この規格ページの目次
JIS B 6914:2002 規格概要
この規格 B6914は、鉄鋼の浸炭及び浸炭窒化し,焼入焼戻しする加工について規定。
JISB6914 規格全文情報
- 規格番号
- JIS B6914
- 規格名称
- 鉄鋼の浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し加工
- 規格名称英語訳
- Process of carburizing and carbonitriding, quenching and tempering of iron and steel
- 制定年月日
- 1970年10月1日
- 最新改正日
- 2015年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 25.200, 77.140.01
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 熱処理 2020
- 改訂:履歴
- 1970-10-01 制定日, 1973-10-01 確認日, 1977-01-01 改正日, 1980-01-01 確認日, 1983-01-01 改正日, 1987-09-01 確認日, 1992-09-01 確認日, 1997-03-20 改正日, 2002-01-20 改正日, 2007-01-20 確認日, 2010-08-20 改正日, 2015-10-20 確認
- ページ
- JIS B 6914:2002 PDF [14]
B 6914 : 2002
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本金属熱処理工
業会 (HTTAJ) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。これに
よってJIS B 6914 : 1997は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,規格名称,適用範囲,加工材料,加工方法,加工品の品質などの改正及び熱処理油な
どに対する環境の保全,附属書(鉄系焼結材料の履歴,加工品の品質及び試験方法)が新たに規定された。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS B 6914には,次に示す附属書がある。
附属書(規定) 鉄系焼結材料の履歴,加工品の品質及び試験方法
(pdf 一覧ページ番号 )
――――― [JIS B 6914 pdf 1] ―――――
日本工業規格(日本産業規格) JIS
B 6914 : 2002
鉄鋼の浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し加工
Process of carburizing and carbonitriding, quenching and tempering of iron and steel
1. 適用範囲 この規格は,鉄鋼を浸炭及び浸炭窒化し,焼入焼戻しする加工(以下,加工という。)につ
いて規定する。
備考 この規格は,鋳鉄には適用しない。
2. 引用規格 付表1に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成
する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 6905によるほか,次による。
a) 加工材料 加工の対象となる部品であって,機械器具,ジグ,装置又はそれらの部品で,ほぼ完成若
しくはそれに近い状態の鉄鋼製品。
b) 加工品 加工材料について,この規格による加工を終了したもの。
c) 単体 1個又は一組の加工品。
d) 雰囲気炉 加工材料を加熱する雰囲気の酸化性又は還元性,脱炭性又は浸炭性などを,加工の目的に
適するように調整できる加熱炉。
e) 熱浴槽 加工材料を油,溶融塩,溶融金属などの熱浴中で加熱又は焼入冷却する設備。
f) 空気炉 加工材料を空気中又は燃料の燃焼気中で加熱する炉。
g) 真空炉 加工材料を減圧の浸炭性ガス又は不活性ガスの中で加熱し,浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れ
できる装置で,圧力を加工の目的に適するように調整できる加熱炉。冷却には水,油又はガスのいず
れかを使用する。
h) プラズマ浸炭炉・プラズマ浸炭窒化炉 減圧した浸炭性雰囲気中又は浸炭窒化性雰囲気中で,陰極と
した加工材料と,陽極との間に生じるグロー放電によるプラズマを用いた浸炭又は浸炭窒化ができる
炉。焼入用冷却設備を備えたものがある。
4. 加工の種類及び記号 加工の種類及び記号は,加工の方法によって,表1のとおりとする。
表1 加工の種類及び記号
加工の種類 記号(1)
浸炭 ガス浸炭焼入焼戻し HCG−HQ−HT
真空浸炭焼入焼戻し HCV−HQ−HT
プラズマ浸炭焼入焼戻し HCP−HQ−HT
液体浸炭焼入焼戻し HCL−HQ−HT
――――― [JIS B 6914 pdf 2] ―――――
2
B 6914 : 2002
加工の種類 記号(1)
浸炭窒化 ガス浸炭窒化焼入焼戻し HCNG−HQ−HT
真空浸炭窒化焼入焼戻し HCNV−HQ−HT
プラズマ浸炭窒化焼入焼戻し HCNP−HQ−HT
注(1) 記号はJIS B 0122に準拠する。
備考 滴注浸炭焼入焼戻しは,ガス浸炭焼入焼戻しに,また,滴注浸炭
窒化焼入焼戻しは,ガス浸炭窒化焼入焼戻しに含める。
5. 加工材料
