JIS C 1031:1990 工業プロセス用圧力・差圧伝送器の試験方法

JIS C 1031:1990 規格概要

この規格 C1031は、工業用プロセスに用いられる圧力・差圧伝送器の試験方法について規定。ここでいう伝送器とは,入力の圧力又は差圧を統一信号の出力値に変換し,伝送する直流電源駆動の電子式伝送器又は空気式伝送器である。

JISC1031 規格全文情報

規格番号
JIS C1031 
規格名称
工業プロセス用圧力・差圧伝送器の試験方法
規格名称英語訳
Methods of evaluating the performance of pressure and differential pressure transmitters for use in industrial-process control systems
制定年月日
1990年9月1日
最新改正日
2016年10月20日
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対応国際規格

ISO

IEC 60770:1984(NEQ)
国際規格分類

ICS

23.140
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
電気計測 2021
改訂:履歴
1990-09-01 制定日, 1996-06-01 確認日, 2001-02-20 確認日, 2006-06-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS C 1031:1990 PDF [13]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C1031-1990

工業プロセス用圧力・差圧伝送器の試験方法

Methods of evaluating the performance of pressure anddifferential pressure transmitters for use inindustrial-process control systems

1. 適用範囲 この規格は,工業プロセスに用いられる圧力・差圧伝送器(以下,伝送器という。)の試験
方法について規定する。ここでいう伝送器とは,入力の圧力又は差圧を統一信号の出力値に変換し,伝送
する直流電源駆動の電子式伝送器又は空気式伝送器である。
備考1. この規格は,伝送器の形式試験を規定するものであり,個別試験については規定しない。
なお,この規格は,伝送器の一般性能についての試験方法を規定するものであって,例え
ば原子力向けの事故模擬試験のような特殊試験方法については規定しない。
2. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0155 工業プロセス計測制御用語
JIS C 0920 電気機械器具及び配線材料の防水試験通則
JIS C 1002 電子測定器用語
JIS C 1302 絶縁抵抗計(電池式)
JIS C 1803 工業計器性能表示法通則
JIS Z 8103 計測用語
JIS Z 8115 信頼性用語
JIS Z 8116 自動制御用語(一般)
3. この規格の対応国際規格を,次に示す。
IEC 770 (1984) Methods of evaluating the performance of transmitters for use in industrial-process
control systems.
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0155,JIS C 1002,JIS C 1803,JIS Z 8103,
JIS Z 8115及びJIS Z 8116によるほか次による。
(1) レンジの下限値 出力0%のときの入力値。
(2) レンジの上限値 出力100%のときの入力値。
(3) ゼロ正遷移レンジ レンジの下限値がマイナス側にあるレンジ(図1参照)。
(4) ゼロ負遷移レンジ レンジの下限値がプラス側にあるレンジ(図1参照)。
(5) ヒステリシス 入力変化の方向性前歴によって生じる同一入力値に対する出力値の差(図2参照)。
(6) 最大使用圧力 伝送器受圧部に加えられる圧力で,仕様で定める最大圧力。

――――― [JIS C 1031 pdf 1] ―――――

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C1031-1990
(7) 静圧 差圧伝送器の高圧側プロセス流体圧力。
(8) プロセス接続口 プロセス流体を伝送器の受圧部内部に導くための接続口。
図1 レンジ調整と入力,出力の関係の例
図2 入出力におけるヒステリシスの例
3. 共通的な条件
3.1 試験条件一般
3.1.1 周囲条件 周囲条件は,各試験方法において特に規定がない限り表1のとおりとする。ただし,5.1
以外の試験については,表2のとおりとしてもよい。
表1 周囲条件
項目 基準値 許容値
周囲温度℃ 23 ±2
湿度%RH 50 ±10
大気圧力kPa 101.3 −15.3+4.7

――――― [JIS C 1031 pdf 2] ―――――

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C1031-1990
表2 周囲条件
項目 許容値
周囲温度℃ 1535*
湿度%RH 75以下
注* 温度変化量は1時間で5℃以内とす
る。
3.1.2 供給電源又は供給空気源 供給電源(電子式伝送器に適用)又は供給空気源(空気式伝送器に適用)
は,表3のとおりとする。
表3 供給電源又は供給空気源
項目 基準値又は基準条件 許容値又は許容条件
電 電圧 製造業者の指定による。 ±1%

