JIS Z 8462-6:2018 測定方法の検出能力―第6部:測定値がポアソン分布に従う場合の限界値及び検出可能な最小値を正規分布近似によって求める方法

JIS Z 8462-6:2018 規格概要

この規格 Z8462-6は、測定値がポアソン分布に従う測定において,応答変数の限界値及び検出可能な最小値の求め方について規定。

JISZ8462-6 規格全文情報

規格番号
JIS Z8462-6 
規格名称
測定方法の検出能力―第6部 : 測定値がポアソン分布に従う場合の限界値及び検出可能な最小値を正規分布近似によって求める方法
規格名称英語訳
Capability of detection -- Part 6:Methodology for the determination of the critical value and the minimum detectable value in Poisson distributed measurements by normal approximations
制定年月日
2018年2月20日
最新改正日
2018年2月20日
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対応国際規格

ISO

ISO 11843-6:2013(IDT)
国際規格分類

ICS

03.120.30, 17.020
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2018-02-20 制定
ページ
JIS Z 8462-6:2018 PDF [20]
                                                                Z 8462-6 : 2018 (ISO 11843-6 : 2013)

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[2]
  •  2 引用規格・・・・[2]
  •  3 用語及び定義・・・・[3]
  •  4 測定系及びデータ処理・・・・[3]
  •  5 近似による計算・・・・[3]
  •  5.1 正規分布に基づく限界値・・・・[3]
  •  5.2 応答変数の限界値の求め方・・・・[4]
  •  5.3 検出能力が十分か否かの判定基準・・・・[5]
  •  5.4 検出能力が十分か否かの判定基準の確認・・・・[5]
  •  6 検出能力の評価結果の報告・・・・[6]
  •  7 測定結果の報告・・・・[7]
  •  附属書A(参考)この規格で用いる記号・・・・[8]
  •  附属書B(参考)ポアソン分布を正規分布によって近似する場合の期待値及び分散の推定・・・・[9]
  •  附属書C(参考)近似の正確さ・・・・[10]
  •  附属書D(参考)検出器のチャンネル数の選択・・・・[14]
  •  附属書E(参考)計算例・・・・[15]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS Z 8462-6 pdf 1] ―――――

Z 8462-6 : 2018 (ISO 11843-6 : 2013)

まえがき

  この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工
業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済
産業大臣が制定した日本工業規格(日本産業規格)である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS Z 8462の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS Z 8462-1 第1部 : 用語及び定義
JIS Z 8462-2 第2部 : 検量線が直線である場合の方法
JIS Z 8462-3 第3部 : 検量線がない場合に応答変数の限界値を求める方法
JIS Z 8462-4 第4部 : 与えられた値が検出可能か否かの判定方法
JIS Z 8462-5 第5部 : 検量線が線形及び非線形である場合の方法
JIS Z 8462-6 第6部 : 測定値がポアソン分布に従う場合の限界値及び検出可能な最小値を正規分布近
似によって求める方法
JIS Z 8462-7 第7部 : 分析機器ノイズの確率論的性質に基づく方法

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS Z 8462-6 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 8462-6 : 2018
(ISO 11843-6 : 2013)

測定方法の検出能力−第6部 : 測定値がポアソン分布に従う場合の限界値及び検出可能な最小値を正規分布近似によって求める方法

Capability of detection-Part 6: Methodology for the determination ofthe critical value and the minimum detectable value inPoisson distributed measurements by normal approximations

