JIS B 0112:1994 鍛造加工用語

JIS B 0112:1994 規格概要

この規格 B0112は、鍛造加工に関する用語について規定。

JISB0112 規格全文情報

規格番号
JIS B0112 
規格名称
鍛造加工用語
規格名称英語訳
Forging -- Vocabulary
制定年月日
1981年3月1日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

01.040.25, 25.120.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1981-03-01 制定日, 1986-10-01 確認日, 1987-06-01 確認日, 1994-12-01 改正日, 1999-11-20 確認日, 2005-03-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS B 0112:1994 PDF [20]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
B 0112-1994

鍛造加工用語

Forging−Vocabulary

1. 適用範囲 この規格は,鍛造加工に用いる主な用語について規定する。
備考 この規格の引用規格は,付表1に示す。
2. 分類 鍛造加工に関する用語の種類は,次による。
(1) 鍛造の種類
(2) 鍛造設計
(a) 工程
(b) 鍛造品
(c) 金型の設計
(3) 鍛造用材料
(4) 金型及び工具
(a) 金型
(b) 自由鍛造用工具
(5) 設備
(a) 切断機
(b) 加熱炉
(c) 鍛造機
(d) 附帯設備
(e) 前後処理設備
(6) 鍛造作業及び関連作業
(7) 試験及び検査
(8) 鍛造欠陥
3. 用語及びその定義 用語及びその定義は,次による。
なお,参考として対応英語を示す。
備考1. 一つの用語欄に,二つ以上の用語が併記してある場合には,記載してある順位に従って優先
的に使用する。
2. 用語の下の括弧内のかながきは,読み方を示す。
参考 対応英語(参考)で,セミコロンをはさんで二つ以上併記してあるものは,それぞれ同義語で
ある。
(1) 鍛造の種類

――――― [JIS B 0112 pdf 1] ―――――

2
B 0112-1994
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1001 鍛造 forging
工具,金型などを用い,固体材料の一部又は全体を圧縮又
は打撃することによって,成形及び鍛錬を行うこと。
1002 自由鍛造 open die forging,
単純形状をした金敷及び工具を用い,材料の諸部分を,諸
方向から,順に加圧して行う鍛造。 flat die forging
1003 火造り 熱間での自由鍛造。 smith forging
1004 型鍛造 closed die forging
金型のインプレッション内に,材料を加圧して充満させる
ことによって成形する鍛造。ばりを出させるものと出させ
ないものとがある。
1005 熱間鍛造 hot forging
材料を加熱し,再結晶温度以上,固相線温度未満の温度範
囲で行う鍛造。
1006 温間鍛造 warm forging
通常の熱間鍛造と冷間鍛造との中間の温度で行う鍛造。
1007 冷間鍛造 室温又は室温に近い温度で行う鍛造。 cold forging
1008 溶湯鍛造 金属材料の固相及び液相共存温度範囲で行う鍛造。 liquid forging
1009 粉末鍛造 金属の圧粉体又は焼結体を荒地として用いる鍛造。 powder metal forging,
sinter forging
1010 複合鍛造 熱間,温間又は冷間鍛造工程を順に加えて行う鍛造。
1011 ロール鍛造 roll forging
回転軸が平行で回転方向が向かい合う一対のロールに彫
り型を取り付け,このロール軸に直角な方向から棒状の材
料を挿入し,通過させて行う鍛造(付図1参照)。
1012 クロスローリング crossrolling,
回転軸が平行で面が対向移動する一対若しくは3個のロー
wedge rolling
ル,又は面が対向移動する一対の平板に型を取り付け,こ
のロール又は平板の間に丸棒状の材料を,軸が対向移動方
向と直角になるように挿入し,回転させながら局部的に材
料の直径を変化させる鍛造(付図2参照)。
1013 ヘリカルローリング helical rolling
材料軸に対して一定の傾斜をした軸で同じ方向に回転す
る円すい状の3個のロールのすきまに,丸棒状の材料を回
転させながら通過させ,その際,ロールのすきまの寸法を
変えることによって,材料の直径を軸方向に変化させる鍛
造(付図3参照)。
1014 リングローリング ring rolling
リング状の材料を,数個のロールを用いて半径方向の厚さ
を減らすことによって,より大きな直径の輪に成形する鍛
造(付図4参照)。
1015 ディスクローリング disk rolling
円板状の材料を,中心軸の周りに回転させながら,数個の
ロールを用いて厚さを減らしたり,増したりすることによ
って,所要の断面輪郭をした円板状部品に成形する鍛造
(付図5参照)。
1016 ロータリスウェージ radial forging,
2個以上の半径方向に動く工具又は金型によって,ビレッ
ング rotary swaging
ト,棒,管などの断面積を狭めたり,形を変えたりする鍛
造方法。
備考 ラジアルフォージングともいう。
1017 アプセッタ鍛造 アプセッタによる棒材の据込み及び押出し鍛造 upsetting