5.1 加工材料の種類 加工材料の種類は,表2に規定するもの,又は加工品の品質が,8.及び附属書の
5.の規定に適合するものでなければならない。
表2 加工材料の種類
規格番号 種類の記号
a) 機械構造用炭素鋼・合金鋼
JIS G 4051 S09CK, S15CK, S20CK
JIS G 4052 SMn420H, SMnC420H, SCr415H, SCr420H
SCM415H, SCM418H, SCM420H, SCM822H
JIS G 4102SNC415H, SNC815H, SNCM220H, SNCM420H
JIS G 4103SNC415, SNC815
SNCM220, SNCM415, SNCM420, SNCM616,
SNCM815
JIS G 4104SCr415, SCr420
JIS G 4105SCM415, SCM418, SCM420, SCM421, SCM822
JIS G 4106SMn420, SMnC420
b) 特殊用途鋼
JIS G 4303SUS316, SUS403, SUS420J1, SUS420J2
c) 鋳鋼品
JIS G 5101 SC360
d) 機械構造部品用焼結材料
JIS Z 2550SMF2015, SMF2025, SMF2030, SMF7020, SMF7025
5.2 加工材料の履歴 加工材料の履歴については,表3の項目が明らかにされたものでなければならな
い。
表3 加工材料の履歴
項目 備考
a) 加工材料の材料試験成績
加工材料の種類
化学成分(2)
溶鋼番号(2)
引張試験成績(2)
硬さ試験成績(2)
焼入性試験成績(2)
金属組織試験成績(2) 結晶粒度,脱炭層,非金属介在物,ミクロ組織及びマクロ組織。
焼結密度試験成績(2)
――――― [JIS B 6914 pdf 3] ―――――
3
B 6914 : 2002
項目 備考
b) 加工材料の製造方法
鋳造
鍛造 熱間・冷間の区別を含む。必要があれば鍛錬成形比。
圧延 熱間・冷間の区別を含む。
押出し 熱間・冷間の区別を含む。
焼結(3)
機械加工
プレス加工 熱間・冷間の曲げ及びねじりの区別を含む。
引抜き 熱間・冷間の区別を含む。
転造 熱間・冷間の区別を含む。
溶接 溶接部及び溶接方法。
c) 加工材料の前熱処理の有無及び方法 必要なときは加熱温度,保持時間及び冷却方法を明らかにする。
焼ならし
焼なまし
d) 加工材料の表面仕上げ条件及び矯正の度合い(2)
切削方法及びその条件
塑性加工方法及びその条件
矯正の度合い 熱間・冷間の区別を含む。
注(2) 加工に支障がないときは,省略してもよい。
(3) 鉄系焼結材料については,附属書による。
5.3 加工材料の外観・質量・形状・寸法・精度 加工材料の外観,質量,形状,寸法及び精度について
は,表4の項目が明らかにされたものでなければならない。
表4 加工材料の外観・質量・形状・寸法・精度
項目 備考
a) 加工材料の外観 割れ,きず,さび,黒皮など
b) 加工材料の質量(2)
c) 加工材料の形状(2)
特異形状
肉厚の不同
穴部の形状と位置
d) 加工材料の寸法及び精度(2)
寸法
浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し部の加工代
全体の加工代
浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し部の表面粗さ
寸法精度
形状偏差(4) (参考)形状偏差とは,真直度,平面度,真円度,円筒度,線の輪
郭度及び面の輪郭度をいう。
姿勢偏差(4) (参考)姿勢偏差とは,平行度,直角度及び傾斜度をいう。
位置偏差(4) (参考)位置偏差とは,位置度,同軸度,同心度及び対称度をいう。
注(4) 各偏差の定義は,JIS B 0621による。
5.4 加工材料の確認 加工材料の受入れに際しては,5.15.3に規定する加工に必要な項目を受渡当事者
間で確認し,必要があればJIS G 0565,JIS G 0566,JIS Z 2501及びJIS Z 2343による方法,その他適切
な方法によって,加工材料の品質を明らかにしなければならない。
6. 加工設備
6.1 浸炭加熱設備 浸炭加熱設備は,次による。
――――― [JIS B 6914 pdf 4] ―――――
4
B 6914 : 2002
a) 加熱設備は熱源の種類,加工の種類及び作業形式の連続・非連続の別を問わず,有効加熱帯内又は有
効処理帯内(5)で加工材料を加熱するとき,保持温度が目的温度に対して,表5で規定する加工品の品
質の区分のいずれかの保持温度許容値内に保持及び調整できなければならない。
表5 加熱設備の温度許容値
加工品の品質区分 保持温度許容差
1号 ±10
2号 ±15
注(5) 有効加熱帯及び有効処理帯は,JIS B 6901による。
備考 浸炭加熱設備は,ガス浸炭炉・ガス浸炭窒化炉・滴注浸炭炉・滴注浸炭窒化炉・真空浸炭炉・
真空浸炭窒化炉・プラズマ浸炭炉・プラズマ浸炭窒化炉・液体浸炭槽をいう。
b) ガス浸炭炉・ガス浸炭窒化炉・滴注浸炭炉・滴注浸炭窒化炉は,雰囲気ガスの組成を,加工の目的に
適するように調整できなければならない。
c) 真空炉は,雰囲気ガスの組成を,加工の目的に適するように調整できなければならない。
d) プラズマ浸炭炉・プラズマ浸炭窒化炉は,過熱防止装置・アーク放電防止装置をもち,真空度・雰囲
気ガス組成が加工の目的に適するように調整でき,安定したグロー放電が持続され,ガス比率を調整
するためのガス流量計をもっていなければならない。
