JIS D 4604:1995 規格概要
この規格 D4604は、自動車による交通事故などの際に,乗員を傷害から防護し,又は傷害を軽減するために,自動車に取り付けて使用するシートベルトについて規定。
JISD4604 規格全文情報
- 規格番号
- JIS D4604
- 規格名称
- 自動車部品―シートベルト
- 規格名称英語訳
- Automotive parts -- Seat belt
- 制定年月日
- 1966年3月1日
- 最新改正日
- 2017年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 43.040.60
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 自動車 II 2020
- 改訂:履歴
- 1966-03-01 制定日, 1969-03-01 確認日, 1969-05-01 改正日, 1972-06-01 確認日, 1975-03-01 改正日, 1978-03-01 確認日, 1979-12-01 改正日, 1987-01-01 確認日, 1988-11-01 改正日, 1995-02-01 改正日, 2000-11-20 確認日, 2006-01-20 確認日, 2006-03-25 改正日, 2011-10-20 確認日, 2017-10-20 確認
- ページ
- JIS D 4604:1995 PDF [33]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
D 4604-1995
自動車部品−シートベルト
Automotive parts−Seat belt
1. 適用範囲 この規格は,自動車による交通事故などの際に,乗員を傷害から防護し,又は傷害を軽減
するために,自動車に取り付けて使用するシートベルト(以下,シートベルトという。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0208 ユニファイ細目ねじ
JIS B 0212 ユニファイ細目ねじの許容限界寸法及び公差
JIS B 7753 サンシャインカーボンアーク灯式耐光性及び耐候性試験機
JIS D 0101 自動車の種類に関する用語
JIS D 0201 自動車部品−電気めっき通則
JIS D 0202 自動車部品の塗膜通則
JIS D 0205 自動車部品の耐候性試験方法
JIS D 1050 自動車の衝撃試験における計測
JIS D 1201 自動車室内用有機資材の燃焼性試験方法
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS L 0801 染色堅ろう度試験方法通則
JIS L 0848 汗に対する染色堅ろう度試験方法
JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
JIS Z 8901 試験用ダスト
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) シートベルト ウエビング,取付具,バックル,長さ調節具などで構成し,自動車の車室内に乗員を
拘束する装置。
(2) 二点式シートベルト 乗員の腰部を拘束するための2点支持形式のシートベルト。
(3) 三点式シートベルト 乗員の腰部及び上胴部を同時に拘束するための3点支持形式のシートベルト。
(4) 三点式シートベルトの腰部 三点式シートベルトの腰部に掛ける部分。
(5) 三点式シートベルトの肩部 三点式シートベルトの上胴部に掛ける部分。
(6) ウエビング 繊維材料で作った帯状のもの。
(7) 腰ウエビング 二点式シートベルト及び三点式シートベルトの腰部に用いるウエビング。
(8) 連続ウエビング 三点式シートベルトの,腰部及び肩部の両方を拘束する単一のウエビング。
(9) バックル 乗員を座席に拘束し,かつ,速やかに解離するためのシートベルトの結合部。
(10) 包囲形押しボタン 直径40 mmの球を用いてバックルの押しボタン部を押したときに,解離できない
形式のもの(付図1参照)。
――――― [JIS D 4604 pdf 1] ―――――
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(11) 非包囲形押しボタン 直径40mmの球を用いてバックルの押しボタン部を押したときに,解離できる
形式のもの(付図1参照)。
(12) 部分的結合 バックルにタングプレートを挿入したときに,完全に結合しておらず,引っ張るとタン
グプレートが抜け出すような状態。
(13) 解離力 バックルの結合を解き離すのに要する力。
