JIS M 8853:1998 セラミックス用アルミノけい酸塩質原料の化学分析方法

JIS M 8853:1998 規格概要

この規格 M8853は、長石,ろう石,耐火粘土などのアルミノけい酸塩質セラミックス原料の化学分析方法について規定。

JISM8853 規格全文情報

規格番号
JIS M8853 
規格名称
セラミックス用アルミノけい酸塩質原料の化学分析方法
規格名称英語訳
Methods for chemical analysis of aluminosilicate raw materials for ceramics
制定年月日
1973年3月1日
最新改正日
2018年12月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

73.080, 81.060.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1973-03-01 制定日, 1976-03-01 改正日, 1979-03-01 確認日, 1984-04-01 確認日, 1990-07-01 確認日, 1998-09-20 改正日, 2003-06-20 確認日, 2008-03-20 確認日, 2012-10-22 確認日, 2018-12-20 改正
ページ
JIS M 8853:1998 PDF [22]
M 8853 : 1998

まえがき

  この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS M 8853 : 1976は改正され,この規格に置き換えられる。

(pdf 一覧ページ番号 )

――――― [JIS M 8853 pdf 1] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
M 8853 : 1998

セラミックス用アルミノけい酸塩質原料の化学分析方法

Methods for chemical analysis of aluminosilicate raw materials for ceramics

序文 アルミノけい酸塩質鉱物をセラミックス原料として使う場合,その化学成分を知らなければならな
い。そのための化学分析方法を規定することによってこの原料の化学分析に対する理解・適用の能率向上
を図るために,1963年にJIS M 8853(長石分析方法),1964年にJIS M 8854(耐火粘土分析方法)及び
1967年にJIS M 8855(ろう石分析方法)が制定されたが,今回上記3件の規格をJIS M 8853(セラミッ
クス用アルミノけい酸塩質原料の化学分析方法)として統合すると同時に,最近の化学分析方法を取り入
れて改正した。
1. 適用範囲 この規格は,長石,ろう石,耐火粘土などのアルミノけい酸塩質セラミックス原料の化学
分析方法について規定する。
2. 引用規格 付表1に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成
する。これらの規格は,その最新版を適用する。
3. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0115,JIS K 0116,JIS K 0121及びJIS K
8001の規定による。
4. 分析項目 この規格で,規定する分析項目は,次による。
強熱減量 (LOI)
酸化けい素 (IV) (SiO2)
酸化アルミニウム (Al2O3)
酸化鉄 (III) (Fe2O3) (全鉄分をFe2O3として表示する。)
酸化チタン (IV) (TiO2)
酸化マンガン (II) (MnO)
酸化りん (V) (P2O5)
酸化カルシウム (CaO)
酸化マグネシウム (MgO)
酸化ナトリウム (Na2O)
酸化カリウム (K2O)
硫黄 (S) (硫化物,硫酸塩などを含めSとして表示する。)

