JIS K 9902:1994 高純度試薬―塩酸

JIS K 9902:1994 規格概要

この規格 K9902は、高純度試薬として用いる塩酸について規定。

JISK9902 規格全文情報

規格番号
JIS K9902 
規格名称
高純度試薬―塩酸
規格名称英語訳
Highly purified hydrochloric acid
制定年月日
1994年3月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

71.040.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
試薬 II 2020
改訂:履歴
1994-03-01 制定日, 2002-09-20 確認日, 2006-11-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS K 9902:1994 PDF [16]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 9902-1994

高純度試薬−塩酸

Highly purified hydrochloric acid

                                     HCl    FW : 36.46
1. 適用範囲 この規格は,高純度試薬として用いる塩酸について規定する。
備考 この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 0050,JIS K 8001及びJIS K 8007による。
3. 品質 品質は,4.によって試験し,表1に適合しなければならない。

――――― [JIS K 9902 pdf 1] ―――――

2
K 9902-1994
表1 品質
項目 規格値
濃度 35.037.0%
20.021.0%
臭化物 (Br) 0.003%以下
りん酸塩 (PO4) 0.01ppm以下
硫酸塩 (SO4) 0.2ppm以下
亜硫酸塩 (SO3) 0.5ppm以下
遊離塩素 0.1ppm以下
リチウム (Li) 1ppb以下
ナトリウム (Na) 5ppb以下
カリウム (K) 1ppb以下
銅 (Cu) 1ppb以下
銀 (Ag) 1ppb以下
金 (Au) 1ppb以下
ベリリウム (Be) 1ppb以下
マグネシウム (Mg) 1ppb以下
カルシウム (Ca) 5ppb以下
ストロンチウム (Sr) 1ppb以下
バリウム (Ba) 1ppb以下
亜鉛 (Zn) 1ppb以下
カドミウム (Cd) 1ppb以下
水銀 (Hg) 1ppb以下
アルミニウム (Al) 2ppb以下
ガリウム (Ga) 1ppb以下
インジウム (In) 1ppb以下
タリウム (Tl) 1ppb以下
チタン (Ti) 1ppb以下
ジルコニウム (Zr) 1ppb以下
けい素 (Si) 0.01ppm以下
すず (Sn) 1ppb以下
鉛 (Pb) 1ppb以下
バナジウム (V) 1ppb以下
ひ素 (As) 1ppb以下
アンチモン (Sb) 1ppb以下
ビスマス (Bi) 1ppb以下
クロム (Cr) 1ppb以下
モリブデン (Mo) 1ppb以下
マンガン (Mn) 1ppb以下
鉄 (Fe) 5ppb以下
コバルト (Co) 1ppb以下
ニッケル (Ni) 1ppb以下
アンモニウム (NH4) 0.5ppm以下
4. 試験方法
4.1 濃度
(1) 要旨 試料を水に薄め,指示薬としてブロモチモールブルー溶液を加え,1mol/l水酸化ナトリウム溶
液で滴定して塩酸の濃度を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。

