JIS H 8615:1999 工業用クロムめっき

JIS H 8615:1999 規格概要

この規格 H8615は、鉄,鋼及び非鉄金属素地上に耐磨耗性などの工業用の目的で行った有効面の電気クロムめっきについて規定。

JISH8615 規格全文情報

規格番号
JIS H8615 
規格名称
工業用クロムめっき
規格名称英語訳
Electroplated coatings of chromium for engineering purposes
制定年月日
1960年3月1日
最新改正日
2015年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 6158:1984(MOD)
国際規格分類

ICS

25.220.40
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
金属表面処理 2021
改訂:履歴
1960-03-01 制定日, 1963-05-01 確認日, 1966-05-01 確認日, 1966-10-01 改正日, 1969-10-01 確認日, 1972-05-01 改正日, 1975-08-01 改正日, 1978-10-01 確認日, 1980-09-15 改正日, 1986-02-01 確認日, 1990-03-01 改正日, 1993-02-01 改正日, 1999-08-20 改正日, 2004-01-20 確認日, 2006-03-25 改正日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS H 8615:1999 PDF [13]
H 8615 : 1999

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS H 8615 : 1993は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許権,実用新案権,又は出願公開後の実
用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会は,
このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登
録出願にかかわる確認について責任をもたない。
JIS H 8615には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) ピーニング条件の設定方法
附属書2(規定) クロムめっきの微小孔及び微小割れの測定方法
附属書3(参考) めっき前の応力除去のための熱処理条件
附属書4(参考) めっき後の水素ぜい性除去のための熱処理条件

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS H 8615 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
H 8615 : 1999

工業用クロムめっき

Electroplated coatings of chromium for engineering purposes

序文 この規格は,1.適用範囲の備考に示す対応国際規格を元に,対応する部分についてはこれらの対応
国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,対応国際規格には規
定されていない規定項目を日本工業規格(日本産業規格)として追加している。
1. 適用範囲 この規格は,鉄,鋼及び非鉄金属素地上に耐磨耗性などの工業用の目的で行った有効面の
電気クロムめっき(以下,めっきという。)について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 6158 : 1984 Metallic coatings−Electroplated coatings of chromium for engineering purposes
参考 めっきの用途とめっきの厚さの例を,参考付表1に示す。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。
JIS B 0601 表面粗さ−定義及び表示
JIS B 7502 マイクロメータ
JIS B 7515 シリンダゲージ
JIS H 0400 電気めっき及び関連処理用語
JIS H 0404 電気めっきの記号による表示方法
JIS H 8501 めっきの厚さ試験方法
JIS H 8502 めっきの耐食性試験方法
JIS H 8503 めっきの耐磨耗性試験方法
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8983 硫酸銅 (II) 五水和物(試薬)
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法
JIS Z 9031 ランダム抜取方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS H 0400によるほか,次による。
被覆されているか又は被覆されるべきで,その被覆が主要な性能及び外
a) 有効面 (significant surface)
観にかかわる部品の表面。
b) ポーラスクロムめっき (porous chromium coatings) めっきの表面に,溝又は孔を形成させたもの。
次の二つのものがある。
1) エッチングタイプ めっき後,電解的にエッチングを施して多孔性にしたもの。チャンネル,ピン

