JIS K 9906:1995 規格概要
この規格 K9906は、高純度試薬として用いる水酸化ナトリウム溶液について規定。
JISK9906 規格全文情報
- 規格番号
- JIS K9906
- 規格名称
- 高純度試薬―水酸化ナトリウム溶液
- 規格名称英語訳
- Highly purified sodium hydroxide solution
- 制定年月日
- 1995年7月1日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 71.040.30
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 試薬 II 2020
- 改訂:履歴
- 1995-07-01 制定日, 2002-09-20 確認日, 2006-11-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS K 9906:1995 PDF [13]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
K 9906-1995
高純度試薬−水酸化ナトリウム溶液
Highly purified sodium hydroxide solution
NaOH FW : 40.00
1. 適用範囲 この規格は,高純度試薬として用いる水酸化ナトリウム溶液について規定する。
備考 この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. 共通事項 この規格に共通する事項は,JIS K 0050,JIS K 8001及びJIS K 8007による。
3. 品質 品質は,4.によって試験し,JIS K 8001の3.5(測定値)によって求める測定値が表1に適合し
なければならない。
表1 品質
項目 規格値
濃度 48.050.0%
塩化物 (Cl) 5ppm以下
りん酸塩 (PO4) 5ppm以下
けい酸塩(SiO2として) 0.001%以下
硫酸塩 (SO4) 5ppm以下
窒素化合物(Nとして) 5ppm以下
カリウム (K) 0.03%以下
マグネシウム (Mg) 0.5ppm以下
カルシウム (Ca) 0.5ppm以下
亜鉛 (Zn) 0.5ppm以下
アルミニウム (Al) 1ppm以下
鉛 (Pb) 0.5ppm以下
ひ素 (As) 0.1ppm以下
鉄 (Fe) 0.5ppm以下
ニッケル (Ni) 0.5ppm以下
炭酸ナトリウム 0.5%以下
(Na2CO3)
4. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。
4.1 濃度
(1) 要旨 試料に塩化バリウム溶液を加えて放置し,フェノールフタレイン溶液を指示薬として1mol/l塩
酸で滴定し,水酸化ナトリウムの濃度を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
――――― [JIS K 9906 pdf 1] ―――――
2
K 9906-1995
(a) 塩化バリウム溶液 (100g/l) IS K 8001の4.2(試薬溶液)に規定するもの。
(b) フェノールフタレイン溶液 JIS K 8001の4.4(指示薬)に規定するもの。
(c) 1mol/l塩酸 JIS K 8001の4.5(5.1)に規定するもの。
(3) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) 共通すり合わせ三角フラスコ JIS R 3503に規定する呼び容量200mlのもの。
(4) 操作 操作は,次のとおりとする。
(a) 共通すり合わせ三角フラスコに試料2gを0.1mgのけたまではかりとる。
(b) 二酸化炭素を含まない水50ml及び塩化バリウム溶液 (100g/l) 10mlを加え,直ちに栓をして約5分
間放置する。
(c) フェノールフタレイン溶液3滴を加え,1mol/l塩酸で滴定する(終点は,液が紅色から無色に変わ
る点。)(滴定後の溶液を用いて直ちに4.16の炭酸ナトリウムの試験を行う。)。
(5) 計算 濃度は,次の式によって算出する。
.0040 00a f
A= 100
S
ここに, A : 水酸化ナトリウム濃度 (%)
a : 1mol/l塩酸の滴定量 (ml)
f : 1mol/l塩酸のファクター
S : 試料の質量 (g)
0.040 00 : 1mol/l塩酸1mlの水酸化ナトリウムの相当量 (g)
4.2 塩化物 (Cl)
(1) 要旨 試料を硝酸で酸性とし,硝酸銀溶液を加えて生じる白濁を,塩化物標準液を同様に操作して生