――――― [JIS K 9902 pdf 2] ―――――

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K 9902-1994
(a) 1mol/ l水酸化ナトリウム溶液 JIS K 8001の4.5(19.1)に規定するもの。
(b) ブロモチモールブルー溶液 JIS K 8001の4.4に規定するもの。
(3) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) 共通すり合わせ三角フラスコ 呼び容量200mlのもの。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 共通すり合わせ三角フラスコ200mlに水20mlを入れ,その質量を0.1mgのけたまではかる。
(b) (a)の三角フラスコに,試料約2mlを加えて,その質量を0.1mgのけたまではかる。
(c) 指示薬としてブロモチモールブルー溶液約0.2mlを加え,1mol/l水酸化ナトリウム溶液で滴定する
(終点は,溶液の色が黄から緑に変わる点)。
(5) 計算 濃度は,次の式によって計算し,JIS Z 8401によって規格値のけたに丸める。
.0036461 b f
A 100
S
ここに, A : 濃度(%)
b : 1mol/l水酸化ナトリウム溶液の滴定量 (ml)
f : 1mol/l水酸化ナトリウム溶液のファクター
S : 試料の質量 (g)
0.036 461 : 1mol/l水酸化ナトリウム溶液1mlのHCl相当量 (g)
4.2 臭化物 (Br)
(1) 要旨 試料にフェノールレッド溶液を加え,1mol/l水酸化ナトリウム溶液で弱塩基性とし酢酸塩緩衝
液を加えた後,p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム溶液を加える。これに0.1mol/lチオ硫酸
ナトリウム溶液を加えて生じる青紫の吸光度を測定して臭化物の含有量を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) フェノールレッド溶液 JIS K 8800に規定するフェノールレッド0.02gをJIS K 8102に規定するエ
タノール (95) 20mlに溶かし,JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム0.02gを加え水で100mlにする。
(b) −トルエンスルホンクロロアミドナトリウム溶液 (10g/l) IS K 8001の4.2に規定するもの。
(c) 酢酸塩pH緩衝液 JIS K 8371に規定する酢酸ナトリウム三水和物68gにJIS K 8355に規定する酢
酸30mlを加え水に溶かして1lにする。
(d) 水酸化ナトリウム溶液 (1mol/l) IS K 8576に規定する水酸化ナトリウム40gをとり,水に溶かし
て1lにする。
(e) 0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8001の4.5(21.2)に規定するもの。
(f) 臭化物標準原液 (1mgBr/ml) IS K 8506に規定する臭化カリウムを110℃で4時間乾燥し,デシケ
ーター中で放冷した後,1.49gを全量フラスコ1 000mlにはかりとり,水に溶かし,標線まで水を加
える。
(g) 臭化物標準液 (0.01mgBr/ml) (f)の原液10mlを正確にとり,全量フラスコ1 000mlに入れ標線まで
水を加える。
(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 分光光度計
(b) 吸収セル 光路長10mmのもの。
(c) ビーカー 呼び容量100mlのもの。
(d) 全量フラスコ JIS R 3505に規定する呼び容量100mlのもの。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。

――――― [JIS K 9902 pdf 3] ―――――

4
K 9902-1994
(a) ビーカー100mlに水25mlを入れ,試料2g (1.7ml) をはかり入れる。
(b) フェノールレッド溶液約0.2mlを加えて水酸化ナトリウム溶液 (1mol/l) を微紅色になるまで滴加す
る。
(c) 全量フラスコ100mlに移し入れ,ビーカー内を水約25mlで洗い,洗液も全量フラスコに移し入れ
る。
(d) 別に,4個のビーカー100mlにそれぞれ水25mlを入れ,臭化物標準液 (0.01mgBr/ml) を0,3,6,
9mlずつを加えて,(b)(c)の操作を行う。
(e) (c)及び(d)の溶液に酢酸塩緩衝液5mlを加えた後,p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム溶
液2mlを加え振り混ぜて約20分間放置する。
(f) 0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液20mlを加え水を標線まで加える。
(g) それぞれの溶液の一部を吸収セルにとり,水を対照液として波長590nmにおける吸光度を測定する。
(h) 試料側の吸光度から臭化物標準液 (0.01mgBr/ml) 0mlのものの吸光度を差し引いて,試料について
の吸光度を求める。
(i) (g)で得た臭化物標準液 (0.01mgBr/ml) 3,6,9mlのものの吸光度から臭化物標準液 (0.01mgBr/ml) 0ml
のものの吸光度を差し引いた後,臭化物の質量 (mg) と吸光度との関係線を作成し,検量線とする。
(5) 計算 臭化物の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。
1
C 10
2
ここに, C : 臭化物の含有率 (%)
A : 検量線から求めた臭化物の質量 (mg)
2 : 試料の質量 (g)
4.3 りん酸塩 (PO4)
(1) 要旨 試料を蒸発乾固し,蒸発残留物を硫酸 (1+5) に溶かした後,七モリブデン酸六アンモニウム
溶液及び塩化すず (II) 溶液を加え,生じるモリブデン青の吸光度を測定してりん酸塩の含有量を求
める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 硫酸 (1+5) IS K 8001の4.1に規定するもの。
(b) 七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定量用) JIS K 8001の4.2に規定するもの。
(c) 塩化すず (II) 溶液(りん酸定量用) JIS K 8001の4.2に規定するもの。
(d) りん酸塩標準液 (0.01 mgPO4/ml) IS K 8001の4.3(1)に規定するもの。
(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 分光光度計
(b) 蒸発皿 JIS R 1302に規定する化学分析用磁器蒸発ざらの平底型,呼び容量120mlのもの。
(c) 加熱板 電熱ホットプレートなど。
(d) 共通すり合わせ三角フラスコ 呼び容量300mlのもの。
(e) 全量フラスコ JIS R 3505に規定する呼び容量25mlのもの。
(f) 吸収セル 光路長10mmのもの。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料300gを共通すり合わせ三角フラスコに1gのけたまではかりとり,これを数回に分けて蒸発皿
に移し入れ,加熱板上で蒸発する。最後に共通すり合わせ三角フラスコ内を少量の水で洗い,洗液