(14) 長さ調節具 ウエビングの長さを調節して着用者の身体に適合させるための器具。
(15) チルトロック式長さ調節具 ウエビングと長さ調節具とがなす角度がある範囲内のときだけ,ウエビ
ングを調節した長さでロックすることができる長さ調節具。
(16) マイクロスリップ 長さ調節具を通るウエビングの長さを,着用者の身体に適合して調節した後,乗
車中にその調節位置が徐々にずれて,シートベルトが緩む方向に,長さ調節具からウエビングが少し
づつ滑り出る現象。
(17) スリップガイド ウエビングの方向を変更するための器具。
(18) 取付具 シートベルトを自動車に取り付けるための器具。三点式シートベルトの肩部の取付具を上部
取付具,二点式シートベルト及び三点式シートベルトの腰部の取付具を下部取付具という。
(19) 巻取装置 シートベルトの一部品で,ウエビングを巻き取る装置。
(20) 緊急ロック式巻取装置 着用中のウエビングの引出し及び巻込みが自由に行うことができ,かつ,緊
急の場合,例えば,自動車の衝突,追突,転覆などによって急激な速度変化が生じたときに,ロック
機構が働いてロックする巻取装置。
(21) 自動ロック式巻取装置 任意の位置までウエビングを引き出して,引出し操作を停止してシートベル
トを着用したときに,自動的にロック機構が働く巻取装置。
(22) ロードリミッタ 自動車が衝突したときに,乗員が着用したシートベルトに加わる荷重を制限するた
めに,必要に応じてシートベルトに追加した,又は組み込んだ装置又は機能。
(23) 動荷重試験 自動車が衝突した際に近い状況を再現するために,乗員が着用したシートベルトに加わ
る外力とほぼ同等な衝撃力を短時間,かつ,急激に与える試験。
(24) ダミー 成人に類似させた人体模型。
3. 種類及び記号 シートベルトの種類及び記号は,表1のとおりとする(参考参照)。
表1 シートベルトの種類及び記号
シートベルトの種類 記号(1)
二点式シートベルト II
三点式シートベルト III
注(1) ロードリミッタを含むものに
は,この記号の後に記号“E”
を付ける。
例 IIE, IIIE
4. 性能
4.1 金属部品の有効面の耐食性 すべての金属部品の有効面の耐食性は,7.1によって試験し,JIS D 0201
の5.4(めっきの耐食性),又はJIS D 0202の3.5(耐食性)の規定に適合し,かつ,バックル,巻取装置,
その他の金属部品(取付具を除く。)の表面に,着用者又は着用者の衣服に,直接又はウエビングを介して
付着するような腐食又はさびの生成物を生じてはならない。
――――― [JIS D 4604 pdf 2] ―――――
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4.2 プラスチック部品の耐熱性 プラスチック部品(ウエビングを除く。)の耐熱性は,7.2によって試
験し,正常な機能を妨げる変形,損傷などがあってはならない。
4.3 有機資材部品の燃焼性 有機資材部品の燃焼性は,7.3によって試験し,JIS D 1201の6.7(燃焼性
区分)の遅燃性又は自消性に適合しなければならない。
4.4 ウエビング ウエビングは,次のとおりとする。ただし,シートベルト着用時に直接乗員に接触し
ないウエビングについては,(1)(b)及び(2)(h)を適用しなくてもよい(参考参照)。
また,周囲を樹脂性カバーなどで覆っているウエビングについては,(2)(a), (2)(e), (2)(f)及び(2)(g)を適用
しなくてもよい(参考参照)。
なお,4.10(2)(b)を適用する場合には,(1)(c)及び(1)(d)を適用しなくてもよい。
(1) 標準状態の性能 標準状態の性能は,7.4(1)によって調製し,次のとおりとする。
(a) 引張強さ 引張強さは,7.4(1)(1.1)によって試験し,ウエビングの種類によって表2のとおりとする。
なお,ウエビングで構成するロードリミッタの引張強さは,4.9を適用してもよい。
表2 ウエビングの引張強さ
ウエビングの種類 引張強さ kN
腰ウエビング 26.7以上
連続ウエビング 22.3以上
(b) 幅 シートベルト着用時に直接乗員に接触するウエビングの幅は,7.4(1)(1.2)によって試験し,46
mm以上とする。
(c) 伸び 伸びは,7.4(1)(1.3)によって試験し,その伸び率が,腰ウエビングは20%以下,連続ウエビン
グは30%以下とする。ただし,ウエビングで構成するロードリミッタには適用しなくてもよい。
(d) エネルギー吸収率 エネルギー吸収率は,7.4(1)(1.4)によって試験し,ウエビングの種類によって表