序文

  この規格は,2013年に第1版として発行されたISO 11843-6を基に,技術的内容及び構成を変更するこ
となく作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
多くの測定機器で信号の検出にパルス計測法が用いられている。X線回折装置(XRD),蛍光X線分析
装置(XRF),光電子分光装置(XPS),オージェ電子分光装置(AES),2次イオン質量分析装置(SIMS),
又はガスクロマトグラフ質量分析装置(GCMS)のような,X線,電子及びイオンを分光する検出器がこ
の種の測定機器に該当する。ここで取り扱われる信号は,ランダムかつ不規則な間隔で発生し,統計学的
にはポアソン分布を示すと理解されているので,検出可能な最小値を求める方法論は,統計学的原則に従
い構築することができる。
信号の検出可能な最小値の決定は,実際の作業において重要になることがある。“信号は明らかに検出さ
れていない”か,又は“信号はバックグラウンドノイズレベルとは十分に異なっている”[1]-[8]かを判定す
るときの判断基準となる。例えば,有害物質又は半導体物質の表面汚染の測定のときに有用となる。RoHS
指令(電気・電子機器における特定有害物資の使用制限)では,EU市場で取引されている電気・電子製
品に6種類の有害物質[六価クロム,鉛,水銀,カドミウム,難燃物質であるポリ臭化ビフェニール(PBB)
及びポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)]の使用が禁止されている。これらの測定では,蛍光X線分析
法(XRF)及びガスクロマトグラフ質量分析法(GCMS)を使用する。また,環境物質又は建材中に存在
する,アスベスト類の有害性レベル及び結晶性シリカの測定には,X線回折装置(XRD)を使用する。
検出可能な最小値を求める方法は化学分析の分野で広く利用されているが,その分野ではパルス計測は
使用されていない。パルス計測分野では,検出可能な最小値を求める方法を確立することが要請されてい
る[9]。
この規格は,国際純正・応用化学連合(IUPAC: International Union of Pure and Applied Chemistry)によっ
て合意されたISO 11843規格群に基づくものであり,これらに整合させるためポアソン分布を正規分布に
よって近似している。分散,応答変数の限界値,検出能力基準及び最小検出能力レベルの算出には,汎用
的な近似法を用いる[10]。

――――― [JIS Z 8462-6 pdf 3] ―――――

2
Z 8462-6 : 2018 (ISO 11843-6 : 2013)
この規格では,確率を次のとおり定義している。
− 測定対象系が基底状態にあるとき,これが基底状態にないものと誤って判定する確率をαとする。
− 状態変数の値が検出可能な最小値(xd)に等しいときに,これが基底状態にあるものと誤って判定す
る確率をβとする。
この規格は,JIS Z 8462-1,JIS Z 8462-3及びJIS Z 8462-4に準拠している。

1 適用範囲

  この規格は,測定値がポアソン分布に従う測定において,応答変数の限界値及び検出可能な最小値の求
め方について規定する。この規格は,バックグラウンドノイズ及び信号の両方がポアソン分布に従う場合
に適用できる。また,JIS Z 8462-3及びJIS Z 8462-4に整合させるため,ポアソン分布は汎用的な正規分
布による近似方法を用いる。
正規分布による近似からの最小値とポアソン分布からの算出値との比較を附属書Cに示す。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 11843-6:2013,Capability of detection−Part 6: Methodology for the determination of the critical
value and the minimum detectable value in Poisson distributed measurements by normal
approximations(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Q 0030 標準物質に関連して用いられる用語及び定義
注記 対応国際規格 : ISO Guide 30,Reference materials−Selected terms and definitions(IDT)
JIS Z 8101-1 統計−用語及び記号−第1部 : 一般統計用語及び確率で用いられる用語
注記 対応国際規格 : ISO 3534-1,Statistics−Vocabulary and symbols−Part 1: General statistical terms
and terms used in probability(IDT)
JIS Z 8101-2 統計−用語及び記号−第2部 : 統計の応用
注記 対応国際規格 : ISO 3534-2,Statistics−Vocabulary and symbols−Part 2: Applied statistics(IDT)
JIS Z 8462-1 測定方法の検出能力−第1部 : 用語及び定義
注記 対応国際規格 : ISO 11843-1,Capability of detection−Part 1: Terms and definitions(IDT)
JIS Z 8462-2 測定方法の検出能力−第2部 : 検量線が直線である場合の方法
注記 対応国際規格 : ISO 11843-2,Capability of detection−Part 2: Methodology in the linear calibration
case(IDT)
JIS Z 8462-3 測定方法の検出能力−第3部 : 検量線がない場合に応答変数の限界値を求める方法
注記 対応国際規格 : ISO 11843-3,Capability of detection−Part 3: Methodology for determination of the
critical value for the response variable when no calibration data are used(IDT)
JIS Z 8462-4 測定方法の検出能力−第4部 : 与えられた値が検出可能か否かの判定方法
注記 対応国際規格 : ISO 11843-4,Capability of detection−Part 4: Methodology for comparing the
minimum detectable value with a given value(IDT)