じる塩化銀の白濁と比較して塩化物の含有率を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 硝酸銀溶液 (20g/l) IS K 8001の4.2に規定するもの。
(b) 硝酸 (1+1) IS K 9901に規定する高純度試薬−硝酸を用いて,JIS K 8001の4.1(希釈溶液)に
準じて調製するもの。
(c) 塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) IS K 8001の4.3(標準液)(1)(一般用)に規定するもの。
(3) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) 共通すり合わせ平底試験管 JIS K 8001の5.1(外観)(2)(液体試料の場合)(b)(操作)に規定す
るもの。
(4) 操作 操作は,次のとおりとする。
(a) 共通すり合わせ平底試験管に試料4gを0.1gのけたまではかりとり,硝酸 (1+1) 10mlを加えた後,
水を加えて25mlにする。
(b) 別に,4個の共通すり合わせ平底試験管にそれぞれ塩化物標準液 (0.01mg Cl/ml) 0,1.0,2.0及び3.0ml
をとり,硝酸 (1+1) 10mlを加えた後,水を加えて25mlにする。
(c) それぞれの溶液に硝酸銀溶液 (20g/l) 1mlを加えてよく振り混ぜ,約15分間暗所に放置した後,そ
の背後に黒い紙を置き,試料側の白濁を標準側の白濁と共通すり合わせ平底試験管の前面から目視
によって比較し,塩化物の質量 (mg) を求める。
(5) 計算 塩化物の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。
A
C= 1 000
S
――――― [JIS K 9906 pdf 2] ―――――
3
K 9906-1995
ここに, C : 塩化物の含有率 (ppm)
A : 比濁によって求めた塩化物の質量 (mg)
S : 試料の質量 (g)
4.3 りん酸塩 (PO4)
(1) 要旨 試料を塩酸で酸性とし,蒸発乾固した後,残分を水に溶かし,七モリブデン酸六アンモニウム
溶液及びL (+) −アスコルビン酸溶液を加え,生じるモリブデン青の吸光度を測定してりん酸塩の含
有率を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 塩酸 (2+1) IS K 8001の4.1に規定するもの。この場合,JIS K 9902に規定する高純度試薬−塩
酸を用いて調製する。
(b) 硫酸 (2+1) IS K 8951に規定する硫酸を用いて調製する。
(c) アスコルビン酸溶液 (72g/l) IS K 9502に規定するL (+) −アスコルビン酸7.2gを水に溶かして
100mlとする。溶液は010℃の暗所に保存し,着色した溶液は使用しない。
(d) 七モリブデン酸六アンモニウム溶液 JIS K 8905に規定する七モリブデン酸六アンモニウム四水和
物6gとJIS K 8533に規定するビス−[ (+) タルトラト]二アンチモン (III) 酸二カリウム三水和
物0.24gを水約300mlに溶かし,硫酸 (2+1) 120mlを加えた後,水を加えて500mlとする。
(e) モリブデン酸アンモニウム−アスコルビン酸混合溶液 (d)七モリブデン酸六アンモニウム溶液と
(c) アスコルビン酸溶液 (72g/l) を体積比5 : 1の割合になるように混合する。使用時に調製する。
(f) りん酸塩標準液 (0.01mgPO4/ml) IS K 8001の4.3(1)に規定するもの。
(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 分光光度計
(b) 吸収セル 光路長10mmのもの。
(4) 操作 操作は,次のとおりとする。
(a) ビーカー50mlに試料4.0gをはかりとり,水約10mlと塩酸 (2+1) 8mlを加えて水浴上で蒸発乾固す
る。
(b) 別に4個のビーカー50mlにそれぞれりん酸塩標準液 (0.01mg PO4/ml) 0,1.0,2.0及び3.0ml加え,
水約10mlと塩酸 (2+1) 8mlを加えて水浴上で蒸発乾固する。
(c) (a)及び(b)の蒸発残留物に水約20mlを加えて溶かし,少量の水を用いて全量フラスコ50mlにそれぞ
れ移し入れる。
(d) それぞれの溶液にモリブデン酸アンモニウム−アスコルビン酸混合溶液4mlを加え,水を標線まで
加えてよく振り混ぜた後,2030℃で約15分間放置する。