――――― [JIS M 8853 pdf 2] ―――――

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M 8853 : 1998
5. 試料の採り方及び取扱い方
5.1 試料の採り方試料採取方法は,受渡当事者間の協定による。試験室試料は,そのまま分析用試料と
する。
備考 通常・試験室試料は,JIS Z 8801に規定する網ふるい106 通過するまで粉砕してある。
5.2 試料の取扱い方 分析用試料の約5gをJIS R 3503に規定する平形はかり瓶 (60×30mm) に薄く広
げ,110±5℃で2時間乾燥した後,デシケーター(乾燥剤 : 乾燥用過塩素酸マグネシウム)中で保存する。
5.3 試料のはかり方 分析試料のはかり取りには化学はかりを用い,規定された量を0.1mgのけたまで
はかる。
6. 分析値のまとめ方
6.1 分析回数 分析は,日を変えて2回行う。
6.2 空試験 分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,分析値を補正する。
6.3 分析結果の表示 分析値は,質量百分率で表し,JIS Z 8401によって次のように丸める。
a) 酸化けい素 (IV) 小数点以下第1位。
b) その他の成分 小数点以下第2位。
6.4 分析値の検討・選択 分析値の検討・選択は,JIS Z 8402に準じ,次による。
a) 2個の分析値の差が表1の許容差を超えないときは,その平均を報告値とする。
b) 2個の分析値の差が表1の許容差を超えるときは,更に2回の分析を繰り返す。
その差が許容差を超えないときは,その平均を報告値とする。
その差が許容差を超えるときは,4個の分析値のメジアンを報告値とする。
表1 分析値の許容差
成分 LOI SiO2 Al2O3 Fe2O3 TiO2 MnO P2O5 CaO MgO Na2O K2O S
許容差 0.1 0.3 0.2 0.02 0.002 0.000 0.002 0.02 0.02 0.02 0.02 0.01
mass% 0.2(1) 0.02(1 0.05(2 0.10(3 0.20(3
) ) ) )
注(1) 耐火粘土に適用する。
(2) 耐火粘土(1mass%以上のとき)に適用する。
(3) 長石に適用する。
7. 強熱減量の定量方法
7.1 定量方法 強熱減量の定量方法は,重量分析法による。
7.2 重量分析法
7.2.1 原理 試料を1 025℃で1時間強熱したときの減量を求める。
7.2.2 試料のはかり取り量 試料のはかり取り量は,1.00gとする。
7.2.3 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
a) 白金るつぼ(例えば,JIS H 6201に規定する30番)(1)をふたと共に1 025±25℃で30分間強熱し,デ
シケーター中で常温まで放冷した後,質量をはかる。
注(1) 磁器るつぼ(例えば,JIS R 1301に規定する1B形20ml)を用いてもよい。
b) 試料をふた付きるつぼに取り,質量をはかる。
c) ふたを半開にして,最初は低温で加熱し,次第に昇温して1 025±25℃とし,この温度で60分間強熱
する。ふたを全閉にしてデシケーター中で常温まで放冷した後,質量をはかる。

――――― [JIS M 8853 pdf 3] ―――――

7.2.4  計算 試料中の強熱減量は,次の式によって算出する。
(m1 m2 )
LOI 100
(m1 m0 )
ここに, LOI : 強熱減量 (mass%)
m0 : 7.2.3a)ではかった質量 (g)
m1 : 7.2.3b)ではかった質量 (g)
m2 : 7.2.3c)ではかった質量 (g)
8. 酸化けい素 (IV) の定量方法
8.1 定量方法の区分 酸化けい素 (IV) の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 凝集重量分析・吸光光度分析併用法
b) 脱水重量分析・吸光光度分析併用法
8.2 凝集重量分析・吸光光度分析併用法
8.2.1 原理 試料を炭酸ナトリウム及びほう酸で融解し,塩酸に溶解し,ポリエチレンオキシドを加えて
けい酸を凝集させた後,ろ別する。沈殿を強熱してはかり,ふっ化水素酸処理を行って酸化けい素 (IV) を
揮散させた後,再び強熱してはかり,その質量差から主酸化けい素 (IV) の量を求める。ろ液からモリブ
デン青吸光光度分析法によって溶存酸化けい素 (IV) の量を求め,両者の和から酸化けい素 (IV) の含有率
を算出する。
8.2.2 試薬 試薬は,次による。プラスチック瓶に保存する。
a) 塩酸 (1+1,1+4,1+50) IS K 8180に規定する塩酸と水を用いて調製する。
b) ふっ化水素酸 JIS K 8819に規定するふっ化水素酸を用いる。
c) ふっ化水素酸 (1+9) 8.2.2b) を用いて調製する。
d) 硫酸 (1+1,1+4) IS K 8951に規定する硫酸と水を用いて調製する。
e) ほう酸 JIS K 8863に規定するほう酸を用いる。
f) ほう酸溶液 (40g/L) 8.2.2e)を用いて調製する。
g) 炭酸ナトリウム JIS K 8625に規定する炭酸ナトリウムを用いる。
h) 七モリブデン酸六アンモニウム溶液 JIS K 8905に規定する七モリブデン酸六アンモニウム四水和物
20gを温水200mlに溶かし,必要ならばろ過する。保存中にモリブデン酸が析出したときは,新しく
調製する。
i) 酒石酸溶液 (100g/L) JIS K 8532に規定する酒石酸を用いて調製する。
j) (+)−アスコルビン酸溶液 (50g/L) IS K 9502に規定するL(+)−アスコルビン酸を用いて調製し,
冷暗所に保存する。調製後2週間を経過したものは使用しない。
k) ポリエチレンオキシド溶液 水200ml中にかき混ぜながらポリエチレンオキシド0.1gを少量ずつ加え
て溶かす。調製後2週間を経過したものは使用しない。
l) 標準けい酸塩溶液 (0.05mgSiO2/ml) けい酸塩標準液[JIS K 8001の4.3(標準液)(1)表5]の原液
(1mgSiO2/ml) を使用の都度,水で正しく20倍に薄める。
8.2.3 試料のはかり取り量 試料のはかり取り量は,0.50gとする。
8.2.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
a) 試料の融解 試料を白金皿(例えば,JIS H 6202に規定する75番)にはかり取り,炭酸ナトリウム
[8.2.2g) ] 2.0g及びほう酸 [8.2.2e) ] 0.3gを加えて混合する。最初は低温で加熱し(2),次第に昇温して1