――――― [JIS B 0112 pdf 2] ―――――

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B 0112-1994
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1018 押出し鍛造 extrusion
金型内に挿入した材料を加圧し,金型の穴又はすきまか
ら,材料の一部を押出しすることによって成形する方法。
備考 一般には押出しと呼ぶが,長尺材を作る一次押
出しと区別する際には,押出し鍛造という。
押出しは,材料の加圧方向に対する材料の流
出方向によって,前方押出し鍛造,後方押出し
鍛造及び側方押出し鍛造に区別され,これらの
幾つかが同時に行われる作業を組合せ押出し鍛
造という。
また,鍛造品の形状によって,中実軸押出し
鍛造,中空軸押出し鍛造,容器押出し鍛造に区
別される。
1019 多ラム鍛造 3本以上の別方向に別々に動くラムがある鍛造機によっmulti-ram forging
て,同時又は順次に,材料を加圧して行う鍛造(付図6参
照)。
1020 揺動鍛造 orbital forging,
一方の金型の中心軸が,相手の金型の中心軸に対して揺れ
rocking die forging
回りながら,材料を局部的に軸方向に圧縮,成形していく
鍛造(付図7参照)。
備考 この揺れ回る軌道が円の場合には,回転鍛造と
もいう。
1021 RR鍛造 RR forging
左右対称に分かれた上部,下部の金型が移動台内にセット
(あーるあーる−)され,材料に力が加わるときに,移動台のテーパ部の移動
機構によって,据込みと曲げとを同時に行ことができるよ
うになっていて,大形クランク軸状の鍛造品を製造するた
めの鍛造(付図8参照)。
1022 TR鍛造 TR forging
上部金型が左右対称に分かれ,材料に力が加わるときに,
(てぃーあーる−)リンク機構によって,据込みと曲げとを同時に行うように
なっていて,大形クランク軸状の鍛造品を製造するための
鍛造(付図9参照)。
1023 ヘッディング heading
棒材又は管材の端部を据え込んで,横断面積の大きい頭部
を成形する鍛造。
1024 圧造 ねじ,リベットなどを,プレス機械に取り付けた金型によ
って成形する鍛造。
1025 ダイホビング die hobbing
ダイブロック素材に,バンチを押し込んで,必要とするイ
ンプレッションを成形する方法。
1026 転造 form rolling
円柱状,円管状又は円板状の材料を,その中心軸の周りに
回転させて,それと回転運動する工具との局部的な接触で
生じる表面層の繰返し塑性変形によって,徐々に目的とす
る形状を形成していく加工法。
備考 製品の種類によって,ねじ転造,歯車転造など
という。
1027 精密鍛造 close tolerance forging,
組立て前の仕上げ加工が不要か,又は仕上げ代の少ない鍛
造品を作る加工方法。 precision forging,
near net shape forging
1028 閉そく鍛造 core forging,
密閉鍛造の一種で,ビレットを金型内に閉じ込めてから,
flow forging
パンチによって材料を押し,金型内空間を満たす成形方法
(付図10参照)。
備考 閉そく(塞)鍛造と表記してもよい。

――――― [JIS B 0112 pdf 3] ―――――

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B 0112-1994
番号 用語 定義 対応英語(参考)
1029 密閉鍛造 closed die forging
最終段階で,材料のほぼ全表面が型表面によって拘束さ
without flash
れ,金型のすきまから材料をばりとしてはみ出させないよ
うにして行う鍛造。
1030 ノードラフト鍛造 no-draft forging
アルミニウム合金の型鍛造の一種で,リブ壁の抜けこう
(勾)配を30'以下にするもの。
(2) 鍛造設計
(a) 工程
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2101 鍛造性 鍛造するときの材料の加工されやすさ。 forgeability
2102 変形抵抗 deformation resistance
材料を,所定の形状に,永久変形させるのに要する加圧方
向に直角な単位断面積当たりの力。
2103 ひずみ速度 単位時間当たりの引張り,圧縮又はせん断ひずみの増分。 strain ratio
2104 冷間圧造性 cold headability
冷間圧造するときの材料の加工しやすさ(JIS G 0203参
照)。
2105 鍛造方案 forging process design
材料から鍛造品を作るまでに必要な変形工程及び形状の
詳細な計画。
2106 体積配分 volume distribution
断面積が軸に沿って大きく変化する鍛造品を作る際に,過
大なばり又は欠肉の発生を防ぐために,その軸の各部分が
分有する体積に合わせるように,材料軸の各部分の断面積
を,あらかじめ変化させる成形工程。
2107 断面減少率 成形の大きさを表す尺度の一つで,押出し,伸ばしなどを
reduction in area
行う材料の成形前の断面積をA0,成形後の断面積をAとす
A0A ×100として算出される百分率。
るとき,
A0
2108 高さ減少率 成形の大きさを表す尺度の一つで,広げ,伸ばし,据込み
reduction in height
などを行う材料部分の加工前の高さをH0,加工終了時の高
さをHとするとき, H0 H ×100によって算出される百分
H0
率。
2109 据込み比 upsetting ratio
据込み座屈の起こりやすさを評価する尺度で,据込みを行
H
う材料部分の加工前の高さをH0,直径をD0とするとき,00
D
によって与えられる比。
2110 押出し比 押出し加工の程度を表す指標で,押出し前の断面積をA0,
extrusion ratio
A0によって与えられる比。
後の断面積をAとするとき,A
2111 鍛錬成形比 forging ratio
鍛錬効果を表す尺度の一つで,3方向の主ひずみ中,常に
最大ひずみの方向における鍛造前/後又は後/前の長さ
の比(1より大きくなるように取る。)。
備考 JIS G 0701参照。
2112 型打ち面積 projected area
型鍛造の際,鍛造荷重が分布される面積。通常は,インプ
レッションにばり道を加え,それを鍛造方向に垂直な面に
投影してできる面積。
2113 型打ち荷重 型鍛造を行うために必要な力。 forging load
2114 型打ち偏心荷重 eccentric load
合力が,スライド又はラムの中心から,外れて作用するよ
うな型打ち荷重(JIS B 0111参照)。
2115 理論的荒地 theoretical preform
実際の荒地の軸に平行な面への投影形状を求めるために,
断面積線図を基にして,各部の断面と等しい円形断面の直
(りろんてきあらじ)
径を,材料中心軸に直角に両側に等しく振り分けて取り,
その頂点を結んだ線の形状(付図11参照)。
2116 荒地 荒成形した材料。 preform

