JIS K 0553:2002 超純水中の金属元素試験方法

JIS K 0553:2002 規格概要

この規格 K0553は、超純水中の金属元素(ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム,銅,亜鉛,鉛,カドミウム,ニッケル,コバルト,マンガン,クロム,アルミニウム,及び鉄)の試験方法について規定。

JISK0553 規格全文情報

規格番号
JIS K0553 
規格名称
超純水中の金属元素試験方法
規格名称英語訳
Testing methods for determination of metallic elements in highly purified water
制定年月日
1990年1月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

13.060.50, 71.040.40, 71.060.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
化学分析 2021
改訂:履歴
1990-01-01 制定日, 1995-04-01 改正日, 2000-06-20 確認日, 2002-03-20 改正日, 2007-02-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS K 0553:2002 PDF [45]
K 0553 : 2002

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本工業
用水協会 (JIWA) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS K 0553 : 1995は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS K 0553には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) 遠心減圧濃縮法

――――― [JIS K 0553 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 0553 : 2002

超純水中の金属元素試験方法

Testing methods for determination of metallic elements in highly purified water

1. 適用範囲 この規格は超純水中の金属元素(ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム,銅,
亜鉛,鉛,カドミウム,ニッケル,コバルト,マンガン,クロム,アルミニウム,及び鉄)の試験方法に
ついて規定する。
備考 この方法は,超純水以外の精製した水に含まれる金属元素の試験に適用できる。
2. 引用規格 付表1に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成
する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
3. 共通事項 共通事項は,次による。
a) 通則 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050による。
b) 定義 この規格で用いられる主な用語の定義は,JIS K 0101,JIS K 0102,JIS K 0133,JIS K 0211又
はJIS K 0215による。
c) 高周波プラズマ発光分光分析法 誘導結合プラズマ発光分光分析法(以下,ICP発光分光分析法とい
う。)に共通する一般事項は,JIS K 0116による。
d) 電気加熱式原子吸光法 電気加熱方式原子吸光法(以下,電気加熱原子吸光法という。)に共通する一
般事項は,JIS K 0121による。
e) イオンクロマトグラフ法 イオンクロマトグラフ法に共通する一搬事項は,JIS K 0127による。
f) 高周波プラズマ質量分析法 高周波プラズマ質量分析法に共通する一般事項は,JIS K 0133による。
g) 定量範囲 電気加熱原子吸光法,ICP発光分光分析法,高周波プラズマ質量分析法及びイオンクロマ
トグラフ法の定量範囲は,いずれも試料中の濃度( 最一 はng/L)で示す。
h) 繰返し分析精度 繰返し分析精度は,それぞれの試験方法の定量範囲内において繰返し試験で求めた
変動係数 (%) で示す(1)。
σ
注(1) 変動係数% =
x
ここに, 標準偏差
x : 平均値
i) 水 JIS K 0557に規定するA2又はA3の水とするが,それぞれの金属元素の定量に支障のないもの。
さらに項目中で規定されている場合には,それに従う。
j) 試薬 試薬についての共通事項は,次による。
1) 試薬は,JISに規定されているものを用いる。JISに規定されていないものは,試験に支障のないも

