験条件に適合する粒
径分布と発生量を確保できること。
また,試験用粒子濃度は(2.1.5)が達成できる安定性をもつこと。
(2.3) 光散乱式粒子計数器 JIS B 9921の0.15 をもつもので,基準粒子径±0.05
粒径区分をもつものを用いる。
(2.4) 希釈装置 希釈装置を用いる場合は,希釈損失の少ない装置を用いること。
7.3.2 試験方法 試験は,次によって行う。
(1) 高性能エアフィルタを,試験装置の高性能エアフィルタ固定部に漏れがないように装着する。
(2) 送風機を作動させ,定格流量になるように調整する。
(3) 下流側の粒子数が,規定された捕集率を有効に測定するのに必要な十分低いバックグラウンド値を示
すこと。
(4) 上流側の試験用粒子濃度測定は,光散乱式粒子計数器の同時計数誤差が5%を超えることなく,かつ,
下流側の計数値がバックグラウンドに比べ十分に大きくなるような範囲で行い,上流側の試験用粒子
濃度が安定したのを確認した後,上流側及び下流側の試験用粒子濃度を交互又は同時に測定する。交

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