3のとおりとする。ただし,ウエビングで構成するロードリミッタには適用しなくてもよい。
表3 ウエビングのエネルギー吸収率
ウエビングの種類 エネルギー吸収率 %
腰ウエビング 50以上
連続ウエビング 55以上
(2) 劣化性能 劣化性能は,次のとおりとする。
(a) 耐摩耗性 耐摩耗性は,7.4(2)(2.1)(a)によって試験し,引張強さが試験前の値(2)の75%以上で,か
つ,14.7kN以上とする。ただし,長さ調節具を通るウエビングの耐摩耗性は,7.4(2)(2.1)(b)によっ
て試験し,引張強さが表2の値の75%以上で,かつ,14.7kN以上とする。
なお,長さ調節具を通るウエビングが,7.6(3)によって試験して,マイクロスリップ量が12.5mm
未満である場合には,7.4(2)(2.1)(b)の試験は,適用しなくてもよい。
注(2) (1)(a)の判定に用いた引張強さの測定値。ただし,同一ロットからの試料のものとする。
(b) 耐寒性 耐寒性は,7.4(2)(2.2)によって試験し,引張強さが試験前の値(2)の80%以上で,かつ,14.7kN
以上とする。
(c) 耐熱性 耐熱性は,7.4(2)(2.3)によって試験し,引張強さが試験前の値(2)の80%以上で,かつ,14.7kN
以上とする。
(d) 耐水性 耐水性は,7.4(2)(2.4)によって試験し,引張強さが試験前の値(2)の75%以上で,かつ,14.7kN
以上とする。
(e) 耐光性 耐光性は,7.4(2)(2.5)によって試験し,引張強さが試験前の値(2)の60%以上で,かつ,14.7kN
――――― [JIS D 4604 pdf 3] ―――――
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D 4604-1995
以上とする。
(f) 光に対する染色堅ろう度 光に対する染色堅ろう度は,7.4(2)(2.6)によって試験し,JIS L 0801に規
定する変退色2級以上とする。
(g) 摩擦に対する染色堅ろう度 摩擦に対する染色堅ろう度は,7.4(2)(2.7)によって試験し,JIS L 0849
に規定する乾燥,湿潤共に3級以上とする。
(h) 汗に対する染色竪ろう度 汗に対する染色堅ろう度は,7.4(2)(2.8)によって試験し,JIS L 0848に規
定するA法の変退色3級以上,かつ,汚染4級以上とする。
4.5 バックル バックルは,次のとおりとする。
(1) 耐久性 耐久性は,7.5(1)によって試験し,バックルに著しい損傷,摩耗などがないこと。
(2) 圧縮性 圧縮性は,7.5(2)よって試験し,バックルが解離せず,かつ,試験後,通常に使用できること。
(3) 部分的結合 部分的結合が生じた場合でも,22N以下で分離できなければならない。
(4) 解離力 解離力は,7.5(3)の(a)又は(b)によって試験し,140N以下とする。
4.6 長さ調節具 長さ調節具は,次のとおりとする。
(1) 長さ調節力 長さ調節力は,7.6(1)によって試験し,50N以下とする。
(2) チルトロック式長さ調節具のチルトロック角度 チルトロック式長さ調節具のチルトロック角度は,
7.6(2)によって試験し,30°以上とする。
4.7 取付具 取付具は,次のとおりとする。
(1) ボルトの引張強さ ボルトの引張強さは,7.7(1)によって試験し,取付具の種類によって表4に示す引
張荷重に耐えること。
表4 ボルトの引張荷重
取付具の種類 引張荷重 kN
単式 22.3
複式 40.0
(2) 保持金具の強さ アイボルトに連結する取付具本体で付図2に示すような保持金具を備えているフッ
クの場合には,保持金具の強さは,7.7(2)によって試験し,保持金具が垂直方向及び水平方向に2mm
以上動かないこと。
4.8 巻取装置 巻取装置は,次のとおりとする。
(1) 緊急ロック式巻取装置 緊急ロック式巻取装置(略称ELR)は,次のとおりとする。
(a) 巻込力 巻込力は,7.8(1)によって試験し,二点式シートベルト用及び三点式シートベルトの腰部用
では2.6N以上とし,三点式シートベルトの肩部用では17Nとする。
また,7.8(4)に規定する耐久性試験後の巻込力は,その耐久性試験前の巻込力の値の50%以上とす
る。
(b) 緊急ロック性能 緊急ロック性能は,7.8(4)に規定する耐久性試験の前後において,7.8(2)によって
試験し,表5の記号で分類したいずれかの一つの性能を満足しなければならない。
――――― [JIS D 4604 pdf 4] ―――――
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D 4604-1995