――――― [JIS K 0553 pdf 2] ―――――

2
K 0553 : 2002
のを用いる。
2) 試薬類の溶液の濃度は,一般にg/L(化合物の場合は,無水物としての質量を用いる。)又はmol/L
(又はmmol/L)で示す。ただし,標準液の濃度は,mg/ml, 最一 はng/mlで表す。
3) 試薬類の溶液の名称の後に括弧で示されている濃度は,標準液以外は概略の濃度であることを意味
する。例えば,亜硫酸水素ナトリウム溶液 (100g/L) は約100g/Lの亜硫酸水素ナトリウム溶液であ
ることを示す。
4) 液体試薬の濃度は,JIS K 0050に従い,水との混合比[試薬 (a+b) ]で表す。この表し方は,試
薬a mlと水b mlとを混合したことを示し塩酸,硝酸などに用いる。ただし,これらの試薬を薄め
ないで用いる場合は,その試薬名だけで示す。
5) 試薬類の名称は,特に断らない限り国際純正及び応用化学連合 (IUPAC) の無機化学命名法及び有
機化学命名法によって社団法人日本化学会が定めた化合物命名法及びJIS試薬の名称に整合させて
いる。
6) 試薬類及び廃液などの取扱いについては,関係法令規則などに従い十分に注意する。
k) ガラス器具類 ガラス器具類は,特に断らない限りJIS R 3503及びJIS R 3505に規定するものを用い
る。また,加熱操作を伴う場合には,石英ガラス(又はJIS R 3503のほうけい酸ガラス−1)製を用
いる。
デシケーターに用いる乾燥剤は,特に断らない限りシリカゲル(2)とする。
注(2) IS Z 0701に規定する包装用シリカゲル乾燥剤A形1種を用いる。
l) 検量線(電気加熱吸光法,ICP発光分光分析法,高周波プラズマ質量分析法,イオンクロマトグラフ
法) 検量線の作成に当たっては,試験方法に示される定量範囲内を46段階に分け,これに一致す
るように標準液をとる。検量線は定量範囲内について作成する。
電気加熱原子吸光法,ICP発光分光分析法,高周波プラズマ質量分析法及びイオンクロマトグラフ
法においては,試験に際して新たに作成した検量線を用い,同一順目を多数の試料について連続して
試験す場合には,試験の途中において,適宜,標準液を用いて指示値の確認を行う。
m) 試験環境 この試験は,JIS B 9920に規定する清浄度クラス3以上の環境(例えばクリーンルーム内)
で行うことが望ましい。
n) 結果の表示 試験方法が二つ以上ある場合には,試験方法を付記する。
備考 試料の採取及び試験のいずれの操作でも試料が汚染されないように最大限の注意を払うことが
重要である。使用する器具の材質及び形状,洗浄方法に留意する。また,分析者からの汚染が
ないように特に注意する。クリーンルーム用の手袋などを用いるとよい。
4. 試料採取 試料採取は,次による。
4.1 試薬 試薬は,次による。
a) 硝酸 (0.2mol/L) JIS K 8541に規定する硝酸とA2の水とを用いて調製する。
b) 硝酸 (1+1) IS K 9901に規定する高純度試薬−硝酸又は同等の品質の硝酸とA3の水とを用いて調
製する。
4.2 試料容器 試料容器は,石英ガラス製,ポリメチルペンテン製,ポリエチレン製,ポリプロピレン
製,ポリスチレン製などの気密容器を用いる。
4.3 試料容器の洗浄 試料容器の洗浄は,次による。
a) 試料容器に硝酸 (0.2mol/L) を満たし,密栓して16時間以上放置した後,硝酸 (0.2mol/L) を捨て,A2