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Z 8462-6 : 2018 (ISO 11843-6 : 2013)

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8101-1,JIS Z 8101-2,JIS Z 8462-1JIS Z 8462-4及びJIS
Q 0030による。この規格で用いる記号は,附属書Aを参照する。

4 測定系及びデータ処理

  測定の条件は,通常,実験的な組立てによって測定値がポアソン分布に従う場合に限定する。測定され
るパルス数は観測されるスペクトルの測定時間及び測定の幅が増えれば増加する。これら時間及び幅は明
確に記述し,かつ測定中に変更してはならない。検出可能な最小値の信頼性を損なわずに求めるために,
次の制約事項を遵守する。
a) 信号及びバックグラウンドノイズは,ポアソン分布に従う。数値は総測定値の平均値を採用する。
b) 生データは,平滑化処理のような加工又は処理をしてはならない。
c) 測定時間 : 複数回の短い測定時間よりも長い測定時間を採用する方が望ましい。例えば,測定時間100
ミリ秒の測定を10回行うより測定時間1秒の測定1回の方がよい。ポアソン分布の正規分布による近
似は,より数値の大きい平均値において信頼性が高い。
d) 測定回数 : ここで用いる数値は平均値だけであるため,繰り返して測定する必要がある。検出能力も
測定回数とともに高くなる。
e) 検出器のチャンネル数 : 設定するチャンネル領域は,隣接するピークのチャンネル領域に重複しては
ならない。また,バックグラウンドノイズの測定に用いるチャンネル数と試料スペクトルの測定に用
いるチャンネル数とは同数でなければならない(附属書D参照)。
f) ピーク幅 : 一つのピークを対象にするときは,半値全幅(FWHM; Full Width at Half Maximum)を用い
ることが望ましい。ピークトップとピークの裾のノイズ領域とで測定することが望ましい。適切な半
値全幅(FWHM)はあらかじめ標準試料によって求めておく。バックグラウンドノイズの測定に用い
るチャンネル数と試料スペクトルの測定に用いるチャンネル数とは同数にしなければならないので,
ピークの半値全幅に相当するチャンネル数をバックグラウンドノイズの測定におけるチャンネル数に
も採用しなければならない。
g) 追加的要因は,次による。
1) 測定装置は,正常に稼働していなければならない。検出器は,直線性の良い計数領域で動作してい
なければならない。
2) 縦軸及び横軸の両応答性は,校正していなければならない。
3) ノイズではないと明確に確認できない信号は,測定の対象としない。
4) 測定中の試料の変質は,無視できる程度に小さくなければならない。
5) 対象とする成分の少なくとも一つの信号又はピークを観測していなければならない。

5 近似による計算

5.1 正規分布に基づく限界値

  測定された信号が意味あるものか否かの判断は,実測定値の平均値 yと適切に選択されたycとを比較
g
することによって可能となる。yc値は,限界値と呼ばれ,次の式(1)を満たす。
P yg yc x 0 ≦α (1)
ここで,確率Pは測定系が基底状態(x=0)にあり,かつ,αはあらかじめ選択した値であるという条

――――― [JIS Z 8462-6 pdf 5] ―――――

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JIS Z 8462-6:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11843-6:2013(IDT)

JIS Z 8462-6:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8462-6:2018の関連規格と引用規格一覧