JIS Z 8704:1993 温度測定方法―電気的方法

JIS Z 8704:1993 規格概要

この規格 Z8704は、温度による熱起電力又は電気抵抗の変化を利用して温度を電気的に測定する一般的方法について規定。

JISZ8704 規格全文情報

規格番号
JIS Z8704 
規格名称
温度測定方法―電気的方法
規格名称英語訳
Temperature measurement -- Electrical methods
制定年月日
1956年10月2日
最新改正日
2019年10月21日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

17.200.20
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1956-10-02 制定日, 1959-10-01 確認日, 1960-09-01 改正日, 1963-09-01 確認日, 1966-10-01 確認日, 1968-05-01 改正日, 1971-05-01 確認日, 1976-03-01 確認日, 1980-01-01 改正日, 1985-08-01 確認日, 1991-06-01 確認日, 1993-02-01 改正日, 2000-01-20 確認日, 2005-03-20 確認日, 2009-10-01 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
ページ
JIS Z 8704:1993 PDF [20]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 8704-1993

温度測定方法−電気的方法

Temperature measurement−Electrical methods

1. 適用範囲 この規格は,温度による熱起電力又は電気抵抗の変化を利用して温度を電気的に測定する
一般的方法(以下,測定方法という。)について規定する。
備考 この規格の引用規格は,付表1に示す。
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS C 1601, JIS C 1602, JIS C 1603, JIS C 1604, JIS
C 1605, JIS C 1606, JIS C 1610, JIS C 1611, JIS C 1802及びJIS Z 8103によるほか,次による。
(1) 計測器 測定器,受信器,標準器などの総称。
(2) 測定器 電圧又は抵抗の測定を行うための器具。
(3) 受信器 測温体の信号を受け,伝送,温度の指示・記録などを行う器具。
(4) 標準器 ある単位で表された量の大きさを具体的に表すもので,測定の基準として用いるもの(JIS Z
8103参照)
(5) 測温体 温度の測定量を信号に変換する系の最初の要素の検出器で,熱電対,測温抵抗体又はサーミ
スタ測温体。
(6) 伝送器 測温体の信号を伝送するため別の信号に変換し,又は信号の大きさを変える機能をもつ器具。
(7) 検出素子 温度を検知し,その量を電気信号に変換する部品。測温体の一部を構成する。例えば,熱
電対の測温接点,測温抵抗体の抵抗素子,又はサーミスタ測温体のサーミスタ。
(8) 検出部 測温体のうち,測定対象と同じ温度になるべき部分。検出素子及びその近傍にある保護管の
一部を含む。
(9) 保護管 検出素子が,被測定物,雰囲気などに直接接触しないように保護するために付ける管。
(10) 端子 温度に対する信号を発信又は受信するための接続点。
(11) 補償接点 熱電対と補償導線との接合点。
3. 測定方法の特徴 測定方法は,測定対象に検出部を接触させ,両者が熱的平衡に達したときの検出部
の電気的特性によって温度を測定するものである。
測定方法は,遠隔測定及び自動記録に適する。
また,自動調節にも利用できる。
4. 測定方法の種類 測定方法の種類は,これに用いる測温体によって分類し,表1に示す2種類とする。

――――― [JIS Z 8704 pdf 1] ―――――

2
Z 8704-1993
表1 測定方法の種類
種類 測温体
熱電対を用いる方法 熱電対 (JIS C 1602)
シース熱電対 (JIS C 1605)
抵抗式測温体(1)を測温抵抗体 (JIS C 1604)
用いる方法 シース測温抵抗体 (JIS C 1606)
サーミスタ測温体 (JIS C 1611)
注(1) 測温抵抗体,シース測温抵抗体及びサーミスタ
測温体を一括して抵抗式測温体と総称する。
5. 測定方法の選定及び適用温度範囲 測定方法は,測定対象によって次の事項を考慮して,目的に適す
るものを選定する。
(1) 表2に示す熱電対の使用限度,表3に示すシース熱電対の使用限度及び表4に示す抵抗式測温体の使
用温度範囲。
(2) 7.に示す測温体の利点及び欠点。
(3) 6.に示す計測器の選定に関する事項,並びに8.に示す計測器の利点及び欠点。
(4) 14.2に示す保護管。
なお,熱電対を用いる方法は10.に,抵抗式測温体を用いる方法は11.による。
表2 熱電対の使用限度
単位℃
熱電対の構成材料の 素線径 常用限度(2) 過熱使用限度(3)
記号 (mm)
B 0.50 1 500 1 700
R 0.50 1 400 1 600
S
K 0.65 650 850
1.00 750 950
1.60 850 1 050
2.30 900 1 100
3.20 1 000 1 200
E 0.65 450 500
1.00 500 550
1.60 550 650
2.30 600 750
3.20 700 800
J 0.65 400 500
1.00 450 550
1.60 500 650
2.30 550 750
3.20 600 750
T 0.32 200 250
0.65 200 250
1.00 250 300
1.60 300 350
注(2) 空気中において連続使用できる温度の限度。
(3) 必要上やむを得ない場合に短時間使用できる温度の限度。