――――― [JIS K 0553 pdf 3] ―――――

                                                                                              3
K 0553 : 2002
の水で洗浄する。
b) 試料容器の容量の約41のA2の水を入れ,栓をして約30秒間激しく振り混ぜて洗浄する。この操作を
5回繰り返す。
c) 3の水(又は試験しようとする水と同等の水)を満たし,密栓して16時間以上放置した後,水を捨
てる。
d) )と同じ水を満たし,密栓して試料採取まで放置する。
4.4 採取操作 採取操作は,次による。
a) 水精製装置の出口又は主管路の試料採取弁(1)の先端を試験しようとする水でよく洗った後あらかじめ
内部及び外部をA2の水で十分に洗浄した試料導管(軟質の合成樹脂製のもの)を取り付ける(2)。
注(1) 試料採取弁は,耐食性の材料のものを用いる。
(2) 試料導管が長い場合には,試料採取弁から試料導管の先端までの滞留水が完全に置換されるま
で放流してから引き続き約5分間放流する。主管路の場合は,試料採取弁から常時約1L/minで
流出させておくことが望ましい。
b) 試料容器の水を捨て,容量の約41になるように試験しようとする水を入れ,栓をして約30秒間激しく
振り混ぜて洗浄する。この操作を5回繰り返す。
c) 試料容器の底部に試料導管の先端が接するようにし,試料を試料容器の容量の約5倍量を流出させた
後,試料導管を取り出し,試料1Lにつき硝酸 (1+1) 1mlを加え(3),栓を試料で十分に洗浄した後,
密栓する。
注(3) ナトリウム及びカリウムをイオンクロマトグラフ法で定量する場合は,硝酸 (1+1) を添加しな
い試料を用いる。
ナトリウムの定量には,電気加熱原子吸光法,高周波プラス質量分析法又はイオ
5. ナトリウム (Na)
ンクロマトグラフ法を適用する。
5.1 電気加熱原子吸光法 試料を濃縮した後,電気加熱原子吸光法でナトリウムによる原子吸光を波長
589.0nmで測定してナトリウムを定量する。
定量範囲 : Na550ng/L(1),繰返し分析精度 : 1030%(1)
注(1) 試料の体積を5.1.3によって約501に濃縮したときの元の試料についてのものである。装置,測定
条件によって異なる。
5.1.1 試薬 試薬は,次による。
a) 水 A3の水,又はこれと同等の品質に精製(2)した水。濃縮なしに定量する金属元素について空試験を
行って使用の適否を確認しておく。試薬の調製及び操作には,この水を用いる。
注(2) 蒸留を行う場合は,定量する金属元素の溶出のない装置を用いる。
b) 硝酸 (1+1) 4.1b)による。
c) ナトリウム標準液 (100 最一愀一 殉 騰譛 量分析用標準物質の
600℃で約1時間加熱し,デシケーターで放冷する。NaCl100%に対してその0.254gをとり,少量の水
に溶かして全量フラスコ1000mlに移し入れ,水を標線まで加える。ポリエチレン瓶に保存する。
d) ナトリウム標準液 (1 最一愀一 ‰ トリウム標準液 (100 最一愀一
水を標線まで加える。使用時に調製する。
e) ナトリウム標準液 (10ngNa/ml) ナトリウム標準液 (1 最一愀一 フラスコ500mlに
水を標線まで加える。使用時に調製する。

――――― [JIS K 0553 pdf 4] ―――――

4
K 0553 : 2002
5.1.2 器具及び装置 器具及び装置は,次による。
a) 濃縮装置 石英ガラス製の減圧式で試料容器の容量約1Lのもの。
b) 電気加熱原子吸光分析装置 バックグラウンド補正が可能なもの。
c) 発熱体 黒鉛製又は耐熱金属製
d) ナトリウム中空陰極ランプ
e) フローガス JIS K 1105に規定するアルゴン2級(3)
注(3) 耐熱金属製の発熱体を用いる場合には,アルゴン5容にJIS K 0512に規定する水素2級を2容の割
合で添加する。
f) マイクロピペット JIS K 0970に規定するプッシュボタン式液体用微量体積計2050 又は自動注
入装置
5.1.3 濃縮操作 濃縮操作は,次による。
a) 濃縮装置の試料容器の,質量を求めた(0.1gまではかる。)試料500mlを加える(4)。
注(4) 分析者からの汚染がないように特に注意する。クリーンルーム用の手袋などを用いるとよい。
b) 濃縮装置を作動させ,水浴を7580℃に保って,液量が約10mlになるまで濃縮する。
c) 濃縮装置の試料容器の質量をはかり(0.1gまで),初めの試料容器の質量との差を求め,濃縮後の試料
積 ml
濃縮に用いた試料の体
の体積とする。また,試料の濃縮倍数は, から求める。
濃縮後の試料の体積 ml
備考1. 減圧濃縮する代わりに,JIS B 9920に規定する清浄度クラス3以上のクリーンルーム(又はク
リーンベンチ)内で直接濃縮してもよい。この場合の操作(1*)は,次による。
石英ガラス製又は四ふっ化エチレン樹脂製など(2*)のビーカー500mlに試料200mlを加え,
加熱板上で沸騰しない状態で液量が約50mlになるまで加熱し,さらに試料300mlを加え,
引き続き加熱し,液量が約10mlになるまで濃縮した後,放冷する。濃縮後の試料の体積及
び濃縮倍数は,5.3.1c)によって求める。
注(1*) 注(4)による。
(2*) 製品によっては金属元素を溶出するものがあるので,操作と同じ空試験を行って試験
に影響のないものを用いる。
5.1.4 操作 操作は,次による。
a) 電気加熱原子吸光分析装置を定量できる状態にし,5.1.3で濃縮した試料の一定量(例えば,50 を
マイクロピペットで発熱体に注入し,JIS K 0121の6.(操作方法)に従って,乾燥,灰化,原子化を
行い(5),ナトリウムの原子吸光を波長589.0nmで測定し,指示値(6)を読み取る(7)。
注(5) 乾燥,灰化,原子化の条件は装置によって異なる。また,試料の注入量によっても異なる。
(6) 吸光度又はその比例値
(7) 必要な場合は,a)の操作を3回以上繰り返し,指示値が一致することを確認する。
b) 空試験として,試料を注入することなく,a)に準じた操作を行って指示値(5)を読み取り,試料につい
て得た指示値を補正する。