e) 液体浸炭槽は,加工材料に対し侵食,その他有害な影響を与えてはならない。
f) 連続式浸炭又は浸炭窒化設備は,加熱,保持及び冷却の各領域で,それぞれの目的とする温度に必要
時間,保持できるように設備内の搬送速度を調整できなければならない。
6.2 浸炭剤・浸炭窒化剤 浸炭剤・浸炭窒化剤は,次による。
a) ガス浸炭・ガス浸炭窒化などに使用するガス又はアルコールは,純度が高く組成の変動が少ないもの
であり,不純物(硫黄など)の含有量が有害でない範囲でなければならない。
b) 液体浸炭剤は,加工に適切なものとし,加工材料に対し侵食その他有害な影響を与えるものであって
はならない。
6.3 焼入加熱設備 焼入加熱設備は,次による。
a) 加熱設備は,熱源の種類,雰囲気調整又は熱浴使用の有無及び作業形式の連続・非連続の別を問わず,
有効加熱帯内又は有効処理帯内(5)で,加工材料を加熱するとき,加工の目的のための保持温度が,加
工の種類,加工材料の種類などによるそれぞれの目的温度に対して,表5で規定する加工品の品質の
区分のいずれかの保持温度許容値内に保持及び調整できなければならない。
b) 燃料を熱源とする空気炉は,炎が直接加工材料に触れて品質を著しく損なうような構造であってはな
らない。
c) 熱浴槽の熱浴は,加工材料に対し,侵食,その他有害な影響を与えるものであってはならない。
d) 雰囲気炉は,雰囲気ガスの組成を,加工の目的に適するように調整できなければならない。
e) 真空炉は,真空度及び雰囲気ガスの組成を,加工の目的に適するように調整できなければならない。
f) 連続式焼入加熱設備は,焼入冷却直前までに,加工材料を目的温度に必要時間保持できるように設備
内の搬送速度を調整できなければならない。
6.4 焼入冷却設備 焼入冷却設備は,次による。
a) 焼入冷却設備は,表6によるものとし,冷却槽内の冷却剤の使用温度は,それぞれ表6の許容差を超
えないように調整できなければならない。
――――― [JIS B 6914 pdf 5] ―――――
次のページ PDF 6
JIS B 6914:2002の国際規格 ICS 分類一覧
JIS B 6914:2002の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0122:1978
- 加工方法記号
- JISB0621:1984
- 幾何偏差の定義及び表示
- JISB6901:1998
- 金属熱処理設備―有効加熱帯及び有効処理帯試験方法
- JISB6905:1995
- 金属製品熱処理用語
- JISB7503:2017
- ダイヤルゲージ
- JISB7514:1977
- 直定規
- JISB7524:2008
- すきまゲージ
- JISB7725:2010
- ビッカース硬さ試験―試験機の検証及び校正
- JISB7725:2020
- ビッカース硬さ試験―試験機の検証及び校正
- JISB7726:2017
- ロックウェル硬さ試験―試験機及び圧子の検証及び校正
- JISB7727:2000
- ショア硬さ試験―試験機の検証
- JISB7734:1997
- ヌープ硬さ試験―試験機の検証
- JISB7734:2020
- ヌープ硬さ試験―試験機の検証及び校正
- JISG0551:2013
- 鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法
- JISG0551:2020
- 鋼―結晶粒度の顕微鏡試験方法
- JISG0552:1998
- 鋼のフェライト結晶粒度試験方法
- JISG0557:2019
- 鋼の浸炭硬化層深さ測定方法
- JISG0558:2007
- 鋼の脱炭層深さ測定方法
- JISG0558:2020
- 鋼の脱炭層深さ測定方法
- JISG0565:1992
- 鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び磁粉模様の分類
- JISG0566:1980
- 鋼の火花試験方法
- JISG4051:2016
- 機械構造用炭素鋼鋼材
- JISG4052:2016
- 焼入性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)
- JISG4102:1979
- ニッケルクロム鋼鋼材
- JISG4103:1979
- ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材
- JISG4104:1979
- クロム鋼鋼材
- JISG4105:1979
- クロムモリブデン鋼鋼材
- JISG4106:1979
- 機械構造用マンガン鋼鋼材及びマンガンクロム鋼鋼材
- JISG4303:2012
- ステンレス鋼棒
- JISG4303:2021
- ステンレス鋼棒
- JISG5101:1991
- 炭素鋼鋳鋼品
- JISK2242:2012
- 熱処理油剤
- JISZ2244:2009
- ビッカース硬さ試験―試験方法
- JISZ2245:2016
- ロックウェル硬さ試験―試験方法
- JISZ2245:2021
- ロックウェル硬さ試験―試験方法
- JISZ2246:2000
- ショア硬さ試験―試験方法
- JISZ2343:1992
- 浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
- JISZ2501:2000
- 焼結金属材料―密度,含油率及び開放気孔率試験方法
- JISZ2550:2016
- 焼結金属材料―仕様