リプル含有率 0% 0.1%以下
圧力 製造業者の指定による。 ±1%

給 温度 周囲温度 ±2℃
空 湿度 結露しないこと。 露点が伝送器より10℃以上低いこと。

源 油分 油分含有率が100万分の1以下であること。 影響がないこと。
ちり(塵)
ちりの粒子が径3 下であること。
影響がないこと。
3.1.3 負荷インピーダンス及び入力信号 伝送器の負荷インピーダンス及び入力信号は,表4のとおりと
する。
表4 負荷インピーダンス及び入力信号
項目 基準値又は基準条件 許容値又は許容条件
イ伝 電子式伝送 電流出力 250 圀 製造業者の指定による。
ン送 器の場合
ピ機 電圧出力 製造業者の指定による。
ーの
ダ負 空気式伝送 内径4mm,長さ8mの導管
ン荷 器の場合 の先端に20cm3の容量が接

続されていること。
入力信号 脈動がないこと。
3.2 試験状態
3.2.1 取付状態 伝送器の取付姿勢は,製造業者が指定する姿勢とし,取付姿勢試験を除き,試験時は同
一姿勢とする。
また,このとき,試験結果に影響を与えるような機械的な外力があってはならない。
なお,伝送器のカバーは,取り付けて試験を行う。
3.2.2 内部湿度の状態 伝送器の内部温度は,平衡に達した状態とする。
3.3 試験手順一般
3.3.1 試験時のレンジ設定 試験時のレンジ設定は,次による。
(1) スパンは,原則として製造業者が指定した最小スパン,最大スパン及び中間スパンに設定し,それぞ
れのスパンについて試験を行う。ただし,スパンの設定値を変更することによる特性への影響が明ら
かに推論できる試験項目がある場合には,その試験項目におけるスパンの設定の一部を省略できる。
(2) 機械的な遷移機構をもたない伝送器の場合には,レンジ下限値をゼロ正遷移レンジ又はゼロ負遷移レ
ンジの影響が少ないところに設定し,試験を行う。機械的な遷移機構をもつ伝送器の場合には,レン
ジの下限値を遷移範囲の下限値及び上限値についても設定し,それぞれのレンジについて試験を行う。
ただし,レンジの下限値の設定を変更することによる特性への影響が明らかに推論できる場合には,
レンジの下限値の設定の一部を省略できる。