――――― [JIS H 8615 pdf 2] ―――――

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ポイント及びインターメジエートタイプがある。
2) ナーリングタイプ 素地を機械的に多孔性に加工し,これをめっき面に反映させたもの。
c) 多孔率 (porosity) ポーラスクロムのめっき面に任意の面積内において,溝又は孔の占める面積の割
合を百分率で表したもの。
参考 特殊な用途に対して,普通クロムめっき以外のクロムめっきが指定される場合がある。
1) 割れなしクロムめっき 多少軟らかいがもろくなく,基本的に割れがないクロムめっきであ
る。このため,普通クロムめっきより良好な耐食性を示す。このめっきは,一般に25
上には厚くせず,また研削による仕上げを施さず,さらに高荷重の加わる面には用いられな
い。このクロムめっきに熱処理を施すと防食性は低下する。
2) ポーラスクロムめっき 油の保持能力を改善するため,機械的,化学的又は電気化学的に多
孔化したクロムめっきである。多孔性の程度,種類(例えば,チャンネルないしポイント)
及び受入基準の測定法は指定される。
3) クラッククロムめっき マイクロクラッククロムめっきは,有効面全面において,どの方向
に対しても1cm当たり250以上の不可視的な割れが存在するマイクロクラック模様を作った
めっきである。また,マクロクラッククロムめっきは,1cm当たり250以下のクラックをも
つ。クラッククロムめっきの硬さは,一般に普通クロムめっきの硬さと同じであり,その構
造上,油の保持が容易である。マイクロクラックは,下地にニッケルめっきを施した場合に
は,マイクロクラッククロムより防食性が高い。
4) 二重クロムめっき 通常,割れなしクロムめっきを下地めっきとし,その上に普通クロムめ
っきを施したものである。そのため,硬さは普通クロムと同じであるが,防食性は高い。
4. めっきの記号 めっきの記号は,クロムめっきの元素記号Crの前に工業用を表す記号Iを付けて表す
ほか,JIS H 0404及び表1による。
表1 めっき前後の加工方法の記号
加工方法 めっき前 めっき後
バフ仕上げ 1BF 2BF
ポーラス加工 1P 2P
ラッピング 1GL 2GL
超仕上げ 1GSP 2GSP
液体ホーニング 1LH 2LH
ブラスト仕上げ 1SB 2SB
グラインダ加工 1G 2G
備考1. めっき前後に2種類以上の加工を
施した場合,加工の順に左から右
に各記号をコンマで区切って示
す。
2. めっきの最終表面粗さは,JIS B
0601による。
5. 品質

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5.1 めっきの外観 めっきの外観は,8.2によって試験を行い,表面は平滑で,焦げ,こぶなど使用上有
害な欠陥があってはならない。ただし,つや消し仕上げ(液体ホーニング,ブラスト仕上げ,ポーラス加
工など)のものについては,必ずしも平滑でなくてもよい。
5.2 めっきの表面粗さ めっきの表面粗さは,この品質を特に重視する用途に対してだけ適用し,その
品質は受渡当事者間の協定による。
5.3 めっきの最小厚さ及び許容差 めっきの最小厚さ及び許容差は,この品質を特に重視する用途に対
してだけ適用し,8.3によって試験を行い,その品質は受渡当事者間の協定による。
5.4 めっきの多孔率 ポーラスクロムめっきの多孔率は,この品質を特に重視する用途に対してだけ適
用し,8.4によって試験を行い,その品質は受渡当事者間の協定による。
5.5 めっきの密着性 めっきの密着性は,8.5によって試験を行い,めっきのはく離又は膨れがあっては
ならない。
5.6 めっきの硬さ めっきの硬さは,8.6によって試験を行い,ビッカース硬さ750以上とする。ただし,
用途によってはビッカース硬さは,受渡当事者間の協定によってもよい。
5.7 めっきの耐磨耗性 めっきの耐磨耗性は,この品質を特に重視する用途に対してだけ適用し,8.7に
よって試験を行い,その品質は受渡当事者間の協定による。
5.8 めっきの耐食性 めっきの耐食性は,この品質を特に重視する用途に対してだけ適用し,8.8によっ
て試験を行い,その品質は受渡当事者間の協定による。
6. 素地 めっき前の素地の状態は,めっきの品質に重大な影響を及ぼす。特に,素地材料が発注者から
供給される場合には,発注者は,加工仕様書などに,素地材料に関する情報を示さなくてはならない。
備考 加工業者が,品物の有効面に肉眼的に見え得る欠陥,すなわち,最終仕上げに有害な,又は好
ましくない孔,割れ及び皮膜が存在しているかどうかを調べる。もしこれらの欠陥が見つかっ
たならば,めっき工程に乗せる前に発注者に注意する。また,加工業者は肉眼的に観察し得な
い表面欠陥でめっきが不良となってもその責任を負わない。
7. めっき前後の素地金属の処理
7.1 ショットピーニング処理 疲労強度を向上させる目的でショットピーニング処理が指定されている
場合,その条件は,受渡当事者間の協定による。
なお,ピーニング強度について特に指定がなければ,附属書1の方法によってピーニング強度を設定す
る。
7.2 下地めっき めっきの耐食性を向上させる目的などで下地めっきを行う場合には,そのめっきの種
類及び厚さは,受渡当事者間の協定による。
7.3 めっき前の応力除去 鋼素地などに対して,めっき前の応力除去が指定されている場合,その条件
は,受渡当事者間の協定による。
なお,対応国際規格に参考として記載されているめっき前の応力除去のための熱処理条件を附属書3(参
考)に示す。
7.4 めっき後の水素ぜい(脆)性除去 鉄鋼製品などに対して,めっき後の水素ぜい性除去が指定され
ている場合には,めっき後,少なくとも4時間以内に熱処理によって,水素ぜい性除去を行う。熱処理条
件は,受渡当事者間の協定による。
なお,対応国際規格に参考として記載されているめっき後の水素ぜい性除去のための熱処理条件を附属