――――― [JIS M 8853 pdf 4] ―――――

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M 8853 : 1998
000℃付近で1520分間(3)強熱して融解した後,時計皿で覆って放冷する。
注(2) 急激に加熱すると,ほう酸の脱水によって試料が飛散するおそれがある。
(3) 融解時間が長すぎると,融成物が塩酸に溶けにくくなる。
b) けい酸の凝集及びろ過 融成物に塩酸 (1+1) 20mlを加えて水浴上で加熱し,ガラス棒でかき混ぜて
溶解する。加熱を続けて析出したけい酸がゼリー状になったならば,時計皿を洗浄することなく取り
除き(4),放冷後,ポリエチレンオキシド溶液[8.2.2k) ]10mlを加えてかき混ぜ,約5分間放置する。JIS
P 3801に規定するろ紙(5種B)を用いて沈殿をろ過し,ろ液をビーカー (300ml) に受ける。熱塩酸 (1
+50) で数回,熱水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液は保存する。
注(4) 時計皿の洗浄は,ろ過の際にろ紙の上で行う。
c) 主酸化けい索 (IV) の定量 沈殿及びろ紙は,白金るつぼ(例えば,JIS H 6201に規定する30番)に
移し入れ,硫酸 (1+4) 5滴を加え,燃えないようにろ紙を灰化した後,1 125±25℃で30分間以上強
熱し,デシケーター中で常温まで放冷した後,質量をはかる。恒量となるまでこの操作を繰り返す。
強熱物を水で湿し,硫酸 (1+1) 3滴及びふっ化水素酸10mlを加え,砂浴上で加熱し,蒸発乾固する。
1 125±25℃で5分間強熱し,デシケーター中で常温まで放冷した後,質量をはかる。前後の質量差が
主酸化けい素 (IV) である。
d) 試料溶液 (A) の調製 るつぼ中の残分に炭酸ナトリウム[8.2.2g) ]1.0g及びほう酸[8.2.2e) ]0.3gを加え
て融解し,放冷後,水を加えて加熱して融成物を溶解し,b)のろ液及び洗液に加える。冷却後,溶液
を250mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液を試料溶液 (A) とし,溶存酸化
けい素 (IV) ,酸化アルミニウム,酸化鉄 (III) ,酸化チタン (IV) ,酸化マンガン (II) 及び酸化りん
(V) の定量に用いる。
e) 溶存酸化けい素 (IV) の定量(5) 試料溶液 (A) から正しく10mlをプラスチックビーカー (100ml) に
分取し,ふっ化水素酸 (1+9) 2mlを加えて10分間放置した後,ほう酸溶液 [8.2.2f) ] 50ml及び塩酸 (1
+4) 1mlを加え,水で約70mlに薄める。液温を25±5℃とし,七モリブデン酸六アンモニウム溶液
[8.2.2h) ] 2mlを加えて10分間放置する。酒石酸溶液 [8.2.2i) ] 5mlを加えてかき混ぜ,1分間後にL(+)-
アスコルビン酸溶液 [8.2.2j) ] 2mlを加えてかき混ぜる。溶液を100mlの全量フラスコに移し入れ,水
で標線まで薄め,30分間放置する。呈色液の一部を吸光光度分析装置の吸収セル (10mm) に取り,水
を対照液として波長650nm付近における吸光度を測定する。
注(5) 誘導結合プラズマ(以下,ICPという。)発光分光分析法を用いてもよい。このときは,試料溶
液 (A) から正しく10mlを100mlの全量フラスコに分取し,塩酸 (1+4) 5mlを加え,水で標線
まで薄める。この溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長
251.61nmにおける発光強度を測定する。
8.2.5 空試験 試料を用いないで8.2.4の操作を行う。ただし,融解操作は行わない。試料溶液 (A) に対
応する溶液を空試験液 (A) とする。
8.2.6 検量線の作成(6) 標準けい酸塩溶液 [8.2.2l) ] から正しく06ml[酸化けい素 (IV) として0
0.30mg]の各種液量を段階的に数個のプラスチックビーカー (100ml) に取り,それぞれに空試験液 (A) を
正しく10ml加え,8.2.4e)のふっ化水素酸 (1+9) 添加以降の操作を行い,得た吸光度と酸化けい素 (IV) の
量との関係線を作成し,原点を通るように平行移動して検量線とする。
注(6) 注(5)を適用する場合は,次による。
標準けい酸塩溶液から正しく08ml[酸化けい素 (IV) として00.40mg]の各種液量を段
階的に数個の100mlの全量フラスコに取り,それぞれに空試験液 (A) を正しく10ml及び塩酸