表5 巻取装置に加わる加速度・ロック距離,ウエビングに加わる引出し加速度・ロック
距離及び非ロック角度
記号(3) 巻取装置に加わる加速度及ウエビングに加わる引出し 非ロック角度(5)
びロック距離 加速度及びロック距離
加速度 ロック距離(4) 加速度 ロック距離(4)
m/s2 mm m/s2 mm
V 6.9 25以下 − − 12°以下
W − − 6.9 25以下 −
2.9 50以上
VW 6.9 25以下 19.6 50以下 12°以下
2.9 50以上
VWe 4.4 50以下 19.6 50以下 12°以下
7.8 50以上
VN 14.7 25以下 − − 12°以下
WN − − 14.7 25以下 −
2.9 50以上
VWN 14.7 25以下 19.6 50以下 12°以下
2.9 50以上
VWNe 8.3 50以下 19.6 50以下 12°以下
9.8 50以上
注(3) : vehicle sensitive(車体感応)の略記号。
W : webbing sensitive(ウエビング感応)の略記号
VW : vehicle and webbing sensitive (dual sensitive) (二重感応)の略記号。
e : Europe(ヨーロッパ)の頭文字。
N : JIS D 0101に規定する普通車(乗用車を除く。)に限って使用してもよい巻取装
置の記号。
(4) 規定した加速度を加え,巻取装置がロックするまでの巻取装置からのウエビングの引
出し量。
(5) 巻取装置を自動車の標準取付状態から傾けてロックしない角度。
(c) 耐久性 耐久性は,7.8(4)に規定する耐久性試験の各段階で,各部に異状がなく,ウエビングを滑ら
かに巻き込むことができるものでなければならない。
(d) 引張強さ 引張強さは,7.8(4)に規定する耐久性試験の後,7.8(5)によって試験し,巻取装置が拘束
機能を失ってはならない。
(2) 自動ロック式巻取装置 自動ロック式巻取装置(略称ALR)は,次のとおりとする。
(a) 巻込力 巻込力は,7.8(1)によって試験し,2.6N以上で,かつ,7.8(4)に規定する耐久性試験後の巻
込力は,その耐久性試験前の巻込力の値の50%以上とする。
(b) 自動ロック位置 自動ロック位置は,7.8(3)によって試験し,ウエビングの移動量が25mm以下とす
る。
(c) 耐久性 耐久性は,7.8(4)に規定する耐久性試験の各段階で,各部に異状がなく,ウエビングを滑ら
かに巻き込むことができるものでなければならない。
(d) 引張強さ 引張強さは,7.8(4)に規定する耐久性試験の後,7.8(5)によって試験し,巻取装置が拘束
機能を失ってはならない。
4.9 ロードリミッタ ロードリミッタは,7.9.2によって試験し,4.10(2)(a)の規定に適合しなければなら
ない。ただし,ウエビングで構成するロードリミッタは,7.4(1)(1.1)によって試験し,その引張強さは,14.7
kN以上とする。
――――― [JIS D 4604 pdf 5] ―――――
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JIS D 4604:1995の国際規格 ICS 分類一覧
JIS D 4604:1995の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0208:1973
- ユニファイ細目ねじ
- JISB0212:1973
- ユニファイ細目ねじの許容限界寸法及び公差
- JISB7753:2007
- サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
- JISD0101:1993
- 自動車の種類に関する用語
- JISD0201:1995
- 自動車部品―電気めっき通則
- JISD0202:1988
- 自動車部品の塗膜通則
- JISD0205:1987
- 自動車部品の耐候性試験方法
- JISD1050:1998
- 自動車―衝撃試験における計測
- JISD1201:1998
- 自動車,及び農林用のトラクタ・機械装置―内装材料の燃焼性試験方法
- JISG4303:2012
- ステンレス鋼棒
- JISG4303:2021
- ステンレス鋼棒
- JISL0801:2011
- 染色堅ろう度試験方法通則
- JISL0848:2004
- 汗に対する染色堅ろう度試験方法
- JISL0849:2013
- 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法
- JISZ8901:2006
- 試験用粉体及び試験用粒子