――――― [JIS C 1031 pdf 3] ―――――

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C1031-1990
3.3.2 事前準備 この規格に規定する各種の試験を開始する前に必要な事前準備は,次による。
(1) 伝送器のレンジの下限値とスパンをあらかじめ調整しておく。
(2) ダンピングは,最小の状態に設定する。
(3) 試験装置は,試験に必要な精度を十分確保できるものを用意する。
3.3.3 試験手順 試験手順は,各試験方法において特に規定がない限り,次による。
(1) 6.の試験を除き,供給電源又は供給空気源投入から最低15分経過後,試験を開始する。
(2) 4.の試験,5.2.14の試験及び5.2.15の試験を除き,差圧伝送器の低圧側は大気圧とする。
(3) 試験結果は,スパンの百分率で表すものとする。
4. 特性試験のための事前確認試験
4.1 耐圧試験 耐圧試験は,水若しくは適切な液体又は気体を用いて,試験圧力を伝送器に衝撃を与え
ないようにプロセス接続口に徐々に加え,伝送器の最大使用圧力の1.5倍の圧力まで達した後,10分間そ
の圧力を保ち,異常の有無を調べる。
ただし,試験圧力が製造業者によって指定されている場合には,製造業者指定の圧力で試験を行う。
なお,差圧伝送器では,試験圧力を高圧側,低圧側の両方のプロセス接続口に同時に加える。
4.2 漏れ試験 漏れ試験は,空気圧(高圧の場合には窒素又は不活性ガスを使用する。)を伝送器に衝撃
を与えないようにプロセス接続口に徐々に加え,原則として,最大使用圧力で10分間保ち,漏れの有無を
調べる。
なお,差圧伝送器では,試験圧力を高圧側,低圧側の両方のプロセス接続口に同時に加える。
4.3 防水試験 防水試験は,JIS C 0920に規定する試験方法に従い,製造業者が指定する条件で行う。
5. 静特性試験
5.1 精度定格を決定するための要因試験 精度定格を決定するための要因についての試験手順及びその
求め方は,次による。
(1) 一般
(1.1) 手順 手順は,次による。
(a) 伝送器及び試験装置は,3.に基づいて安定させておく。
(b) 伝送器は,試験の前に設定レンジの上限値及び下限値の誤差が最小となるように調整する。
(c) 伝送器は,試験を実施する前に設定レンジの全域にわたり動かしておく。
(d) 測定は,特に指定のない限り,設定レンジの全域にわたり測定値を上昇,次いで下降させて行う。
(e) 測定点は,レンジの下限値及び上限値を含む5点以上とする。
(f) 設定レンジに対して少なくとも3往復の入出力値を測定する。
(g) 各測定点の測定において,伝送器の出力が最終と思われる値に安定するまで入力を一定に保つ。
(h) 試験中の機器をたたいたり振動させることは,5.2.12の試験及び5.2.13の試験以外では行わない。
(1.2) 誤差の求め方 誤差の求め方は,次による。
(1.2.1) 誤差は,測定出力値と基準となる出力値との差とし,その表示は,出力スパンに対する比率を百分
率で表すものとする。
(1.2.2) 測定結果から次の上昇平均誤差,下降平均誤差及び平均誤差を算出し,校正表を作成する(図3参
照)。この校正表を基に,上昇校正曲線,下降校正曲線及び校正曲線を表す校正図を作成する(図4
参照)。

――――― [JIS C 1031 pdf 4] ―――――

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C1031-1990
(a) 上昇平均誤差 測定サイクルで入力圧を加えていったときの各測定点における誤差(上昇誤差)の
平均。
(b) 下降平均誤差 測定サイクルで入力圧を減らしていったときの各測定点における誤差(下降誤差)
の平均。
(c) 平均誤差 上昇誤差と下降誤差の各測定点における平均。
(2) 両端基準直線性(又は両端基準一致性) 両端基準直線性(又は両端基準一致性)は,校正曲線のレ
ンジの下限値と上限値の点で一致する両端基準直線(又は規定特性曲線)を引き,この直線(又は曲
線)からの校正曲線の最大偏差を求め,理論上の出力スパンに対する比率を正又は負の百分率で表す。
(3) 最大誤差 最大誤差は,上昇校正曲線及び下降校正曲線から決まる誤差の最大値(絶対値)とする。
(4) ヒステリシス ヒステリシスは,各入力点における上昇平均誤差と下降平均誤差の差の最大値で表す。
(5) 繰返し性 繰返し性は,同方向から接近させたN回の測定値の平均値と各測定値の偏差を求め,これ
の二乗和の (N−1) 分の1を開平したもので,各入力点において計算した値の最大値とし,これを百
分率で表す。
(6) 不感帯 不感帯は,次の方法で試験する。
(6.1) 伝送器及び試験装置は,3.の下で安定させておく。
(6.2) 不感帯の測定は,レンジの下限値,上限値及び上限値と下限値の中間で行い,それぞれの測定回数
は,3回以上とする。
レンジの下限値及び上限値での測定が不可能な場合には,10%及び90%の点で測定してもよい。
(6.3) 不感帯の試験手順は,次による。
(a) 出力変化が検知できるまで入力をゆっくり変える。
(b) 入力値を測定する。
(c) 出力変化が検知できるまで入力を(a)と逆方向にゆっくり変える。
(d) 入力値を測定する。
(e) 上記(b)と(d)の両入力値の差を入力スパンの百分率で表す。
(f) 測定結果の最大値を不感帯とする。

――――― [JIS C 1031 pdf 5] ―――――

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