――――― [JIS M 8853 pdf 5] ―――――

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JIS M 8853:1998の国際規格 ICS 分類一覧

JIS M 8853:1998の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISH6201:1986
化学分析用白金るつぼ
JISH6202:1986
化学分析用白金皿
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK0115:2004
吸光光度分析通則
JISK0115:2020
吸光光度分析通則
JISK0116:2014
発光分光分析通則
JISK0121:2006
原子吸光分析通則
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8069:2019
アルミニウム(試薬)
JISK8085:2006
アンモニア水(試薬)
JISK8085:2021
アンモニア水(試薬)
JISK8102:2012
エタノール(95)(試薬)
JISK8155:2017
塩化バリウム二水和物(試薬)
JISK8180:2015
塩酸(試薬)
JISK8180:2021
塩酸(試薬)
JISK8223:2016
過塩素酸(試薬)
JISK8359:2006
酢酸アンモニウム(試薬)
JISK8532:2007
L(+)-酒石酸(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISK8548:2007
硝酸カリウム(試薬)
JISK8576:2019
水酸化ナトリウム(試薬)
JISK8625:2017
炭酸ナトリウム(試薬)
JISK8721:1995
p-ニトロフェノール(試薬)
JISK8789:1995
1,10-フェナントロリン一水和物(試薬)
JISK8819:2017
ふっ化水素酸(試薬)
JISK8847:2019
ヘキサメチレンテトラミン(試薬)
JISK8863:2007
ほう酸(試薬)
JISK8905:2019
モリブデン(VI)酸アンモニウム四水和物(試薬)
JISK8951:2006
硫酸(試薬)
JISK8987:2006
硫酸ナトリウム(試薬)
JISK9007:2008
りん酸二水素カリウム(試薬)
JISK9502:2020
L(+)-アスコルビン酸(試薬)
JISK9565:2019
ジアンチピリルメタン一水和物(試薬)
JISP3801:1995
ろ紙(化学分析用)
JISR1301:1987
化学分析用磁器るつぼ
JISR3503:1994
化学分析用ガラス器具
JISZ8401:2019
数値の丸め方
JISZ8402:1991
分析・試験の許容差通則
JISZ8801:1994
試験用ふるい