――――― [JIS K 0553 pdf 5] ―――――

次のページ PDF 6

JIS K 0553:2002の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 0553:2002の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB9920:2002
クリーンルームの空気清浄度の評価方法
JISH2105:1955
鉛地金
JISH2111:1968
精製アルミニウム地金
JISH2113:1961
カドミウム地金
JISK0010:1997
標準物質 ― 標準液 ― 銅
JISK0011:1983
亜鉛標準液
JISK0012:1983
カドミウム標準液
JISK0013:1983
ニッケル標準液
JISK0014:1983
コバルト標準液
JISK0015:1983
鉛標準液
JISK0016:1983
鉄標準液
JISK0024:1997
標準物質 ― 標準液 ― クロム
JISK0027:1997
標準物質 ― 標準液 ― マンガン
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0101:1998
工業用水試験方法
JISK0102:2016
工場排水試験方法
JISK0116:2014
発光分光分析通則
JISK0121:2006
原子吸光分析通則
JISK0127:2013
イオンクロマトグラフィー通則
JISK0133:2007
高周波プラズマ質量分析通則
JISK0211:2013
分析化学用語(基礎部門)
JISK0215:2016
分析化学用語(分析機器部門)
JISK0512:1995
水素
JISK0557:1998
用水・排水の試験に用いる水
JISK0970:2013
ピストン式ピペット
JISK1105:2017
アルゴン
JISK1107:2005
窒素
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8059:2018
亜硫酸水素ナトリウム(試薬)
JISK8101:2006
エタノール(99.5)(試薬)
JISK8103:2013
ジエチルエーテル(試薬)
JISK8121:2007
塩化カリウム(試薬)
JISK8247:2015
過マンガン酸カリウム(試薬)
JISK8255:2010
硫酸カリウムアルミニウム・12水(試薬)
JISK8432:2017
酸化マグネシウム(試薬)
JISK8532:2007
L(+)-酒石酸(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8563:2018
硝酸鉛(II)(試薬)
JISK8617:2007
炭酸カルシウム(試薬)
JISK8979:2008
硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物(試薬)
JISK8983:2016
硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JISK9062:2020
ニッケル(試薬)
JISK9901:1994
高純度試薬―硝酸
JISK9902:1994
高純度試薬―塩酸
JISK9905:1995
高純度試薬―硫酸
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISR3505:1994
ガラス製体積計
JISZ0701:1977
包装用シリカゲル乾燥剤