――――― [JIS Z 8704 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
Z 8704-1993
表3 シース熱電対の使用限度(常用限度)
単位 ℃
金属シース 外径 (mm) 3.0, 3.2
1.0, 1.5, 1.6, 2.0 4.5, 4.8 6.0, 6.4 8.0
材質(4) A, B A, B A B A B A B
シース熱電対の SK 650 750 800 900 800 1 000 900 1 050
構成材料 SE 650 750 800 900 800 900 800 900
SJ 450 650 750 750 750
ST 300 350 350 350 350
注(4) : オーステナイト系ステンレス鋼,B : ニッケルクロム系耐熱合金
表4 抵抗式測温体の使用温度範囲
単位 ℃
種類 使用温度範囲
低温用 中温用 高温用
測温抵抗体 Pt100 −200+100 0350 0650
JPt100 −200+100 0350 0500
シース測温抵抗体 Pt100, JPt100 −200+100 0350 0500
サーミスタ測温体 −50+350のうち指定された温度範囲
参考 JPt100は,JIS C 1604では,将来廃止する予定である。
6. 計測器の選定 計測器は,次の事項を考慮して,目的に適するものを選定する。
(1) 8.に示す計測器の利点及び欠点。
(2) 必要な精度。
(3) 統一信号に変換して表示するときには,その信号の大きさと種類。
(4) 測温体の断線の際にそれを識別しようとするときには,バーンアウト機構。
(5) 防爆を必要とするときには,防爆基準(JIS C 0903)
7. 測温体の利点及び欠点 測温体の利点及び欠点を表5に示す。
表5 測温体の利点及び欠点
測温体 利点 欠点
熱電対 (1) 小さい箇所の温度の測定ができる。 (1) 基準接点が必要である。
(2) 遅れを小さくすることができる。 (2) 基準接点及び補償導線の誤差を考える必要
(3) 振動・衝撃などに対して丈夫である。 がある。
(4) 温度差を測るのに都合がよい。
測温抵抗体 (1) ある大きさの部分の平均温度を測定するの (1) 遅れを小さくしにくい。
に都合がよい。 (2) 振動の強い場所では破損のおそれがある。
(2) 基準接点などを必要としない。 (3) 自己加熱に注意する必要がある。
(3) 熱電対に比較して常温,中温付近で精度が
良い。
サーミスタ測温体 (1) 小さい箇所の温度測定ができる。 (1) 抵抗と温度との非直線性が大きく,使用温
(2) 基準接点などを必要としない。 度範囲が限定される。
(3) 感度が非常に良い。 (2) 自己加熱に注意する必要がある。
(4) 導線の抵抗による誤差を無視できる場合が (3) 多くの場合,互換用抵抗を必要とする。
多い。 (4) 衝撃によって破損するおそれがある。
8. 計測器の利点及び欠点 計測器の利点及び欠点を表6に示す。

――――― [JIS Z 8704 pdf 3] ―――――

4
Z 8704-1993
表6 計測器の利点及び欠点
計測器 利点 欠点
測定器 ブリッジ 精度が最も良く,標準として信頼できる。 (1) 熟練を要する。
電位差計 (2) 操作が必要である。
ディジタル電圧計 (1) 高精度のものは標準として使用できる。 (1) 高精度を維持するには,定期的に校正す
(2) 操作・熟練を要しない。 る必要がある。
(2) 電源投入後,安定するまでに時間を要す
る。
受信器 自動平衡計器 (1) 表示機構のトルクが大きい。 構造が複雑である。
(2) 零位法を用いるので精度が良い。
(3) 目盛の温度範囲の狭いものを作り得る。
ハイブリッド形計 (1) ディジタル処理を用いるので精度が良 (1) 構造が複雑である。
器 く,演算機能をもつ。 (2) 使用条件を設定する操作が必要である。
(2) アナログ記録とディジタル印字を同時
に行うので読取りが正確である。
(3) 多種類入力が可能な機能をもち,任意に
選択使用が可能である。
(4) 目盛範囲が任意に設定できる。
(5) 多数の測定箇所を短時間に測定できる。
(6) コンピュータとのインターフェイスが
ある。
ディジタル温度計 (1) 温度が直読できる。 精度を維持するには,校正周期及び使用環境
(2) 熟練を要しない。 に注意する必要がある。
温度伝送器 (1) 温度範囲によらないで統一信号が得ら (1) 伝送器だけでは,指示ができない。
れる。 (2) 温度を知るためには換算が必要である。
(2) 可動部がないので構造が簡単である。
可動コイル形計器 熱電対の場合,補助電源なしで測定できるも 外部抵抗調整を要するものもある。
のもある。
9. 測定手順 温度の測定は,次の手順に従って行う。
(1) 5.によって,測定方法を選定する。
(2) 6.によって,計測器を選定する。
(3) 希望する測定精度に応じ,10.7又は11.6によって測定方式を決める。
(4) 必要があれば,あらかじめ15.によって検査する。
(5) 測温体及び受信器を14.3及び14.4によって取り付ける。
なお,取付けに当たっては,誤差を少なくするように注意する(7.参照)。
(6) 取付け後,必要な場合は,外部抵抗を規定値に調整する。
(7) 7.に示す事項を考慮して誤差を補正する。
(8) 長期間にわたって使用する温度測定用器具(測温体,伝送器,計測器及びその他の必要な器具。以下,
これらを一括して温度計という。)は,15.に示す方法によって,一定の期間を経過するごとに検査を
行う。
10. 熱電対を用いる方法