(e) それぞれの溶液の一部を吸収セルにとり,水を対照液として波長880nm付近の吸収極大の波長にお
ける吸光度を測定する。
(f) (e)で得た試料の吸光度から,りん酸塩標準液 (0.01mg PO4/ml) 0mlの溶液の吸光度を差し引き,試
料についての吸光度を求める。
(g) (e)で得たりん酸塩標準液 (0.01mg PO4/ml) 0,1.0,2.0及び3.0mlの溶液の吸光度からりん酸塩標準
液 (0.01mg PO4/ml) 0mlの溶液の吸光度を差し引き,りん酸塩の質量 (mg) と吸光度との関係線を作
成し,検量線とする。
(h) 検量線から試料のりん酸塩の質量 (mg) を求める。
(5) 計算 りん酸塩の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。
――――― [JIS K 9906 pdf 3] ―――――
4
K 9906-1995
A
C= 1000
S
ここに, C : りん酸塩の含有率 (ppm)
A : 検量線から求めたりん酸塩の質量 (mg)
S : 試料の質量 (g)
4.4 けい酸塩(SiO2として)
(1) 要旨 試料を塩酸で中和した後,希塩酸でpH56に調節し,七モリブデン酸六アンモニウム溶液,
酒石酸溶液及び亜硫酸ナトリウム溶液を加え,生じるモリブデン青の吸光度を測定してけい酸塩の含
有率を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 塩酸 (1+3) IS K 9902に規定する高純度試薬−塩酸を用いて,JIS K 8001の4.1に準じて調製す
る。
(b) 塩酸 (1+11) IS K 9902に規定する高純度試薬−塩酸を用いて,JIS K 8001の4.1に準じて調製す
る。
(c) 七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定量用) JIS K 8001の4.2に規定するもの。
(d) 亜硫酸ナトリウム溶液 (170g/l) IS K 8001の4.2に規定するもの。
(e) 酒石酸溶液 (100g/l) IS K 8001の4.2に規定するもの。
(f) けい酸塩標準液 (0.01mg SiO2/ml) IS K 8001の4.3(1)に規定するもの。
(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 分光光度計
(b) H計 JIS Z 8802に規定する形式IIのもの。
(c) 吸収セル 光路長10mmのもの。
(4) 操作 操作は,次のとおりとする。
(a) ポリエチレン製ビーカー50mlに試料4.0gを0.1gのけたまではかりとり,水約20mlを加えpH計を
用いて塩酸 (1+3) でpH8まで中和し,水を加えて約40mlにする。
(b) 別に,4個のポリエチレンビーカーそれぞれに,(a)の中和に要した量の塩酸 (1+3) を加えて,水
浴上で蒸発乾固し,けい酸塩標準液 (0.01mg SiO2/ml) 0,2.0,4.0及び6.0mlをとり,水を加えて約
40mlにする。
(c) (a)及び(b)の溶液をpH計を用いて塩酸 (1+11) でpH56に調節する。
(d) それぞれの溶液に,塩酸 (1+11) 2ml及び七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定量用)1ml
を加えてよく振り混ぜ,約10分間放置した後,酒石酸溶液 (100g/l) 2ml及び亜硫酸ナトリウム溶液
(170g/l) 5mlを加えた後,全量フラスコ50mlに移し入れ,水を標線まで加えて約30℃で約30分間
放置する。
(e) それぞれの溶液の一部を吸収セルにとり,水を対照液として波長820nm付近の吸収極大の波長にお
ける吸光度を測定する。
(f) (e)で得た試料の吸光度から,けい酸塩標準液 (0.01mg SiO2/ml) 0mlの溶液の吸光度を差し引いて試
料についての吸光度を求める。
(g) (e)で得たけい酸塩標準液 (0.01mg SiO2/ml) 2.0,4.0及び6.0mlの溶液の吸光度からけい酸塩標準液
(0.01mg SiO2/ml) 0mlの溶液の吸光度を差し引いた後,けい酸塩の質量 (mg) と吸光度との関係線を
作成し,検量線とする。
――――― [JIS K 9906 pdf 4] ―――――
5
K 9906-1995
(h) 検量線から試料中のけい酸塩の質量 (mg) を求める。
(5) 計算 けい酸塩の含有率 (%) は,次の式によって算出する。
A
C= 10 1
S
ここに, C : けい酸塩の含有率 (%)