――――― [JIS B 0112 pdf 4] ―――――

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B 0112-1994
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2117 焼減り scale loss
鍛造前の加熱又は鍛造後の熱処理によって表面に生じた
スケールのために,鍛造品の質量が減少すること。
また,スケールが,鍛造,ショットブラストなどによっ
て除去されるために,減少する質量。
2118 つかみ代 tong hold
鍛造の際,材料をつかむために設けた鍛造品本体以外の材
料部分。
2119 材料歩留り ばりを含まない鍛造品の質量 (M) が,それを作るために
stock utilization
M0×100とし
投入した材料の重量 (M0) に占める割合で,M
て算出される百分率。
(b) 鍛造品
番号 用語 定義 対応英語(参考)
2201 鍛造図 forging drawing
鍛造品の形状を投影図法で示すと同時に,要求品質を記入
した図面。
2202 断面積線図 cross section diagram
体積配分に利用するために,ばりが付いている仕上げ鍛造
品又は荒地について,その軸上の各点における断面積を縦
座標に,軸上の基点からその各点までの距離を横座標に取
り,グラフに描いたもの(付図11参照)。
2203 抜けこう配 draft angle
型鍛造における材料流れ及び型打ち直後の鍛造品の金型
からの取出しを容易にするため,鍛造品の側面を鍛造方向
に対して傾けているこう配。
備考1. 抜けこう(勾)配と表記してもよい。
2. 鍛造品に抜けこう配を与えるために,金型イ
ンプレッションの側面に与える傾きも,抜け
こう配という。
2204 丸み半径 鍛造品又は金型の角部半径及び隅部半径。 corner and fillet radii
2205 ウェブ web
鍛造品の型割り面に平行で,比較的薄い部位。一般に,リ
ブとリブ,ボスとボス又はリブとボスとの間のつなぎにな
る。
2206 リブ 鍛造品の型割り面に直角に突出する薄い部分。 rib
2207 形状複雑度 complexity of shape
ハンマ及びプレス加工における鍛造品の複雑度を表す尺
度。次式で計算されるSnで表す。
Sn= 鍛造品の質量(又は体積)
全体の形状に対する質量(又は体積)
ここに,全体の形状に対する質量(又は体積)とは,鍛
造品を内包する最小体積の直方体又は円柱体の質量(又は
体積)をいう。
備考 JIS B 0415参照。
2208 黒皮 surface as forged
鍛造したままの鍛造品の肌で,通常はスケールを取り除い
た状態のもの。
2209 ばり flash
鍛造の際,過大荷重,欠肉の防止などのため,金型のすき
まからはみ出させる薄い材料部分(付図12参照)。
2210 ばり厚 flash thickness
型鍛造品又は荒地に付いているばりのばり道部分の厚さ
(−あつ) (付図12参照)。
2211 取り代 machining allowance
鍛造品において,切削又は研削によって除去する部分の厚
さ。
2212 鍛流線 grain flow
始めの材料の長さ方向の繊維組織が,鍛造によって曲げら
れた模様。鍛造中の材料の流れ及び鍛造品のじん(靱)性
の推定に用いられる。

――――― [JIS B 0112 pdf 5] ―――――

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JIS B 0112:1994の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 0112:1994の関連規格と引用規格一覧