――――― [JIS Z 8704 pdf 4] ―――――

                                                                                              5
Z 8704-1993
10.1 測定回路の構成 測定回路は,一般に熱電対,基準接点,補償導線,計測器及び銅導線からなり,
それぞれの用途に適した構造及び性能(機械的強度・電気的性能・耐久性など)をもつものとする。
10.2 熱電対
10.2.1 熱電対 熱電対は,JIS C 1602に規定されている素線径に応じて指定された過熱使用限度以上に温
度を上げてはならない(表2参照)。
また,シース熱電対は,JIS C 1605に規定された金属シースの外径及び材質に応じて指定された常用限
度以下で使用するのがよい(表3参照)。
10.2.2 熱電対の選定 熱電対は,使用限度(表2及び表3参照)のほか,次の事項を考慮して,その種類
及び素線径を選定する。
(1) 熱電対,S熱電対,R熱電対,K熱電対及びE熱電対は,酸化に対して強いが還元に対して弱く,J
熱電対及びT熱電対は,還元に対しては強いが酸化に対して弱い。したがって,使用場所に応じた材
質を選ぶこと。
(2) 熱電対,S熱電対及びR熱電対は高価なので,測定精度を良くしたい場合又は温度測定が1 000℃以
上に及ぶ場合以外は,K熱電対,E熱電対,J熱電対又はT熱電対を使用するとよい。
また,400℃以下の温度測定ではE熱電対又はJ熱電対を,250℃以下で0℃以下にも及ぶ温度測定
ではT熱電対を使用するとよい。
(3) 素線径及びシース外径が太いほど高温でも耐久性があるが,比較的高い温度で長時間使う場合には,
太い素線径又は太いシース外径の熱電対を使う方がよい。
(4) 遅れを少なくしたい場合,短い熱電対を使う場合などは,細い素線径又は細いシース外径の熱電対を
使う。
10.2.3 熱電対の保護 熱電対は,通常,保護管(14.2参照)を用いて保護することが必要である。
10.3 基準接点
10.3.1 基準接点の種類 基準接点は,氷点式基準接点,電子冷却式基準接点又は補償式基準接点とする。
それぞれの基準接点は,表7に示すように使用するのがよい。
表7 基準接点と測定方式との関係
基準接点 用途 測定方式(表8参照)
氷点式基準接点 標準熱電対の校正など,高精度の温 A級
度測定に用いる、 B級
電子冷却式基準接点 熱電温度計の校正又はこれに準じる B級
温度測定に用いる。 C級
補償式基準接点 一般の熱電温度計による温度測定に B級
用いる。 C級
D級
10.3.2 氷点式基準接点 氷点式基準接点は,魔法瓶に細かく削った氷と清浄な水とを入れ,氷と水との熱
的平衡状態を保つことによって基準接点を氷点に保つものである。
これを用いるときは,次の事項に注意する。
(1) 市販の氷の透明な部分を清浄な水で洗って使う。
(2) 魔法瓶内には,清浄な水と十分な氷とがなければならない。
(3) 長時間使用していると,接合点の周囲の氷が融解し,水が少ない場合には氷の間に空間を生じて,空
気で接合点が取り囲まれたようになり,また,水が多い場合には氷が上に浮いて水の中に接合点が置
かれることになるため,いずれの場合にも氷点でなくなる。このため,常に点検して水又は氷を補充

――――― [JIS Z 8704 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS Z 8704:1993の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8704:1993の関連規格と引用規格一覧