A : 検量線から求めたけい酸塩の質量 (mg)
S : 試料の質量 (g)
4.5 硫酸塩 (SO4)
(1) 要旨 試料を塩酸で酸性とし,塩化バリウム溶液を加えて生じる白濁を,硫酸塩標準液を同様に操作
して生じる硫酸バリウムの白濁と比較して硫酸塩の含有率を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 塩酸 (2+1) 4.3(2)(a)による。
(b) 塩化バリウム溶液 (100g/l) IS K 8001の4.2に規定するもの。
(c) エタノール (95) IS K 8102に規定するもの。
(d) 硫酸塩標準液 (0.01mgSO4/ml) IS K 8001の4.3(1)に規定するもの。
(3) 器具 器具は,次のとおりとする。
(a) 共通すり合わせ平底試験管 JIS K 8001の5.1(2)(b)に規定するもの。
(4) 操作 操作は,次のとおりとする。
(a) ビーカー50mlに試料4gを0.1gのけたまではかりとり,塩酸 (2+1) 8mlを加えた後,水浴上で蒸発
乾固し,水20mlを用いて共通すり合わせ平底試験管に移し入れる。塩酸 (2+1) 0.3mlを加え,水
を加えて25mlにする。
(b) 別に,4個の共通すり合わせ平底試験管にそれぞれ硫酸塩標準液 (0.01mgSO4/ml) 0,1.0,2.0及び
3.0mlをとり,塩酸 (2+1) 0.3mlを加え,さらに水を加えて25mlにする。
(c) それぞれの溶液に,エタノール (95) 3ml及び塩化バリウム溶液 (100g/l) 2mlを加えてよく振り混ぜ,
約1時間放置する。その背後に黒い紙を置き,試料側の濁りと標準側の白濁を共通すり合わせ平底
試験管の前面から目視によって比較し,硫酸塩の質量 (mg) を求める。
(5) 計算 硫酸塩の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。
A
C= 1 000
S
ここに, C : 硫酸塩の含有率 (ppm)
A : 比濁によって求めた硫酸塩の質量 (mg)
S : 試料の質量 (g)
4.6 窒素化合物(Nとして)
(1) 要旨 試料にデバルダ合金を加えて窒素化合物をアンモニアに還元した後,蒸留し,留出液にナトリ
ウムフェノキシド溶液と次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えて生じるインドフェノール青の吸光度を測
定し,窒素化合物の含有率を求める。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 硫酸 (1+15) IS K 8951に規定する硫酸を用いて調製する。
(b) デバルダ合金 JIS K 8653に規定するもの。
(c) DTA2Na溶液(インドフェノール青法用) JIS K 8001の4.2に規定するもの。
(d) ナトリウムフェノキシド溶液 JIS K 8001の4.2に規定するもの。
――――― [JIS K 9906 pdf 5] ―――――
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JIS K 9906:1995の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 9906:1995の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8007:1992
- 高純度試薬試験方法通則
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8377:2014
- 酢酸ブチル(試薬)
- JISK8533:2012
- ビス[(+)-タルトラト]二アンチモン(III)酸二カリウム三水和物(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK8653:2018
- デバルダ合金(試薬)
- JISK8905:2019
- モリブデン(VI)酸アンモニウム四水和物(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK9502:2020
- L(+)-アスコルビン酸(試薬)
- JISK9901:1994
- 高純度試薬―硝酸
- JISK9902:1994
- 高純度試薬―塩酸
- JISK9903:1994
- 高純度試薬―アンモニア水
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISZ8802:2011
- pH測定方法