――――― [JIS K 9902 pdf 4] ―――――

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K 9902-1994
も蒸発皿に入れ,蒸発乾固する。
(b) 蒸発残留物を少量の水で溶かし全量フラスコ25mlに移し入れる。蒸発皿を少量の水で洗い,洗液
も全量フラスコに入れ,硫酸 (1+5) 2.5ml及び水約10mlを加える。
(c) 別に,4個の全量フラスコ25mlにりん酸塩標準液 (0.01mgPO4/ml) を0,0.2,0.3,0.5mlをとり,
硫酸 (1+5) 2.5ml及び水約10mlを加える。
(d) (b)及び(c)の溶液に七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定量用)1mlを加えてよく振り混ぜ,
約3分間放置した後,塩化すず (II) 溶液(りん酸定量用)2mlを加え,水を標線まで加えて約20
分間放置する。
(e) それぞれの溶液の一部を吸収セルにとり,水を対照液として波長700nmにおける吸光度を測定する。
(f) 試料を加えないで(a)(e)の操作を行い,吸光度を測定し,(e)で得た吸光度から差し引いて,試料に
ついての吸光度を求める。
(g) りん酸塩標準液 (0.01mgPO4/ml) 0.2,0.3,0.5mlのものの吸光度からりん酸塩標準液 (0.01mgPO4/ml)
0mlのものの吸光度を差し引いた後,りん酸塩の質量 (mg) と吸光度との関係線を作成し,検量線
とする。
(5) 計算 りん酸塩の含有率 (ppb) は,次の式によって算出する。
C 300 1000
ここに, C : りん酸塩の含有率 (ppm)
A : 検量線から求めたりん酸塩の質量 (mg)
300 : 試料の質量 (g)
4.4 硫酸塩 (SO4)
(1) 要旨 試料を蒸発乾固した後,蒸発残留物を塩酸 (2+1) に溶かし,エタノールと塩化バリウム溶液
を加えて生じる硫酸バリウムの濁りを,硫酸塩標準液を同様に操作して生じる白濁と比較して硫酸塩
の含有量を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) エタノール (95) IS K 8102に規定するもの。
(b) 塩化バリウム溶液 (100g/l) IS K 8001の4.2に規定するもの。
(c) 塩酸 (2+1) IS K 8001の4.1に規定するもの。
(d) 硫酸塩標準液 (0.01 mgSO4/ml) IS K 8001の4.3(1)に規定するもの。
(3) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) 蒸発皿 JIS R 1302に規定する化学分析用磁器蒸発ざらの丸底形,呼び容量120mlのもの。
(b) 共通すり合わせ平底試験管 JIS K 8001の5.1(2)(b)に規定するもの。
(4) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料100gを蒸発皿に1gのけたまではかりとり,水浴上で蒸発乾固する。塩酸 (2+1) 0.3mlを加え
蒸発残留物を溶かし,少量の水を加えてから共通すり合わせ平底試験管に移し入れる。蒸発皿を少
量の水で洗い,洗液も共通すり合わせ平底試験管に入れ,水を25mlの標線まで加える。
(b) 別に,4個の共通すり合わせ平底試験管にそれぞれ塩酸 (2+1) 0.3mlを入れ,硫酸塩標準液
(0.01mgSO4/ml) 0,3,5,7mlずつを加え,水で全量を25mlにする。
(c) それぞれの溶液にエタノール (95) 3mlと塩化バリウム溶液 (100g/l) 2mlを加えてよく振り混ぜ,1
時間放置した後,その背後に黒い紙を置き,試料側の白濁と標準側の白濁とを共通すり合わせ平底

――――― [JIS K 9902 pdf 5] ―――――

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JIS K 9902:1994の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 9902:1994の関連規格と引用規格一覧