――――― [JIS H 8615 pdf 4] ―――――

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書4(参考)に示す。
8. 試験
8.1 試験片の作製 試験片は,通常,製品から作製する。ただし,めっき製品それ自体を試験片として
用いることができない場合には,代替試験片によって試験を行う。
代替試験片の作製は,可能な限りめっき部品の作製と同じ材質の素地を用い,同じめっき条件で行わな
くてはならない。
8.2 外観試験 外観試験は,目視によって行い,表面の平滑度(1),密着の程度(2),焦げ(3),ピット,こ
ぶ及び著しく不均一なめっきの有無を調べる。
備考 割れの状態及び数を調べるときには,倍率100倍以上の光学顕微鏡などを用いる。
注(1) めっきの平滑度は,素地仕上げの良否に支配されるものであるから,次のa)及びb)に注意しな
ければならない。
a) めっきを施す部分の表面は平滑で,鋳巣,刃物きず及びその他の不均一があってはならない。
b) めっき後,仕上げを行わない部品の表面は,めっき後,要求される仕上げ面と,同等又はそ
れ以上の仕上げをめっき前に行わなければならない。
(2) めっきの密着性が悪い場合は,部分的にめっきがりん片状に離脱していることがある。また,
素地の欠陥によって,はく離を生じることもある。
(3) 一般にめっきは,金属光沢を呈しているものであるから,焦げは試験の対象になる。めっき後,
研磨して使用するものは,この限りではない。
8.3 厚さ試験 厚さ試験は,原則としてJIS H 8501に規定する顕微鏡断面試験方法を用いる。ただし,
受渡当事者間の協定によって,磁力式試験方法,電解式試験方法,触針走査試験方法又は次の方法によっ
てもよい。
マイクロメータ又はシリンダゲージを用いる方法 製品の寸法をJIS B 7502,JIS B 7515又はこれらと
同等以上の精度をもつ測定器で測定し,さらに,めっき終了後,同一箇所を測定して,その差をめっき厚
さ(4)とする。ただし,測定は,少なくとも3か所以上について行う。
注(4) 素地研磨を行うものは,研磨後の寸法を基準とし,めっきが両面にある場合は測定値の1/2とす
る。
なお,めっき後,研磨仕上げを行うものは,めっき厚さを指定する場合は研磨しろを考慮し
なければならない。
8.4 多孔率試験 多孔率試験は,ポーラスクロムめっき後(5),顕微鏡を用いて,めっきの表面又はスン
プ法(6)によってセルロイド板に転写した表面状態を倍率100倍に拡大して単位面積当たりの孔の面積を求
めるか又は附属書2による。
注(5) 試験に際して,ポーラスクロムめっき後,仕上げ加工を施す場合には,仕上げ加工完了後,直
ちに表面の溝又は孔から遊離異物を除いて清浄にしなければならない。
参考 仕上げ加工後,表面が光の乱反射のため光沢むらを生じる場合がある。
(6) 薄いセルロイド板(厚さ0.10.3mm)にセルロイドを溶かした酢酸アミル溶液を塗り,これを
被検査物の表面に押し付けて乾燥後,はぎ取り,セルロイドに転写された被検査物の表面を顕
微鏡下で観察する方法。
8.5 密着性試験 密着性試験は,JIS H 8504に規定すると(砥)石試験方法,曲げ試験方法又は引張試
験方法のいずれかの方法による。

――――― [JIS H 8615 pdf 5] ―――――

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JIS H 8615:1999の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6158:1984(MOD)

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